これもF-35調達による戦力構成のひずみを是正する動きなのでしょうか。日本にとっても参考になりそうな動きですね。F-15やF-16が新規生産機体としてもはたしていつまで頼れる戦力なのかわかりませんが。
U.S. Considers Up To 72 New F-15s Or F-16s
Nov 19, 2015 Bill Sweetman | Aerospace Daily & Defense Report
LONDON — 米空軍はボーイングF-15、ロッキード・マーティンF-16、またはボーイングF/A-18E/Fのいずれか新造72機の調達に乗り出す構えだ。これはF-35共用打撃戦闘機が予算問題のため予定通りの生産が確保できないためと空軍上層部ならびに業界関係者が当地で開催中のDefense IQ International Fighter Conference席上で述べた。
- F-15とF-16は2045年まで現役に残る見込みだが、その時点で完全新型機が登場しているはずで、F-16でもAESAレーダー他を搭載する近代化改修案が復活しつつある。
- 会議では講演者の氏名等は明かさないチャタムハウスルールが適用された。
- 米空軍はF-35が量産体制に入る直後で「年間48機の調達を何とか実現しようとしている」と空軍高官が述べた。計画では2020年に60機、その後80機と年間調達数を増やす。そのためF-15やF-16の就役期間は延長され、2020年代末の時点でもF-35やF-22より合計機数で上回る。
- そこで空軍の構想は三部構成の戦闘機部隊にすることだ。300機のF-16と一部のF-15に近代化を施し、「ハイエンド戦闘でF-35とF-22を補助する」一方で、それ以外の機体はローエンド作戦に投入する。これ以外に72機(戦闘航空団の規模)を調達し、戦力を維持しつつ新型性能を備えた機体を導入する。ただし、「検討したところ、実施するとF-35をまとめて調達するより高くつくとわかった」と上記高官は述べており、まだ最終決定ではないようだ。
- 業界関係者も空軍からF-15新造機の価格条件等の照会があったとを認め、あわせて既存機の耐用年数延長策や改修案の選択肢も尋ねられたという。後者には既存機体の主翼交換や胴体の再作成もある。一方で米空軍は米海軍と並行した機体整備企画を展開している。海軍はF-35Cの調達数を減らして浮いた予算でスーパーホーネットの耐用年数延長にあてる。
- 一方F-16では戦闘エイビオニクス性能拡張装備Combat Avionics Program Extension Suite (Capes) の名称で性能改修を試みたものの2015年度予算で中止になったが、この中核技術の開発は台湾空軍向けに継続中で、韓国とシンガポールも参画する見込みだ。米空軍は保有機材の一部に性能改修予算を要求すると上記空軍高官は紹介した。
- もうひとつ検討中の構想では空軍の電子戦能力拡充策としてF-15E一部機材にレイセオンの次世代ジャマーポッドを搭載すると高官は述べている。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。