面子がすべての中国人の価値観ですから中国の言う通りに動かない各国にはイライラしていることでしょう。いまだに一般中国国民が査証なしで旅行できるのが聞いたことのないような数か国しかない中で大幅に査証条件を緩和する日本の動きはいかがなものでしょうか。逆切れした中国がロシアと悪の枢軸になる可能性が高まっていることには注意が必要ですね。
China Seeks Global Support for South China Sea Policies
Associated Press | May 06, 2016 | by Christopher Bodeen
BEIJING -- 友邦国を巻き込んで南シナ海から米国と同盟国を排除しようとした中国外交だが、強力な経済力と裏腹に限界を露呈している。
- 北京の大きな支えはロシア外相セルゲイ・ラヴロフが同地に領土がない各国は口をはさむべきでないと先月発言したことだ。
- その後ブルネイ、ラオス、カンボジアから相次ぎ中国を支持する表明が出たことをシンガポール外交官オン・ケン・ヨンが強く批判している。ヨンは中国がアセアンを分断すると指摘。中国はカンボジアと合意形成したと発表したが、カンボジア政府は否定している。
- それでも「国際社会は中国の主張を理解し南シナ海問題、国際仲裁裁判所の双方で中国政府を支持している」と中国外務省国境海洋局長欧阳玉靖Ouyang Yujingが6日報道陣に話している。
- 欧陽局長は中国の南シナ海領有主張に対抗するフィリピンが国連仲裁裁判所に2013年に審理を求めたことを言及した。中国は法的作業に一切参加せず、裁定結果に従わないと公言している。裁定はあと数週間で出るとみられる。
- この中国の動きについて米海軍兵学校で中国政治を専門とするYu Maochunは南シナ海問題で国際社会からの孤立を避けても「わずかな自己満足」が得られるだけだと指摘した。
- その意味でロシアの支持は大きな意味があり、反米、反西側世界の共同戦線になるとYuは言う。「世界にとって大きな危険になるのは大国同士が手を繋ぎ、米国が率いる民主国家に対抗することです」
- 世界第二位の経済規模の中国が支持を得たのが数か国だけで、しかも民主政治体制ではなく経済的に自立できない国ばかりというのは中国外交の影響力が拡大していないことの証とジョナサン・ホルスタッグ教授(国際政治学、ブリュッセル自由大学)は見る。「あれだけ巨額の財政援助を行いながら支持表明が数か国だけというのは驚くべきことだ。中国の経済外交の限界を示している」
- 中国は域外国は中立を守れと繰り返し求めてきたが、逆に中国支持であれば域外国でも歓迎し、これは矛盾しないというのは中国社会科学院の研究員で南シナ海問題で最上級政府顧問を務めるLi Guonquiangだ。
- ロシア他は「政治上の立場を表明しているだけで、南シナ海問題に権益を有さない。逆に行動まで起こしている国がある」とLiは北京で語っている。
- 環礁、島しょ含む南シナ海全域を実質上自国のものとする主張へ風当たりが強くなって中国は国際的な支持を必要としている。
- 米国は艦船航空機の派遣で圧力をかけており、サンゴ礁上に造成した島しょは中国領土であり諸権利を有するとする中国の主張は認められないと強調している。
- 米国は日本含む同盟国ともに中国が滑走路や軍事施設を構築して緊張が高まっているとし、戦略的に重要な水路、豊富な漁業資源、石油ガス埋蔵が有望視される資源とともに国際交易が年間5兆ドル規模になっている南シナ海の重要性を指摘する。
- 対する中国は平和と安定を海軍力で乱しているのは米国と非難。6日に改めて中国の主権を再確認しフィリピンの提訴には根拠がないとし、裁定内容は「受理せず、関与せず、認めない」と明言した。「フィリピンが持ち込んだ本件は法の衣をかぶった政治茶番以外の何物でもない」と欧陽局長は報道陣に語った。
- スカーボロ環礁で中国が埋立て工事を開始すれば緊張はさらに高まる。同環礁はフィリピン本土のルソン島から近く、2012年から中国艦船が実力占拠している。
- 中国国防省は予定はないとするが、同環礁は中国に帰属し開発の権利があるとの主張を繰り返した。
- 欧陽局長に今後の開発予定の有無で質問が出たが、局長は従来の政府の立場を繰り返し、埋立て工事は昨年6月末ですべて完了していると述べた。
- 「これ以上言わなくても意味はわかるはず」と局長は簡単に述べている。■
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