2015年4月30日木曜日

イラン革命防衛隊によるマーシャル船籍貨物船拿捕>続報


同じニュースですがイランの内部事情はこちらのUSNI Newsのほうがよくわかります。革命防衛隊の有する海上部隊は正式なイラン海軍とは異なるものの有効な武装勢力であること、どうも船会社とイランとの間で金銭トラブルがあったこと(これはイランの主張ですが)がわかりますね

Iran Seizes Marshall Island Ship Maersk Tigris; U.S. Destroyer On Station

By: Megan Eckstein
April 28, 2015 11:21 AM • Updated: April 28, 2015 6:39 PM

An updated photo of Revolutionary Guard Corps Navy patrol vessels. FARS News Photo
イラン革命防衛隊海軍のパトロール艇、 FARS News Photo
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イラン海軍艦艇がマーシャル諸島船籍の貨物船にホルムズ海峡で発砲し、イラン領海へ移動を強要したとペンタゴンが確認した。米海軍部隊中央司令部(NAVCENT) が航空機を送り、USSファラガット(DDG-99)に状況把握を命じてい
  1. 拿捕されたのは総重量52,600トンの貨物船マースク・ティグリスでイラン革命防衛隊海軍の哨戒艇数隻が包囲したとペンタゴン報道官スティーブ・ウォーレン陸軍大佐が認めた。「船長はイラン領海内への移動を命じられた」
  2. 「船長が拒否したところ、IRGCN舟艇の一隻がマースク・ティグリスのブリッジに向け数発を発射したため、船長はイランの要求を受けいれララク島付近のイラン領海へ進めた
  3. ウォーレン大佐によるとNAVCENTは船会社と連絡中で、状況把握に努めている。船会社から同船にアメリカ人は乗船していない旨回答があった。
  4. イラン国営のファース通信社はイランが「米国貨物船を拿捕した」のはイラン港湾海運局(IPMO)の要請としている。
  5. 「同船を拿捕したのは法廷命令が出たため」と事情筋が語る。同船の所有会社と金銭面でIPMOの主張が相違していること、IRGCNが同船をバンダル・アバスまで回送するとも付け加えている。
  6. 民間船舶の追跡サイトVessel Finderによれば同船はジェッダ(サウジアラビア)を最後に出港しており、今月前半はトルコ各地へ寄港しており、ジェベル・アリ(アラブ首長国連邦)が次の目的地だった。21:30 UTC/Zulu(グリニッジ標準時)に到着予定だったが、最後の報告は バンダルアバス沖合で14:20 Zuluとなっており、ホルムズ海峡でも一番狭い地点近くだと確認できる。ウォーレン大佐によれば IRGCN舟艇が同船を包囲したのは0905 Zulu.だったという。
The track of the M/V Maersk Tigris before and after the seizure by IRGCN forces. Screen grab from MarineTraffic.com
拿捕前後のM/Vマースク・ティグリスの航跡 Screen shot from MarineTraffic.com


  1. IRGCNはイラン革命(1979年)後に編成され、イラン・イラク戦争の教訓から1990年代に強化されている。イスラム共和国イラン海軍(IRIN)とちがい、IRGCNは政治的に厚遇を受け、その地位が高く予算も多いと海軍情報部(ONI)はまとめている。.
  2. マースク・ティグリスが向かうと見られるバンダルアバスにはIRIN司令部があり、フリゲート艦、駆逐艦の母港になっている。
  3. 2007年にイランの海軍部隊2つで責任分野を分けた。IRINはカスピ海、オマーン湾を活動海域とし、IRGCNがペルシア湾全体を統括することになった。「イランの海軍統制原則は接近拒否が基本なのでIRINがオマーン湾に展開し、IRGCNの高速舟艇、自殺攻撃舟艇、沿岸警備巡航ミサイルをホルムズ海峡とペルシア湾に集中させることで海軍艦艇をイランの多層的防衛体制に組み込むことができるようになった」とONIによるイラン海軍分析はまとめている。
An undated photo of M/V Maersk Tigris. Damietta Port Authority via Defense News
M/Vマースク・ティグリス、エジプト・ダミエッタ港にて。撮影時期不詳 via Defense News

  1. IRGCNはもっと目立つ形で2007年に拿捕を実施している。英海軍駆逐艦HMSコーンウォールの臨検チームを捕獲した。英海軍隊員はイラクの自由作戦の一環でペルシア湾内の商船を臨検していた。15名が二週間にわたり身柄を拘束され、イラン政府はイラン領海に侵入したと主張。
  2. マーシャル諸島共和国は主権国家だが条約を通じ米国と結びついている。外交は自国で行うが、「マーシャル諸島の安全と防衛には米国が完全な責任を有する」と国務省は説明している。
  3. 以下ペンタゴンが4月28日発表した声明文
  4. 4月28日おおよそ0905 Zuluに貨物船M/Vマースク・ティグリス(船籍マーシャル諸島)にイランのIRGCN警備艇数隻が接近したが、同船はイラン領海内にありホルムズ海峡を湾内に向け航行中だった。船長に連絡が入りイラン領海内へ進むよう指示があったが、船長はこれを拒否したところIRGCN舟艇の1隻がマースク・ティグリスのブリッジに向け数発を発射した。船長はイラン要求に従い、ララク島付近まで同船を進めた。NAVCENTはDDG(USSファラガット)にマースク・ティグリスおよびIRGCN舟艇にもっとも接近できる地点へ全速力で進むよう指示した。NAVCENTは該当開運会社と連絡を保ち、状況の把握に努めている。運航会社の回答で同船にアメリカ国籍乗員はいないとのこと。■

★米海軍>F-35C調達が間に合わない、スーパーホーネット追加調達へ



F-35Cの調達があまりにも遅いため米海軍はしびれをきらしたようです。またこれ以前の海軍からの発言を見てもステルス命という姿勢を海軍は(有人機では)取っていないことが明らかですね。メーカーのボーイングにとっては海外販売の可能性が薄いところに海軍からの追加調達が本当に実現すれば生産ラインを維持できるわけで産業基盤の維持にもつながります。


Navy Leans Toward Building More Super Hornets After F-35C Delays

by KRIS OSBORN on APRIL 22, 2015

2SuperHornet
米海軍はF/A-18スーパーホーネット調達を2017年以降も継続する。これはF-35Cの生産が遅れているのに加えホーネットへの需要が高まっていることへの対応。
  1. F/A-18スーパーホーネット生産は2017年で終了し、共用打撃戦闘機に更新する予定だった。
  2. だが作戦上のリスク回避のためにスーパーホーネット二ないし三飛行隊を追加し、A型からD型が耐用年数の限界に到達しても対応する。
  3. 「CNO(海軍作戦部長)が言うように2020年代、30年代を見越すとF-35C調達を進める一方でスーパーホーネット二個ないし三個飛行隊を追加しないと作戦上のリスクに直面する」と海軍航空戦を統括するマイケル・マナジール少将 Rear Adm. Michael Manazir はMilitary.com取材に答えている。
  4. 各空母は10機編成の飛行隊2と12機編成の飛行隊2で合計44機の攻撃用機材を擁する他に電子戦機材等がある。そこで海軍が求める追加機材数は20機を超える規模だとわかる。
  5. 空母飛行隊ではスーパーホーネット24機とホーネット20機を揃えるのが多い。旧型ホーネットのA型からD型はF-35Cに置き換えるはずだった。
  6. F/A-18A型とC型では8,000飛行時間に到達すると耐用年数延長の改修を受け、10,000時間まで飛行可能となる。しかし実際には大掛かりな修理が必要となることが多く旧型機のうち54%が使用できない。F-18は各地で必要となっており、改修作業が間に合わないのが現状だ。
  7. スーパーホーネットは2030年代まで十分実用に耐えるよう計画されているが、2040年代まで延長が必要との声が多い。マナジール少将によれば2020年までに導入できるF-35Cは20機程度だ。
  8. 「F/A-18を年間350時間ほど操縦していたが、みんなが同じペースだと年間35機か39機を新型機に更新する必要がある。F-35Cはこの規模にならないので、機数が不足する。攻撃戦闘機は必要だが近い将来に不足が発生するのは目に見えている。」とマナジールは言う。
  9. 2016年度の要求にスーパーホーネット12機とF-35C8機が加えられているが予算の裏付けのない追加調達の願望リストとして議会に送られ、年間予算に組み込むかを検討する。
  10. ボーイングのF/A-18生産ラインでは F/A-18 E/Fスーパーホーネットに加えてEA-18Gグラウラー電子攻撃機も生産中。F/A-18 E/F累計生産数は500機ほどだという。F/A-18E/Fの調達予定は563機だが、増えそうだ。
  11. ボーイングとしては生産ラインの継続のため今年末までに決断が出て、リードタイムが長い部品の調達にとりかかりたいところだ。.
  12. F/A-18関連の産業分布は44州に渡り、年間経済規模は90億ドル程度で、間接直接含め9万人分の雇用が実現している。
  13. マナジール少将は航続距離等の性能面でF/A-18スーパーホーネットの性能改修を企画しているという。
  14. その中に機体一体型燃料タンク、エイビオニクス能力向上やレーダー反射を抑えた外部武装ポッドがあるという。
  15. これらはボーイングが自社負担で準備中だが、もし海軍が563機を超える調達をしても全機に改修実施できないという。
  16. マナジールはスーパーホーネットとF-35Cの共同運用も考えている。ただし専門家の中にはステルス性が劣るスーパーホーネットあるいはグララ-がF-35Cと組むと敵に探知されやすく、結果としてF-35のステルス性が無駄になると懸念を示す向きがある。
  17. 敵陣営の技術の急速な進歩で防空体制が変わってきたことでF-35Cのステルス技術があってもグラウラーと一緒に運用する必要があるとの認識だ。
  18. 「すべての帯域で有効なステルスが重要で、ある特定の帯域だけに特化したステルスがあっても残りの帯域のことを忘れていいわけではない。高性能の防空体制を相手にするのであれば低レーダー断面積に加え敵を妨害する性能も必要となる」とグラウラーとの同時作戦投入をマナジールは必要と考えている。■


速報>イランがマーシャル諸島貨物船を拿捕、ホルムズ海峡リスク高まる


イランは外交上のゲームをするつもりなのでしょうか。民間貨物船の拿捕というのは久しぶりです。これでホルムズ海峡リスクが一挙に高まりそうですが、米海軍がどう対応するかが鍵となるでしょう。しばらく目が離せません。集団安全保障の議論の中で、ホルムズ海峡がなぜ日本の安全保障に関係あるのかとトンチンカンな発言をしている政治家がいましたね。

  Iran Intercepted US-Flagged Ship

By Joe Gould, Staff writer2:11 p.m. EDT April 29, 2015
WASHINGTON — イランがマーシャル諸島共和国船籍の貨物船を拿捕したが、イラン海軍艦艇による米船籍民間船舶への妨害は以前にも発生していたとペンタゴンが認め、イランと米国の間で緊張が高まっている。
  1. 米海軍駆逐艦ファラガットおよび警備艇3隻は29日も引き続きマーシャル諸島船籍のマースク・チグリスMaersk Tigrisの監視を続けている。同船は前日に発砲を受け、船内に乗り込まれた後に拿捕された。同船はホルムズ海峡のララク島Larak Island沖に停泊したままになっている。
  2. ペンタゴン報道官スティーブン・ウォーレン大佐Col. Steven Warrenは米海軍艦艇が「すべてに監視の目を光らせている」と語り、「対応が必要な場合に行動できるよう近居場所に配置してある」という。
  3. ファラガットとともにサイクロン級の沿岸警備艦サンダーボルト、ファイヤーボルト、タイフーンの三隻(バーハーレン配備)が展開中。チグリスの救難信号が28日に発信された時点で、米艦艇は海上安全確保作戦に従事しており、状況を傍受していた。
The coastal patrol boat Firebolt.沿岸警備艇ファイヤーボル (Photo: William H. Clark/Navy)
  1. 米軍は各艦以外に、偵察監視機を上空に飛行させているほか、「保護が必要となった場合、ファラガットは任務実施の準備ができている」(ウォーレン大佐)
  2. チグリスは現在イラン領海内にあるが、米国の対応は不明だ。ウォーレン大佐によれば米政府はマーシャル諸島共和国政府と協議中で、米国は同国の防衛に条約上の責任を有している。責任範囲にマーシャル諸島船籍船舶も含むとウォーレン大佐は説明。
  3. しかるべき対応とは「大統領の決断になるのは明らかで、条約の内容を具体的に検討しておく必要があるが、行動が必要となった場合は米国が裁量を有するとの条項があると理解している」(ウォーレン大佐)
  4. 国防総省はイランと連絡をしておらず、イランの意図は不明とウォーレン大佐は述べた。
  5. 「イランの行動の背景理由は理解困難。航行の自由など国際的に認められた海洋法を尊重するように注意喚起するのは当然のことで、イランも署名国であり、その他の既存プロトコールの順守を求めていく」(ウォーレン大佐)
  6. マースク社から29日に声明文が発表され、チグリスは定期用船契約船舶でリックマースグループRickmers Groupからマースクが借り上げているとのこと。「なによりも船員の安全と健康が最大の懸念事項」とマースク広報ティモシー・シンプソンTimothy Simpsonが述べている。「リックマースと連絡を密にし情報を得る一方、状況の打開方法を探っています。またデンマーク政府外務省とも協議中です」
  7. ウォーレン大佐は4月24日にイラン革命防衛隊海軍Iranian Revolutionary Guard Corps Navy のパトロール艇4隻が米船籍コンテナー船マースク・ケンジントン Maersk Kensingtonに嫌がらせをしていた事実を認めた。イラン側舟艇は後方から接近し15分から20分にわたり追尾し、「ケンジントン乗員は敵対行為と解釈した」という。
  8. マースク社によれば事件発生地点はドバイ北北西30カイリで、イラン舟艇とケンジントンの間に無線交信はなかった。ケンジントンはアラブ首長国連邦ジェベル・アリからジャワハラル・ネール港(インド)へ向かっていた。
  9. 「イランはホルムズ海峡で二隻の民間船に嫌がらせをし、しかも4、5日の間に発生している。貨物船舶が同海峡を通過する際にはリスクを覚悟せざるを得ない状況になっている」(ウォーレン大佐)
  10. ただしウォーレン大佐はマースク・ケンジントンが海軍海上輸送司令部の傭船契約にあったのか、軍事貨物を搭載していたのか言及していない。チグリスについても同様で、ウォーレン大佐は事実を把握していないと述べるにとどまっている。■

2015年4月28日火曜日

★日米防衛新ガイドラインは予想以上に多面的かつ画期的



ガイドラインの改定で国内報道は近隣同盟国(韓国、オーストラリア等)への対応などを中心にややバランスを欠いた記事の構成になっていませんか。本稿ではそれとはちがう視点(米国防高官=?)の発言を引用する形で広範囲の話題をコンパクトにまとめていますのでご紹介します。

US, Japan Strike New Military Agreement

By Aaron Mehta and Paul Kallender-Umezu 4:43 p.m. EDT April 27, 2015
WASHINGTON and TOKYO — 日米両国が新しい防衛協力改訂に月曜日合意した。日本の防衛面でのプレゼンスを世界規模にひろげ、サイバー、宇宙、産業分野で二国協力を強化するとの内容だと米国防関係高官が明かした。
  1. 新日米防衛ガイドラインは月曜日ニューヨークシティで日米間の外交、防衛トップによる2+2協議で合意された。
  2. 上記米国防高官は合意書署名に先立ち記者団に内容を話し、合意内容は日本を米国の軍事上のパートナーとして世界規模で再定義する意味があり「非常に大きな出来事」と評した。
  3. 日本は攻撃を受けた域内の同盟国を防衛することができるようになる。米国に向けて発射されたミサイルを日本のミサイル防衛で迎撃できることも意味し、上記高官は北朝鮮が地域安定度ヘの「脅威度を高めている」と評した。
  4. さらに日本が世界規模で平和維持活動や人道救助活動を展開すること、さらに情報収集・監視・偵察活動(ISR)の強化が見込まれる。
  5. 新ガイドラインは常設の「同盟間調整メカニズム」 ”alliance coordination mechanism" の創設を謳い、日米の防衛・外交関係者で構成するとしている。この機関が日米の作戦活動を調整・統制することが期待される。過去に同様の機能がなく防衛関係が進まなかった経緯がある。
【日本の観点】
  1. 各論は今後両国で詰めるが、まずガイドラインを日本の国会で審議可決する必要がある。障害はほとんど見られず順調に進展するだろう。
  2. 政策研究大学院大学の道下徳成教授は新ガイドラインは日本の安全保障を強固にする基盤と見ており、攻撃を受けた日本を救援する責任が米国にあることが前提とする。
  3. 2014年を通じ日本側関係者から異口同音のように日本が紛争に巻き込まれることへの警戒心と反撥する国内感情があると主張していた。日本と直接関係しない他国の紛争に巻き込まれることを警戒していると道下は説明する。
  4. 日本の観点とは世界は言うまでもなく地域内でも力を露骨に誇示する国には関わりたくないというものと道下は説明する。集団的安全保障に道を開く立法措置が今後生まれるが、妨害や制約を受けている。同様に新ガイドラインは米艦船を日本が守るための白紙小切手とは見られていない。
【中国】
  1. 今回のガイドラインは安倍内閣が昨夏示した日本の防衛での変更点をあらためて盛り込んだものだ。東アジアでの安全保障面の課題への対応を重要視しており、とくに中国による軍事外交面での挑戦を意識している。
  2. この点で日米両国は中国の台頭をいかに封じ込めるかで広範な合意形成ができており、今回の改訂でも重要課題と位置づけている。そこで中国や北朝鮮が今回の合意形成を歓迎することはない。両国とも兵力投射能力の拡大につながると見るのは必至であるが、新ガイドラインでは特定の国名は表記していないと上記高官は説明している。
  3. また上記高官によればガイドラインのあらましは中国側に説明済みで、今週も詳細なブリーフィングを行うという。ただし高官は新ガイドラインに中国がどう反応しているかの説明は避けた。
  4. 明治大学国際総合研究所の客員研究員奥村準によれば中国の対日姿勢はこの数カ月で厳しさが減っている。
  5. 「ここに来て日本に対する発言で中国にソフトさが出てきたのは経済の理由だけではない」と奥村は言い、新ガイドラインで同盟関係の「基礎重要部分」が強化されると見る。
  6. ただし日本が一夜にして軍事大国に変容すると期待しないよう釘を指している。
  7. 逆に奥村は「情報活動の共同作業の日常化」に焦点が当たることへ期待している。情報収集衛星の相互利用や南シナ海での共同パトロール、さらに防衛装備の研究開発を想定している。
【宇宙空間】
  1. 上記米国防高官も宇宙とサイバーを協力拡大の二大分野だと強調していた。日本の宇宙におけるプレゼンスは着実に増えており、今年早々に新宇宙利用10ヶ年計画が完成している。
  2. 上記米高官は宇宙空間状況認識データの共有拡大が新ガイドラインで示されていると注意喚起している。宇宙空間が一層混雑していく中で米国は地球を周回する物体の追跡能力、同盟各国とデータを共有する能力に重きを置いている。
  3. 「日米両国はこの分野で優れた能力を有しており、情報共有を拡大したい」と高官は述べている。
  4. 両国間で情報の流れが太くなるのか、日本も米空軍の合同宇宙オペレーションズセンター(米、英国、カナダ、オーストラリアが参加中)に加わるのかは不明。
【産業協力】
  1. 米高官は米国内産業も両国関係の強化で恩恵を多方面で受けるはずと語った。
  2. 「ガイドラインでは日米協力を共同開発、共同生産、軍事技術の共有で進めるとの条項があり、ぜひこれは進めたい」
  3. 高官は米国防総省の改革案の下でペンタゴンの調達業務改革も進み、海外同盟国との産業協力を拡大させる動きがあると指摘。
  4. 「この点は日本側と特に協議したい点だ」
  5. 日米間の軍事技術連携はすでに強固だが、日本がF-35共用打撃戦闘機の導入を決めたてさらに強くなった。
【ISR】
  1. ただ日本のグローバルナプレゼンスが増えれば防衛装備拡充の必要性も大きくなるはずで、特に日本がISR分野を世界規模で行うことになる場合で顕著になろう。日本はグローバルホーク無人機導入を決定済みだが、導入規模を拡大するかもしれない。あるいは低高度飛行ISR機材としてMQ-1プレデターやMQ-9リーパーの増設を決めるかもしれない。
【ミサイル防衛】
  1. 米高官はミサイル防衛も重要視しており、迎撃ミサイルシステムの追加もありえる。その場合艦上発射型か陸上発射型のどちらになるかまだ不明。■


2015年4月27日月曜日

★敵防空網を低コストUAV多数で突破する新構想



盾と矛の話のようですが、高性能の防空体制が生まれればそれを打ち破る新しい方法も出てきます。高価なミサイルを打たなくてもいいのであればそれに越したことはありません。伝統的にアメリカのほうが攻撃を重視している気がします。

ONR: Swarming UAVs Could Overwhelm Defenses Cost-Effectively

Apr 23, 2015 Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology

海軍研究所(ONR)が費用対効果の高い防空網突破手段を2016年度に実証することになった。構想では自律飛行型の小型無人機多数を放出し、敵の防空網を無効にする。
  1. 低コストUAV大量投入技術 Low-Cost UAV Swarming Technology (Locust) の名称がつき、ONRはレイセオン製カヨーテ Coyotes 30機をフロリダ沖海軍艦艇から発射し、各機は即座に集団を形成し、自律的にミッションを実施する。
  2. カヨーテは発射管方式の電動小型UAVでもともとONR向けに高性能セラミクス研究所が製造したもの。同研究所はBAEシステムズに買収され、後にセンシンテルに売却され、レイセオンが同社を1月に吸収した。
  1. ONRはカヨーテ発射実験を3月に数回行っており、自律同調化と編隊飛行の実証を9機で実施済み。集団化実証はONRが運用する試験船シーファイターからフロリダ州エグリン空軍基地の沖合で実施した。
  2. カヨーテは高速発射されると低出力無線で相互通信環境を確立し、位置情報他を共有する。集団内で「親子」関係を作り、主導する一機が残りを従える。
  3. 「各機は相互の位置を把握し、それぞれに今いる場所を伝えるのが通信の目的です」とLocust事業をまとめるリー・マストロヤンニ Lee Mastroianni は語る。
  4. ONRの目標は集団自律飛行だ。「発進後に各機へこちらからは連絡したくないのです」とマストロヤンニは言う。集団を分割して小集団を作るとか一機ずつにちがうミッションを与える命令の送信は可能なので、ISR任務を割り当てることもできる。
  5. カヨーテUAVは消耗品扱いでミッション後の回収はしない。「安く一回きりの使用にして使う効果を上げました」(マストロヤンニ) ONRの目標は単価を1万ドル以下にすることだ。「5千から7千ドルにできたらいい」
  6. 重量12ないし14ポンドのカヨーテは90分まで飛行できる。
重量12から14ポンドの電動カヨーテは90分まで飛行可能で、翼を広げるとこうなる。Credit: Graham Warwick/Aviation Week
  1. 2016年に実施予定の海上発射公試では海中生物への被害を回避するため機体は回収するが、実際には陸上目標に多数の機体を命中させるとマストロヤンニは言う。
  2. 30機のカヨーテを30秒以内に発射し、集団を迅速に形成するのが鍵となる。
  3. Locust実証は「自動飛行への大きな一歩で、自律運航にみんなを慣れさせる」目的があるという。昨年8月の実証ではヴァージニア州ジェイムズ・リヴァーで小型無人水上艇が群れを作り敵船を包囲している。
  4. この技術をすべての艇に搭載することが可能だ。Locustは自律運航技術を確立し、水上、水中、空中問わず応用できると海軍研究部門のトップ、マット・ウィンター少将は見ている。■


2015年4月23日木曜日

X-47B>空中給油テスト成功、でもこれで事業終了か


空中給油もデモとして実施して予算もないのでX-47Bはすでに過去の機体となるのでしょうか。一方で肝心のUCLASSの仕様が決まらないのでX-47Bのデータがいつになったら有効活用されるのか先が見えません。海軍長官の発言にはX-47Bの成功が大きく作用しているのでしょうね。まずDefense Techの記事紹介です。

Navy Conducts First Aerial Refueling of X-47B Carrier-Launched Drone

by KRIS OSBORN on APRIL 22, 2015

Navy X-47B refuels for the first time. (Navy photo)
米海軍はX-47B艦載無人実証機を使い4月22日にパタクセントリヴァー海軍航空基地上空で無人機への初の空中給油に成功した。
X-47Bにはオメガ・エア・リフィユエル社 Omega Air Refueling の給油機が対応したと海軍とノースロップ・グラマン関係者が明らかにした。
X-47Bは5月には空母への着艦、発艦ですでに歴史に残る業績を上げており、現在は空母艦上での取り回しの改善に投入されている。
The Navy launched and landed the X-47B in rapid succession with an F/A-18 fighter jet as part of a series of joint manned and unmanned flight tests aboard the USS Theodore Roosevelt in August of last year off the coast of Norfolk, Va., service officials said.
X-47Bの着艦発艦テストはF/A-18の運用と平行して有人無人機運用テストとしてUSSセオドア・ロウズヴェルトを用い昨年8月にノーフォーク軍港(ヴァージニア州)沖合で実施している。

Navy X-47B refuels for the first time. (Navy photo)
X-47Bは8分間の飛行後、拘束フックによる着艦に成功し、主翼を折りたたみ、艦上をタキシーングし、続くF/A-18に着艦スペースを空けた。

Navy X-47B refuels for the first time. (Navy photo)
X-47Bへの空中給油はペンタゴンで海軍の次世代空母運用無人機の検討作業が続く中で実施された。議会有力議員はステルスで長距離飛行による敵地侵入攻撃性能が必要だと主張している。これに対しペンタゴンも情報収集監視偵察(ISR)を重視し、無人空母運用偵察攻撃機(UCLASS)構想を検討している。
X-47BはUCLASSに先立つ実証機の位置づけだ。

USNI Newsはもう少し掘り下げて報じています。

Navy Conducts Successful Test of Aerial Refueling with X-47B, UCAS-D Program Ending

April 22, 2015 3:37 PM


米海軍が初の自動空中給油に成功した。ノースロップ・グラマンX-47Bテスト機が4月22日に実施し、これで無人空母搭載機実証事業Unmanned Carrier Air Vehicle demonstrator (UCAS-D) も終了すると海軍航空システムズ本部 (NAVAIR) がUSNI Newsに語っている。
  1. X-47Bはチェサピーク湾上空を巡航飛行し、コールサイン ソルティドッグ502としてオメガ・エアリアル・リフュエリングサービシズ社のボーイング707給油機の後方につき4,000ポンド超の燃料を受け取りパックスリヴァーに向かい東部標準時午後1時15分に着陸したとNAVAIR報道官がUSNI Newsに語っている。.
  2. 給油はプローブ・ドローグ方式で行った。.
  3. 4月15日にソルティドッグ502はタンカーとの通信接続を確立したが、この際は燃料は移送されていない。また乱流で給油テストが中止されたこともああった。
  4. 空中給油テストはノースロップ・グラマンに交付した64百万ドル契約の一部。
  5. 「UCAS-Dの飛行テストは2012年に始まり、有人リアジェットをX-47Bに見立てて実施した。数回に渡る実証飛行でX-47Bへの空中給油の可能性が証明され、航法・指揮統制機能や赤外線レーザーの処理部品で改修を行った」とノースロップは発表。.
  6. これでソルティ・ドッグ501と502はテスト業務から外れ、航空博物館送りとなるか航空宇宙メンテナンス・再生グループ(「機体廃棄場」)があるデイヴィス・モンタン空軍基地(アリゾナ州)に移動となるだろう。
  7. 両機とも設計飛行時間の20%しか使用されていないが、海軍は機体構造は今後登場する無人空母運用偵察攻撃機(UCLASS)と共通要素は少ないと見る。
  8. 「X-47とUCLASSの相違点を考えるとUCLASSのリスク軽減対策は巨額の事業になりそうだ」とB.V. Duarte デュアルテ大佐(NAVAIR PMA-268責任者、UCAS-DおよびUCLASS事業を統括)は語る。
  9. X-47Bはステルス設計で空中給油可能かつ機内ペイロードが大きく、海軍が当初構想していた海軍用無人航空戦闘システム (N-UCAS) を具現化し、敵地侵攻型機に近い。構想は2006年のQDR(四年ごとの国防整備計画)で最初に提示された。
  10. その後、海軍は目標を修正し、無人空母運用型偵察攻撃機 (UCLASS) にした。USNI Newsが知るかぎりこの機体はRAQ-25とNAVAIR内部で呼称されている。
  11. UCLASS検討の初期段階では空母打撃群に追加偵察能力 off-cycle surveillance capabilityを提供するが攻撃能力は限定的とし、しかも制空権が確保された作戦空域内での攻撃を想定し、空中給油能力は不要とされた。
  12. ただし、無人機全体の構成を検討する戦略的事業検討(SPR,スピア) が国防長官官房内で開かれ、UCLASSの最終構想は未決とされた。
  13. 議会内にはジョン・マケイン上院議員(共、アリゾナ州)やランディ・フォーブス下院議員(共、ヴァージニア州)のようrにUCAS-Dテストの延長を求める声がある。しかし、22日に議会スタッフによるとX-47Bテストは下院軍事委員会シーパワー兵力投射小委員会でも検討の対象に上がっていないとのこと。
  14. NAVAIRはUCAS-D事業はソルティ・ドッグ502がUSSジョージ・H・W・ブッシュ(CVN-77)への着艦に成功した2013年の時点で終了にする予定だったが、海軍上層部から空中給油テストを加えるよう求められた経緯がある。■

次世代戦闘機も有人機で考える米空軍の思考方向性は全無人機化めざす海軍と対照的に


無人機とくに自律飛行可能な無人機は有人機の代替となりうるのか。空軍は否定的です。一方、海軍は無人機をどんどん拡充する考えですが、対空戦闘は友人パイロットの世界と考えていることがわかります。ただし、ドッグファイトの機会はどんどん減っているのですが。議論が今後もひらがりそうですが、その間に技術はどんどん進歩していきます。現実的な議論が必要ですね。

Manned aircraft needed for future Air Force, as Navy moves unmanned

By Brian Everstine, Staff writer1:32 p.m. EDT April 22, 2015
攻撃用機材の全無人化をめざす米海軍には追随せず、将来も攻撃機材にはパイロットが必要と米空軍は考えている。
  1. 空軍でも遠隔操縦機さらに完全自律飛行可能な機材の重要性が増えるが、戦闘機パイロットを代替するものではない空軍参謀総長マーク・ウォルシュ大将がワシントンDCで4月22日語った。
  2. 発言は海軍長官レイ・メイバスからF-35Cが「海軍省が購入する最後の有人戦闘攻撃機になるのは間違いない」との声明が先週出たことを受けている。メイバスはドッグファイトに有人パイロットが必要でも攻撃ミッションには無人機で十分だとの考えだ。
  3. 海軍は無人機システム開発のピッチをすすめており、無人機担当部署に加え無人機を専門に見る次官補ポストを新設したばかりだ。
  4. 空軍が考える無人機の活躍分野に長距離飛行や長時間監視任務があるが、「パイロットの身体的限界は心配していない」とウォルシュは語る。RQ-4グローバルホークの活動範囲を広げる一方で、MQ-9リーパーの調達数を増やし、有人機のU-28AやMC-12リバティ監視偵察機を手放す検討中だ。
  5. 次世代ステルス爆撃機でも有人操縦は選択的になるはずだが、開発段階ではコックピットにパイロットが座る。
  6. ただしF-35は空軍にとって最後の有人戦闘機にはならないとウォルシュ大将は明言した。「空軍には一定の種類の機材が必要であり、なかでも有人機の有益度が一番高い」
  7. ウォルシュはパイロットの頭脳をセンサーと考え戦闘状況で極めて重要で無人機で替えることはできないという。
  8. 空軍は未来の戦闘機像を検討すべく次世代制空戦闘機事業 Next-Generation Air Dominance Programを立ち上げており、2030年代の航空戦の想定で、どの技術をどこまで進めるかを示すロードマップを作成する。
  9. 将来の無人機をめぐる見解の相違が空軍と海軍で表面化している。海軍作戦部長ジョナサン・グリナート大将はワシントンで2月4日にステルスは「過大評価気味」だと述べている。
  10. 「次期戦闘攻撃機が有人機になるか確信が持てない。ステルスが過大評価されているのはご存知のとおりだ。現実に高速飛行すれば大気分子が乱れ、熱発生も起こる。エンジンがどこまで冷却化できるかわからない探知は可能なのだ」
  11. 一方、空軍では戦闘部隊の司令官たちは将来の空軍戦闘機ステルスが「とても大切」な要素と同様に発言しており、機内に各種センサー、指揮統制機能を搭載することも重要だとしている。
  12. 「ステルス性はすばらしいが、ステルス以上のものもある」と航空戦闘軍団司令官ホーク・カーライル大将も2月に発言している。「融合機能がある。その他各種の性能がある。これもとても重要だ。ステルスだけが中心機能ではないし、今でもそうなっている」■

2015年4月22日水曜日

世界の軍事支出規模をマクロに見る:中国は日本の5倍強の規模


文中には出てきませんが、日本も上位10ヶ国以内に入ります。H26年度は4.9兆円ということですから全世界シェアでは2.2%相当です。これに対し中国は12%となり、グローバル超大国でもない中国がこれだけの支出を東アジア中心に展開したということの意味を理解しないといけませんね。軍事費の単純比較が意味がないとか、定義が違うとか理屈はいいのですが、これだけの差が開いていることを考えると東南アジア各国が中国に警戒心を持つのは当然でしょう。意外にロシアが少なくしかも増額する余地がないとの指摘には少し驚きますね。

China, Russia, E. Europe Boost Defense Spending

Agence France-Presse6:32 p.m. EDT April 13, 2015
Nanjing Marks 59 Anniversary Of Ending Kuomintang Regime(Photo: Getty)
STOCKHOLM — 中国とロシアで2014年の国防支出実績は大きく伸び、ウクライナ紛争がきっかけて東ヨーロッパ各国も自国防衛体制の整備に乗り出している様子がストックホルム国際平和研究所のまとめで判明した。
  1. 支出規模では依然として米国がトップだが、2014年の実績は6.4パーセント減だったのに対し、中国、ロシア、サウジアラビアが米国に次ぐ支出規模で、かつ三国の支出は増えている。
  2. 中国の支出実績は2,160億ドル(約26兆円)で9.7%増と推定される。.
  3. ウクライナ内戦のあおりでロシアから近い東欧各国はおしなべて国防予算を増やし国防体制を見なおしている。
  4. ウクライナは20%増の40億ドルに対し、ロシアは8%超増で845億ドルだった。
  5. ロシア政府は2015年は15%増を見込むが、経済不振で実現しないだろう。
  6. 西欧各国も米国同様に予算を削減している。.
  7. 米国が依然として最大の防衛支出規模を誇るが、2010年のピーク時に対して2割減っているとの平和研究所の報告だ。「ただし現状の支出規模でも2001年より45%多い」と指摘。
  8. サウジアラビアの17%増は「上位15ヶ国中で最も大きな伸び」と指摘。
  9. 石油収入で豊かな同国は地域内の大国である。3月26日より同国が主導する形でイエメンのフーシに対する空爆作戦を展開中。
  10. アフリカでも軍事支出が6パーセント近く増えており、その先頭が石油産出国のアルジェリアとアンゴラだ。
  11. 「世界全体の軍事支出はほとんど変化がないが、中東やアフリカは急速な拡充をはかり、経済負担のしわ寄せを生んでいる」というのが分析結果だ。
  12. 2014年の世界全体の軍事支出は1.8兆ドル(約216兆円)で前年比0.4%増だったと同研究所はまとめている。

2015年4月21日火曜日

速報>空母ロウズヴェルトがイエメン近海に移動しイラン船舶の武器搬入を阻止へ



US Carrier Sent to Yemen to Block Iranian Arms

By Tom Vanden Brook, USA Today3:05 p.m. EDT April 20, 2015
635651375347096592-17021946991-217d7d6ae1-k(Photo: MC Seaman Anthony Hopkins II/Navy)


WASHINGTON — 空母USSセオドア・ロウズヴェルトがイエメン海域に移動中だ。イランからの武器搬入を海上で阻止し、米国が支援するイエメン政府の転覆をねらう反乱勢力に武器が回らないようにする
ペンタゴン報道官スティーブ・ウォーレン大佐が発表した。同艦を中心とする部隊巡洋艦USSノーマンディ含みペルシア湾からイエメン近くへ移動した。イエメン国内はさらに不安定になっている。
ロウズヴェルトはイラン船舶がアデン湾に入ろうとするのを追跡補足できると匿名を条件で国防総省関係者が説明している。匿名はイラン船籍を狙うことを公の席で話す許可がでていないため。
ペンタゴンは先週からイラン船舶を追跡しているという。
米海軍はイラン船舶を妨害する準備に入ったと別の国防総省関係者も明らかにした。ロウズヴェルトの移動で開戦につながることはないものの大きな一手だとペンタゴンは見る。
フーシはシーア派であり、イエメン政府はスンニ派が独占している。イランはシーア派が中心の国家であり、フーシを支援してきた。これに対しスンニ派の各国はサウジアラビアやアラブ首長国連邦はじめ政権側を支援している。■

中国>S-400防空ミサイル導入で何が変わるか


長距離防空ミサイルの導入は他国の航空作戦への牽制効果がねらいでしょう。メッセージに注目すべきです。記事が指摘するように台湾が苦しい立場になりますが、日本も当然注視していくべき事態ですね。ロシアは防衛装備以外にめぼしい輸出工業製品がなく、このS-400も各国にこれから売り込みにかかるのでしょう。

S-400 Strengthens China's Hand in the Skies

By Wendell Minnick1:20 p.m. EDT April 18, 2015

635648131586430993-DFN-China-S-400(Photo: umnick/wikipedia)
TAIPEI — 中国はロシアと新型S-400対空防衛システムの導入で合意し、中国の防空体制はいっそう強固になると専門家は見ている。
  1. 射程400キロメートルではじめて台湾上空の飛行物体の撃破ができる他、ニューデリー、カルカッタ、ソウルも射程範囲におさめる。黄海や南シナ海の防空識別圏でも防御が固められ北朝鮮内のいずれの地点にも発射できる。
  2. 日本と対立が深まる尖閣諸島近くまで防衛空域を伸ばすことも可能と指摘するのは ワシリー・カシン Vasiliy Kashin (モスクワの戦略技術分析センター Centre for Analysis of Strategies and TechnologiesCentre for Analysis of Strategies and Technologiesで中国専門家)
  3. 中国が配備ずみのS-300の有効射程は300キロだが、台湾の北西沿岸部上空までしか射程におさめず、インドや韓国の首都は対象外だとアレクサンダー・フアン Alexander Huang (台北にある戦略軍事演習研究協議会 Council on Strategic and Wargaming Studiesの会長)は指摘する。S-400で台湾の防空体制が試される。
  4. 「新装備で中国は航空抑止力を増強でき各国とも中国領空近くでの作戦に一層慎重になるだろう」(フアン)
  5. 国営防衛装備輸出公団ロソボロネキスポートのCEOアナトリ・イサイキン Anatoly Isaikin が売却を4月13日に発表した。報道陣へはS-400に国際市場から引き合い多数があり、中国が初の海外顧客になると述べた。詳細は未発表だが正式契約は2014年末に結ばれているとカシンは補足し、4ないし6大隊分で総額30億ドルだという。
  6. S-400はミサイル迎撃にも利用できる。ロソボロネキスポートはDefense Newsからの問い合わせに答えていない。
  7. S-400導入は中国の防空・ミサイル防衛体制で正常進化とマーク・ストークス Mark Stokes(Project 2049 研究所専務理事)は語る。「どの型式が輸出される型式、配備地点がどこになるかも興味のまと」という。
  8. 台湾を挟みS-400が配備されると台はも非対称的能力の拡充に走り中国の防空体制の弱点を攻撃できる装備をめざすとストークスは見る。
  9. 台湾の国防部 Ministry of National Defense (MND) は今回の発表を平然と受け止め、台湾軍は慎重に観察していると報道官羅志祥少将Luo Shou-heは語り、ロシアと中国が密接な軍事協力を進めているのは承知という。
  10. 「新型装備の脅威に対抗するべくROC(中華民国)軍は脅威評価を終えており、対抗策の戦術戦略を調整済み」で飛行訓練も通常通り継続するという。
  11. カシンによれば中国は長距離防空ミサイル生産の体制を徐々に整えているものの、ロシアと開きが相当ある。中国製装備が海外市場でロシアに競り勝つことがあるが「性能より中国が提供する支払い条件や技術移転が理由」という。
  12. 中国がS-400をリバースエンジニアリングするのは疑いもない。S-300でも前例がある。だがリバースエンジニアリングは非常に時間を食うとカシンは指摘し、ロシアはすでに次世代のS-500の開発に取り組んでいるという。このS-500の生産開始は2017年と見られ、中国にS-400の供給を開始するのとほぼ同時期になる。■