2015年5月31日日曜日

シャングリラ対話>カーター発言へ中国が反論した内容とは



論理には論理で対抗するのが国際社会の意見の主張の仕方です。中国は中国の見方をあくまでも主張するでしょうが、だれが見てもおかしい主張であると露呈してしまうでしょうね。ただし既成事実の積み上げというのが中国の狙いであれば、それを阻止しなくてはいけません。そのためには南シナ海での安全保障は日米豪主導で各国が参加する多国間枠組みに今後進展するのではないでしょうか。埋め立て工事は即時に中止してもらうか、今後続けても意味のないようにしていかねばなりませんね。

Carter: China "Out of Step" With Pacific

By Aaron Mehta 10:39 p.m. EDT May 29, 2015
SINGAPORE — アシュ・カーター国防長官は米国には太平洋における自由航行の権利があることを再度主張し、中国の行動を糾弾した。IISS主催シャングリラ対話の基調講演で各国が享受してきた域内バランスにとって中国は脅威になっていると指摘。
  1. 中国が2,000エーカー相当の埋め立てを続けており、中国は土地造成で領有権を主張しているが、米国は全く認めていない。
  2. 「中国は国際ルール規範を踏み外しており、アジア太平洋で守られてきた安全保障の枠組みに反している。また域内各国は外交による解決を優先することで意見は一致しており、力による解決には反対だ」と長官は原稿を読み上げた。
  3. 長官は域内国も監視施設など埋め立て工事で造成を行っている事実を認めつつ、中国による工事は前例のないほどの規模になっていると指摘。
  4. 「南シナ海で領有権を主張する国家のほぼ全部が監視哨を建設してきたのは事実で、スプラトリー諸島ではベトナムは48か所、フィリピンは8か所、マレーシア5か所、台湾も一か所を有する」「だがはるかに大規模かつ迅速に行動している国がある。中国だ」
  5. 講演内容はその前にハワイ真珠湾で行った演説と共通している。ハワイでは「合衆国は国際法が許す限り飛行、航行、作戦を実施する」と確約し、今回も再度言及した。
  6. 狙いが中国に向いているのは明らかだが、中国自身は埋め立て工事で主権主張が国際法で許されると信じている。
  7. 「すべての国家に自由航行の権利、上空飛行の権利があるからこそ世界の通商は中断されることなく維持されている。そのためすべての国家は自国の安全保障、経済活動を力の威圧を受けることなく自国で取捨選択すべきだ」
  8. 「この原則はすべての国家に共通の権利であり、単なる抽象概念ではなく、一国の好き勝手にまかされるものでもない。またある国に与えられた特権でもなく、勝手に解釈できるものでもない」
  9. 講演は明らかに中国を意識したもので、長官は域内連携の強化を謳った。
  10. そのために人道援助策と経済援助が役立っていると機長官は述べた。同時に中国とは軍同士の交流が重要との認識も示した。
  11. 「これこそ将来の安全保障を強化する道へつながる。将来とはすべての国が繁栄を享受できる姿のことだ」
  12. このくだりも中国へのメッセージである。ベトナム、マレーシア、フィリピンの海洋安全保障能力構築を強調するが、各国とも中国の南シナ海でのプレゼンスを警戒している。
  13. カーターはオバマ政権の一部として中国ときわどい線でやりあおうとしている。一方で域内友好国に対してアメリカの太平洋での役割を保証しつつ、他方で中国を追い詰めすぎて対立がエスカレートしないようにしているのだ。カーター発言はこの二項対立を背景にしたものだと専門家は分析している。
  14. 上海交通大学 Jiao Tong Universityで国家戦略研究所の副所長庄建中Zhuang Jianzhongはカーターのハワイ演説を「実に好戦的」としつつ、示威の意味が強いと見る。
  15. 「カーターは国内向けに強いことばを口にし、同盟国友好国も意識している」「美辞麗句だが行動は別。双方ともに行動に移る前にもう一度よく考えるべきだ」
  16. 一方で台湾のROC戦略研究学会の研究員Ching Changからは双方の意思疎通には一貫性が必要であり、飴と鞭を交えて対応する姿勢を見せるカーターはいつかしっぺ返しを食うとみる。米国の信用力が低下するか、米国のほうが問題児に見えてしまうというのだ。
  17. この意思疎通の問題が講演後の質疑応答で明らかになった。長官は中国の南シナ海観についての質問への回答を避け、同地区へ力づくで進出する国への米国がどう対応する方針なのかは回答しなかった。
  18. 会場は司会が中国人民解放軍代表を指名するとざわついた。同代表は「上級大佐」"Senior Colonel Zhao."とのことだった。
  19. は予想通りカーターによる中国の行動への言及を取り上げ、中国が視点を短時間で説明した。
  20. 「これまで同地域が平和安定な状態にあったのは中国の自制があってのことだ。したがって中国による活動はご合法的、合理的かつ正当なものだ」
  21. さらに米国による「厳しい批判」が南シナ海の「対立問題を解決するのに役立つ」はずがないと述べた。
  22. カーターは当然このような質問が出るのを予期し、中国による埋め立て工事は「前例のない」規模であるとし、工事の中止を求める姿勢だ。また長官は南シナ海政策方針に変化はないと繰り返し声明している。
  23. 「米国は南シナ海上空の飛行、航行をこれまで数十年実施しており、いかなるかたちでもこれを継続する。これは従来と何ら変更はない」■


2015年5月29日金曜日

★対中戦で米陸軍に期待される沿岸からのミサイル抑止力



エアシーバトルのころから米陸軍が太平洋で任務があるのかわからなくなっていましたが、ハイテク沿岸ミサイル砲兵隊への転換と積極的な役割を想定し、防御より抑止力を重視するというのが今回の議会から提案の構想のポイントでしょうね。ロールモデルの変換に陸軍の内部で抵抗があるのでしょうか。

SASC Pushes Bigger Army Role In Pacific Vs. China

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 27, 2015 at 4:17 PM

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  1. WASHINGTON:  上院軍事委員会も太平洋で米陸軍の役割拡大を太平洋で求める動きに賛同している。だが皮肉にも陸軍はその気になっていない
  2. なぜ陸軍が太平洋で役割を拡大すべきなのか。太平洋はこれまで空軍、海兵隊、海軍の独壇場であった。太平洋は広大な海洋であるが、島嶼も多数ある中で大規模な島嶼国家(日本、フィリピン、台湾)と米国は条約を取り交わしている。陸軍のミサイル防衛レーダー(レイセオンAN/TPY-2)は日本に配備済みで、韓国にTHAAD弾道弾迎撃ミサイルを導入する可能性もある。
  3. だがなぜ防衛装備にとどめるのかと議員連は疑問を呈する。その中には下院のシーパワー小委員会委員長ランディ・フォーブスがあり、中国の第二砲兵隊へ米国本土を攻撃可能な長距離陸上配備ミサイルがすでに導入されており、米海軍艦船の攻撃も可能だという。であれば米国と同盟国も陸上配備の対艦ミサイルを配備すればよいとの主張だ。実現すれば中国が尖閣諸島やスプラトリー環礁の奪取に向かってくるのを抑止あるいは撃退できるというのだ。
  4. フォーブス議員に押される形で下院版の国防予算執行認可法案ではペンタゴンに「対艦攻撃用の移動式陸上配備装備の導入可能性、有益性、選択肢を」報告させることにしている。チャック・ヘイゲル前国防長官もこの発想を同意していた。
  5. だが上院法案はもっと先に行っている。米陸軍部隊が西太平洋の島嶼部分で将来的に担うべき任務の総合作戦評価を行い、接近阻止領域拒否l(A2/AD) 能力を受入国と共同で実現し、該当領土への侵攻を抑止挫折させる任務を想定する。以下想定する装備の一覧。(イタリックは編集部のコメント)
  6. 「(A) 対艦機雷および移動式ミサイルを敵海軍部隊の威力減衰手段として想定し、敵揚陸部隊の移動を封じ、受入国沿岸および友好国海軍部隊と補給活動を守ること (米海軍は第二次大戦で機雷により日本の海運に致命的被害を与えたのは事実だが、その後この機能をほぼ停止している
  7. 「(B) 移動式防空監視およびミサイル発射システムで受入国の領空、領土、海軍及び空軍部隊を守る。ならびに防空圏への敵勢力侵入を認めないこと」(海軍のイージス艦のミサイル防衛任務が拡大しているが、海軍としては陸上に防衛手段が展開されるのであれば、艦隊をわざわざ連携させて友好国の領土を防衛することに及び腰となる。
  8. 「(C)電子戦能力で航空作戦、海軍作戦を支援すること」(海軍の電子戦能力は陸軍より相当先を行っているが、海軍作戦部長は陸上装備のほうが規模、出力ともに大きくできると発言している。)
  9. 「(D)強化型陸上設置通信能力を受入国の防衛体制に設置し、陸海空間並びに衛星を介した通信を拡充すること」(無線通信の妨害や傍受がハイテク型戦闘で大きな懸念材料で旧式ながら埋設型の通信線が有力代替手段として注目されている。)
  10. 「(E) 部隊展開で受入国の防衛を支援するとともに、敵勢力の移動を封じ、空海の部隊展開を安全に進める」(この項目だけが古典的な陸軍部隊の投入効果である領土保全活動である
  11. 上院版は著名な総合評価局Office of Net Assessment および四軍それぞれの大学校含む専門家による研究評価を求める点が下院版と異なる。
  12. 「比較的小規模の予算で米アジア戦略を格段に向上させる構想です」とある上院スタッフが記者に説明している。「低コストでアジア太平洋で対応する中国に高い代償を与え、ジレンマを感じさせる案が必要です。移動式、陸上配備、制海権確保、防空能力はそれぞれ簡単な解決策です」
  13. 「共和民主両党のスタッフで検討し、結論を共有しています」「超党派合意ができ、各シンクタンクも陸軍はこの方向に進むべきと考えていますが、陸軍が食指を動かしていません」
  14. 「米地上軍は現状にこだわるよりもこの方向性に向かって装備能力を整備すべきです」と下院スタッフも意見は同じだ。「陸軍には大きな機会になり、陸上部隊固有の能力を整備し、西太平洋で新しい任務にあたることができます。どうして陸軍内部で関心度が低いのか理解に苦しみます」
  15. 沿岸砲兵隊とは第二次大戦以前は陸軍の主流であり花形部隊だった。21世紀は対艦ミサイルを沿岸に配備して復活するわけだ。最新の陸軍の作戦実施要領でも「将来の陸軍部隊は陸上から海上に、空に、宇宙に、さらにサイバー空間に向け兵力投射をする」とまで書いてある。
  16. だが「ドメイン横断型シナジー効果」や「アジア重視」は戦略上の議論であり、予算管理法は現実だ。陸軍が沿岸配備ミサイル部隊を編成する予算を確保できないとすれば、別の部隊を削減する必要が生まれる。「陸軍沿岸砲兵隊とは面白いが、創設するのであればどこを犠牲にするのだろうか。歩兵部隊なのか、野戦砲兵部隊なのか、それとも短距離防空部隊なのか」
  17. 陸軍は他軍より苦しい状況にあり、そこで全く新しい部隊の創設にはおじけづいてしまう。だが陸軍に新任務ができれば、予新しい財源も出てくるはずだ。■


南シナ海>カーター長官が中国へ強い警告を出した


国防長官が中国に対して強いメッセージを出しましたが、中国は無視するでしょう。中国は国際社会のルールをどう考えているのでしょうか。長官はE-4で飛んでいるようですね。

Carter: China Isolating Itself in Pacific

By Aaron Mehta 4:02 p.m. EDT May 27, 2015
Secretary of Defense Ash Carter arrives in Honolulu, Hawaii(Photo: Joint Combat Camera Center)
JOINT BASE PEARL HARBOR, Honolulu – 5月27日、米国防長官アシュ・カーターは南シナ海で影響力拡大を試みる中国に対して結果的に中国自身の孤立につながると警告した。
ペンタゴンは中国の埋立工事の造成面積を2,000エーカー(約8平方キロ)と推定している。うち、1,500エーカーは今年1月以降の造成工事で形成されており工事の加速ぶりが伺える。
「すべての紛争では平和的な解決方法を求める。埋立工事を直ちに中止し今後も再開しないよう求める」とカーターは発言。「また該当地区の軍事基地化にも反対する」
「以上を間違いなく実施を求める。米国は国際法の範囲内で飛行、航行、作戦を実施するが、世界いかなる場所でも同じ扱いだ」(カーター)
最後の部分は中国による主権主張へ対抗する長官として最も強力なコメントだ。
「中国はアジア太平洋の安全保障の枠組みで重要とされてきた国際規範を踏み外した他、力による解決は避けるとの地域内コンセンサスにも反している」とし、米国は「アジア太平洋での安全保障を実現する主要国であり、今後もあり続ける」と加えた。
カーター長官はこのあとシンガポールでシャングリラ対話に参加し、さらにインド、ベトナムを訪問する。各地で長官は同盟国の実力整備に焦点を当てた対応をする。
「中国の行動で域内各国は新しい連帯を始めている。さらに米国の介在を求める勢いが強まっている。要望には応えていく」
ある国防高官は報道陣に対し上記スピーチ前に今回の各国訪問は「開かれた、包括的な域内安全保障の枠組みづくりに焦点を当て、その整備状況ならびに今後の方向性を確認するのが目的」と説明している。
ペンタゴンはすでに域内同盟各国の防衛力整備こそ太平洋の安全の要と理解している。先月は米国と日本が防衛協力の新しい枠組みで合意に達している。さらに国務省はベトナム向け輸出ルールを見直し、海上警備装備を引き渡せるようにした。
カーター発言はハリー・ハリス大将がサミュエル・ロックリア大将に交代し米太平洋司令長官に就任する式典で出た。USSアリゾナ記念館を会場にカーター長官はロックリア大将のこれまでの防衛協力整備の成果を賞賛した。
ハリス新司令官は中国による太平洋での行動は「非常識だ」とコメントしている。■

2015年5月28日木曜日

海中無人機はここまで構想ができている。海底に無人補給処を作る




The 7-11 For Robot Subs: Underwater Plug And Stay Hubs

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 21, 2015 at 4:51 PM

空港でスマートフォンの充電場所を探すのに苦労したことがあれば、充電場所を海中で探すのがどれだけ大変か想像できるだろう。
  1. 海軍の無人ミニ潜航艇を想定してほしい。中国の人工島を監視しバッテリー残量が減ってきた。現在だと一度陸上基地あるいは水上艦まで戻り充電する。だがもしマイク・ワードロー Mike Wardlawの構想が実現すると、2020年代に海軍は無人海中ポッドを展開し、探知される心配はなく自動的に充電する。同時に収集した極秘情報を海軍の情報ネットワークにアップロードできる。
  2. 「海中のセブン-イレブンになります」とワードロー(海軍研究所FDECOの研究主幹)は言う。FDECOとは「前線配備エネルギー通信拠点Forward-Deployed Energy & Communications Outpost の略。無人潜航艇(UUV)が横付けし、充電し、データをアップロードし、新しい任務をダウンロードして出発する。
  3. 「UUVの制約条件は電力と通信機能だ」とポール・シャーレPaul Scharre(新しいアメリカの安全保障を考えるセンターで20YY戦闘構想を主宰)は言う。FDECOなら両方を解決できる。
  4. 基本的問題は電力だ。大型潜水艦はディーゼルエンジンあるいは原子炉で電力を確保しているが、ロボットミニ潜航艇はバッテリー頼りで重量あたり出力は小さい。そこでUUVで長時間航行すれば船体が大きくなり、それだけ建造費が上昇しかつ敵探知を受けやすくなる。
  5. 課題は通信機能だ。通常無線は水中に届かない。超長波や音波は長距離を伝播するが帯域が狭くなると元海軍次官ボブ・マーティネージ Bob Martinage は説明する。新技術である通信レーザーやLEDを使うと帯域を広くとれるが有効距離が短い。海中にFDECOのような拠点があればマーティネージはいいとこ取りができるという。UUVは短距離広帯域でデータをFDECOに転送するが、その間も充電が続く。次のUUVが到着するまでにFDECOはデータを長距離低帯域手法で送信すればよい。
  6. これで数百マイル先までデータを送れる、とブライアン・クラークBryan Clark(元潜水艦勤務、現戦略予算評価センターでマーティネージと共同研究は言う。
  7. ネットワークを展開場所はどこがよいか。ペルシア湾の限られた水域では真価は発揮しないだろう。米軍や同盟国部隊が手の届く範囲に展開しているから、とマーティネージは言う。北大西洋のように広い海域だと有益だろう。ロシアの動きには要注意だ。だが最も有益なのは太平洋だ。
  8. 先日南シナ海で発生した事態こそFDECOが真価を発揮する機会だ。海軍のP-8ポセイドンが中国の人工島建設状況を監視していたところ、中国は無線で同機に「自国の」空域を退去するよう求めてきた。(国際法では人工島嶼の建設で領有権主張はできない) これ以上の事態にはならなかったが、過去には中国機が米偵察機に迎撃をかけて、危険な接近飛行を置こなている。最悪だったのが2001年の海南島上空での空中衝突で米軍機乗員は11日間も身柄を拘束されている。
  9. 無人システムは文字通り乗員がおらず捕虜になる心配はない。無人水中艇は小さく、通常の潜水艦より探知は困難だ。一方、潜航艇では航空機と同等のセンサーは搭載できないが、ステルス性により政治的に過敏な地帯に潜航していても問題化しないだろう。UUVは見つからずに、また人命を危険に追い込まずにデータを収集し続けられる。さらに複数のUUVを投入すれば終日監視が可能だ。これはFDECOが近隣にあるのが条件だが、航空機では不可能な仕事だ。
  10. 「大量のUUVを一定の場所に投入し続けることは可能。無期限と言ってよいが一部で機械的な補修が必要となるので交代させる必要がある」「UUV部隊を展開し数日間程度の短期間偵察ミッションを行い、回収し、再充電させ、データを送受信させてから送り出すことができば、相当に強力な存在になるだろう」(シャーレ)
  11. ただしFDECOがあってもUUV単独で戦闘に勝つことはできない。現時点での能力は情報収集、監視、偵察ミッションに限定される。そこでUUVを武装しようとすると船体の小ささや操作員との連絡ができなくなることから相当の難題だ。またUUVの速力は相当遅く、水上艦追跡を広い海域で行うのには無理があるとマーティネージは言う。
  12. FDECO支援を受けるUUVで一番使い道があるのは長期監視活動やその他作戦で持続力が速度より重視される場合で、例として機雷除去がある。ではロボット艇で海上封鎖は可能だろうか。「UUVだけで封鎖は困難かもしれない。そのためにはリアルタイムでの個艦制御と攻撃作戦の実施能力が必要だ」「ただし艦船を発見追尾することはできるが、封鎖に当たる別の艦の支援が主になる」(クラーク)
  13. 一匹狼の潜水艦による単独任務は今後は有人潜水艦、UUVを海底インフラにより結んだ部隊が引き受ける。海底インフラには隠蔽式ミサイル発射管も含まれよう。すべてを接続し、その他水上部隊とも連絡し、空中や宇宙のほか陸上も通信範囲に入る。FEDCOの展開には海軍水上艦艇のほか極秘契約の民間船舶を使い、然るべき地点に投入すれば良い。
  14. では海軍はどのように充電通信拠点を海中に展開するのだろうか。FDECO網構築は実際にはまだ開始されていない。
  15. 「事業は公式には2016年度に開始になります。15年度は資金を確保し初期分析活動を開始しました。また艦隊部隊との対話を通じ真のニーズを把握しました。15年度の総合研究から設計内容の評価を行いました」(ワードロー)
  16. FDECOは革新的海軍試作事業の枠組みで海軍研究所が進めており、予算規模は「年間数千万ドル程度」だとワードローは言うが、詳細な金額は明かさなかった。予定では年間に大規模実験2回を行い、さらに大規模の「実証」を2回行うという。「一回目は17年末、二回目は19年末」だという。
  17. 先日は業界向け説明会があり、UUV関連企業を集め、FDECOで必要となる業務の実施を求めた。
  18. 「事態は複雑です。各企業が独自の接続方法を採用しており、各メーカーのUUV充電方法も統一されていません」(ワードロー)ので「機種問わない」充電ステーションで各種UUVへの充電の実現は難問だ。ましてや全機種対応はもっと大変だ。「100%の解決方法にこだわらない」とワードローは言うが、FDECOの設計に柔軟性をもたせ将来の新しい接続方法に対応させるとし、「インターフェイスに焦点を合わせています」
  19. 「UUVは決して安い買い物ではなく、対応した改修をしていくと相当の予算が必要になります」とワードローは述べる。目標はUUVで必要になる改修を最小限に押さえることだが「改修そのものが不要になることにはならないだろう。各メーカーが独自のインターフェイスを持っているから」
  20. ワードローはインターフェイスと構成部品に焦点を合わせているが、その後各要素を単一のシステムに統合していく。そのためFDECOがどんな形状になるのか今は予想がつかない。設置場所により形状が異なるのではというのがワードローの見解でミッションによっても異なるだろう。例えば地中海では小型で通信能力も限定的でいいが、広大な太平洋ではそうはいかない。
  21. UUVがFDECOに戻ってくると双方のコンピュータが戦術データの共有を開始し、人的操作により与えられたミッションと照合させる。FDECOには複数のUUVがデータを送信するのでFDECOは作戦の調整統合機能も果たす。
  22. たとえば「低周波ソナーで広範囲の探索をしたいとする。だが低周波ソナーは高解像度画像では最良の選択とはいえない」(ワードロー)「UUVが低周波ソナーで何かを見つけたとすると、FDECOを介して高周波ソナーを持つ他艦と通信し、フォローアップを頼めば良い。これはほぼ自動的に完了する作業だ」
  23. 映画ターミネーターでは戦略目標による戦闘を自動的に遂行するスカイネットが登場したが、これはそこまでの規模ではない。ただFDECOがUUVの大群を調整すると大きな一歩となりそうだ。その結果戦闘に人間が介在しなくなるのは良いことでもあり悪いことになるかもしれない。■

2015年5月26日火曜日

シコルスキーS-97レイダー初飛行に成功


ブラックホーク後継機種として米陸軍、その先に各軍共通次世代ヘリを目指し、まずシコルスキーは革新的な同軸ローターのレイダーを自社開発しました。ボーイング・ベルはティルトローターで競合するはずですが、どうなりますかね。

Sikorsky S-97 Raider Achieves First Flight

By Joe Gould1:01 p.m. EDT May 22, 2015
(Photo: Sikorsky)
WASHINGTON — シコルスキーS-97レイダーが5月22日初飛行に成功した。
同機はウェストパームビーチ(フロリダ州)の同社施設を離陸しおよそ1時間で予定の飛行運動すべてをこなした。今年中のテストで徐々に性能を試していく。
「新世代のヘリコプターの同機による初飛行はシコルスキー社のみならず航空業界全般で大きな一歩だ」とマーク・ミラー(同社研究エンジニアリング部門副社長)は述べた。「初飛行は毎日あるものではないが、既存製品と大きく異る新型機だと特別なイベントになる」
シコルスキーは同機が米陸軍の求める次世代垂直離着陸機(軽)ならびに武装偵察機の性能要求に答えるものと期待している。
同社関係者はレイダーは特殊作戦任務に有益だとし、今後陸軍が求める大型機の実証の役割もあるとする。陸軍は各軍共用多用途ヘリコプターの後継機を企画中で、ブラックホークに代わる機種を調達する。
ミラーはレイダーの性能に自信を示し、同機を単なる新型ヘリコプターとしては見ていないという。なぜなら同機は従来のヘリコプターではできないこと、想定もしていないことを実現するからだという。高速飛行、高高度上昇、高温環境での飛行、搭載量も拡大するという。「アパッチでは不可能な性能が多数あります」
ミラーによると同社は「同機に大きな賭けをしている」という。レイダー開発費用の四分の三はシコルスキー自社負担で残りは主要取引企業54社が負担している。
「航空業界はこれまで創造性に欠けるとか革新性がないといわれてきたが、この機体の技術は根本から性能を変える。ヘリコプターの二倍の速度で飛行し、ヘリコプターにはない性能も発揮できる」
レイダーの原型はX-2技術実証機で、これはシコルスキーが2000年代後半に開発したものだが、レイダーでは機体は11,000ポンドと二倍になり、6名の強襲任務隊員と装備弾薬を運ぶ。
同社パイロット、ビル・フェル Bill Fell によればS-97は「岩のようにしっかりと」しており、振動・騒音ともに低く、反応がよいという。副パイロットのケビン・ブレーデンベック Kevin Bredenbeck はX-2で主パイロットをつとめ、両名はS-97が通常のヘリコプターと異なる機体だと述べ、性能に好印象を持ったという。
同機のリジッド・ローターシステムにより「驚くべき量の機体制御」が可能になったとフェルは語る。「ロール、ピッチのインプットを素早く入れると遅延なく反応する」
もともと設計工程の完了後48ヶ月後に初飛行する予定になっていた。これでも防衛産業の常識では相当早いが、実際は数ヶ月遅れたという。新技術導入による製造面での追加作業のためだが、遅れた分は一年間のテスト期間中に取り戻せるという。
テストでは装備搭載状態で220ノット(約400キロ)を実現し、装備を外せばもう少し早くできるとアンディ・バーナード Andy Bernhard 技術主幹は言う。テストの目的はスピードと高G機体操作の確認だ。
テストには2機投入し、一機は性能確認用、もう一機は顧客向けデモ飛行のほかミッション装備・武装の搭載の可能性検証に投入するという。
「概念を根本から変える性能があり、顧客むけに体験飛行をし、性能を確かめてもらう準備中です」とミラーは言う。「試してもらえればわかってもらえるはずで、一刻も早く正式採用したくなるのではないでしょうか」■

2015年5月25日月曜日

エアバス>A400M墜落原因は新ソフトウェアとの見方浮上


エアバスとボーイングの決定的な設計思想の違いはパイロット、ソフトウェアどちらを優先するかではないでしょうか。今回はソフトウェアが本当に事故原因だとしたらエアバスにとっては大きな打撃ですよね。

Software Cut Off Fuel Supply In Stricken A400M

May 19, 2015 Jens Flottau and Tony Osborne | Aerospace Daily & Defense Report

FRANKFURT and LONDON—エアバスA400M輸送機墜落事故(5月9日、死亡4名)の原因としてソフトウェアによりエンジンへの燃料供給が遮断された可能性が浮上してきたと業界筋が語っている。
  1. 犠牲者4名はすべて同社社員でテストパイロット二名を含む。同機はセビリアのサンパブロ空港を離陸直後に墜落した。フライトテスト要員2名は機体から救出され現在も入院中。
  2. 各種筋からAviation Weekは同機MSN23(トルコ空軍向け機材)に新しいソフトウェアが搭載され燃料タンクのトリム調整により軍仕様の機体操作が可能となっていることを知った。
  3. 各種筋を総合しても事故に至る詳細な展開はあきらかでなく、4基のエンジンすべてがどこで停止したかも不明だ。一部報道は停止したのは3基だという。またトリム操作で回復不可能なほどの急バンクになったようだ。
  4. 燃料供給は再開されたが安全な飛行に戻るには遅すぎた。
  5. エアバス・ディフェンスアンドスペースからA400Mを運航する各国に対して全機のTP400ターボプロップエンジンの電子制御装置(ECUs)の点検を要請したことでソフトウェア問題が浮上してきた。
  6. エアバスの通達では各機のエンジンに付属するECUのチェックを次回飛行前に行い、エンジンまたはECU交換後の詳細な点検も案内している。
  7. 同社の説明ではチェックは「今後のフライトで危険リスクの可能性を回避するため」で、点検結果は事故調査チームが共有するとしている。
  8. 同社声明文では今回の注意喚起は社内解析の結果によるもので、進行中の事故調査とは無関係だとする。.
  9. エアバスはA400Mのフライトテスト準備を5月12日再開したが、テストフライトはスペイン国防省の許可待ちの状態だ。
  10. A400M運用国はほとんどが飛行停止しており、事故原因の解明を待っている。6機保有するフランスのみ飛行を継続している。英空軍所属の一機はニューメキシコで足止めされ、英国防省による自主的な飛行停止措置を待っている状態だと伝えられている。■

★★米空軍>レーザー兵器開発の工程表が明らかになる



先日の空軍レーザー兵器開発の続報です。約4リットルの航空燃料で千回以上の照射ができれば夢の様な話で、空中戦の様相が一変しますが、一方で、大気中のレーザー減衰問題、高速度で飛行する標的への照準など技術上の問題もありますね。レーザーが万能薬ではなく、当面はミサイル、機関砲も搭載するのではないでしょうか。あるいはレーザー砲を装備した大型機を小型UAVが護衛する空中艦隊になれば面白いのですが。

Air Force Wants to Fire Lasers from Aircraft by 2023

by  KRIS OSBORN on MAY 22, 2015

米空軍はレーザー兵器をC-17へ搭載し実証試験を2023年までに実施する。
  1. 高エネルギーレーザー(HEL)は空軍指向性エネルギー局がカークランド空軍基地(ニューメキシコ州)でテスト中だ。今年は地上テストを実施し、その後空中発射兵器への発展をめざすと、空軍科学主幹マイカ・エンズレイ Mica Endsley がMilitary.com取材に答えた。
  2. 地上テストはホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)で実施すると空軍報道官オサナ・ズックOthana Zuchが発表した。
  3. 「各種技術の成熟化に取り組んでいる」とエンズレイは述べた。「航空機に搭載し、実証を2023年までに行いたい」 一方、初の空中照射テストは2021年までに実施するとズックは述べた。
  4. エンズレイからは縮小化技術が実現するまではC-17のような大型機からレーザー照射を実施し、ゆくゆくはF-15、F-16,F-35の各戦闘機への搭載を目指すとの発言もあった。
  5. 航空機から照射するレーザーは空対空戦、近接航空支援、UAS対策、ボート対策、地上攻撃さらにミサイル防衛にまで拡大すると空軍関係者は見ている。
  6. 現在の開発の重点は出力増大、精度の確保、誘導方式にあるとエンズレイは説明。「これらをシステムに盛り込み、出力を10キロワットから100キロワットに拡大したい。そのため誘導、精度でさらに作業が必要だ」
  7. 機内のジェット燃料でレーザー用のエネルギーを確保し、数千回の照射ができるとエンズレイは述べる。「最大の利点は発射回数がたくさん確保できることです。現在のミサイルではせいぜい7発がいいところでしょう。指向性エネルギー兵器ではジェット燃料一ガロンで数千発の発射が可能になります」
  8. 米空軍がレーザーを航空機に搭載するのはこれがはじめてではない。以前はミサイル防衛の目的で化学レーザーを実用化しようとした。このエアボーン・レーザー(ABL)計画でボーイング747-400F貨物機にメガワット級化学酸化ヨウ素レーザー装置を搭載し、機首から発射するテストをしている。
  9. このABL計画は当時の国防長官ロバート・ゲイツにより2009年に中止され、予算と実現性で疑問があるためとされた。「ABLでは価格と技術問題が山積している。そこで提案通りの運用が可能か大いに疑問だ」とゲイツは当時述べていた。■


2015年5月23日土曜日

中国埋め立て工事の監視飛行を開始した米海軍にPLANが妨害活動



米海軍撮影のビデオを見ると環礁では浚渫船が海底から土砂を集めて埋め立てをしている光景がわかります。辺野古で環境破壊を騒ぐ人たちはこれを見てなんというのでしょうか。それとも日本国しかも中国が行う行為にはほおかぶり? 重要な通商航路があることから日本としても看過できないのになぜかこの国では問題意識が低い気がします。国境線と利益線の違いを理解していない証拠ですね。

China Challenges P-8 Crew, On Video; Top Senators Condemn PRC

By COLIN CLARKon May 21, 2015 at 10:05 AM
WASHINGTON: スプラトリー諸島をめぐる米中ならびに域内各国間の緊張が高まる中、米海軍が本日公開したビデオでは人民解放軍海軍(PLAN)の妨害をものともせず、P-8の乗員が人工島嶼建設を監視する様子を伝えている。
  1. 中国がP-8飛行を認めない動きに出たのはこれがはじめてではない。昨年は中国戦闘機がP-8の下および側面20フィートの間隔で飛行し、その後上空でバレルロールをしているが、その際の距離は45フィートだった。本日公表のビデオを巡って有力上院議員3名が決議案を提出し、中国による人工島嶼建設を非難し、南シナ海領有問題を平和的かつ多国間で解決するよう求めている。
Sen. Brian Schatz of Hawaii D SAC-Dブライアン・シャーツ上院議員
  1. 提出したのはブライアン・シャーツ(民、ハワイ、上院歳出委員会国防小委員会)、ジョン・マケイン(共、アリゾナ、上院軍事委員会委員長)、ダン・サリバン(共、アラスカ)の各議員だ。
  2. 「中国による一方的な海上国境線の引き直しにより、誤解、事故、武力衝突の危険性が増えている」とシャッツは声明文で表明。「この超党派決議案は中国に責任ある行動をはっきりと求めている。米国は域内の平和・安定の推進とともに、自国並びに関係各国の権益を守る責任を有し、各国とともに多国間プロセスで意見対立を解決するよう主張する」
  3. 上院議員三名による声明文では「中国が強引に人工島嶼を南シナ海で建設しているのはこれまでの慣行と国際法に違反し、2002年に域内で合意された行動規範にも違反する」としている。関係5ヶ国がそれぞれ同じ地区で領有を主張しているので、「中国の挑発的行動で域内の安定が危険にされされている」と表現している。
101119-N-2232G
  1. ある上院スタッフは非協力的な態度を続けるとどんな代償を支払うことになるか中国は認識すべきだと発言。「米中原子力協力合意の更新はなくなるでしょう。あるいは台湾への武器売却を拡大する検討に入るでしょう。あるいはフィリピン軍の装備増強につながるのではないでしょうか」と電子メールで書いてきた。このスタッフの見解は明らかにマケイン委員長他軍事委員会メンバーの見解を反映しており、中国が造成した土地が2月の600エーカーから2,000エーカー(約8.1百万平方メートル)に拡大したことへ留意している。「現政権は中国に高い代償を払わせる方策を検討しているというが、実施されたのはわずかで、声明文を発表しただけではないか」とし、「中国が現状を変えようとしている事実をもっと公表すべき」とし、今回のP-8撮影画像など公表を継続すべきとする。ただし、「中国の代償を南シナ海では垂直的に、その他協力分野で水平的に引き上げるチャンスがたくさんある」としている。
  2. マケイン議員から編集局に声明文が届き、今回のビデオを「もっと前に公表すべきだった」としながら、中国の進めている工事の実態をもっと公表すべきだと主張している。「これまでも機密解除済みの米国情報活動資料の公表を求めてきた。中国がどこまで埋め立て作業をしているかを示すべきだ」という。「画像は強い威力をもち、今回やっと公表されたビデオで工事が中国領有権主張のテコ入れだと明確にわかる」とある。
  3. 一方でマケインは同じ声明文で米国は同盟国・提携国とともに同地域で関係を深化させ、重要な通商路である同地域の平和と安定を維持する共同責任を全うする」としている。この理由はごく簡単に言えば、「米国は南シナ海に国益を有している」からだ。■
ビデオはCNNのサイトでも見られます。

2015年5月22日金曜日

★★ A-10海外販売を目論むボーイング



時代遅れみたいな格好をしたA-10ですが、現在は中東方面で結構活躍しているのはご承知の通り。米空軍は予算節約でまずA-10を処分従っています。一方で同機の威力に惹かれる市場もあるわけですね。そこで商売上手なボーイングがこの通りの改修を加えればA-10はさらに強力になります。一体どこが関心を示しているのでしょうか。またその導入国はどんな作戦コンセプトを持っているのでしょうか。ヒントとしては強力な制空権確保砲能力があり、高密度の(戦車機動部隊等)地上兵力の脅威に直面する国でしょうか。韓国という線はないでしょうかね。(ないか)

Boeing touts A-10s for international customers should USAF divest fleet

Gareth Jennings, San Antonio, Texas - IHS Jane's Defence Weekly
20 May 2015

A-10が米空軍の第一線を退けば、同機取得の絶好のチャンスとなる国があらわれる。
Source: US Air Force

  1. ボーイングは米空軍(USAF)とフェアチャイルド・リパブリックA-10サンダーボルトII対地攻撃機の対外販売を協議中。これは空軍が同機運用を中止した場合の想定と5月20日に明らかにした。
  2. ボーイングのグローバルサービス支援部門(テキサス州サンアントニオ)でボーイング社外機材担当の主任エンジニア、ポール・セハスは記者団にUSAFと余剰A-10を海外顧客(複数)へ売却する案を初期段階で打ち合わせ中と明らかにした。ただし国名は明らかにしていない。
  3. ボーイングがA-10の事実上の主契約企業になっており、USAF運用中のおよそ300機のうち173機で主翼取替作業の契約を実施中だ。すでに105機の作業が完了しUSAFに納入済みで、契約は2017年第一四半期で完了する。
  4. USAFはA-10退役を望んでいるが、そのとおり実施されれば(ただし米議会に根強い反対がある)、セハスによればUSAFはまず主翼取替作業契約を完了させ、機材をそのまま他国へ引き渡せるという。.
  5. 主翼を以外にボーイングは広範な近代化改修を行う用意があるとセハスは言う。エンジン交換、コックピット改修で目標指示機能付きヘルメットを導入、目標捕捉用ポッドが想定されるという。セハスは改修案は初期検討段階であり、特定の顧客の引き合いに対応した案ではないと発言。
  6. セハスはA-10の購入希望国名の開示は拒否し、公表はUSAFの仕事だとした。■


インド>国産空母の完成近づく、二号艦は原子力推進へ


さすが悠久の時間の国、インドの建造計画ははゆっくりとしていますが、インド洋でインドががんばってくれればアジア太平洋の各国(中国除く)のエネルギー供給、通商で大いに頼りになる存在になりますね。米国以外に日本や豪州との協力関係も進むでしょう。一方、中国には目の上のたんこぶのような存在となり、中国自身の艦隊運用の活発化やスリランカ、パキスタンでの母港確保、更にはインドの仇敵パキスタンは潜水艦部隊整備で対抗すべく中国への依存を高めるでしょうから、インド洋をめぐる安全保障の地図はこれから大きく変わりそうです。その中で「利益線」を意識してどう動くべきかを日本は考えたら良いと思います。

India Will Relaunch First Domestic Carrier Vikrant Next Week, More Money Approved for Second Carrier

By: Sam LaGrone
May 21, 2015 11:55 AM

India's indigenous carrier Vibrant during its initial 2013 launching.
インド初の国産空母ヴィクラントの初回進水式(2013年)

大幅に建造が遅れていたインドの国産空母が来週再進水式に臨むが、ナレンドラ・モディ首相は国産二番艦の建造予算増額を承認したと現地報道が伝えている。.
  1. INSヴィクラントVikrant (排水量4万トン)は5月28日にコチン造船所の乾ドックを出る。初回進水式は2013年に執り行われている。
  2. 建造に苦労したヴィクラントの完成は大幅に遅れた。コチン造船所への契約交付は2005年で、建造は5年遅れ、40億ドルも予算超過したといわれる。
  3. だが2014年に建造のピッチが上がったのはモディ首相が31億ドルを追加注入する案を承認したためだ。
  4. モディ政権は国産空母建造を強く支援しており、中国の拡張傾向への対抗策として期待している伝えられる。中国はソ連時代の遼寧(旧ヴァリャーグ)を取得しているが、国産空母数隻を建造中と言われる。インドにはロシア製の空母 INS ヴィクラマディティヤVikramaditya (旧バクー)がある。
  5. モディ政権は50億ドルを別に確保しており、国産空母第二期建造計画としてINSヴィシャル Vishal を開発するとの現地報道がある。
  6. ヴィシャルは排水量6万5千トンの計画で原子力推進ならびにカタパルト発進システムを導入し、現行のMiG-29Kより大型の機材の運用が可能になる。.
  7. ヴィクラントや現行のヴィクラマーディティヤ、艦齢50年のINSヴィラートViraat(旧英海軍ハーミーズ)はともに通常動力で航空機発進は簡素な短距離離陸方式で回収は拘束フックというSTOBAR方式を採用し艦首の「スキージャンプ」が特徴だ。
  8. インドが関心を示すジェネラル・アトミックスの電磁航空機発進システム(EMALS)は米海軍の新型原子力空母ジェラルド・R・フォードに搭載されている。.
  9. 米印両国は空母関連技術の共同開発拡大で協力すると発表している。また両国は今年1月の合意内容として空母関連技術を共有する可能性を模索しあらたに作業部会を発足させる。
  10. 最新の予定ではヴィクラントが稼働開始するのは2018年、より複雑なヴィシャルは早くて2033年となっている。なお、INSヴィラートは来年退役する。■

2015年5月21日木曜日

★米空軍>レーザー搭載戦闘機が2022年に登場



100kW級のレーザー光線でこれだけの仕事が本当にできれば革命的な変化ですね。敵を発見すれば即破壊できるのですから空の戦闘の様相が変化します。ただし文中にあるように大気中の航空機からの照射よりも軌道上から発射するほうが効果が高く、宇宙の軍事利用にこの先すすんでいくことになるのでしょうか。また1Lの航空燃料の発熱量は約37MJとのことですが、これがレーザー照射一回に必要なインプットとしても再照射に必要な時間間隔はどのくらいなのでしょうか。究極の姿としては小型核融合炉を搭載した大型戦闘航空機(UAVで護衛する)でほぼ無制限にレーザーを照射(複数方向へ)するというのはどうでしょうか。


Laser Fighters: 100 kW Weapons By 2022

By SYDNEY J. FREEDBERG JR.on May 18, 2015 at 4:00 AM

PENTAGON:. スター・ウォーズファンが興奮するかもしれない。米空軍は小型機から照射する100キロワット級レーザー兵器の実用化を目指している。空軍研究所が明らかにした。直近の航空機搭載レーザーはメガワット級のエアボーン・レーザーで747を改装した実験が2011年に中止されている。今回は2022年に実証を戦闘機で行う。
  1. だがF-35Aへは搭載されない。ステルス戦闘機はレーダー断面積を小さくするため武装を内蔵するが、今回のレーザー装置は外部武装ポッドに内蔵する。
  2. 技術は着実に進化中とモーレー・ストーン Morley Stone (空軍研究所技術主任)は語る。半導体レーザーの構造は有害な化学レーザーより数段簡単で小型にできる。エアボーン・レーザーは化学方式だった。技術が進歩したとはいえ、小型機へのレーザー搭載は容易ではない。そこで「機体内部への搭載の前にポッド方式の外部搭載でリスクを軽減する」のだという。”
  3. 外部ポッド方式でもレーザー兵器の内蔵は容易ではない。AC-130ガンシップの巨大なウェポンベイは別で特殊作戦軍団はAC-130にレーザー砲の搭載をめざす。「戦闘機への搭載は難易度が高い」とAFRL所長トーマス・マシエロ少将 Maj. Gen. Thomas Masiello は言う。
  4. 米軍が現時点で運用中の唯一のレーザー兵器は30キロワット級試作品で、USSポンセに搭載しペルシア湾に展開中だ。艦載レーザーには特有の問題がある。海面上は水分が多く、レーザー光線が減衰し、歪む。高空ではその問題はないが、航空機には高性能の補正光学装置がないと焦点が合わない。また艦船の設置場所は戦闘機よりはるかに広い。
  5. 「航空機搭載はずっと難易度が高い」とAFRLのデイヴィッド・ハーディー David Hardy 指向性エネルギー局局長は述べる。「艦船搭載の場合はSWAP(寸法、重量及び出力)が大きく確保できる」とハーディーは説明し、さらに「航空機は艦船より振動が大きい。船も横揺れはあるが振動はそこまで大きくない」という。精密機械に振動は禁物だが、レーザーでは標的の一点を焼くため照射の保持が必要だ。
  6. 「レーザーの本質は加熱装置です。加熱・溶融し穴を開けます」とハーディーは言う。ただし、標的をそこまで加熱するには高度技術が必要で、発射源が飛行中の場合はなおさらだ。軍は巨大な化学レーザーの実用化は断念したが、ABLの経験から貴重な結果を得た。これが小型電動レーザーの制作に役だっているとハーディーは言う
  7. もうひとつ大きな進歩がジェネラル・アトミックスのHELLADSレーザーで生まれており、まもなくDARPA単独の実験からDARPA・空軍研究所の共同事業に移行する。「150キロワット級電動レーザーとなる」とハーディは言う。(HELLADSの公称出力は未公表で、詳細は秘匿扱いになっている)HELLADSは高出力レーザー兵器として航空機搭載を可能にするのをめざす。現在は地上設置だが、外寸と裏腹に高出力を実現し「100キロワット超の電動レーザーで妥当なSWAPの実現を証明する」ものだという。
  8. 「今後10年以内に100キロワット超の出力を常時発生するシステムが完成すると思います」とハーディーは説明。「数百キロワットになるでしょう」
  9. では100キロワット級の出力で何ができるか。ハーディーは想定する標的の話をしたがらないが、戦略予算評価センター(CSBA)の研究によれば巡航ミサイル、無人機、有人機を相当の距離から破壊できるという。
  10. CSBAで報告書を作成したマーク・ガンジンガーMark Gunzingerは「150から200kWのレーザーなら地対空や空対空ミサイルの破壊が可能」だという。「大気が薄い高高度であれば効果が高い」
  11. マシエロ少将はレーザーは空対空ミサイルに取って代わる存在と見ている。「ほぼ無限に使える究極の指向性エネルギー兵器だ。レーザー照射一回に必要なエネルギーは燃料1リットル相当と試算している」
  12. 「ミサイル防衛が最大の関心事です」とハーディーは記者に語った。これは海軍や陸軍のレーザー開発でも同じだ。「ただし当方は攻撃効果も注目し、ジェット燃料で発電すればレーザー照射を続けることができる」
  13. F-16の対空ミサイル搭載数は6発だ。6回発射したら、命中のいかんをとわず基地に戻り再装填する。ガンジンガーはレーザー搭載機なら給油機のいるところへ戻ればよいという。「着陸・再装填せずに空中給油でレーザーはまた使用可能となり、戦場へ戻れる」という。制約条件はパイロットの耐久力だけだが、無人機ならもっと長く作戦空域にとどまれる。
  14. 「開発中のレーザーはいくつかあり、HELLADSもそのひとつだが、大きな進歩が見られる」と航空機に搭載可能な小型兵器に近づいているとガンジンガーは記者に語った。「航空機搭載レーザー兵器の現実化はすぐ先です」
  15. 未来を展望できる空軍関係者のひとり、デイヴ・デプチュラ退役中将retired Lt. Gen. Dave Deptulaは航空機搭載レーザーの可能性を信じる。また近い将来に宇宙配備レーザーも実用化されると記者に語ってくれた。当初は短距離防御システムとなれば、出力、焦点、大気のゆがみ等の問題を克服して攻撃するより、敵をこちらに接近させればよいという。レーザーの射程は更に延長される可能性があり、航空宇宙機材は運搬手段にすぎない。
  16. レーザーは高密度の光線にすぎない。大気中で減衰し、水平線の先への標的へ照射できない。ただレーザー照射地点の高度が高ければ、それだけ有効照射距離が伸び、大気が薄いほうが効果的だ。ここに空軍の求めるレーザー兵器の可能性、艦船あるいは地上から照射するレーザーでは実現できないものがある。
  17. 「大気の制約から開放されたレーザーの効果は想像にかたくないでしょう」とデプチュラは記者に話す。「宇宙空間あるいは宇宙からレーザーを使用する機会が増大する」とし、敵航空機や弾道ミサイルを上空から撃墜できるという。これは現行の国際条約では実施不可能とデプチュラも認め、「宇宙空間の武装化はしたくないが、今後を考えると宇宙空間での作戦準備は今から進めておくべきだろう」
  18. 宇宙から、空から、あるいは地上からのレーザー照射は革命的に大きな可能性を有している。「革命的変化ということばの使いすぎが目立つ」とデプチュラはいうものの、今回の場合は妥当だ。「チャック・イエーガーが音速の壁を破って以来、音速での戦闘は当たり前になった」と記者に語る。米国、ロシア、中国がそれぞれマッハ5超の極超音速兵器を開発中だが、レーザーがあれば、「光速での戦闘が普通の話題になる」という。■