今年2015年はレーザー兵器の開発が相当進展していることがうかがわれた年でした。ここまで外部に漏れてくるということは実はもっと先を行く開発が進んでいるのでしょう。2020年代になる前に一部実用化されそうで、戦場のルールを一変するかもしれません。いよいよ航空機でも電力使用が前面に出てきそうですね。
General Atomics Plans 150kW Laser Tests; Eye On AC-130, Avenger
By Richard Whittle on December 21, 2015 at 6:00 AM
MQ-1プレデターで世界を変えた企業ジェネラルアトミックスが革命的な変化をもたらす可能性のある兵器を来月にテストする。150キロワット級レーザーだ。
- レーザー兵器を開発中の企業は他にもあるが、「各社の動向を注視しています」とブラドリー・ハイトホールド中将(米空軍特殊作戦軍団(AFSOC)司令官)がBreaking Defense取材で述べている。「AC-130への搭載に技術的に成熟してきた」
- ジェネラルアトミクスはAFSOCがAC-130ガンシップにレーザー兵器を数年以内に搭載すると見ている。また同社のジェット推進式新型プレデターCアヴェンジャーにもレーザーを同社の高エネルギー液体レーザー地域防衛システムHigh Energy Liquid Laser Area Defense System (HELLADS).から流用して搭載する企画がある。
- 空軍研究所(AFRL)および国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)はホワイトサンズミサイル試射場でレーザー実弾射撃実験を行う。HELLADSのビームを多数の飛行目標へ照射する実験をこれから18ヶ月続ける。無音、不可視だが高温のビームは電力をレアアースに通過させ電子を励磁させることでエネルギー変換をすることで実現する。
- HELLADSはもともとロケット弾、砲弾、迫撃砲弾、巡航ミサイル、航空機を対象に地上防衛手段として構想された、と同社副社長マイケル・ペリーが語る。ホワイトサンズ実験ではロケット実弾、迫撃砲弾実弾、ミサイル実弾が投入されるだろう。「このシステムで対応可能な標的は幅広い」とペリーは言う。
- ただしホワイトサンズに持ち込む装置は航空機に搭載できる大きさではない。だがGA社は小型、自律型第三世代高エネルギーレーザーを開発ずみで、更に小型化をすすめたGen 4HELでAFSOCがめざすAC-130ガンシップへの搭載を2020年までに実現する。
- AC-130の想定する標的は多い、とハイトホールド中将も言う。例えば、人質救出作戦に投入すれば、敵車両を気付かれることなく使用不可能にできるし、ボートや航空機あるいはその他の「脱出手段」にも照射すれば敵は人質を移送できず、米軍部隊から逃げることができなくなる。また敵の通信施設を破壊あるいは利用不能にできるという。
- 「なぜAC-130に搭載したいかというと、AC-130で運動性兵器を発射すると居場所がばれてしまうためだ」とハイトホールドは述べ、「気付かれることなく敵を無力にすることを同機で実現したい」
- ハイトホールドはAC-130Wにレーザー装置を搭載し、機内左側に搭載済みの照準装置で支援して攻撃任務に投入したいとする。
- AFRLはこれとは別に小型レーザー装置開発の初期段階にあり、標準の600ガロン外部燃料タンクと変わらないサイズのポッド内に搭載し、既存戦闘機の防御に使うことを期待している。F-16やF-15に地対空ミサイルからの防御能力を与えるもので、SHiELD(自己防衛用高エネルギーレーザー実証装置)と呼び、ホーク・カーライル大将(航空戦闘軍団司令官)が長年あたためてきた企画だ。
- ハイトホールド中将もAFSOCがSHiELD事業に関心を持っていることを認めるが、現時点で防衛用レーザーまで機内に搭載する課題をあえて受ける必要はないと見る。「むしろSHiELDがAC-130搭載攻撃用装置から学ぶことを期待したい」
- Gen 3システムはレーザー、電気系統、熱制御(冷却)システムのすべてを含み、およそ12フィート長、幅4フィート、高さ2フィートの箱に全部入る。
- ペリーによればレーザーに必要な電力を機内で供給し、システムを冷却することが最大の課題だが、数マイル先から鉄板に穴を開ける威力のあるレーザーを実現することに比べれば遥かに難易度は低いという。”
- 「この実現のための技術的問題は非常に少ないです」とハイトホールドの目指す目標についてペリーは言う。「課題はどれだけ迅速に空軍がいくらで買ってくれるかです」■
ジェネラルアトミクス作成のプレデターCによるレーザー攻撃のPRフィルムはこちらでご覧ください。
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