スキップしてメイン コンテンツに移動

6月22日ムスダンミサイル試射の一次評価 北朝鮮の技術進展ぶりは要注意


今回のミサイル発射でも日本は早々に警戒態勢を取り、情報を入手していたことを示していますが、韓国との事前情報交換はあったのでしょうかね。

 N. Korea fires 2 missiles in quick succession; one flies 620 miles high

Stars and Stripes
Published: June 21, 2016

SEOUL, South Korea – 北朝鮮が22日に発射した弾道ミサイルの一発は高度620マイルに到達し、太平洋の米軍基地を狙える兵器開発を目指す同国には大きな一歩となった。
  1. 中距離ミサイルのムスダンは2か月で5回の発射に失敗していたが今回は技術面で大きな進歩を示した。22日も初回発射が失敗に終わり、発射後およそ93マイル地点で空中分解したと韓国聯合ニュースが匿名軍事筋から伝えている。
  2. 米、日、韓およびNATOがミサイル発射を強く非難した一方、北朝鮮の同盟国である中国は自制を求めた。
  3. 韓国統合参謀本部は一回目は午前5時58分で元山ロケット施設からの発射に失敗したが、二回目は8:05に発射され250マイル飛翔したと述べている。
  4. ただし同本部は詳細情報やテスト結果の判定は今後の分析を待つとし発表していない。
  5. 日本の防衛省はレーダー解析により二回目の発射で高度は少なくとも620マイルに達したと述べたのをAPが伝えている。韓国はまだ確認していない。
  6. ミドルベリー国際研究所(カリフォーニア)のジェフリー・ルイスによれば今回の高度は十分な高さに達しており、ミサイルは通常の軌跡で発射されれば射程距離は最大になっていたはずと語る。
  7. 「その通りなら北朝鮮は推進系のテストに成功したことになる」とルイスは電子メールで伝えてきた。「北朝鮮のロケット技術陣はムスダンの能力を実証するべく相当の圧力を受けている」
  8. 今回のミサイル試射は北朝鮮が核開発の野望を捨てず緊張が高まる中で実行された。国際社会は1月の第四回核実験後に厳しい国連制裁を実施している。
  9. 米戦略軍は各種システムで発射を探知し二回の発射を探知し日本海に落下したのを確認したと発表している。
  10. またミサイル発射は国連安全保障理事会決議の違反で、北朝鮮は弾道ミサイル技術の使用は禁じられているとも発表。「北朝鮮に挑発行為を自粛し、緊張をこれ以上高めないよう求める。逆に国際社会への責務義務を果たすよう求める」
  11. 韓国大統領朴槿恵は「完全な孤立を招き、自滅への一歩となる」と警告し、「無謀な挑発行為だ」と北朝鮮政府を非難した。
  12. 中国外務省報道官華春瑩は「関係各国」がこれ以上の緊張発生につながるエスカレーションをしないよう求め「朝鮮半島の状況は極めて複雑かつ敏感だ」と述べたと聯合ニュースが伝えている。
  13. ムスダンは中距離弾道ミサイルで日本本土や米領グアム島に到達する能力があると見られる。2010年の平壌軍事パレードで初公開されたが、今年4月、5月末のテスト三回まで一発も発射されておらず発射したものの失敗に終わっていた。だが北朝鮮は失敗から学び、技術を進展させているようだ。
  14. 北朝鮮指導者金正恩は1月の第四回実験の後で核兵器開発を進めていくと公言しており、同時に韓国に軍事協議を申し出たが、韓国は核開発を断念しない北朝鮮には誠意がないと一蹴している。
  15. 米国の科学国際安全保障研究所の試算では北朝鮮は核爆弾21発を備蓄している可能性があるという。だが弾頭運搬用ミサイルを開発しないと北朝鮮は米本土攻撃の公約が実現できない。
  16. 北朝鮮と韓国は1953年に休戦協定に合意したが技術的には交戦状態にある。28千名の米軍部隊が韓国に駐留中だ。■

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ