シリアをめぐるロシアの動きに西側は神経を尖らせています。ウクライナ情勢が落ち着いてきたことからロシアにも余裕が生まれているのでしょうか。しかし目的も目標も違う軍事勢力が同じ場所で軍事行動を取ることで不要の緊張が事故をきっかけに発生しないとも限りません。今後も事態の進展を見ていく必要がありますね。
Russian Warships in Eastern Mediterranean to Protect Russian Strike Fighters in Syria
By: Sam LaGrone
October 5, 2015 11:48 AM
ロシア巡洋艦モスクワ
黒海に本拠をおくロシア水上艦艇グループが東地中海に演習名目で進出しており、同地でロシア空軍機の支援に入った。シリア国内の空爆を継続するのが目的だとロシア国内報道が伝えている。
- この三週間で戦闘艦数隻がロシア黒海部隊の本拠地セパストポリを出港し、クリミヤ半島から地中海に対艦、対潜演習を行うとして移動している。”
- ロシア国防省(MoD)は演習とシリア国内でのロシア軍増強に関連はないとするが、独立系ロシア国内の報道機関インタFAX-AVNはロシア軍関係筋を引用し演習の目的はラタキア近郊の空軍基地の防空能力をテストすること」と伝えている。
- 別の報道でDaily Mailが「海軍任務部隊の艦船はミサイル巡洋艦モスクワが先導して東地中海でラタキア近郊の空軍基地の防空体制を強固にするべく行動を実施中である」と伝えている。
- 国家統制を受けたロシア報道ではロシア海軍艦艇4隻が水上戦と対潜戦の演習を行ったと月曜日に伝えている。
- 誘導ミサイル巡洋艦モスクワは黒海艦隊の旗艦で、クリバク級誘導ミサイルフリゲート艦ラドニ、ピティヴィ、カシン級フリゲート艦スメティルヴィとともに砲撃演習を実施したと黒海艦隊が国営通信スプートニクを通じて発表している。
- 水上艦以外にロシア海軍は観測船および数隻の揚陸艦を展開している。
- 過去四週間でロシアはこっそりと空軍機材をシリア国内に移動させており、表向きはイスラム国を目標にするとしているが、ロシアの同盟国たるシリアのバシャ・アル-アサドの政権維持を助け、自らの中等における発言力を増やすのが真の目的である可能性が高い。
- ロシアは空爆作戦を先週開始しているが、ISISの目標以外にFSA(自由シリア軍)も攻撃対象にしているとの報道が相次いでいる。
ロシアのスホイSu-24フェンサーはシリア国内ラタキア空軍基地から作戦行動中
- 今回動員された海軍艦艇による防空体制でロシア軍には米主導の有志連合軍がシリア西部で軍事行動を取っても防備体制を確保したと言える。
- ロシア海軍の存在は有志連合側には警告となるかもしれないが、1980年代のロシア艦艇の兵装及びセンサーの有効性は未知だ。
- 冷戦終結後のロシア水上艦艇部隊はソ連崩壊後の軍組織でもっとも放置されており、装備の近代化の試みも数回挫折している。■
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