2014年3月31日月曜日

テキサス上空で目撃された謎の機体の正体は何か


Unidentified Aircraft Seen Over Southwest U.S.

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 31, 2014
Credit: Steve Douglass

主翼胴体一体型機のように見える航空機がテキサス州アマリロ上空で3月10日に撮影されているが、正体は不明で、米空軍は一切のコメントを拒否している。

三機で編隊飛行をしているのがアマリロ南西で中部標準時午後4時20分ごろ目撃されており、写真撮影者複数が同地の国際空港の敷地境界線上で撮影している。うち一機はB-2の可能性があるが、最も鮮明なカラー写真と白黒でコントラストを強調した処理を市販ソフトで試みたところ、主翼胴体が一体化されており、後縁はまっすぐだった。(下の写真)

 撮影に成功したうちの一人スティーブ・ダグラスによると機体は「戦闘機より大きく」翼端までの大きさは商用機と同じくらいだったという。

この編隊はモードSトランスポンダーを使っていないことが Flightradar24の航空交通追跡サイトで確認でき、無線交信は傍受されコールサインが「シエナ」であったことがわかっている。

ワシントンの米空軍がこの機体の照会、同地同時間帯における飛行の性質について問い合わせたものの回答は「お伝えできることはありません」というもので、極秘計画や飛行業務に対する問い合わせではお馴染みの内容だ。第509爆撃航空団(ミズーリ州ホワイトマン空軍基地)はB-2運用部隊であるが、当日に所属の機体は一機もアマリロ付近を飛行していないと回答している。しかしテスト部隊にもB-2が運用されている。

三機で編隊飛行していたことから運用段階にある航空機あるいは運用段階に近づいている航空機であると思われる。正体不明の同機はノースロップグラマンのステルス偵察機としてRQ-180として知られる機体だった可能性はない。なぜなら無人機が編隊飛行をすることはまれだからだ。同様にロッキードマーティンが建造したといわれる長距離攻撃爆撃機の実証機材は一機だけといわれている。

DEAN MUSKET


2014年3月30日日曜日

米太平洋軍司令官、在韓米軍司令官による議会報告内容



Locklear: U.S. ‘Shouldn’t Talk Ourselves Into’ Conflict With China

USNI News By: John Grady
Published: March 25, 2014 5:44 PM
Updated: March 25, 2014 5:44 PMAdm. Samuel J. Locklear, commander of U.S. Pacific Command on Feb. 4, 2014 in Yokosuka, Japan. US Navy Photo
Adm. Samuel J. Locklear, commander of U.S. Pacific Command on Feb. 4, 2014 in Yokosuka, Japan. US Navy Photo

太平洋軍司令官サミュエル・ロックリア海軍大将が上院軍事委員会で3月25日に中国との軍事対決は回避できるとの見解を示している。中国は晋級弾道ミサイル原子力潜水艦を今年中に配備しようとしている。
  1. 中国は引き続き軍事力増強路線で予算も12%増やして海軍、サイバー、接近阻止領域拒否関連の技術に重点投資していると同大将は議員に説明。
  2. 中国の軍事増強にもかかわらず、同大将は軍事衝突の可能性特に日本との衝突は避けられると考えている。
  3. 「近い将来において日中両国が軍事対立に向かっていくとは思えません」と尖閣諸島をめぐる衝突の可能性を否定。両国の対立は「主権問題が中心」で領有権と漁業権がからんでいるが、「今になって発生した問題ではない」という。
  4. 中国は「潜水艦隊の近代化を進めており、戦力は整備されてきた」とし、近い将来に人民解放軍海軍(PLAN) は60ないし70隻の規模になるとの見通しを示した。
  5. 米海軍の潜水艦戦力の現状維持が重要であるとも付け加えた。「むしろ増強を主張したい」
  6. ケリー・アヨッテ上院議員(共和、ニューハンプシャー)の質問に対して、同大将は潜水艦数増強を求めているが、「全然足りない」状況だと回答。同議員から現在の予測では合衆国の攻撃型潜水艦は2013年の55席が2024年に42隻になるとの発言が出た。
  7. 同大将は今月初めの下院軍事委員会での証言で原子力空母を「軍事装備の中心的存在」なのは平和維持と危機対応に能力が発揮でき、持続できるからだとした。
  8. また11隻体制では国家軍事戦略を「ぎりぎりで達成できる」だけとも発言している。揚陸艦は太平洋地区に5隻以上必要と求めているとも発言。
  9. 太平洋軍へは伝統的に海軍艦艇の50%ほどが配備されてきた。現在は150隻ほどになる。
  10. 兵力再配備ではイラク戦が終了し、アフガニスタンが収束する前提で、180隻へ増やすことになっていた。ジェイムズ・インフォフェ上院議員(共和、オクラホマ州)他同委員会の主要メンバーによるともし予算管理法(2011年)の自動削減が再度2015年に発動となると太平洋全体の艦艇数は150隻のままだという。
  11. ロックリア大将は日本等の同盟各国ならびにシンガポール等連携各国から「米国防予算の今後の方向性が注意深く観察されているとし、各国への影響とともに合衆国の地域における存在感についても同じだと発言。予算削減で合衆国が力を維持できるか懸念が増えているという。
  12. サイバー分野には「悪役」が多いとし、中国もその中に含まれると発言。ただし、「わが方にまだ相当の優位性がある」と言う。「サイバー攻撃は相当発生している」とし、いったん減少したように見えても、再び増加してくると、発言。
  13. 米陸軍大将ガーティス・スキャパロッティ(在韓米軍司令官)Gen. Curtis Scaparrotti, commander of forces in Korea, からは北朝鮮が「これまで以上に非対称的脅威を増やして」いるとし、核兵器とミサイルが将来は合衆国を射程範囲に入れる可能性がるとし、「サイバー分野にも大幅な投資をしている」とするが、現状では韓国の「サービス取引とインターネットサイト運用能力を妨害」しているという。席上では同大将はくりかえし北朝鮮を統率しているのは誰かと質問を受けていた。「金正恩が完全に掌握していると信じます」と同大将は答えていたが、現政権が実父の時代よりもはるかに予測困難になっているのは確かだ。.
  14. スキャパロッティ大将は在韓米軍は装備も行き渡っており即応体制ができており、韓国を「非常に高く」評価している。しかし同大将の懸念は仮に朝鮮半島で戦闘が始まった場合の米軍後続部隊の即応体制であることが判明した。■


2014年3月25日火曜日

F-35は電子戦で限界あり EA-18グラウラーの支援が不可欠


Growler Advocates Outline Stealth Vulnerabilities

By Amy Butler
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 24, 2014
Credit: U.S. Navy

厳しい予算環境の中でペンタゴンの2015年度予算はステルスF-35向け予算を最優先しているが、そのしわ寄せがどこに出るのか業界筋は注視している。
  1. 実質的に一計画に焦点をあてると電子戦(EW)で合衆国の優位が危うくなり、F-35でさえも防御目的のジャミング支援機がなければ防御固い敵の領空の「バブル」突破は難しいと業界筋はみる。
  2. アフガニスタン、イラクの治安維持作戦での支出のためこれまで10年以上にわたり研究開発及び調達の支出が切り詰められており、ペンタゴン内部でEWの計画立案が重点的に取り組めない状態になっているという。アル・シャファー国防次官補代行(技術研究開発)も「作戦分析を中断している」と認める。
  3. ペンタゴンのEW戦略を批判する向きは2015年度予算で米海軍がボーイングのスーパーホーネット生産ライン活用が最後となると指摘している。海軍は予定通りならEA-18Gグラウラー138機を調達して空母航空隊に5機ずつ配備する。海軍によればグラウラー追加22機調達を2015年度の要望リストに載せたが、予算管理法による支出制限が緩和されないと海軍は追加調達ができず、ボーイングは自社費用での生産を迫られるという。
  4. 一方で空軍はEC-130電子攻撃機のうち半分にあたる7機をモスボール保管にして315.8百万ドルを節約する予定で、ジム・ジョーンズ少将(作戦、立案、予算要求担当)Maj. Gen. Jim Jones, director of operations, plans and requirementsはEC-130の代替手段があるのかと問われて、情報開示は拒んだものの、「不満足な」解決手段しかないことを認めている。この分野の実戦能力は秘密のうちに開発が進んでいるのかもしれない。
  5. 超短波(VHF)レーダーの出現がステルス懐疑派の中で大きな話題になっている。同レーダーでステルス機探知が可能となる。「ステルス機とは特定の周波数での探知が遅れるに過ぎない」と説明する業界筋がある。VHFレーダーは「長距離で探知可能」という。長距離レーダーの情報が火器管制システムに流れ、防空兵器の発射につながるシステム統合でステルスの優位性を減じることになり、見えにくくするというよりも目標捕捉を困難にさせるステルス性の特徴が帳消しになるという。
  6. 「VHFレーダーで火器管制はできませんが、探知は可能です」とマイク・ギボンス(ボーイング副社長、F/A-18とEA-18G担当)Mike Gibbons, Boeing vice president of F/A-18 and EA-18G programs.は言う。「低周波レーダーでどの方向を監視すべきかはわかりますので、敵方は迎撃機を緊急発進させてくるでしょう。その時点でステルスはなんの助けになりません」
  7. 中心が治安維持活動から離れることでペンタゴンは難易度が高い交戦条件下の作戦案を考え直すことになり、新型の防空体制をロシアや中国が開発することで接近阻止領域拒否が実現しつつあることも考慮。そうなるとペンタゴンはEWの戦力構成を再考することになり、グラウラーの機体数も増える可能性があり、進行中のF-15イーグルのパッシブ・アクティブ警告生存システムPassive/Active Warning Survivability System (Epaws)、レイセオンのミニチュア空中発射デコイ・ジャマー Miniature Air Launched Decoy-Jammer (Mald-J) も再検討の対象になろう。海軍はポッド型のデジタル無線周波数記憶型 Digital Radio Frequency Memory (DRFM) の開発を不潔なアナグマFilthy Badger および不潔なハゲタカ Filthy Buzzard 両プロジェクトで進めている。
  8. 「特殊レーダーならどんな航空機も探知可能です。そこでその情報の流れを止めてしまうことがカギになりますが、ステルス機も無敵の存在ではありません」(ギボンス)
  9. グラウラー推進派は同機は将来の攻撃陣で司令塔の役割を担うべきだと主張する。後席の電子戦士官が電子攻撃を管理するのだという。
  10. 昨年夏の飛行実証においてボーイングはEA-18G2機で敵発信源をパッシブ探知でき、「非常に正確な」目標情報を「数分以内に」攻撃機に提供できることを示した。その結果からグラウラーを一機追加すれば、敵目標の座標が数秒で把握できることがわかった。この作戦構想で攻撃の所要時間を短縮でき、敵がレーダーを断続的に使用してから停止して探知をさけ、レーダー波を目標とするAGM-88E高性能レーダー波誘導ミサイル Advance Anti-Radiation Guided Missile への対抗を無効化できるという。
  11. グラウラー予算復活を目指すボーイングは危ない橋を渡ることになる。同社はグラウラーの機体数増加がないとステルス機でさえもこれから出てくる防空体制では生き残れないと説明することになると秘密におおわれた領域に足を突っ込む危険がある主張になる。またペンタゴンはこれまで数十億ドルをかけてきたステルス機がずっと低予算で開発したネットワーク化防空体制の前に弱体化してしまうことをしぶしぶ認めることになる。ボーイングはすでにグラウラー増強を求める議会ロビー活動を開始している。
  12. 現時点で敵防空網を突破する性能が一番高いのはF-22およびF-35の両機だが、ともに決定打ではなく、援護部隊によるスタンドオフ攻撃支援を敵の有効射程外から必要とし、電子の戦場で優勢を保つ必要があるとグラウラー推進派は主張し、各空母飛行隊のグラウラーを10機に倍増するよう求めている。今後就役する新型空母ではそれくらいの追加は簡単に収容できる余裕はたっぷりあると業界筋は解説する。
  13. F-35がこれまでで最も高性能かつ融合エイビオニクスを搭載しているとはいえ、電子戦は搭載するノースロップグラマン製AN/APG-81レーダーの周波数の範囲内に限定される。だがもしF-35がデータベースに乗っていない敵に遭遇したら、あるいは自機レーダーの周波数帯から外れた敵に遭遇したら、同機では敵を探知できない可能性があるが、EA-18Gの電子戦士官なら敵の能力を把握し、制圧も可能だと産業筋は解説する。
  14. グラウラー整備の最終決定はまだ出ていないが、シャファー次官補代理は「EWへの集中度を一部では加速している」と発言しており、上記Mald-JやEpaws以外で極秘計画の進行を暗示している。
  15. 3月12日開催の公聴会席上で海軍作戦部長ジョナサン・グリーナート大将はグラウラー増強の「要望が強まっている」と発言したが、問題は正式発表はいつになるのか、また、予算確保ができるかだ。




2014年3月22日土曜日

新型グリペンのセンサー装備はステルス機にも有効な高性能


Gripen Sensors Claim Counter-Stealth Performance

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 17, 2014
Credit: Saab

サーブJAS 39E用に新開発のセンサー装備はレーダー断面積(RCS)が低い目標の捕捉が可能であり、パイロットに新しい次元の状況認識を与えると、高性能センサーのメーカー、Selex-ESは説明している。

  1. JAS 39E はSelex-ES製センサーを三基搭載する。レイヴン Raven ES-05アクティブ電子スキャンアレイレーダー(AESA)は同社のエディンバラ事業所が開発したもので生産型AESAとしてはじめて回転機構にとりつけたことで機首から ±100度の視野を実現した。スカイワード Skyward-G 赤外線捜索追跡infrared search and track (IRST) システムはユーロファイターのIRSTとSelex製の陸上および船舶用IRSTの経験を取り入れたもの。同戦闘機には新型敵味方識別(IFF)システムに選択式の電子アンテナアレイ三基をとりつけてレーダーの有効範囲と視野角に対応している。
  2. 三系統のセンサーは自動的にパイロットに機体周囲の空間で何が起きているかを知らせるとともに、JASの新型電子戦システムとも統合している。さらにセンサーのデータはデータリンクでグリペン編隊で共有される。
  3. IRSTにより低RCS機体を相当の距離から探知でき、視界外の目標にミサイル発射を可能とする。目標と周囲のごくわずかな温度差を探知し、赤外線吸収塗料は通常塗装よりも摩擦を起こしやすく、動力学的な発熱を起こすのでIRSTはこれを見逃さない。スカイワードGは超音速飛行中の目標だけでなく300から400ノットで飛行中の目標なら機体表面の摩擦熱やエンジン排気で探知可能だ。
  4. IRSTでは長波の焦点面アレイセンサーを使い三面の視野を確保する。長距離捜索ホードでは赤外線望遠鏡の機能があり、高速スキャンミラーと「ステップスキャン」を捜索対象に使う。また単一目標追跡モードがあり、広角モードでは暗視画像をヘッドアップディスプレーに表示できる。IRSTはパッシブシステムなのでもともと距離データはないが、「力学的測距」 “kinetic ranging”と呼ぶ飛行方向を変更で目標への方位角も変化することで距離が把握できる。またIRSTを2機が同時に使い三角測量で目標を補足できる。
  5. IRSTのハードウェア構成は光学部分、探知部分と処理プロセッサーであるが、最大の改良はアルゴリズムを実地使用結果から進歩させたことで、赤外線の特徴を詳細に見分けることができるようになっている。
  6. IRSTによりレーダーは目標の正確な方位角と高度を把握できるので、目標探知追跡の可能性が低RCS機に対しても高くなる。AESAにより事実上瞬間的に±70度以内でビームを操作したスキャンが可能だが,グリペン2機のレーダーとTAU-Linkでそれぞれの目標を広角で表示する実証が予定されている。
  7. 新型IFF装置はレーダーの有効視野全体をカバーしつつ、レーダーとは別に作動する。この方法が選択されたのは友軍や民間機の情報を最大限に取得しつつ、IRSTとレーダーに敵性の高い航空機に専念させることにある。

中国潜水艦探知を発表した防衛省の意図を理解しましょう


Japanese Officials: Unidentified Submarine Near Okinawa

By: USNI News Editor
Published: March 21, 2014 9:35 AM

Updated: March 21, 2014 9:35 AMA Japanese P-3C
A Japanese P-3C

海上自衛隊機が中国のものと思われる潜水艦を宮古島付近で探知したと防衛省が20日発表した。
  1. 防衛省は潜水艦の国籍を明らかにしていないが、中国人民解放軍海軍に所属する艦だとJane’s Defense Weeklyは報道している。
  2. 潜水艦を発見したのは川崎P-3Cで日本領海の外縁部を哨戒飛行中だった。
  3. 防衛省によると潜水艦は日本領海に侵入していないものの接続水域を横切り、3月20日午前に北東から北西に航行していたという。
  4. Jane'sの出した結論は今回の公表は日本として中国へのメッセージとして中国潜水艦の追尾発見は簡単にできると伝え、また安部総理には防衛支出の増加により日本近海での中国の活動強化に対抗する大義名分を与えるものと分析している。
  5. 同様の事例として2013年5月に防衛省は南大東島近辺を潜水艦が航行したと発表したことがある。


2014年3月20日木曜日

成都J-20の新試作機が初飛行に成功


China Unveils More Capable Stealth Fighter Prototype

By: Feng Cao
USNI News Published: March 19, 2014 1:11 PM
Updated: March 19, 2014 1:12 PMAn image of the Chinese People's Liberation Army Air Force J-20 new stealth fighter prototype.
An image of the Chinese People’s Liberation Army Air Force J-20 new stealth fighter prototype.


中国のステルス戦闘機開発がまた一歩進んだ。先月初めにJ-20試作機が初飛行に成功している。同機は成都飛機工業 Chengdu Aircraft Corporation (CAC) 製で各種のステルス対策が施され機体操作性が高くエイビオニクス搭載に適した機体構造になっているようだ。

  1. CACは以前の試作機二機(2001/2002号機)から今回の改良型を生産するまで十分な時間をかけている。試作機2機は技術実証用だったようだが、今回の第2011号機は量産前の試作型だろう。
  2. 中国から入手した写真を比較すると2001/2002号機と2011号機に微妙な差があることがわかる。
  3. まず機体の工作完成度が実証機段階から真の試作機に相応なものに変わっている。最大の相違点はF-22を思わせる薄い灰色塗装だ。Changes between prototypes of China's stealth fighter prototypes.
Changes between prototypes of China’s stealth fighter prototypes.

  1. 側面では空気取り入れ口を設計変更し、すっきりとさせつつ膨らみは増している。.空気取り入れ口の前部内側に角度をつけており、機体本体と一体化をはかっている。カナード翼後方は切り込んであり内側の縁は空気取り入れ口との隙間処理で切り取ってある。垂直尾翼の後方も切り込んであり、中国の文献によるとこれは側面からのレーダー断面積を減らすためだという。
  2. 前後の降着装置の格納扉も改良されている。.
  3. 底部を比較すると主兵装庫は拡大しており、空対空ミサイルだけでなく精密誘導弾も搭載できるようだ。前縁部は曲線から直線に変わっている。
  4. 尾部は延長され幅も拡大されて、排気口と並行になった。腹部のフィンは大きくなったようで、排気を側面から隠す機能があるようだ。同機は同じJ-20とはいっても排気からのレーダー探知性は大幅に下がっているだろう。
  5. またエイビオニクスも一式搭載しているようで、2002号機にはテスト用AESAレーダーを積んでいると思われる。前面から見ると2011号機の機首は傾斜しているが、角度は小さくレーダー搭載には支障がないだろう。Differences between China's stealth fighter prototypes.
Differences between China’s stealth fighter prototypes.

  1. 電子光学式捜索装置はF-35の電子光学式目標捕捉システムと類似したものでJ-20の顎部分に装着。また、防御用エイビオニクスが両側面、機種、尾部についている。
  2. コックピット内部は不明だが、新型ホログラム式ヘッドアップディスプレーを装備しているはずで、キャノピーは二重構造。
  3. 新世代の統合電子装備はJ-10Bで実証済みでJ-20にも取り入れられているはずだ。
  4. J-10Bが搭載したのは第一世代のAESAレーダーで瀋陽J-16は1.5世代AESAレーダーを採用する。J-20の実戦化までには第二世代にAESAレーダーになるだろう。中国のレーダー技術は成都J-10Bで見る限り、より近代化された統合電子装置システムに近づいているようだ。An image of China's newest stealth fighter prototype.
An image of China’s newest stealth fighter prototype.

  1. 今回登場した新型試作型では以前の2001/2002号機よりステルス性、機体操縦性とエイビオニクスで大きく改良されている。人民解放軍空軍の他案件の時系列進展から判断するとJ-20の量産は2019年ごろ開始で同時に実戦化とみる専門家もいる。
  2. ただしJ-20で大きな疑問はWS-15エンジンがいまだに開発中ということで、このエンジンが量産化までに実用化されるかははっきりしない。


2014年3月18日火曜日

グリペン新型は低コストで高性能を狙い、輸出にも積極的


New Gripen Aims For Low Cost, High Capability

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com March 17, 2014
Credit: Gripen

サーブはスウェーデン空軍、Selex-ESとともに新型JAS 39Eグリペン戦闘機の詳細を公表した。同機は6年間にわたるリスク軽減開発期間を経て正式開発段階に入って一年が経過している。JAS 39Eは現行のJAS 39C/D型と共通する機体構造部品やシステム要素は一部しかないが、武装統合化の経験を引き継ぎ、C/D型のソフトウェアを進化させている。
  1. JAS 39Eは従来型より総重量が増えており、内部搭載燃料も2,400 lb. 増える。主降着装置の設計変更によるもので、従来の機体内部引き込み式が主翼下のバルジに格納されるようになったためだ。機首の前輪も二輪式から大型の一輪になり、滑走路に設置した緊急拘束ケーブルに対応する。機体構造を見直し、主翼と機体を滑らかにし、内側の主翼パイロンにつなげ、そこから外翼がついており、胴体の形状も燃料搭載量を増やすため編k脳になている。ただし、設計変更により機体の空虚重量比率が変わり、搭載量が増えている。
  2. JAS 39E はステルス機に対しては統合マルチスペクトラル式センサーで捕捉をする。アフターバーナーを使わず巡航速度はマッハ1.25で、実戦化は2018年で兵装類一式が利用可能となる。そのなかにはMBDA製メテオ空対空ミサイル(ラムジェット推進)も含む。スウェーデン空軍の固定価格契約では60機を完成させることになっており、JAS 39Cを改装し新型エンジン、エイビオニクス含む基本構成で価格は43百万ドルだ。
  3. JAS 39E はステルス機ではないが、開発契約ではこれまでよりも低いレーダー断面積 (RCS) の実現を求めており、新型のスウェーデン製電子戦システムとして窒化ガリウム gallium nitride アンテナ技術を投入し、情報集監視偵察センサー機能をもたせ、Selex-ES製のブライトクラウド Brite Cloud アクティブデコイを搭載する。RCS削減で高性能の敵機からも十分生き残れる見込みで、スホイT-50にも対抗できるほか、新型地対空ミサイルからも逃れることができるが、F-35のようなステルス機の構造ではないので、コストとリスクを軽減している。
  4. 同機を最初に導入するスウェーデン空軍とスイス空軍は単座機の導入しか予定していないが、同時開発中の複座型JAS 39Fの導入がブラジルで検討中で同国は昨年12月にサーブ導入を決めている。
  5. JAS 39Eは39Cより調達価格を下げるねらいがあるが、性能は向上しており、運用コストもほかの戦闘機より低くする。スウェーデン空軍はJAS 39Cの時間当たり運用費用は $7,500 と報告しており、サーブの目標はJAS 39Cで使用した金型工具や製造工程を使って従来の6割のコストで生産することだ。
  6. 同機開発には今年になり大きなイベントがある。5月18日にスイスは国民投票でJAS 39E22機の導入の是非を問う。サーブ幹部もこの投票は僅差になると認めている。その次にブラジル向け36機の商談を年末までにまとめる。.
  7. サーブがかかげる営業目標はJAS 39E を今後20年間で300機から450機輸出することである。この規模は「想定市場規模」の1割を確保することだという。グリペンの輸出が始まってから商談成約率は5割だという。
  8. 営業の重点国にはデンマークがあり、マレーシアも長年にわたり採用を狙っている相手先だ。ブラジルの発注は先鋒となるとみられ、同国が運用するF-5やアレニア・エンブラエルA-1の代替機となる。
  9. JAS 39E の先行開発機材3機は2015年上半期に初飛行すると同社は予定している。また生産機材に近い状態の開発機は2017年に初飛行するという。■


JAS 39C
JAS 39E
空虚重量, lb.
13,000
less than 14,000
機体内燃料搭載量, lb.
greater than 5,000
greater than7,400
最大離陸重量, lb.
30,900
36,400
発動機
Volvo RM12
GE F414-GE-39E
中間・最大推力 lb.
12,150/18,100
14,400/22,000
スーパークルーズ能力
No
Mach 1.25
レーダー
Mechanical scan
AESA
IRST
No
Yes
コックピットディスプレイ
3 6 X 8 in.
1 8 X 20 in.



速報 SEALsがハイジャックされたタンカーを制圧・奪回


SEALs Take Control of Hijacked Tanker

By: USNI News Editor
Published: March 17, 2014 11:26 AM
Updated: March 17, 2014 11:27 AMMorning Glory was seized by Navy SEALs late Sunday evening.
Morning Glory was seized by Navy SEALs late Sunday evening.

米海軍SEAL特殊部隊が民間石油タンカーを3月16日深夜に制圧した。同船は今月はじめに武装リビア人三名により捕獲されたもの。ペンタゴンが月曜日に公表した。.
  1. 「米部隊の投入はリビア政府およびキプロス政府の要請によるもので負傷者は発生していない。部隊はしタンカー Morning Gloryを制圧した。同船は無国籍で今月初めに三名の武装リビア人により捕獲されていた」とペンタゴンでジョン・カービー少将 Rear Adm. John Kirbyが発表。
  2. 作戦はオバマ大統領が承認したのちに3月16日東部標準時間午後10時にキプロスから南の国際水域で実施された。投入されたのは海軍SEAL部隊で欧州特殊作戦軍団所属。
  3. SEALチームは誘導ミサイル駆逐艦USSローズヴェルト(DDG-80)のヘリコプター支援のもと発進し、同艦が指揮統制機能を務めた。
  4. タンカーはリビア最大の石油積み出し港エスシダーEs Siderから出航し原油を搭載していた。同港はリビア国有石油公社が管理できない形で9か月がたっている。
  5. 同船の捕獲はほぼ9か月にわたったリビアの三大石油積み出し港での騒乱の直近の事件となった。三大港とはリビア東部のラスラヌフRas Lanuf,、エスシダー、ズウェイティナZuweitinaで、武装集団が実効支配しており、石油公社に原油売り上げの分配を要求している。
  6. 同船にはUSSスタウト(DDG-50)の乗員が乗り込み操船し、リビアの港を目指す。■


SM-3 IIAミサイルの早期生産へ


Raytheon Eyes Early SM-3 IIA Builds

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com March 13, 2014
Credit: U.S. Navy


レイセオンはSM-3ブロックIIA弾道ミサイル迎撃体の第一バッチ製造の提案を米ミサイル防衛庁 (MDA) へ提出しようとしており、初の飛行テストも来年に行う。提案書ではミサイル22基の販売をするとし、開発は順調に進んでいるとSM-3を担当するプラグラムディレクターのミッチ・ステイーヴィソンMitch Stevisonは語る。各基はMDAの研究開発費予算で調達する。

  1. SM-3ブロックIIAはレイセオンのSM-3ファミリーで最新版となる。これはオバマ政権が掲げるヨーロッパ対象適応型アプローチ European Phased Adaptive Approach (EPAA) の実施手段として、ヨーロッパの大部分および合衆国東海岸をイランの弾道ミサイル攻撃から守ることになる。SM-3 IIAは艦載あるいは地上発射で運用化は2018年の予定でEPAA構想が求める欧州の漸進的防衛体制拡張を実現する一環だ。
  2. ブロックIAとIBは米海軍艦船に地域内弾道ミサイル防衛手段として配備されている。IIAは日本政府および三菱重工業と共同開発されており、新設計の推進系が強力なものになる。SM-3 IA, IB およびIIA の第一段は直径21-inだがこのうちIIAは第二第三段まで同じ 21 in.のサイズであるのに対し、これ以前の型は直径14 in.になっている。
  3. サイズ拡大で飛翔距離が伸び、燃料を消費した段階の飛行速度が高くなるので、防衛対象面積が増える。「IIAミサイルは運動エネルギーでブロック1Bよりも強力になっています」(スティーヴィソン)
  4. 関係者がSM-3IIAのキャニスター放出口を検分しており、大型化したミサイルが海軍のMk.41垂直発射システムで対応できることを確認しているとスティーヴィソンは Aviation Week に語った。キャニスターはミサイル発射の際につかうもの。
  5. 初の迎撃試験は2016年度末までに実施予定で、計画よりも2年遅れることになる。逆にリスク軽減策の実施ができるようになった。ペンタゴンは「ハードウェア中心の内容を早期に求めていた」とスティーヴィソンは言い、早期にテストしていたらリスクがあったと認める。SM-3 IIAの実戦配備前に四回の迎撃実験が予定されている。
  6. ペンタゴンのSM-3 IIA開発予算は15.1億ドルほどで日本政府もほぼ同額を負担する。三菱重工はノーズコーン、第二及び第三段のモーター開発、組み立ておよび迎撃体の制御を担当している。
  7. 第一段はAerojetが生産し、レイセオンは対弾頭破壊弾を製造する。作業は1Bが基礎となっているが、ブースターの大型化でこれまでより大型の破壊弾が可能となり、情報処理能力と飛行距離が伸びている。二色赤外線探査装置 two-color infrared seeker と迂回高度変更機構 divert-and-attitude-control system は1Bのものを流用している。.
  8. 日本も同ミサイル導入で自国防衛に必要な艦船数を減らすことを期待している。■




2014年3月14日金曜日

EA-18G増強で電子戦能力拡充をねらう米海軍の航空戦略は中国を意識したもの


Why the Navy Wants More Growlers

By: Dave Majumdar
USNI News
Published: March 12, 2014 12:59 PM
Updated: March 12, 2014 1:01 PMEA-18G Growler from Electronic Attack Squadron (VAQ) 129 during night flight operations aboard the aircraft carrier USS Carl Vinson (CVN-70). US Navy Photo
EA-18G Growler from Electronic Attack Squadron (VAQ) 129 during night flight operations aboard the aircraft carrier USS Carl Vinson (CVN-70). US Navy Photo


米海軍は電子攻撃機材の拡充により次世代の作戦案である高度な航空戦能力を実現しようとしている。
  1. 海軍はボーイングEA-18Gグラウラー電子攻撃機22機の追加調達を2015年度予算で求めている。
  2. 「現状では各飛行隊に最小限の機数しか配備されていません」と海軍長官レイ・メイバスSecretary of the Navy Ray Mabus は下院軍事員会で発言。「(要求内容は)保険であり、つなぎ措置」.
  3. この要求の裏にあるのは海軍と議会筋によればグラウラー部隊を拡張して、現状の各飛行隊に5機配備を8機にして飛行電子攻撃 airborne electronic attack (AEA) 戦術を海軍が構想する海軍統合火器管制対空作戦実施能力 Naval Integrated Fire Control-Counter Air (NIFC-CA) の一部として整備すること。同構想はロシアや中国が整備を進める高性能な統合防空体制integrated air defense systems (IADS) の無効化が目的。.
  4. 海軍のねらいは電子攻撃飛行隊16個編成にすることで、そのため48機のEA-18G追加調達で各飛行隊に8機のグラウラーを配置する。.
  5. 業界筋によれば海軍は訓練用としてさらに12機が必要になるはずだという。別に損耗補充用に10機が必要で追加調達は70機ほどになる。
  6. NIFC-CAの整備を進める中心はマイク・マナジル少将(海軍航空戦総監) Rear Adm. Mike Manazir, the Navy’s director of air warfare からUSNI Newsに昨年12月に最低でもEA-18G2機を高速データリンクで接続し、さらにノースロップ・グラマンE-2Dホークアイもつなぎ、脅威対象の発信源を正確に探知する時間距離分析 time distance of arrival analysis tを実施するのだという。
  7. マナジル少将によれば海軍はロックウェル・コリンズが開発した戦術目標細くネットワーク技術 Tactical Targeting Network Technology あるいはLink-16方式の並行マルチネット-4で各機を接続するという。
  8. この三機が配置されると複数の脅威対象飛行物体の発する電子信号の場所を狭めて、武器級の電子追跡をリアルタイムで放射できるようになると海軍は期待。
  9. ただし業界筋によればこの戦術が効果を最大に発揮するにはグラウラー三機が同時に連携して飛行する必要があるという。また、2013年夏に海軍はグラウラー3機による電子攻撃実証をおこなっているという。
  10. ホークアイも電子支援装備を搭載しているが、EA-18Gと同等の性能は期待できず、脅威対象に接近して飛行することもできない。
  11. 「EA-18Gなら電磁状況の全体像が把握でき、電子信号を放射している対象を発見し、そのデータから戦闘部隊は脅威対象への対応方法を選択できます。その選択にはグラウラーが搭載するジャミングポッドによるジャミングあるいはグラウラーの目標捕捉能力を利用した電子攻撃も想定されます。」(上記業界筋)
  12. 海軍が想定する戦闘空域とは相手側が高度の統合防空システムを整備した環境で、VHFレーダーでステルス機も捕捉可能で、高機動性の地対空ミサイルとしてロシア製SA-21 グラウラーや中国のHQ-9が多数配備されているというもので、これらを前提とした空域での戦闘には電子戦術は不可欠な存在だ。
  13. 旧式の戦術では敵防空網の制圧あるいは破壊には衛星からの画像情報や長距離情報収集機に依存して固定式SAM陣地を攻撃することになっていた。だが、新型かつ機動性ある敵の防空体制にはこれでは効果がない。
  14. 飛行隊あたり5機の配備では常時3機のグラウラーを滞空させられない。空母が3機のEA-18Gを飛行させれば、次の3機の発進もすぐに準備する必要が出るが、現状の飛行隊の規模を超えてしまう。「最低で8機必要だと提言してます」(上記業界筋)空母が8機のEA-18Gを搭載すれば、3機を空中に送り、次の3機の発進準備を整えることができる。残りの2機は保守点検にあてられる。■


心配なF-35用のF135エンジンの耐久性:ファンが吹き飛ぶ事件発生


F135 Fan ‘Blows’ During F-35 Engine Trial

By Amy Butler
Source: Aerospace Daily & Defense Report
aviationweek.com March 06, 2014


F135エンジンで発生したファン不良の原因をプラット&ホイットニーが調査中だ。事故は昨年12月にフロリダ州で発生し、三段構造の同エンジンの第一ステージのファンが問題を起こしていた。
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  1. ファンの亀裂が発生したのは12月23日で時間加速ミッション検査 accelerated mission tests (AMT) 中にプラット社施設内で試験用エンジンFX648が設計作動時間合計の77%に到達した段階で発生したとF-35推進室長クリストファー・ボグデン中将が発表。Aviation Week主催の国防技術セミナーで同中将はプラットはファンについて「低サイクル疲労のストレスを過小評価していた」と発言し、このテストでファンが「吹き飛んだ」という。
  2. 調査は続行しているが、今回のインシデントで飛行の安全性が脅かされるとは見ておらず、配備済み機体への短期的影響はない」とプラットは文書で説明している。同社は運用中機体に搭載の各エンジンの状況を把握し、今回は低サイクル疲労が不良の原因でただちに機体の安全には影響がないと確信しているという。
  3. 問題が発生したエンジンはテスト機材のF135エンジン中で一番稼働時間が長いもので、運転時間は2,200時間にのぼり、約9年間の稼働に匹敵する長さだ。プラットによればFX648は時間数でテスト機材の他のエンジンの4倍、実戦機材のエンジンの10倍だという。
  4. 事故が発生したのはF135で三段に分かれているファンのうち、前面のファンで、エンジンは通常モードで運転していたが、「大きな破損」がエンジンの常温部分に発生したものの、リフトファンの高温部分には影響がなかったとボグデン中将はいう。この部分はF-35各型のエンジンに共通で重心移動型インレットの誘導羽根 variable-geometry inlet guide vanes の後部で、通常型ファンと低圧コンプレッサーの役割を一緒に果たす。各ステージは一体型ブレイドローターintegrally bladed rotors (IBR)で構成してあり、そのうち第一段は中空チタン切り出しで作成。第二段、第三段はチタン固体で作成してある。プラットは調査段階で振動他の要因を検討しているかをあきらかにしていないが、「各種の要因を検討中でAMTによるストレスも含まれる」としている。
  5. ボグダン中将によれば中空IBRによるコストと工作の難易度が理由でプラットはファンの再設計にとりかかっているとのことで、12月の事件の教訓も取り入れ第一段のIBRも固体チタンで作成するという。この設計変更で重量 6 lb. ほどがエンジンに加わる見込みだが、工作性は著しく向上するという。なお、IBRの設計変更はこれで二回目となり、中空材料を使う変更も重量軽減が目的だった。
  6. F135エンジンではテスト開始(2003年)以降、数点の開発上の課題が見つかっているが、ファン関連の事例はほとんど発表されていない。2009年にはF135の耐久力テストで第一段、第二段に損傷が発生しているが、その後原因は空気取り入れ口内のブッシングが摩耗したため乱流が発生したためだと判明している。
  7. 今回のファン事故はF-35全機の一時飛行停止措置が解除になって一年以上経過して発生している。飛行停止の理由は第三段の低圧タービン(LPT)のブレイドに亀裂がエドワーズ基地(カリフォーニア州)の米空軍テスト機で発見されたためだった。■