極めて率直な発言です。早速中国がカリカリしているようですが、ワシントンは無視することでトラブルを避けようとしていますね。これが現地と中央の感覚の差なのでしょうか。国境線と利益線は異なるという陸奥宗光外相の名言を思い出す気がしますし、米海軍も手が回らないと言うんが実情なのでしょう。日本は十分な遠隔地での運用能力を持っていますし、あとは周辺国(中国、韓国除く)の合意形成次第でしょうね。
U.S. 7th Fleet CO: Japanese Patrols of South China Sea ‘Makes Sense’
By: Sam LaGrone
January 29, 2015 11:37 AM • Updated: January 29, 2015 12:26 PM
USSピンクニー(DDG-91)と海上自衛隊艦艇がグアム付近を航行。2014年7月8日撮影。US Navy Photo
米第7艦隊司令官が日本は海上警戒範囲を南シナ海に拡大すべき、中国の領有権主張が「不必要な摩擦」を周辺国に発生させていると発言している。29日のロイター取材で答えてロバート・トーマス中将Vice Adm. Robert Thomasは中国の海洋力が増大するなかで日本が安定作用を実現できると発言。
- 「将来において海上自衛隊の作戦海域に南シナ海を追加するのが当然だろう」「南シナ海における中国漁船団、海上警察、海軍艦艇は率直にいって周辺国に対して強力すぎる存在だ」
- 海上自衛隊が活動範囲を東シナ海から南シナ海まで拡大すると中国政府は日本による挑発行為と受け止めるだろう。
- 忠実な米国の同盟国日本は尖閣・魚釣諸島をめぐり東シナ海で中国と対立しており、2014年には中国の領空侵犯への対応回数が記録更新したほどだ。
- 中国国営通信は安部首相を領土拡大を狙った軍国主義者になぞらえる報道を繰り返し、日本の防衛姿勢は自衛の範囲を超えていると極めて批判的だ。
- 直近では日本はフィリピンと防衛協力の拡大を協議している。「フィリピンにとっては防衛能力の問題、日本にとっては装備供与を超えて訓練、作戦面でも援助の対象として適材適所というところだ」(トーマス中将)
- これまで米国は南シナ海の領有問題には立ち入らない慎重姿勢で多国間交渉により解決すべきとの立場で一貫しているが、中国が二国間協議にこだわるのと対照的だ。
- トーマス中将は中国のいわゆる九段線 nine-dash line ふくむ領有権主張は国際的に認知された南シナ海各国の領有権に抵触し、緊張を増大させていると指摘する。
Vice Adm. Robert Thomas, 7th Fleet Commander
- 「いわゆる九段線は国際法や通念、規範と適合せず、むしろ問題を生じさせ、無用な緊張を生んでいる」と発言。今週はASEAN加盟国の外相が会合し中国がスプラトリー諸島に軍事基地建設をねらい埋立工事をしたことに対し、南シナ海における行動規範を求める声明をだしたばかりだ。
- 「行動規範の整備が進まない間に埋立工事の既成事実ができてしまったことで大きな懸念事項になっている」とシンガポール外相兼法相K・シャンムガム K. Shanmugam, Singapore’s minister for foreign affairs and law との発言をJane’s Defence Weeklyが伝えている。
- ただしトーマス中将がロイターへの発言が南シナ海問題での米政策の変化を意味するかは不明。
- 29日にペンタゴン報道官からUSNI Newsに対しトーマス中将発言が米政府の方向転換を示しているものではないとのコメントが寄せられた。またワシントンの米海軍報道官は報道内容へのコメントを避けた。■
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