2014年12月30日火曜日

★年の瀬に今年の人気記事をご紹介



今年もあと僅か。そこで人気をよんだ今年の記事をあらためてご紹介しましょう。(一定の期間内に一定のアクセスがあった記事に★をつけています)

F-3につながる実証機の登場で一気に国産戦闘機へ期待が高まりました。課題はエンジンですね。国産戦闘機がこのまま開発に一気に進むかは2015年がひとつの勝負になるでしょうね。


★★★米海軍の考える2020年代のA2AD対抗としての航空戦のイメージF-35C, F/A-18E/F, ISR,NIFC-CA, TTNT, UCLASS, 空母打撃群
NIFC-CA(ニフカ)と言う概念が出てきました。機体はコンピュータネットワークの装置のひとつになっていくようですね。E-2Dが実は重要な役割を果たすことがわかります。日本も同機導入を決めましたが、ちと使い方がちがうようですね。


今年もF-35は一進一退、本当にこんな機体にこれからの防衛を依存して西側各国は大丈夫なんでしょうか。当ブログでは一貫して同機への疑問を表明しています。


★★★韓国KF-Xは双発仕様に決定KF-X, ステルス戦闘機, 韓国
あれやこれやとお騒がせなおとなりの国ですが、日本が仮想敵国だという国民の意識はなんとなかならないでしょうか。そもそも韓国の安全保障の課題は何でしょうか。よくわかりません。


一般市民が高性能カメラを手にすることが多くなり、この事件もたまたま写った機体が変だぞ、ということになったのですが、空軍はあわててB-2だったと発表しましたが、怪しいですね。ブラックの世界で開発中の次期戦略偵察機ではないでしょうか。今後は夜間飛行に切り替えて写らないようにするかもしれませんね。


潜水艦の話題が今年は多かったですね。海上自衛隊がこれまで努力を重ねてきた潜水艦開発が急に注目された格好ですね。さらに武器三原則の見直しで海外輸出の可能性が出てきたことも大きいですね。ただし国内向けも増備を図る中で完成品の輸出はまずむずかしいでしょうね。

★★★少しずつ見えてきた第六世代戦闘機の構想指向性エネルギー, 第六世代戦闘機, 米空軍
第五世代戦闘機(これもロッキードの造語なのですが)のF-35やF-22がもたもたしている間にもう先を見越した構想が出てきました。指向性エネルギーを導入したら光のスピードで勝負が決まりますが、どうなりますかね。

その第五世代戦闘機の一つ、F-22が初めて実戦に投入されましたが、対地攻撃機としてのミッションとなったのは皮肉な結果と言えましょう。さらに先のリビア紛争に投入しようとしたところ思わぬ障害(通信機能)が発覚し地上で待機となった悔しい背景もありました。ゲイツ元長官が同機調達縮小したことは正しかったのではないでしょうか。


選外


イスラエルも深刻な自国防衛を背景に地道に技術開発してきた結果、世界で類のない防空体制を構築していますが、その実現には米国の多大な支援があってこそのようです。



核融合の研究者からは完全に無視されていますが、一体ロッキードがこの段階で公表した背景はなんだったのでしょうか。実はブレイクスルーがあったのではないかと見ていますが防衛産業ナンバーワンのロッキードでもさすがに自社単独開発はリスクありと判断し投資を募っているのではないかと思います。急に再び話題が出てきそうで今後も注目ですね。


その他
  • 中国がかつてのソ連のように新装備、新思考をウォッチする対象になりましたね。問題はそれに対抗しようにも米国の国防予算ががんじがらめになっており、思うように手が打てないことです。技術優位性の回復ということでThird Offset戦略が出てきました。
  • ISISイスラム国関連はどうも読者の皆さんの関心とはずれているようですが、これから5年10年と続きそうな戦争で無視はできない話題だと思いますので、今後もご紹介していきます。
  • 北朝鮮、韓国ともに何かとお騒がせな国情ですね、とくにF-35関連で日本と張り合って導入、グローバルホークもそうですが、日本にFACOとともに点検整備ラインができることになりましたが、絶対利用しないと言わざるを得ないのは、感情が優先する国のなりたちのせいでしょうが、安全保障とはそんなものではないはずです。来年は韓国に新しい思考が生まれることを期待したいですね。


では皆様、良いお年をお迎えください。


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2014年12月28日日曜日

今年の軍事航空を振り返る



Military Aircraft In 2014

Dec 29, 2014
Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology

F-22が実戦デビューし、議会がA-10退役にストップをかけ、F-35ではさらに就航が遅れる不具合が発生しましたが、以下今年の軍事航空での大きな出来事を御覧ください。(全12題)

AH-64E in A'stan US Army.jpg

1. AH-64E の実戦投入(3月)

ボーイングAH-64Eアパッチを米陸軍がアフガニスタンに投入し、無人機ジェネラルアトミックスMQ-1Cグレイイーグル編隊と連携運用した。
Credit: U.S. Army

UK F-25B BK-1 Lockheeed.jpg

2. F-35 が国際デビューに失敗(7月)

6月に発生したF-35Aのエンジン火災のため飛行停止となり、JSFは英国で予定していた国際航空ショー2つへの出展ができなくなった。
Credit: Lockheed Martin
Scorpion - Textron.jpg

3. スコーピオンが国際デビュー(7月)

初飛行から半年足らずでテキストロン・エアランドが自社開発したスコーピオン軽攻撃・偵察機のプロトタイプが大西洋横断しロイヤルエアタトゥーおよびファーンボロの国際航空ショーでお披露目された。
Credit: Textron
AHRLAC flies Paramount.jpg

4. 南アフリカ開発のAhrlacが初飛行(8月)
南アフリカの防衛産業企業パラマウントグループが設計、開発した発展型高性能偵察軽量航空機Advanced High Performance Reconnaissance Light Aircraft (Ahrlac) が初飛行した。
Credit: Paramount Group

F-22 night ISIS USAF.jpg

5. イラクへの回帰(8月)


アフガニスタンからの撤兵を続ける米国と英国は10月に同地での戦闘活動を停止したが、8月には米国主導の有志連合がイラク、シリア国内のイスラム国勢力への空爆を開始した。ステルス機F-22も対地攻撃で初めて実戦投入された。
Credit: U.S. Air Force

KF-16 South_Korean_Ministry_of_National_Defense.jpg

6. 韓国の調達決定と契約取り消し


韓国はF-35A導入を9月に正式に決定し、2018年から合計40機を調達する。しかし11月にBAEシステムズとのKF-16合計132機の改修契約を価格を理由に取り消している。
Credit: South Korea National Defense Ministry
A-29 Super Tucano US Air Force.jpg

7. 米空軍にスーパータカーノ納入(9月)

シエラネヴァダ社がすったもんだの末に契約を交付され、米国内で組み立てられたエンブラエルA-29スーパータカーノ軽量航空支援機の最初の20機が米空軍に納入され、パイロット訓練が始まった。同機はアフガニスタン空軍用に調達されたもの。
Credit: U.S. Air Force
Prev
Gripen Brazil Saab.jpg

8.ブラジルがグリペンを選定(10月)

ブラジルはSaabのJAS39E/FグリペンNG36機の導入を10月に決定。納入は2019年から24年にかけてで、最終的に108機規模に増える可能性がある。ブラジルは複座型Fモデルの開発に参加し、自国ミサイルの搭載をめざす。
Credit: Saab

KC-390 rollout Embraer.jpg

9.KC-390がロールアウト(10月)

ブラジル空軍が予算を出し開発したエンブラエルKC-390が10月21日にロールアウトした。エンジンは国際開発IAEのV2500双発で輸送機とともに空中給油機にもなる同機は2015年早々に初飛行する。
Credit: Embraer
F-35C lands on carrier US Navy.jpg

10. F-35C着艦に成功(11月)

ロッキード・マーティンのF-35C 艦上運用型が海上公試を実施。テスト機が拘束フック着艦ととカタパルト発艦をUSSニミッツ艦上で実施した。
Credit: Lockheed Martin
E-2D US Navy.jpg

11. 日本がE-2D AEWを選定(12月)

日本がノースロップ・グラマンE-2Dホークアイ空中早期警戒機導入を決め、同機初の海外顧客となった。日本はあわせてベル・ボーイングV-22オスプレイ、ノースロップ・グラマンRQ-4Bグローバルホーク無人機の導入も決定。
Credit: U.S. Navy
A-10 US Air Force.jpg

12. A-10は健在

年末に2015年国防予算が議会を通過したが、一時的にせよ米空軍が予定していた近接地上支援機A-10の退役を阻止している。空軍はE-3とU-2の運航も取りやめる意向だ。A-10は11月から対イスラム国空爆に合流している。
Credit: U.S. Air Force

2014年12月27日土曜日

中国:尖閣諸島をにらんだ基地新設に日本は対応をどうすべきか


こういう報道が出てくる共同通信には敬意を表します。中国に独自の情報源があるのでしょうね。それにしても立場が反対なら自国近辺に物騒なものができたと大騒ぎするのに、いちいち目くじらを立てるなと取り合わない中国の態度はどうなんでしょうか。もっとも国内ではこの案件は全く報道されていないのでしょうね。

Report: China Building a Base 190 Miles from Contested Islands

By: Sam LaGrone
Published: December 23, 2014 10:05 AM • Updated: December 23, 2014 10:06 AM

An illustration of China’s contested Air Defense Identification Zone (ADIZ) from state run media. Xinhua Photo
物議を醸し出している中国による防空識別圏 (ADIZ) 国営新華社通信


中国が尖閣諸島から200マイル地点の島嶼に滑走路複数を建設中と共同通信が伝えた。


匿名中国筋を引用し数本の滑走路が南キ(鹿の下に几)Nanji 島に完成済みで、レーダー設備も補強しているという。

「戦略的に重要な立地だ。釣魚(尖閣)諸島に近く、東シナ海の防空圏を補強できるし、本国の沿海部の海上防衛でも重要な位置になる」と中国海軍研究所Chinese Naval Research Instituteの主任調査員Li JieがBloombergに語っている。「中国が該当地域の軍事プレゼンスを強化しているのは疑いようがない」

新設基地は尖閣諸島に近く、物議をかもしだしている東シナ海上空の防空識別圏(ADIZ)の航空作戦を支援できる。Bloombergは基地が尖閣諸島に沖縄の米軍基地よりも近い場所にあることを指摘している。

「基地整備は何ら異常なことではない」と発言し、「中国は戦略拠点ごとに軍事基地を設けており、今回の南ジもその一つにすぎない」と語るのはXu Guangyu退役中将(中国軍縮兵器管理協会China Arms Control and Disarmament Association顧問)。

「日本側報道が何ジで騒いでいるが、本質を捉えていない」■


2014年12月25日木曜日

★2015年の注目ポイントはこれ Aviation Week



Key Points To Keep An Eye On In 2015

Dec 29, 2014
| Aviation Week & Space Technology


冷戦の再来、航空運輸の安全性での懸念、商用航空・軍用航空、宇宙の各分野での案件ごとでの個別課題、と2015年は大変な年になりそうだ。以下の12題が話題の中心だろう。


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1.新型ナロウボディ機材
Cシリーズが目標どおりに路線就航を2015年下半期に開始しても、すでにこの目標は怪しくなっておいるが、ボンバルディアの優位性は消えている。エアバスのエンジン換装A320neoは2015年10月に就航の予定で、ボーイングの737MAX(2017 年)より先に行くが、各機が順調に増産されればCシリーズは受注が少なく一層影が細くなってしまうだろう。
Credit: Airbus


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2.中国の挑戦

中国製の商用機はエアバス、ボーイングに脅威となるはずだが、現状では張子の虎のようだ。2015年にはComacのARJ21リージョナルジェットが就航するが、予定から8年遅れでしかもすぐに重量軽減とエイビオニクス改修が必要となる。C919ナロウボディ機も2015年末に初飛行の予定だが、路線就航は2018年の予想で、開発は10年がかりとなる。
Credit: Comac


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3. あと一歩のところまで(やっと)来たF-35

開発開始から14年でロッキード・マーティンのF-35共用打撃戦闘機はついに2015年に作戦運用を米海兵隊で開始する。ただし機体改修とソフトウェアテストのため時期は12月になるとみるのが妥当で、目標の7月はムリだろう。米空軍の初期作戦能力獲得は2016年8月予定で、これもソフトウェアと点検整備の訓練により実施が危うくなっている。
Credit: U.S. Navy


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4. インドの野望


インド新首相は国防装備の半分を国産化したいと考えている。今後10年で2,500億ドル規模の事業となるが、本当に実現できるだろうか。純国産のヒンドゥスタン・エアロノーティクスのテジャスTejas マーク1軽量戦闘機が2015年に作戦運用認可されると、開発は20年かかったことになるが、総費用はわずか12億ドルだとインド政府は説明している。
Credit: Aeronautical Development Agency


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5. エンジン変更

ロシアがウクライナに軍事介入したことで米国は2015年に新型ロケットエンジンの開発に本腰を入れる。これまで数十年に渡り新型国産エンジン開発を躊躇しロシア製RD-180で情報収集衛星を打ち上げてきたのでひとつの踏ん切りができたといえる。だが米空軍は政府主導の開発にはしたくなく、予算は政府・民間共同事業体としてスペースX SpaceXとユナイテッドローンチアライアンスUnited Launch Allianceに投入する予定。後者はエンジン開発メーカーのブルーオリジンBlue Originと共同開発を進めている。
Credit: United Launch Alliance



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6.  ハイエンドの機材がそろう

ビジネス航空はゆっくりと金融危機による市場崩壊(2008年)から回復しつつある。ただし、大型機が脚光を浴びており、メーカー側も対応を迫られている。2015年には超長距離ボンバルディア・グローバル7000、ダッソーの拡大型ファルコン5X、長距離型ファルコン8X、ガルフストリームの大型キャビン仕様G500がそれぞれ初飛行する予定。
Credit: Bombardier


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7. 無人機運用の認可範囲はどうなるか

遅れていたFAAの民間空域内での無人機システム(UAS)の限定付き運行認可手続きが進行中だ。ただし、議会が求めるUASの安全な運行を全国的認可(期限2015年9月)をFAAがどう解釈するかは要注意だ。長く待たれていた小型UAS運行の規程は2014年末の予定だが、前例のないほどのパブリックコメントが寄せられ、最終決定は遅れる見込み。
Credit: Aerial-MOB


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8. 調達がピンチ?.
ペンタゴンが想定する機材調達の大型案件が2015年に動き出すが、その時点で予算矯正削減策がまだ有効なのか不明だ。契約交付がかかっているのは空軍向け長距離打撃爆撃機(LRS-B)、海軍の無人空母運用偵察攻撃機システム(UCLASS)、空軍のT-38C高等練習機の後継機、E-8共用監視目標補足レーダーシステム(Joint STARS)の後継機種である。
Credit: Boeing


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9. より安全なフライトへ

マレーシア航空370便の消失(3月)、同17便の撃墜(7月)からそれぞれ一周年となる機会に国際航空運輸協会(IATA)と国際民間航空機関(ICAO)の合同チームが2014年末までに提言を出し、安全な航空輸送にむけ紛争地帯のリスク情報共有で一定の前進が見られるはずだ。
Credit: Aireon


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10. 優位性回復へ

ペンタゴンが新しく打ち出した「第三相殺」戦略では研究開発を米国の技術優位性につながる分野に特化する考えで、2015年中に姿を現してくるだろう。詳細はまだ不明だが、退任が迫るチャック・平ゲル国防長官は高度生産技術、自律システム、ビッグデータ、縮小化技術、ロボット工学を掲げている。それ以外にサイバー戦、極超音速技術はそれぞれすでに認知されている。
Credit: Lockheed Martin


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11. 供給不安

2014年末現在で大手機体メーカーやエンジンメーカーがチタンの備蓄を進めている。これはロシア制裁が実現した場合にチタン価格が急騰するのを恐れてのこと。まだ現実になっていないが、2015年中にこの恐れは高まるだろう。ロシアのVSMPO-Avismaがエアバスのチタン需要の6割、ボーイングの4割を供給しており、tとくに新型A350や787は複合材製機体のためチタンが大量に必要だ。
Credit: MAKINO


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12. ロシア製RD-181への換装

10月に連続発生したヴァージン・ギャラクティックのスペースシップツーとオービタル・サイエンシズのアンタレスの事故で商用宇宙利用の信頼性が急落した。そこで2015年は再度勢いをつける必要がある。ヴァージンは年の中頃にテスト再開の予定で、オービタルは国際宇宙ステーションに別の打ち上げ手段を使って物資補給を実施する予定。アンタレスロケットのロシア製エンジンRD-180またはRD-193への換装は2016年末にならないと完成しない。
Credit: Chris Simundson/AW&ST


イスラム国がヨルダン空軍機を撃墜


イスラム国がどのように機体を撃墜したのかが問題です。おそらく地上からの一斉掃射など数にものを言わせる方法だったと見られますが、イスラム国がプロパガンダに本件を利用するのは間違いないところでしょう。イスラム国の動向には目が離せません。

Official: Jordanian Pilot Shot Down by Islamic State

By AWAD MUSTAFA2:17 p.m. EST December 24, 2014

SYRIA-US-IS-UNREST-KIDNAP(Photo: AFP)
DUBAI —.ヨルダン保安当局者がDefense Newsに対し同国所属の戦闘機が本日シリア領土内でイスラム国により撃墜されたと確認した。
  1. 同筋によるとムアト・アルカセアスバ大尉 1st Lt. Mu'ath Al-Kaseasba が捕獲された写真を家族が本人に間違いないと確認している。
  2. パイロットはF-16に搭乗していたと思われるが、同筋は確認していない。.
  3. ヨルダンは合衆国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、バーレーンとともにイスラム国への空爆作戦を10月から実施中。
  4. ロイターによればシリアの人権監視団体が撃墜地点はイスラム国の拠点ラッカ市Raqqa city近郊であるという。
  5. イスラム国側は撃墜機パイロットが戦闘員により引き回される写真を広報の意図で公開しており、パイロットの国籍をヨルダン人だとしている。
  6. ラッカはトルコ国境近くでほぼイスラム国戦闘員が全域を占拠されている。■

2014年12月24日水曜日

インド海軍初の弾道ミサイル原潜が海上公試をスタート


2014年は潜水艦の話題も豊富でしたね。年末になりインドから国産ミサイル原潜のニュースが入ってきました。まだ実用レベルではないとはいえ、核ミサイルを運用できる同艦がインド洋に遊弋すればパキスタンはじめ隣国には脅威になりますね。ただし、技術的にはまだ相当の開きがあるようで、インドはゆっくりと実用化をめざすのでしょうね。

New Indian Boomer Starts Sea Trials

By: Sam LaGrone
Published: December 16, 2014 2:01 PM • Updated: December 16, 2014 2:01 PM


Indian Navy nuclear ballistic missile submarine INS Arihant on Monday. via The Hindu Times
Indian Navy nuclear ballistic missile submarine INS Arihant on Monday. via The Hindu Times

インド海軍の国産初の原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)が海上海上公試を12月15日に開始したとの地元報道が出た。


国産初の原子力潜水艦排水量6,500トンのアリハント Arihant がインド東海岸のヴィシャカパトナムを出港した。ただし同艦は実用よりも試験開発を主眼においた艦となる可能性がある。

「アリハントが公試開始したは良い知らせだが、同艦が真のSSBNとなるまで道は遠い。技術実証目的に終わる可能性もある」と元インド海軍総司令官アルン・パーカッシュ提督 Admiral Arun Parkash がJane's Defense Weeklyに語っている。「ノイズレベルのせいで抑止任務につかなくても同艦は今後のSSBN部隊にとって経験値を得る手段となる」

INS Arihant in 2009. Indian Navy Photo
INS Arihant in 2009. Indian Navy Photo

アリハントはロシアのアクラ級を元に12発のサガリカ水中発射弾道核ミサイル(SLBM) を搭載したもの。ミサイルの射程はおよそ435マイルだ。

開発は極秘の内に1970年代からはじまっていたと海軍協会のCombat Feets of the Worldに記述がある。

インド海軍は攻撃型原子力潜水艦数隻をロシアからリースで運用している。


2014年12月23日火曜日

ソニーへのサイバー攻撃はさらに大きなネット障害のはじまりなのか 警戒が必要


クリスマス年末を控え世界が緊張したくない時に不穏な動きが目立ってきました。韓国、北朝鮮のコンピュータ関係で事故が発生しているのも決して偶然ではないでしょう。日本も気を抜けない数週間となりそうですね。

Expert: Sony Hack Used Black Market Malware

by BRENDAN MCGARRY on DECEMBER 22, 2014
オバマ大統領はソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントのコンピューターネットワークへのハッキングを「サイバー破壊行為」 “cybervandalism ”と表現し、攻撃とは呼んでいない。専門家のひとりは引き金を引いたマルウェアは闇市場で調達したらしいと発言。
大統領は21日放送のCNNインタビューで「戦闘行為と認識していない」と発言し、「サイバー破壊行為だと思う。非常に高くつく結果を産んだ。これを真剣に受け止めており、相応の対応を進める」
北朝鮮のインターネットは22日月曜日にクラッシュしたと伝えられ、同国で最悪の故障だという。外部からの攻撃が原因と言われるが確認できない。
ソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃はその高度な内容から北朝鮮政府の関与が指摘されるが、社員の電子メール私信、給与明細、健康診断記録等機微情報数万件が暴露された。
漏出した文書では知られては拙い情報も含まれ、ハリウッドの大物プロデューサー、スコット・ルービンがアンジェリーナ・ジョリーのことを「駄々っ子」とした会話や男優女優のギャラ情報もあり、オスカー女優のジェニファー・ローレンスが共演した男優よりも低い額を受け取っていることもわかってしまった。
自称「平和の守護者」との集団が情報漏出を実施したと主張。しかし連邦捜査局は19日にマルウェア侵入は北朝鮮政府が関与と発表した。「合衆国政府省庁、各機関と連携した捜査の結果、入手した大量の情報からFBIは北朝鮮政府が今回の事件の首謀者と結論付けるものである」
FBIが公開した証拠は以下のとおり。
* 今回使用されたマルウェアはデータを消去するタイプでFBIがすでに解明した北朝鮮開発マルウェアと関連している。例えばコードの特定のラインが類似しているし、暗号化アルゴリズム、データ消去方法、ネットワーク侵入方法が同じ。
* FBIは今回の攻撃とこれまでの悪意あるサイバー活動で使われたインフラストラクチャが同じで、政府は北朝鮮が直接関与していると結論づけている。たとえば、FBIは今回のインターネットプロトコル(IP)のアドレス複数がこれまで判明している北朝鮮内のインフラストラクチャと関連しており、今回の攻撃に使用されたデータ消去型のマルウェア内にハードコード化されているのを見つけた。
* これとは別に今回のSPE攻撃には昨年3月に韓国の銀行各社と報道機関を狙ったサイバー攻撃と類似性がある。韓国攻撃は北朝鮮が実施している。
北朝鮮は攻撃への関与を否定しており、米側と共同調査をしてもいいとするが、攻撃自体は「正しい行為」と表現している。
北朝鮮政府は今年初めに正式な抗議を国連に提出し、ソニー作品を非難していた。セス・ローガンとジェイムズ・フランコ主演のコメディ「インタビュー」“The Interview” は北朝鮮指導者暗殺の筋書き。会社側はクリスマスの公開を取りやめたが、劇場側がテロ攻撃を恐れての事だった。
ただし米国内ではサイバーセキュリティ専門家も含めソニーの対応に批判的で、降伏したことが危険な前例となり、犯罪集団が再び攻撃に出る可能性があるとする。
「攻撃する側には思ってもみないチャンスとなりますね」と語るのはピーター・シンガー(“Cybersecurity and Cyberwar: What Everyone Needs to Know”著者)だ。「サイバー脅威にこのように対応してはいけないと言う事例、ネットワーク防衛をこのようにしてはいけないという事例、またテロリストの脅威にこのように対応してはいけない事例だ」
先のCNNインタビューでオバマ大統領は「サイバーハッカー集団の脅かしに屈してはいけない」とし、上映取り消しはソニーが上映した場合の被害の訴訟を回避したためだろうと解説した。
ジェイムズ・ルイス James Lewis は戦略国際研究所(ワシントンDC)主任研究員で大統領が今回サイバー破壊行為とサイバー戦を区別したのは正しい判断だという。
「破壊や人的被害を発生させる形での実力行使は制限されると国際的な合意が成立している。つまり軍事衝突を扱う法体系との整合性だ。この点で大統領は正しい」
ルイスは今回のコンピュータコードにはイランが2012年にサウジアラビア国営石油会社アラムコを標的にしたサイバー攻撃で使用したコードと類似性があるという。サウジアラビア事例の当時は「コンピュータ妨害行為としては最も破壊的でアラムコ社内のコンピューター75%でデータが消失し、かわりに米国国旗を燃やす写真が送りつけられた」とニューヨーク・タイムズが報じていた。
ルイスは今回使用されたソフトウェアは「犯罪闇市場で入手したもの」といい、「北朝鮮が開発したものではないようだ。犯罪目的で作成したマルウェア部分を使い、ソニー攻撃に改造した」とする。
なお、韓国の原子力発電所で22日にコンピュータが侵入されたとの報道があったが、同国内23基の原子炉には異常がなかったとロイターが伝えている。■


2014年12月22日月曜日

米空軍の考えるOffset Strategyでの重要技術要素


なるほど米空軍が考えている方向がわかりますが、技術だけでは戦争には勝てないのであり、下に出てくる品質管理も行き着くところは人質管理であることと思います。コスト要素として見るのであれば無人化や3Dプリント技術で人の関与を減らす方向に進むでしょうが、それでは人間の組織にならないのですが。

Pawlikowski On Air Force Offset Strategy: F-35s Flying Drone Fleets

By COLIN CLARKon December 15, 2014 at 5:41 PM

Lt. Gen. Ellen Pawlikowski
PENTAGON: 空軍で兵器装備の選定に絡むエレン・ポーリコウスキイEllen Pawlikowski 中将が自律運転 autonomy や3Dプリンター 3-D printing が良いと発言すれば耳を傾けるべきだ。
中将は自律性能(人員の関与なしに兵器を任務実施させる技術の総称)は「大きな役割を期待できる。同じ予算でもっと多く調達できる」とし、数が重要との考えを他の将官と共有している。
これがペンタゴンの進める相殺戦略の実態だ。ボブ・ワーク副長官が進める同戦略ではアメリカの軍事優位性を長期にわたり確保するのが目的だ。ポーリコウスキイは空軍の科学技術研究を統括し、空軍の相殺戦略の実施をまとめている。
「一つのシナリオではF-35一機がRPA(遠隔操縦航空機)20機をセンサー・通信機能で指揮調整することを考えています」という。
DARPA KQ-X Global Hawk refueling
もうひとつは無人機間の空中給油で、「大きな可能性を開く」という。
ポーリコウスキイが考えるもうひとつの可能は付加製造additive manufacturingつまり3-Dプリント技術で従来のコスト概念を変えることだ。
品質管理はF-35や宇宙機開発で明らかになったように「これからも最大の課題」としつつ、兵器開発では人員が一番高価な要素だとする。
「付加製造技術を使えば両方の問題は解決可能」とし、イーロン・マスクのスペースXでは3Dプリント技術を利用していると指摘する。また、エアロジェット・ロケットダイン Aerojet Rocketdyne から同社がMPS-120 CubeSat High-Impulse Adaptable Modular (小型衛星モジュラー)の点火テストに成功したとのニュースが本日飛び込んできた。
MPS-120は3Dプリント技術で製造された初のヒドラジン燃料による推進システムで、CubeSat用に用意された。
マスク、ロケットダイン他の宇宙関連企業以外にも3Dプリンターで大型部品を従来より迅速かつ厳格な品質管理のもので製造する例がある。報道によると中国は3Dプリンターで大型チタン部品を作り、新型J-31戦闘機に使っているという。■

2014年12月21日日曜日

サイバー攻撃から技術を守れ


日本でも図面数万点を持って行かれたメーカーの事例がありましたが、莫大な量の情報流出が新型装備になって跳ね返ってくるのではたまりません。目的の為なら手段を選ばない思考の中国に対抗するために今後はセキュリティが強化され、米国産業界は警戒心を強めるでしょうね。サイバー攻撃はこれまでの軍事常識と無関係のため、とまどう国防関係者の様子が伺えます。日本ものんびりしていられませんね。

Industry Fears Massive Losses Through Espionage

Aaron Mehta,2:23 p.m. EST December 19, 2014
DFN china j-31.jpg
(Photo: Johannes Eisele/Getty Images)
原注 FBIが北朝鮮によるソニーピクチャーへのサイバー攻撃を明らかにしたことでオバマ大統領から政府、民間に対して共同して情報保護の強化があらためて要請されているが、以下の記事は12月8日に執筆されたもの。
WASHINGTON – 米国産業界、ペンタゴン関連企業がどれだけサイバー攻撃の被害をうけているかを知るには先月の珠海航空ショーを見れば十分だ。中国はJ-31ステルス戦闘機およびJY-26"Skywatch-U"三次元長距離航空監視レーダーを出展している。
  1. 専門家が指摘するのは二例がロッキード・マーティンのF-35と三次元遠征展開用長距離レーダー Three Dimensional Expeditionary Long-Range Radar (3DELRR)と酷似していることだ。ロッキードが中国のハッカーにより情報流失したとの報道が2009年4月から出ており、業界では中国が情報を利用したとの意見が主流だ。
  2. 情報流出は米国産業界には数十億ドル相当の損失とブレット・ランバート (前国防次官補)が発言している。「ここまで大きな被害を受けたBrett Lambert例はない」とし、3,000億ドル相当の知的財産、しかも大部分は国防関係で米国は被害にあったとする。「一企業というよりも防衛産業全体の知的財産を保護しなくては。ただし、この点で民間は政府より一歩先を進んでいる」
  3. エアバスディフェンスアンドスペースのドミンゴ・ユレニャ・ラソDomingo Ureña Raso(軍用機担当副社長)も同じ意見で企業間で共通のリスクに対応する動きがあり、政府と民間企業はさらに協力してサイバーセキュリティを強化すべきという。
  4. 「ここ数年でサイバーセキュリティが大幅に強化されたのはこの協力関係のおかげです。必要に駆られて技術は進歩していきますが、需要があるのも確かです」
  5. では政府は追いつくことができるのか。米空軍はがんばっている。直近の長期戦略案ではサイバー能力を重要視いており、サイバー部隊を強化するとしている。
  6. 空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将 Air Force Chief of Staff Gen. Mark Welsh は「サイバー巡回」"cyber pilgrims"と呼ぶ空軍人員向けのサイバー知識拡充を提唱しており、第24空軍(サイバー軍)任せにしない方針だ。
  7. そこで参謀総長は空軍大学校に対してサイバー戦力整備の戦略案の起案を求めた。1月にその内容がペンタゴンに開示される。
  8. 11月には軍のトップがマックスウェル空軍基地(アラバマ州モンゴメリー)に集まり、産業界学界からサイバーについて学んでいる。空軍機動軍団、宇宙軍団の各司令官や海軍、陸軍、海兵隊の上級将官が受講している。
  9. 実務レベルではサイバーセンター設立の動きがあり、空軍大学校で学ぶ将校向けの研究教育機能が期待される。
  10. ただし、技術面では民間や研究機関が先行しているので軍は各界と協力するべきとの意見がある。また必要な予算も大型装備に比較すれば僅少である。
  11. ただしランバートは業界と政府が一緒に対応できるか疑問視している。「保護対象で全員が意見が一致しても情報はもう盗まれているだろう」■