これはもったいない。せっかくのスーパーホーネットをタンカーとして使う分だけ機体に負荷がかかっているという話ですね。しかし、もともとは空母運用機材をF-18系に一本化した段階でこうなることはわかっていたはずですが。UCLASSやV-22がタンカーに使えるのか不明ですが、当面はこの状態がつづくのでしょうね。
Navy Getting ‘Smarter’ About Tanking Mission As Super Hornets Approach 6,000 Hours
By: Megan Eckstein
August 12, 2015 4:59 PM
F/A-18FからF/A-18Eへの空中給油、2007年、ベンガル湾上空。. US Navy photo courtesy Wikipedia.
ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの機体寿命が空母運用で予想より早く消費されていると判明し、米海軍は同機を使った宮中給油ミッションを今後どう展開するか検討を迫られている。
- スーパーホーネットが空中給油ミッションを行う頻度が高まり、旧型ホーネットが減少する中で、機体耐用年数延長作業(SLEP)の順番待ちになる機体が増えており、スーパーホーネットで6,000時間という寿命限界に予想以上に早く到達する機体が出現しつつある。
- 海軍航空部隊司令官マイク・シューメーカー中将 Vice Adm. Mike Shoemaker が戦略国際研究センターと米海軍協会共催の行事で現状を紹介している。
- 「スーパーホーネットを旧式ホーネットと比較すると、スーパーホーネットの飛行回数が増えている中で空中給油ミッションを実施していることがわかる」
- 中将によれば海軍は以前はスーパーホーネットに最大5つの燃料タンクを搭載して発艦させていたので、相当の負担が機体にかかっており、耐用年数を減らしていたという。現在は「必要でない限りはタンク5つの搭載はしておらず、機体への負担を減らしている」という。
- 海軍もV-22導入を目指しているが、あくまでもその用途はC-2グレイハウンド艦載輸送機(COD)の代替である。海軍仕様のV-22はCODミッションに特化するものの、大型燃料タンクを搭載し航続距離が延長される。シューメーカー中将は同機の運用で柔軟性を期待し、海軍は追加任務を同機に期待しているという。
- 一方で海兵隊はオスプレイの多用途化を目指しており、空中給油装置、センサー統合パッケージ、デジタル相互通信パッケージ(搭乗者用)他を追加しようとしている。海兵隊航空副司令官ジョン・デイヴィス少将 Lt. Gen. Jon Davis が同じ席上で発言した。少将は海兵隊用機体から海軍にも参考になる点があるとはいえ、海軍用オスプレイはCODに特化した機体になると発言。
- V-22ないしUCLASSが空中給油ミッションを実施できるまではスーパーホーネットが唯一の給油機となり、シューメーカー中将は給油ミッションを行うからといって特別の保守点検項目がSLEP作業に追加されることはないとしつつ、寿命時間上限にそれだけ早く到達すると認めた。
- 来年にも6,000時間に達する機体が出るが、海軍とボーイングは共同で機体寿命評価を行い、SLEPに反映させる。ボーイングは各機の整備状況の変化を、また海軍は作戦運用を犠牲にしない整備方法をそれぞれ検討する。シューメーカー中将は旧型ホーネットのSLEPで直面した問題から今回はもっとうまく実施できるだろうと抱負を語った。
- 「前回の教訓からボーイングは最初から効果のある作業を行い、スーパーホーネット全機が恩恵を受けることを期待したい。ただし作業中は機体在庫の四分の一程度は使用できなくなるだろう」旧型ホーネットを使い作戦可能機体数を維持しているが、旧型機の稼働を終了させていくことで現状の機材の即応率が影響を受け、その分だけスーパーホーネットの飛行時間が増えて早く寿命を消化してしまう。スーパーホーネットのSLEPは早ければ2017年に開始する意向なので旧型機の稼働状況が大きく左右してくる。■
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