Navy to Integrate F-35 With Beyond-the-Horizon Technology
米海軍はロッキード・マーティンとともに水平線超え対艦ミサイル探知防衛技術の実証をF-35を使って行う。
海軍統合防空火器管制システムNIFC-CAの呼称でイージスレーダー、航空機搭載センサー、SM-6ミサイルを組み合わせ、レーダー有効範囲の外で発射されて接近する巡航ミサイルのような脅威を探知追跡し破壊するものと海軍が説明。
NIFC-CAはE-2Dホークアイを空中センサーとして利用し脅威の情報を艦船に配信し、レーダー有効範囲外でも対応させる。
ロッキードは海軍水上システムズ本部(NAVSEA)と共同でNIFC-CA実証をホワイトサンズミサイル実験場(ニューメキシコ州)で今年中あるいは来年に実施刷る予定と同社幹部が発言。
今回の実証では F-35をE-2Dの代わりにセンサー機としてあるいは中継機として使うという。NIFC-CAを複雑になっていく現実の脅威としてステルス機にも対応させるものとロッキードは説明している。
F-35が搭載するセンサーにはアクティブ電子スキャン方式アレイ(AESA)によるレーダーに加え分散開口部システム Distributed Aperture System (DAS)がある。これは機体に搭載する最大6個の電子光学カメラからのインプットを合成する装置だ。また電子光学式目標捕捉システムElectro-optical Targeting System (EOTS)もあり、これは目標を正確に識別し特定刷る機能がある。EOTSは空中、地上双方の目標捕捉に利用でき、前方監視赤外線技術と赤外探知追跡技術を組み合わせたもの。
NIFC-CA技術で攻撃、防衛両面でシナリオが大幅に変わる可能性がある。接近阻止領域拒否とペンタゴンが命名した敵側の作戦では長距離対艦誘導ミサイルなどで米軍が重要な地区で作戦遂行できなくするのがねらい。長距離陸上発射巡航ミサイルが発射されると海軍艦艇は沿岸部分に接近が困難となる。
しかし、NIFC-CAがあれば接近してくる脅威対象を識別・破壊でき、しかも水平線以遠でも可能となるため、米海軍の空母打撃群などが安全に作戦を実施できる。
これは防衛面での可能性だが、同時に攻撃力としてもNIFC-CAが利用できる。海軍艦艇による攻撃をこれまでより遠くの目標に与えることができる。例としてSM-6ミサイルにはアクティブ、セミアクティブ両方の誘導技術が用いられており、水平線以遠の地点でも目標を捕捉破壊できる。NIFC-CAは長距離攻撃の際に用いれば、航空機・無人機、艦船、建造物のいずれも破壊可能となる。.
NIFC-CA導入は2015年にテディ・ローズヴェルト空母打撃群から開始され、巡航ミサイル防衛体制が強化される。
NIFC-CAは改良型イージス弾道ミサイル防衛システムとなるベイスライン9にも取り入れられ、建造中の新型駆逐艦DDG113からDDG118にまず搭載される。ベイスライン9自体はすでに実用化されており、駆逐艦USSジョン・ポール・ジョーンズ、巡洋艦USSチャンセラーズビルとUSSノーマンディに導入済みだ。■
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