ボーイング・ロッキードチームが有利だというのが専門家意見のようですが、どうなりますか。実は選考は終わっていて株価への配慮から株式取引時間が終了する現地時間火曜日の午後遅くに公表するのです。日本時間水曜日早朝以降ですか。注目ですね。
Ahead of Long Range Strike-Bomber Announcement, Aerospace Industry Looks for Clues
By Lara Seligman 7:59 p.m. EDT October 26, 2015
WASHINGTON — ペンタゴンからの米空軍次期戦略爆撃機選定結果の発表を翌日に迎え、航空宇宙産業は勝者を見極めようと懸命になっている。
- ペンタゴン首脳陣から長距離打撃爆撃機(LRS-B)の契約交付先の発表が近づいていると見られるが、これまでで最も厳重に秘匿された交付先発表になるのは間違いない。発表時期は火曜日の株式取引終了後となる。契約総額は550億ドルで、業界大手三社がしのぎを削っている。ノースロップ・グラマンはB-2ステルス爆撃機製造の実績があり、ボーイングとロッキード・マーティン共同事業体と競い合っている。
- 最後のハードルは先週金曜日に解決したと伝えられる。ペンタゴンの兵器調達を取り仕切るフランク・ケンドール副長官から省内上層部に決定内容を伝えているとブルームバーグが今週月曜日に伝えた。
- ペンタゴンは同機開発事業の秘密を厳重に守り、両陣営も口を閉ざして契約交付決定を待っているが、結果いかんにかかわらず、ペンタゴンの決定は航空宇宙産業の今後数十年間にわたる構図を決定するだろう。
- 専門家は各陣営の有利な側面を探りつつ、勝ち組の推理で2つに分かれている。Defense News が依頼したアナリスト陣は交付先の背景説明をしてくれた。専門家の中にはボーイング=ロッキード・マーティン組の勝利と見る向きがあり、多くの専門家が同チームが最初から財務及び技術の点で一歩先を行っていたと見ている。
- アナリストのひとりはノースロップの上層部で人事異動が発生したと指摘している。新COOに任命されたのはグロリア・フラック現本社副社長兼電子システム部門社長で、同社内の航空宇宙畑を率いるトム・ヴァイスを飛び越している。これはヴァイスが爆撃機契約を取れなかったためというのがアナリストの見解だ。
- ただしノースロップ社内の新体制は事業部4つを3つに再編したなど以前から布陣されている。
- 他の専門家にはペンタゴンはボーイング=ロッキードにすべてをかけていると見る向きがある。ボーイング=ロッキード陣営が契約を勝ち取る場合、ロッキードが空軍の戦闘機材の生産すべてを取り仕切ることになる。物議を醸し出す高価なF-35もそのひとつだ。ボーイングはKC-46給油機を生産している。逆にノースロップが勝てば、空軍の調達最優先事業3つが各社に均等にばらまかれる。
- ただし産業基盤全体を見る視点が最終決定にどこまで考慮されているか不明だ。
- 「国防産業の健全度を考慮するのは重要な要素だと思う」と戦略予算評価センターで上席研究員をつとめるマーク・ガンジンガーがDefense Newsに先月語っている。「ただし選考が産業基盤を元にしているとは思えない」
- 今回Defense Newsが委託した専門家全員の意見が一致するのは負けた側は不服を訴え、土壇場での契約取得を狙うだろうとする点だ。
- 米空軍は80ないし100機の長距離打撃爆撃機を調達しB-52とB-1の後継機とする考えで、2040年までに機材交替を狙う。新型機はB-2よりもステルス性が優れ、通常兵器・核兵器双方の運用が可能。任意で有人操縦型になる同機の初期作戦能力獲得は2020年代中頃で、核兵器運用証明はその2年後の予定だ。空軍は同機の航続距離など運用性能を公表していない。
- 目標単価の550百万ドルは2010年度のドル価値を元にしている。この単価が選定の重要基準であり、目標価格の達成に失敗した企業は選定外となる。この目標単価を実現すべく空軍は既存の成熟技術の導入を進め、あえて新技術の開発に向かわなかった。またオープン・アーキテクチャアの採用で機体性能をその時点での最新技術で容易に行えるように配慮した。
- 契約交付は二分割される。開発契約では実費プラス報奨金方式でまず5機を手率初期生産で組み立てる。これは固定価格に報奨金を加える形だ。最初の5ロットで21機を生産する。
- LRS-Bの開発は他に類のないほど完成度が高いとアーニー・バンチ中将(空軍調達担当次官補)は言う。すでに初期設計審査を完了しており、生産準備体制の確認も終わった。機体設計は「サブシステム段階にあり」と10月21日にペンタゴン内部での説明会で語っている。
- 「技術は高い水準で成熟しており、高いというのは他の開発案件より高いということだ」(バンチ) 要求性能水準が2011年以来変わっていないことがその鍵だ。「要求内容が変わっていないこと、成熟技術の採用を進めたことで単価目標の実現見通しがつき、事業の実施でも自信がついた」
- LRS-Bが現時点で他に例のない進展ぶりを示しているのは迅速戦力整備室 the Rapid Capabilities Office が事業を担当しているためだ。同室は空軍調達部門内部にあり秘密事業としてX-37B宇宙機などを取り扱ってきた。現時点でLRS-Bの執行部門が変更になる予定はないとバンチは言明したが、今後の事業の進展次第ではペンタゴンが事業推進体制を再考する可能性はある。
- 両陣営ともすでに部品を取り付けた試作機や縮小モデルを精算済みでテストが行われたと関係者が以前に話していた。空軍調達担当のウィリアム・ラプランテは選考の結果が出れば比較的早期に機体は飛行可能となると発言している。
- 「機体が実際に飛行開始するのはイツなのかよく聞かれる」とラブランテは発言していた。「初回テスト結果が良ければ、長い時間をテストに使う必要ないが、今はこれ以上話す気がない」■
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