アメリカ人の趣味に対する熱意には感服しますね。それにしても冷戦終結でこういった機体を売りさばく商売が成立していたことがわかりますね。実際にそれを飛ばす人がアメリカ人というのも歴史の皮肉のような。さらにそれを維持管理するビジネスが成立するというのも驚きです。
Floggers, Fishbeds And Albatrosses In L'il Ol' Delaware
デラウェア州は全米で一番早く生まれた州と自慢するが、航空レースやロシア製軍用ジェット機となると話は別だ。
筆者は米国内でスホイSu-25フロッグフットの機体を追って記事にしたことがあり、今回は目立たない州でその仲間を発掘した。
ウィルミントンのニューキャッスル空港は大型ビジネスジェット機の本拠地であり、州空軍(C-130Hを運用)および州陸軍航空隊(UH-60)も基地を置く。
そこの名もないハンガー内にMiG機が常駐している。元チェコスロバキア空軍のMiG23フロッガー2機とMiG21 フィッシュベッド1機だ。
ここでは新品同様に見えるMiG23 (「05」の記号入)で塗装したてのような白地に青の閃光が入っているのが目を引く。飛行可能な状態だが、飛行コストが高くつくので飛行時間が足りない。それにMiG23を操縦できるパイロットも不足しているのだろう
大柄なソ連時代のフロッガーはマッハ2飛行が可能で、70年代80年代通じ数千機が生産された。排気口の大きさから同機の推力の大きさが推し量られよう
尾翼からはチェコ空軍時代が偲ばれるが、復刻作業を受けている。この機体がもはや飛行する機会はないと思われるが、現在でも運行中のMiG23は少数にすぎない。
MiG21フィッシュベッドは世界で最も多く生産された超音速戦闘機で数千機が各形式で作られた
ワルシャワ条約加盟国以外にも広く輸出され、特にインド、アフリカ、中東が多い。インドは今日でも多くを運用中で、東欧の空軍ではわずかしか残っていない。現在およそ1,600機が運用中でここには中国画生産した改良型も含む。
この機体も無傷の状態で、有名なリノ・エアレースに数回出場した機体だ。超音速性能を武器にぶっちぎりの勝利を収めたのではないか。
ここでは別の機体もある。Let 39 アルバトロスで、チェコ製の同機も数十年に渡り生産された数の型式があるが、39、59、159が有名だ。この機体も多数輸出されており、数千機が世界各地で売却されている。成功の理由として初等練習機、高等練習機、軽攻撃機と多様な任務を遂行したことがあげられよう。
現在は多数が民間所有にわたり、FAAでも250機近くが民間機登録されている。ただし、全機が飛行可能ではない。ここで写っている機体もリノレースに数回出場している。
ニューキャッスル空港の反対側にはレッド・イーグル・エイビオニクス社がソ連時代の機体の保守管理を専門に行なっており、Let 39は定期的に修理点検で訪れている。
訪問時にはたままた一機がサンダーバーズ塗装になってエプロン上に佇んでいた。
もう一機はチェコ空軍塗装仕様で機種にはロシア風にダミー数字が入っていた。
内部では旧スロバキア空軍機に注目。これも良い状態になっている。
Su-25フロッグフットに話しをもどすと、デラウェアの田園地帯に2機が残っている。所有者の一人はレッド・イーグルのオーナーでもある。その後、Su-25のオーナーからマニュアル各種を翻訳し終わり、まもなく飛行開始すると連絡してきた。今後の記事に注目されたい。
記事執筆にあたり、機体オーナー各位およびハンガー内スタッフ各位のご好意に感謝したい。
All photos by Nigel Howarth
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