読者の皆様はすでにお気づきと思いますが、米空軍海軍ともに次世代の戦闘機構想作りを始めており、(空軍はF-22再生産という足かせが発生しない限り) 各軍とも新型機材導入の予算確保のためF-35の大量導入は見直しになる可能性があります。購入機数が削減されればメーカー側はさらに機体単価を引き上げ、量産効果があるとはいっても今後の上昇は避けられないと見ます。そのしわよせが海外各国に向かいますが、各国とも調達規模を縮小することで対応するでしょう。そうなると近未来の西側各国の空軍兵力は縮小に向かうのではないでしょうか。ロシア、中国が旧式を大半としつつ大量の機材を運用する中で西側各国は今後数十年不自由な運用を迫られてしまいます。これがF-35がもたらすネガティブな影響と見ますがいかがでしょうか。
Denmark F-35 Buy Goes Official
(Photo: Lockheed Martin)
WASHINGTON — デンマークはF-16後継機にF-35A共用打撃戦闘機の導入を正式に決定した。27機を調達する。
- これで遅れていた同国の戦闘機更新が前に進む。経済不況でデンマークは決定を先送りしていた。ただし当初の48機から調達規模は縮小している。
- 決定は予測通りとなった。5月にF-35Aの27機調達を総額200億デンマーク・クローネ(30億ドル)で進める提言が出ていた。だが競合他社は価格問題でF-35導入がとん挫すると期待していた。
- この結果、ロッキード・マーティンはユーロファイター・タイフーンおよびボーイングF/A-18スーパーホーネットに競り勝ったことになる。なお、デンマークはF-35事業の産業基盤パートナーになっている。
- デンマーク政府がF-35選択に傾いたと見るや、ボーイングは即座に同機の単価、維持費用を低く見積もっていると非難した。このためデンマーク議会が再度検討を始めたが決定を覆すことにつながらなかった。
- かねてからアナリストはデンマークがF-35選択に落ち着くと見る向きがあり、その理由に同国が産業協力で参画していることを挙げていた。
- デンマーク最大の防衛産業企業テルマTermaは複合材の機体構成部品をレーダー電子部品を各国向けF-35に製造している。
- 同社社長兼CEOのJens Maaløeは今回の選定結果に満足しているとの声明文を発表した。
- 「当社は同機事業と並行して成長しており、今回の結果に大きく喜び、産業協力が新段階に進むと見ております。一つ確かなのは協力が新分野に進み、F-35で『最良の価値』が実現することです」「国際間の軍用機事業で供給業者となるためには全力で献身的に取り組むことが必要ですが、すでにこの方向に進んで10年となり、今後も精進していく所存です」
- ロッキードの広報担当マイケル・レインも声明文を発表し同社は「デンマーク政府の信頼と信用を得たことを名誉に感じ、同国政府がF-35ライトニングII導入を承認したことをうれしく思います」
- レインは同時に同社が「デンマーク産業界とともにF-35生産と維持に努力します。F-35がもたらす長期経済効果はデンマークに今後数十年にわたり恩恵をもたらすでしょう」とも発表。
- F-35開発を統括するクリス・ボグデン米空軍中将も歓迎する声明文を発表した。
- 「共同開発室は導入可能な価格で信頼性のあり、維持管理が可能な次世代戦闘機を同盟各国並びに米軍各軍へ導入することが使命としている。同機は将来の共同作戦の要であり、デンマークの国家安全保障上の要求を満足させ得る機材である」
- デンマークの決定でF-35は海外同盟各国の導入選定で不動の立場になった。ただし、カナダのジャスティン・トリュドー首相が前政権による導入決定を覆すと公言しているため雲行きは怪しくなっている。
- トリュドー首相は今週もF-35について「期待通り機能しない機体」と非難し、カナダ政府は暫定的にF/A-18の導入に向かっているようだ。■
結局、政治家たちの政争の具になってるだけですね。
返信削除旧式機なんて多数あったところで七面鳥にしかならない
返信削除また、F35よりずっと強大な航空機が開発できると言うのならそれは良い事だ
どっちに転んでも悪くはない
ただし、そんな噂で動揺して開発費を無駄にするタイプは、結局他の選択肢でも同じ事をやって結果的にいつまでも旧式機で戦うはめになる(まさに今の米軍がそうだ)これ以上外部の雑音に付き合ってはいけない。
まずはF35を完成させて揃える事を最優先にすべきだ