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中国の南シナ海進出>西沙諸島でのヘリコプター基地造成でヴィエトナムとの対立招く


後世の歴史解釈ではオバマ政権が中国の拡張政策に有効な手を打たなかったことがその後の世界秩序の崩壊につながる遠因となったといわれかねませんね。中国の価値観は全くゆがんだ構造になっているので、既成事実の積み重ねを黙認していくことがいかに危険か世界は思い知らされることになるでしょう。戦争をおこさずに支配を強める、自分たちの都合のよい世界を作る、という中国の発想にどう対抗するのか、今必要なのは戦略です。
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China Reclaimed Land for South China Sea Anti-Submarine Helicopter Base Near Vietnam

By: Sam LaGrone
February 15, 2016 2:56 PM

PLAN Chinese Z-18F Anti-Submarine Helicopter
PLAN Chinese Z-18F Anti-Submarine Helicopter


最新の衛星画像解析から人民解放軍が南シナ海でヘリコプター基地を造成中で対潜作戦(ASW)の拠点に使用される可能性が浮かび上がってきた。
  1. 画像は最初にニュース専用ウェブサイトThe Diplomatが公開したもので、ASWヘリコプター基地に転用可能な大規模埋め立て工事がダンカン島(ヴェトナム沿岸からおよそ200マイル)で進行中と示している。同島は領有権を巡り紛糾中のパラセル諸島にある。
  2. 基地が完成すれば「中国のASW能力が南シナ海で増強される象徴となり、一連のヘリコプター基地や燃料補給拠点が域内に完成すれば域内のほぼ全域が作戦範囲になる」とヴィクター・ロバート・リーが分析している。
  3. 「各基地を中継すればASWヘリコプターは燃料の制約から自由に、また艦船の収容能力からも自由になり連続かつ切れ目のない対潜監視対応能力が手に入る」
thediplomat_2016-02-12_15-55-05

  1. さらに分析では「水上艦作戦や航空戦の戦略見直しにつながるだろう」としている。
  2. この点に関し、ペンタゴン関係者は再度域内各国に対し埋め立て工事に対する警戒を求めており、USNI Newsは2月14日にこれを入手した。
  3. 「米国は引き続き関係各国に島しょ造成向上の中止、南シナ海における軍事施設建設、軍事転用の中止を求めるものである」と報道官ビル・うアーバン中佐が述べている。「米国はいかなる領有権の主張にも組しない立場だが、中国による一方的な行為に懸念を強めており、中国の戦略意図が一層不確実さを生んでいることを問題視する」
  4. 海軍アナリストのエリック・ワーザイムはUSNI Newsに対し「分析が正しければ、中国の軍事選択肢は大幅に広がる」と述べている。
  5. 「南シナ海を制圧しようと精を出す中国のもう一つの実例だ」とし、「各基地が完成すれば不沈空母になり大きな意味が生まれる」
  6. ワーザイムによれば各基地はPLANの新型唱河Z-18F対潜ヘリ(フランスのSA321シュペルフルロン大型ヘリが原型)(行動半径450カイリ)の運用拠点になるという。ダンカン島からなら簡単にヴィエトナムの領海に出動可能だ。
thediplomat_2016-02-12_15-55-13

  1. 太平洋軍司令官ハリー・ハリス大将が昨年9月に上院で南シナ海で中国の施設整備拡張をどう見ているかをこう語っている。
  2. 「各施設を詳細にみると、ミサイル発射施設、監第五世代戦闘機運用可能な滑走路、監視偵察拠点などから中国が戦争せずに南シナ海を支配する仕組みが浮かび上がってきます」「戦時には各施設は攻撃の標的になりますが、戦争一歩手前の状況なら各地の軍事拠点化は域内の各国にとって大きな脅威になります」
  3. 今回のニュースが出たのはヴィエトナムが潜水会部隊の近代化を図り、ロシア製改キロ級ディーゼル電気推進潜水艦6隻を導入するさなかとなった。ハノイも領海防衛のため海軍力の拡張に乗り出したところだ。
  4. ただヴィエトナムと中国の海軍力の差は明白で、中国には海軍とは別に重武装の海警艦船もある。2014年にこれが痛感されたのは中国が10億ドルの沖合石油掘削施設をヴィエトナムの排他的経済水域の内部に移動させ、周囲を監視艦船で包囲したことだ。もし中国が同じような動きに次回出れば、ヴィエトナムも潜水艦部隊を整備したこともあり、中国のASWヘリコプターとの衝突のリスクが生まれることになる。
Victor Robert Lee image.

  1. 中国はパラセルを1970年代中ごろから実効支配しており、ヴィエトナムと台湾がそれぞれ領有を主張している。
  2. ダンカン島の施設は1年前の比較で50パーセント以上拡張したが、パラセルではウッディ島、ノース島、トゥリー島で航空基地を造成している。
  3. 「トゥリー、ノース、ダンカン各島での拡張は北京がパラセル諸島での守りを固めているのを示す。スプラトリー諸島での建設工事の陰で目立たない存在になっていた」とリーは記している。■

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