スキップしてメイン コンテンツに移動

ロシアのミサイル攻撃を米海軍協会はこう分析している



米海軍協会は投入された艦艇の情報がさすがに詳しい。心情的な反応ではなく、技術的な情報が豊かですので対照的ですね。しかしクルド人勢力もビデオを自由に扱い、ネットに投稿する時代なのですね。

Kurdish Video Lends Credibility to Russian Navy Caspian Sea Strike Mission Claims

By: Sam LaGrone
October 7, 2015 4:29 PM

Undated photo of Russian Navy guided missile frigate Dagestan firing UKSK Shot.
日付不詳、ロシア海軍誘導ミサイルフリゲート艦ダゲスタンがUKSAによるミサイル発射をしている

4隻のロシア戦闘艦がカスピ海から合計26発の誘導巡航ミサイルをイラン、イラクを通過する形で発射し、シリア国内のISIS目標を900マイル以上離れた地点から攻撃したとロシアが主張している。

  1. 裏付ける証拠がISISと戦うクルド人ペシュメルガ勢力から出てきた。ツィッター上で誘導巡航ミサイルがクルド人部隊の野営地上空を飛行する映像を公開したのだ。

  1. 水曜日発表のにロシア国防省声明によればブヤン-M級海防艦(1,000トン)3隻と2,000トンの誘導ミサイルフリゲート艦ダゲスタンがSS-N-30A巡航ミサイルを発射し、「弾薬製造工場、指揮所、弾薬貯蔵設備、戦闘員訓練所をラカ、イドリブ、アレッポの各地で」目標にしたという。

  1. ペルシェメルガ発表の動画では亜音速巡航ミサイル二本がSS-N-30Aの特徴のまま飛来する様子が見られる。

  1. ロシア外務省からも独自に編集した動画が公表されており、ミサイルを発射する艦船、ミサイルがシリア中央部に飛来する経路とともに亜音速SS-N-30AあるいはカリブルNKまたは3M-14Tと呼称されるミサイルを示している。

  1. 国防長官官房(OSD)の関係者および米中央軍からはロシアの主張への確認ならびに独自の軌跡結果はまだ発表されていない。

  1. ミサイルが飛行した距離がロシアの言うとおりなら、イラン、イラク、シリアの領空内を通過して移動している。

  1. 多数のミサイルが自国の領空内を通過すれば該当国の防空体制が無用な反応をしないよう事前準備する必要があると指摘するのはブライアン・クラーク(前海軍作戦部長付特別補佐官、現戦略予算分析センター(CSBA)の主任研究員)だ。

  1. 「本当なら各国間の調整能力が相当前進して戦域大で作戦を調整できる様になったことを示すものです。これまでは実現できていませんでした」とクラークは USNI News に語った。

  1. 事実だと確認できれば、ロシアには遠隔地から攻撃能力があることになるとエリック・ワーサイム(米海軍協会編世界の戦闘艦艇の編者)も USNI News に語った。

Buyan M guided missile corvette.
ブヤンM誘導ミサイル海防艦


  1. ロシアが有効射程と威力の点でレイセオンのトマホーク陸上攻撃ミサイル(TLAM)に匹敵する兵器を有している事実は「世界各国が技術面で差を縮めてきた」ことのあらわれだとワーサイムは指摘。

  1. 前方配備中の航空機なら簡単に攻撃できたのに、今回ミサイルを投入したことに意味があると見るのはスティーブン・ホーレル(米海軍から大西洋協議会へ派遣の主任研究員)で USNI News にこう語っている。

  1. 「戦術的な意味と関係なく、明らかに米国およびNATOにメッセージを送っている」「またトルコには領空・国境線侵害をめぐり緊張が高まっており別の意味がある」


  1. ブヤンM級の海防艦やダゲスタンは新型の水上艦艇としてロシア艦隊に編入されており、UKSK垂直発射方式で長距離巡航ミサイルを発射できる。黒海配備の水上艦では近代的装備の運用は不可能だ。ロシアが同部隊の近代化をしないと決めているためだ。

  1. ただしロシア海軍は巡航ミサイルを装備した艦艇を拡充している。

  1. 「カスピ海に加え、黒海にも改キロ級潜水艦ノボロシスクが同様の能力を有して先月配備されバルチック艦隊にも新型フリゲート艦が編入されている」とホーレルが言う。■


コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ