盾と矛の話のようですが、高性能の防空体制が生まれればそれを打ち破る新しい方法も出てきます。高価なミサイルを打たなくてもいいのであればそれに越したことはありません。伝統的にアメリカのほうが攻撃を重視している気がします。
ONR: Swarming UAVs Could Overwhelm Defenses Cost-Effectively
海軍研究所(ONR)が費用対効果の高い防空網突破手段を2016年度に実証することになった。構想では自律飛行型の小型無人機多数を放出し、敵の防空網を無効にする。
- 低コストUAV大量投入技術 Low-Cost UAV Swarming Technology (Locust) の名称がつき、ONRはレイセオン製カヨーテ Coyotes 30機をフロリダ沖海軍艦艇から発射し、各機は即座に集団を形成し、自律的にミッションを実施する。
- カヨーテは発射管方式の電動小型UAVでもともとONR向けに高性能セラミクス研究所が製造したもの。同研究所はBAEシステムズに買収され、後にセンシンテルに売却され、レイセオンが同社を1月に吸収した。
- ONRはカヨーテ発射実験を3月に数回行っており、自律同調化と編隊飛行の実証を9機で実施済み。集団化実証はONRが運用する試験船シーファイターからフロリダ州エグリン空軍基地の沖合で実施した。
- カヨーテは高速発射されると低出力無線で相互通信環境を確立し、位置情報他を共有する。集団内で「親子」関係を作り、主導する一機が残りを従える。
- 「各機は相互の位置を把握し、それぞれに今いる場所を伝えるのが通信の目的です」とLocust事業をまとめるリー・マストロヤンニ Lee Mastroianni は語る。
- ONRの目標は集団自律飛行だ。「発進後に各機へこちらからは連絡したくないのです」とマストロヤンニは言う。集団を分割して小集団を作るとか一機ずつにちがうミッションを与える命令の送信は可能なので、ISR任務を割り当てることもできる。
- カヨーテUAVは消耗品扱いでミッション後の回収はしない。「安く一回きりの使用にして使う効果を上げました」(マストロヤンニ) ONRの目標は単価を1万ドル以下にすることだ。「5千から7千ドルにできたらいい」
- 重量12ないし14ポンドのカヨーテは90分まで飛行できる。
重量12から14ポンドの電動カヨーテは90分まで飛行可能で、翼を広げるとこうなる。Credit: Graham Warwick/Aviation Week
- 2016年に実施予定の海上発射公試では海中生物への被害を回避するため機体は回収するが、実際には陸上目標に多数の機体を命中させるとマストロヤンニは言う。
- 30機のカヨーテを30秒以内に発射し、集団を迅速に形成するのが鍵となる。
- Locust実証は「自動飛行への大きな一歩で、自律運航にみんなを慣れさせる」目的があるという。昨年8月の実証ではヴァージニア州ジェイムズ・リヴァーで小型無人水上艇が群れを作り敵船を包囲している。
- この技術をすべての艇に搭載することが可能だ。Locustは自律運航技術を確立し、水上、水中、空中問わず応用できると海軍研究部門のトップ、マット・ウィンター少将は見ている。■
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