続報です。今回の事件は相当深刻なようです。容疑者が台湾と中国を二股賭けたのか、台湾が独自に動いたのか、中国が台湾を偽って二重の情報受け取りをしたのか、今後の捜査で明らかになるでしょうが、軍事法廷自体は非公開ですから事実の全体像が明らかになる可能性は低いでしょうね。
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U.S. Official: Lt. Cmdr. Edward Lin Accused of Passing Secrets to Taiwan in Addition to China
By: Sam LaGrone
April 11, 2016 4:41 PM • Updated: April 11, 2016 6:55 PM
中華人民共和国への機密情報の漏えい容疑で身柄拘束中の米海軍航空士官は台湾へも情報提供した疑いがあると内部事情に詳しい筋がUSNI Newsに11日明かした。
- エドワード・チー・リアン・リン少佐は中台両国向けにスパイ活動をした疑いがあると同上筋は述べている。
- 海軍による発表内容は訴追事実が中心だが、リン少佐が機密情報を持参して未承認のままある国に旅行し、帰国後上司に虚偽報告をしたのがうかがえる。スパイ活動による訴追の他に売春婦を囲ったことと淫行もあり、ともに軍事法に違反している。
- 「こういった事案では全体像がぼやかさられるのが通例だ」と引退した国防関係者がUSNI Newsに11日説明してくれた。「だが今回のように両国に情報を提供した人物は異例だ」
- 捜査に詳しい筋から本人はこれで八か月にわたり審判前の身柄拘束を受けているとUSNI Newsは理解している。
- リン少佐の事例が明らかになったのは先週金曜日のことで統一軍事法典第三十二条による予備審問がきっかけだが、ここ数十年で初めて海軍士官が意図的に機密情報を外国政府に手渡したことになる。台湾で生まれ米国に帰化した少佐は電子情報収集の専門家でEP-3EエリーズII偵察機に搭乗していたほか、水兵時代に原子力推進機関の取り扱い訓練も受けている。
- 台湾は米国との関係が密接だがこれまでも米関係者が機密情報を台湾あるいは中国の工作員に手渡した事例は多く、特に中国のスパイは台湾を偽って接近することがある。
- 「台湾はイスラエルと似ている。米国と関係は安全保障など深いが、それでもこちらの情報を集めようとしている」と指摘してくれたのはランディ・シュライヴァー(元海軍士官、現アーミテッジインターナショナル)だ。
- 2005年には国務省勤務のドナルド・ケイサーが台湾情報機関員と性的関係を持ち無許可で機密情報を持ち出したがFBIへ虚偽報告をして有罪判決を受けている。
- 2009年には退役米空軍中佐のジェイムズ・ウィルバー・フォンドレンJr.が台湾出身の帰化米国市民に機密情報を含む内容の書簡を四年にわたり送り続け中国情報機関に流出させて実刑判決を受けている。フォンドレンは中国を訪問しており、現地で中国関係者と会っていた。
- 上記の引退した米国防関係者はUSNI Newsに台湾がリン少佐を機密情報入手に活用してきたのなら米台関係にひびが入る可能性があると指摘している。「通常は発覚を恐れ目立たないように情報収集するのですが」という。
- リン少佐が統一軍事法典第三十二条に基づく予備審問を受けたのは先週金曜日で、審判の行方は米艦隊司令官フィル・デイヴィッドソン大将が軍事法廷審議に図るかの判断で左右される。■
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