なるほど米軍向け生産がこれ以上伸びる要素がないので海外販路に期待するわけですか。真っ先に手を挙げた陸上自衛隊はいいお客さんなのですね。今後さらに購入機数を増やしてほしいとの声がでてくるのでしょうね。
Tiltrotor Touters Hope First Sea Lord Is Easy Prey
CMV-22オスプレイCOD機の想像図 ベル=ボーイング
米軍各部隊からのV-22オスプレイ発注が今後は減ることから同機製造元は海外販売に活路を見つけようと海軍連盟主催の海空宇宙展(5月16日-18日、メリーランド州ナショナルハーバー)で各国の軍関係者に働きかけようとしている。その中で英海軍で第一海軍卿に就任したばかりのサー・フィリップ・ジョーンズ大将に照準を合わせる
- V-22の生産を平等に分担するベルヘリコプターとボーイングはV-22胴体部分を展示会に持ち込む。当然サーフィリップに見てもらい、英海軍にはCMV-22B(米海軍が空母輸送機として採用決定)が必要と訴える構えだ。
- 米海軍は151.3百万ドルで購入予定のオスプレイ44機の技術変更契約を3月末日にベル=ボーイングに交付した。老朽化してきたC-2Aグレイハウンドに代わりCOD任務に投入するCMV-22Bは貨物または人員を6,000 lbs. まで搭載し、空中給油なしで1,150カイリ飛行し空母打撃群の太平洋運用を支援する。このため燃料タンクは海兵隊向けMV-22Bや空軍のCV-22Bより大型化する必要がある。またCODミッションでは民間空港の利用や民間空域の移動も想定し、海軍は高周波水平線越え無線交信機能も必要と考えている。また機内通報装置も機内の搭乗者用に必要だ。
- 海軍がV-22を採用する大きな理由がF-35共用打撃戦闘機のエンジン輸送だ。もう一つが海兵隊がテスト中のV-22を空中給油に使う構想。海兵隊はF-35Bへ空中給油を想定しており、英海軍はF-35Bを138機調達する予定でもあり、COD機体も新型クイーンエリザベス級空母二隻の運用に合わせ必要となるはずだ。
- 「V-22の英国導入はかねてから検討されており、とくに空母建造と関連しています」とニック・チャイルズ(ロンドン国際戦略研究所で主任海軍専門家)は述べる。「V-22は空母輸送機能あるいは英国式の呼び方では戦域内輸送機能により英海軍の空母打撃部隊の戦力を大幅に引き上げ、回転翼機に代わる存在です。さらに空中給油任務に投入すれば英空母搭載のF-35Bの飛行距離を大幅に伸ばすことができます」
- 二隻建造する空母のうち一隻は英海兵隊のコマンド第三旅団も搭載し揚陸作戦を実施する。米海兵隊幹部は英国がV-22導入に踏み切れば生産増となり、海兵隊の運用コストが下がる効果とともに施設を共同利用できると期待する。そのため海兵隊所属のオスプレイをHMSクイーンエリザベスで運用できないか検討中だ。同空母は2018年に米東海岸沖で海上公試を行う。実現すればMV-22Bはクイーンエリザベスから運用して揚陸演習に投入する。また海兵隊のF-35Bも同艦に搭載し、英国向けF-35Bの導入に先駆け乗員の同機取り扱い習熟に役立てる。同時にMV-22Bで艦から陸上への輸送任務も演習中に行う案もあり検討中だ。
- だが費用が英国には問題だ。「海軍内部でV-22導入支持の声は大きい」とチャイルズは指摘する。「ただし、値段が高いとの懸念があるのも事実で、予算は相変わらず厳しく、V-22を導入すればただでさえ空母建造が予算を食いつぶしているとの声が高い中でさらに批判を呼ぶ。解決策はV-22の役割をもっと広くとらえ、特殊部隊など各種用途にも使える機材として各軍で使えると正当化するのでしょう」■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。