これも中国の無茶な動きが招いた事態でしょう。フィリピンの軍事力は実質上これから整備すべき内容ですから、少数とはいえ、実践能力の高い米軍機材が駐留するのは大変心強いことでしょう。ではクラーク、スービック両基地からの撤退を求めた90年代初頭の感情的な国内世論はなんだったのか。日本にとっても他山の石とすべき事例ですね。
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Carter Hails 'Ironclad' Relationship With the Philippines
By Lisa Ferdinando DoD News, Defense Media Activity
WASHINGTON, April 15, 2016 — 米国はフィリピンとの「鉄壁の」関係を段階を追って強化していく、とアシュ・カーター国防長官がマニラで述べた。
- その段階として高度防衛協力合意(EDCA)とともに米海洋安全保障構想の始動があるとカーター長官はフィリピン国防長官ヴォルテール・ガズミンとの会談で明らかにした。
- アジア太平洋で変化しつつある状況に中国の南シナ海での活動があると長官は指摘し、域内各国の緊張と憂慮のまととなっている。
- 米比同盟関係は成熟度を上げつつ、危機の度に真価を試され、両国は価値観と権益を共有し犠牲も払ってきたと長官は発言。
- カーター長官のフィリピン公式訪問では米国によるアジア太平洋への再バランスが焦点になった。前日には大統領ベニグノ・アキノ三世とマラカニアン宮殿で会談した。
- 米国はフィリピンと共同軍事演習を先月から展開中で、南シナ海でのパトロールではフィリピン海軍との共同作戦実施体制が整備されつつあり、引き続き同海上での安全の確保に貢献していくと長官は発言している。
- パトロール活動に加え、米比で合意した高度防衛協力協定EDCAの一部として共同演習の終了後も米空軍は機材人員をフィリピンへローテーション配備することになった。これをカーター長官は演習の閉幕式で発表した。
- 米軍部隊はフィリピン政府が招へいする形で、今後も軍事演習に参加し、フィリピン国軍の近代化を支援する。「ローテーション配備で両国部隊の共同作戦体制が強化され、人災天災問わず危機事態発生の際も迅速に対応できる」と長官は述べている。
- カーター長官からは第一陣としてA-10サンダーボルトIIを10機、HH-60Gぺイヴホークヘリコプター3機、MC-130Hコンバットタロン1機を配備するとの発表があった。
- 長官は空軍要員200名が駐留し、南シナ海含む航空作戦を展開し、共同航空哨戒の基礎を作り、海洋の哨戒活動を補完すると述べた。
- さらに米軍部隊の指揮命令機能が後方に準備されるとカーター長官は述べ米比共同での指揮命令司令部機能や支援機能が強化されると述べた。
- 「各段階を通じ両国の同盟関係はさらに強化される。米国のフィリピン防衛への姿勢に変更がないことを示し、平和と安定がこの地域の各国の発展と繁栄をもたらした背景であることを堅持する」
- 国防総省は五年間で425百万ドルを投じフィリピンはじめ各国の情報共有能力の向上、脅威の探知能力とともに海上防衛を共同で実施する能力を引き上げていく。■
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