スキップしてメイン コンテンツに移動

米海軍の航行の自由作戦を非難する中国の自己矛盾



一方で国際法を順守し、他方で国際法と異なる解釈を堂々と主張する中国の論理構造はどうなっているのでしょうか。中国は既成事実を積み上げれば自分の勝ちと考えているのでしょうか。習金平主席の提唱する中国の夢が中華思想そのもので全部中国のものと勘違いしているとすれば大変な代償が待っているのに認識していないのでしょうか。しかし無害通航では相手国の領海であることを認めてしまうのですが。

China Upset Over ‘Unprofessional’ U.S. South China Sea Freedom of Navigation Operation

By: Sam LaGrone
January 31, 2016 11:48 AMUpdated: February 1, 2016 10:52 AM

USS Curtis Wilbur (DDG-54) in 2012. US Navy Photo
USS Curtis Wilbur (DDG-54) in 2012. US Navy Photo

中国から米海軍による1月末の航行の自由作戦を非難する声明が複数出ている。パラセル諸島のうちトライトン島を実効支配する中国の眼前で米誘導ミサイル駆逐艦が12カイリ以内を通航したためだ。
  1. USSカーティス・ウィルバー(DDG-54) が通過直後に中国国営通信は外務省と国防省の声明を伝えている。.
  2. ウィルバーによるFON作戦は「大人げなく無責任....米国の行為は中国法に違反し、平和、安全保障と秩序を乱した」と国防省報道官楊宇軍Yang Yujunは1月30日に発言している。”
  3. 「これまで米側から艦船航空機の安全通行を保障する方策の提案があったが、繰り返し中国の領海領空に自国艦船・航空機を送り込み、中国の抗議を無視し、両国の海軍空軍部隊の一触即発状況を招いているのは米国だ」
  4. 外務省報道官華春瑩Hua Chunying は声明文で「米軍艦は中国法に違反し、中国領海に許可なく侵入した。中国は同艦を終始監視し音声により警告を発した」としている。
  5. ペンタゴンからはUSNI Newsに1月30日にウェルバーがトライトン島付近を通過したのは無害通航であると伝えてきた。海洋法では軍艦は他国領海内を「領有国の秩序安全を乱さない限りにおいて」通航することが国連海洋法条約第19条で認められている。.
  6. 中国の両報道官とも1992年制定の中国国内法を根拠としており、外国艦船はいかなるばあでも事前許可なく中国領海に侵入することはできないとしている。両名は中国が1996年に該当島嶼部分に基準線を引いており、これで該当部分は中国領土になっていると説明。
  7. 「米側はこの事実を認識しているにもかかわらず中国領海に軍艦を送り込んできた。これは意図的な挑発行為そのものだ」(国防省Yang)
  8. 米側は中国に無害通航に関し事前通告を求める権利はあるとは認めず、中国が領有の根拠とする基準線も認めていない。
  9. 30日にはベトナム外務省報道官 Le Hai Binh がベトナム(パラセル諸島に一部領有権が重複している)は自国領海での無害通航権の行使を認めると発表。
  10. 中国は同様の無害通航を米領土のアリューシャン列島で昨年9月に行っており、米北方軍司令部は「国際法に従っていた」と発表していた。
  11. 米国の航行の自由作戦は1979年に始まっており、米国から見て過剰な領有宣言や国際法に違反する主張に対応するもの。昨年10月にはUSSラッセン(DDG-84)がスプラトリー諸島のスビ環礁上で中国が建設した人工島付近を航行するFON 作戦を実施している。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ