今度はレーダーですか。中国はなんとしても既成事実をどこまで積み上げるつもりなのでしょうか。ここまで事態が進展していることはオバマ政権の不作為として大統領選挙戦にも悪い影響がでないのかどうか。最も米国民にとっては南シナ海は遠い存在で争点は国内経済や格差問題なのかもしれませんね
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
New Possible Chinese Radar Installation on South China Sea Artificial Island Could Put U.S., Allied Stealth Aircraft at Risk
By: Sam LaGrone
February 22, 2016 3:19 PM • Updated: February 22, 2016 6:56 PM
2016年1月24日撮影のクアテロン礁の衛星画像では高周波レーダーアレイらしき設備が確認できる。 CSIS Asian Maritime Transparency Initiative, DigitalGlobe Image used with permission.
中国が南シナ海にレーダーを展開し米国や同盟側のステルス機に探知リスクが出てきた。米国が冷戦時にロシア爆撃機を探知しようとしたのと類似した状況だ。
- 1月末の衛星画像が戦略国際研究所がDigitalGlobeと共同で公開され、高周波レーダーがクアテロン礁に設置されているのが判明した。同礁はフィリピンに近い。
- 画像では高さ65フィートの柱数本が埋立て造成地に視認され、形状はHFレーダーに酷似していると戦略国際研究所の Asian Maritime Transparency Initiative でグレッグ・ポーリングがUSNI Newsに2月22日語っている。「20メートルの柱数本が配置されている。これが高周波レーダーでなければ他にどんな可能性があるでしょうか」
- 画像では稼働中か不明で、国防総省に22日照会したが回答はまだない。なお本件はワシントンポスト紙が同日に最初に報道した。
A Jan. 24, 2016 ima of Cuarteron Reef in the South China Sea with what is likely a high frequency radar array. CSIS, DigitalGlobe Image used with permission.
- 戦略予算評価センター(CSBA)の海軍関係アナリスト、ブライアン・クラークに言わせると同島の高周波レーダーは海上取締まり用途かもしれず、米国が同様の装備をメキシコ湾やカリブ海で運用しているという。だがクアテロン島のHFレーダーには軍事用途が二次的に想定され、ステルス機の探知が可能ではと見ている。
- 米ロ両国の類似レーダーでは水上目標を80マイルから200マイルの範囲で探知可能だが、中国レーダーがステルス機の探知が可能かは不明とクラークは言う。
- 「海上・空中ともに監視できるおあつらえの装備だ」とクラークは言う。「両方の機能があるところがいい。従来型の早期警戒レーダーの周波数で探知不可能だったステルス機も発見可能だ」
- 中国はすでに本土沿岸に類似型レーダーを設置しており、ステルス機の探知に投入している。
A Jan. 24, 2016 image of Cuarteron Reef in the South China Sea with what is likely a high frequency radar array. CSIS, DigitalGlobe Image used with permission.
- クアテロンの高周波レーダーがデータリンクで探知結果を中国本土に送れば高性能レーダーは探知範囲を狭めて効率よく捜索できる。そのデータは対空ミサイル陣地に与えればよい。
- レーダー設備の導入は「該当地域にステルス機が運航されていることの証拠だろう」とクラークは見る。
- 米ステルス機各型はレーダー高周波数で最大のステルス性能を発揮する設定になっている。
- 高周波レーダーはステルス機が探知範囲に入れば判別できるが、兵器の照準ロックをするだけの正確性はない。しかし、USNI Newsが2014年に報じたようにロシア、中国はともに低バンドレーダーを改良しHF早期警戒システムと併用してステルス機探知に成功している。迎撃戦闘機に敵の大まかな位置を伝えることが可能だ。
- 米国も同様の構想でロシア爆撃機を探知する遠隔地早期警戒(DEW)ラインを1950年代末に設置している。
- クラークはクアテロン島のHFレーダーはこのDEWラインと同じ発想だという。「早期警戒レーダーの有効範囲を延長している」
- 設置場所がフィリピンに近い点を考えると、クアテロンのHFレーダーはフィリピンでの米軍機の活動を監視する目的もあ るが、すべて民生法執行活動の範囲内と中国は主張するのではと見クラークは見る。「漁業取締まり用だとか国境監視用と中国は説明するでしょう」
- 中国政府は繰り返し同島の設備は昨年完成した灯台とともに「公共の福祉と国際社会への貢献」が目的だと説明している。
- これと別に先週発表の衛星画像ではパラセル諸島のウッディ島に移動式対空ミサイル30基以上が配備されているのが判明した。これで中国がいう平和的目的の疑わしさが改めて浮上した。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。