スキップしてメイン コンテンツに移動

トルコクーデター事件続報、事件後の空軍は粛清対象か


本当に今回のクーデターでは大統領は危機一髪だっととよくわかります。機転のきいた行動を取れたトルコ国民はすばらしいですね。それだけ統制が取れていないということなのかもしれませんが。空軍はこれでは粛清の嵐で当面戦力が低下したままでしょうね。

War Is BoringWe go to war so you don’t have to

A Turkish F-4. Photo via Wikipedia

Pilots Flying Old F-4 Fighters Were the Turkish President’s Most Loyal Aerial Defenders

But the aging planes couldn’t match the rebels’ F-16s

by DAVID AXE
7月15日夜、トルコ軍一部がエルドアン大統領に反旗を翻し蜂起し、あと一歩で大統領を殺害あるいは身柄拘束するところだった。
  1. 大統領に忠実な軍部隊は少数にとどまり、その一つがエスキシェヒルEskisehir第一主力ジェット戦闘機基地で、F-4Eファントム2020戦闘機がエルドアンの護衛に発進したのはクーデターが成功しそうと思われた暗い時間帯のことだった。.
  2. だが老朽化した戦闘機隊は反乱軍指揮下のF-16の敵ではなかった。
  3. クーデターの先棒を担いだのは空軍だった。数ヶ月前から計画していたのは明らかで反乱軍は国外追放中のモスレム宗教家フェトゥラ・ギュレンに感化されたといわれ、F-16を4機、KC-135給油機の4機、UH-60輸送ヘリコプター数機、AH-1攻撃ヘリ一機、AS532救難ヘリコプター2機、C-160とC-130輸送機6機、さらに新型A400輸送機の2機を確保していた。
  4. 7月15日午後10時、F-16の二機編隊が第四主力ジェット基地のあるアンカラ北方アキンチ Akinciを離陸し、反乱軍の航空管制官の指示でアンカラ上空を低空飛行しヘリコプターと合流すると政府官庁、警察施設、情報機関に銃撃を加え、報道では親大統領派数十名が死亡している。
A Turkish F-16. Photo via Wikipedia
  1. エルドアン大統領は地中海の保養地で休暇中だった。クーデター発生の内通を受け、ガルフストリームVIP仕様機でイスタンブールへ向かった。だが反乱軍が空港を制圧しているのを知る。ガルフストリームは空港周囲を旋回飛行すると、反乱軍F-16が向かってきて、大統領機を撃墜する動きを示す。
  2. あるいは反乱軍首謀者は大統領の殺害ではなく身柄を拘束して革命法廷に立たせるつもりだったのかもしれないクーデター司令部から大統領機をアンカラのアキンチ基地に着陸させろとの命令が出ていた....エルドアンを生け捕りにするねらいがあった」と中東の軍事航空に詳しいババク・タグヴァイーが War Is Boring に解説している
  3. ビナリ・ユルドゥルム首相が空軍に大統領警護を求めたといわれる。だが空軍の主要基地は大部分が求めに応じていない。第三主力ジェット基地は南部のコニアにあり、F-16を発進させ大統領を「エスコート」することに合意したものの、反乱軍機の撃墜は拒否した。
  4. エルドアンの側につくのは第一主力ジェット基地だけだった。だがタグヴァイーによれば同基地配備の機材は改修を受けたと言ってもヴィエトナム戦時代のF-4が50機ほどあるが、新型空対空ミサイルがなく、反乱軍機撃墜は不可能だったという。
  5. 一方、エルドアン大統領機のパイロットはトランスポンダー信号を切り替えターキッシュエアラインズ定期便に見せかけ、機体外部の照明を切ったことで大統領の命を救った。
  6. 大統領派部隊がイスタンブール空港を奪取するとガルフストリームは安全に着陸した。その後CNNを通じて大統領は乗機の防御策は明言しなかったが、反乱軍F-16が低空で超音速飛行していたと述べている。
  7. エルドアンは支持者に蜂起を呼びかけた。市民数千名が街頭へ出て反乱軍を圧倒した。第一主力ジェット基地のF-4編隊がやっと飛来した。反乱軍のF-16を撃墜する代わりにアキンチ基地の滑走路を爆撃し、反乱軍の主力航空勢力を足止めにした。
  8. クーデーターは7月16日に終結した。死亡300名近く、うち100名が反乱勢力だった。生き延びたエルドアン大統領は軍にクーデター支持の疑いのある7,000名の逮捕を命じうち数百名が高官だった。
  9. タグヴァイーのF-4についての見解には異論があり、軍事方面を専門とするトルコ記者アルダ・メヴルトグルはWar Is Boringに以下述べている。「F-4関連の話は真実ではありません。軍の大半は共和国体制に忠実で、声rがクーデター失敗の原因です」
  10. もしタグヴァイーが正しければ、クーデター後の粛清で精鋭部隊と基地司令部が排除され、旧型F-4と大統領に忠実度を示した乗員が空軍の中核となるだろう、一時的にせよ。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ