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10月, 2014の投稿を表示しています

オーストラリア潜水艦事業に絡みたいサーブ・コックムスとはどんな企業なのか

オーストラリア向け潜水艦建造の競合相手になりそうなサーブ傘下のコックムスの話題です。同社が提携したコリンズ級がオーストラリアにとっては不満の種なのですが、同社はオーストラリアにこれまでも実績のある会社で決して無視はできないと思います。だがはたして日本の2社に海上自衛隊向けとは別に輸出用船体を作る余裕があるのか、そこに米国も割り込んできて、ますます混迷しそうな状況ですね。同社を率いるフランソン女史の発言を見ると、とてもオーストラリアの想定する性能を実現できる実績のある会社と思えないのですが、いかにも自信満々ですよね。日本側もメディアを使って自社の立ち位置を説明してはいかがでしょうか。 Saab Confident in Its Kockums Submarine Builders Oct. 29, 2014 - 05:03PM   |   By CHRISTOPHER P. CAVAS   |    Comments http://www.defensenews.com/apps/pbcs.dll/article?AID=2014310290036 Saab Kockums Security and Defense Solutions unitを率いる グニラ・フランソンは世界の海軍市場で競合に勝ち残りたいと意欲満々だ。 (Christopher P. Cavas/Staff) PARIS — コックムス造船が再度スウェーデンの所有・統制に復帰した際は同国の国民、政府、産業界が全員承認する稀な事例となった。 「全員が好意的な反応を示すのはこの国で初めてでしょう」と言うのはサーブ・コックムスSaab Kockums Security and Defense Solutionsを率いるグニラ・フランソンGunilla Franssonである。 サーブはコックムスを傘下に収め潜水艦建造でスウェーデンらしさを出してきた。 「サーブ・コックムスとしてサーブの強みとコックムスの造船能力を提供します」 フランソンはサーブの海軍艦船建造実績を上げたうえで、「サーブは造船では有名とはいいがいですが、コックムスの名前はサーブが造船も手掛けていることを印象付けます」 サーブの名称はグリペンに代表されれる航空機製造、サーブ・

F-35イスラエルが追加発注に動く 発注数増加が最大のコスト低減策という実態

単価を下げたければもっと発注しろ、途中で取り消したら全員が迷惑だ、というのではかなり強引なセールスになりますね。ちょっと疑問に思います。とくにそういう米国が調達規模を縮小するのでは。そうなると我慢比べみたいなもので最後まで残っていいことがあればいいのですが。 Israel Planning To Increase F-35 Buy http://www.defensenews.com/article/20141029/DEFREG04/310290029/Israel-Planning-Increase-F-35-Buy Oct. 29, 2014 - 02:21PM   |   By AARON MEHTA   |    Comments WASHINGTON — イスラエルはF-35を追加発注をし、合計44機の導入を目指す。 イスラエルは2010年に対外有償軍事援助販売(FMS)を通じF-35を購入する初の国となり、A型を19機購入することにしていた。今回の追加は25機である。この報道はロイターがまず流し、統合開発室も確認したが、コメントは避けている。 今週はF-35にとってよい一週間になった。開発室とロッキード・マーティンが八番目の生産ロットの条件面で合意を形成している。この中にはイスラエル向けF-35Aが2機と日本向け4機が含まれ、生産は2016年に開始される。 イスラエルの発注追加はF-35事業への信頼度が回復している証であり、米国向けのみならず共同開発国8か国とともに有償援助の三カ国向け単価にも影響が出てくる。 業界とペンタゴンはコスト削減の努力をつづけているが、最大の削減策は受注数を増やすことだと強調している。 事業を統括するクリストファー・ボグデン中将は事業量が伸びることが節減効果全体の8割相当になると発言。 「これからの三年間で生産量は二倍になり、5年で3倍になる。今後の増産は大規模ということ。そこで発注取り消しや先延ばしがあれば全体へ影響する。運命共同体 We all sink or swim together ということだ」とボグデンは9月に発言している。■

★★F-35機体価格の最新動向 航空自衛隊機体含む

なるほど日本向けの機体はドル108円換算で単価100.8億円ということですが。今後も機体価格が下がっていくというのはよい知らせですね。ただACC司令官も言っているようにF-35の役割は機種の違いを融合させた総合的な戦力と状況把握能力、ネットワーク機能なので、運用する航空自衛隊も考え方を切り替えていかないとせっかくの機材も宝の持ち腐れになってしまいますね。 Lockheed, Pentagon Agree On Latest F-35 Production Lot http://aviationweek.com/defense/lockheed-pentagon-agree-latest-f-35-production-lot Oct 27, 2014 Amy Butler | AWIN First Lockheed Martin ペンタゴンと ロッキード・マーティン 間で F-35の次回生産バッチ43機分で合意ができた。 これによると低率初回生産(LRIP)第8ロットの価格は前回のLRIP 7よりおよそ3.6%低い単価になり、F-35Aで93.3百万ドル(約100.8億円)、F-35Bは100.5百万ドル(108.5億円)、F-35Cが111.1百万ドル(120億円)になる。 今回の生産ロットに初の海外軍事販売分の2案件も含む。イスラエルはF-35Aの2機、 日本向け F-35Aが4機である。米国向けは29機で、うち19機が米空軍、6機B型が海兵隊、C型4機が海軍向けだ。あわせてノルウェー、イタリア向け各2機もここに入る。英国にはF-35Bを4機生産する。 . 今回の生産ロットは2014年度調達で2016会計年度末までに引き渡しとなる。 F-35開発室は初のC型空母運用も開始しようとしている。USSニミッツへの拘束フックによる着艦は11月3日を予定し、サンディエゴ沖合で行う。艦上運用型ではフック形状を再設計している。ロッキード・マーティンが再設計を迫られたのは原型が空母の拘束鉄線をつかむことができなかったためだ。 ロッキード・マーティンでF-35事業を担当する執行副社長ロレイン・マーティン Lorraine Martin によればF-35Aの機体価格は2019年度に80百万ド

ACC司令官が見る 空軍力の現状と未来

ホステジ司令官はこれまでもいろいろ発言をしている人ですが、退役を控え、一区切りというところでしょうか。空軍の考える作戦概念そのものは案外理解されていないので、非常に参考になると思います。 ACC’s Gen.Hostage: On Fifth Gen Combat Cloud And Syria By ROBBIN LAIRD and ED TIMPERLAKE on October 22, 2014 at 4:29 AM ロビン・レアード ROBBIN LAIRD (寄稿コラムニスト)とエド・テンパーレイク ED TIMPERLAKE がマイク・ホステジ大将との最後のインタビュー機会を得た。大将は航空戦闘軍団を率いるが、11月初旬に退官予定だ。ホステジは空軍が第五世代機F-22を導入し、F-35導入に備える様子を目にしてきた。(編集部) 質問: F-22が実戦に初めて投入された。中東のISILを相手に。もっと早く実戦投入しておくべきだったのに、実現しなかった。F-22は独立して運用されるのか、それとも空軍の一部に統合されるべきなのか。 ホステジ : 今日運用中の機体はすべて統合されている。単一ミッションしかできない機体は運用しないが、近接航空支援機は例外。今でも全体をきわめてうまく調整して実施すべき運用である。 空軍に統合できていない機材があると考えるのはばかげた見方だ。F-22は他の機種と交信ができないというのは他機種と同じレベルでの交信ができないという意味。 しかし機材を他の資産と統合するのはいまに始まったことではなく、空軍創立以来続いている。TTPという戦術、技量、手段に関しておおむねそれは正しい。 F-22も対ISIL戦では戦力構成の一部に取り込まれている。決して単独行動しているわけではない。それぞれの役割はあるが、全体として戦力ミックスとしている。 航空攻撃だけおこなっているわけではない。同機の状況把握能力と防空能力は大きな要素であるが、他機種と同様に攻撃目標も与えられる。 これ以上の統合があるだろうか。 質問: 空軍力は一層重要性を増しており、作戦の実施のたびにその観が強い。それでも議論があり、地上兵力対空軍力と言う観点で意見が分かれている。我々は空軍力は戦闘区域の状況を形成するとともにそ

ISISの資金源のからくり 闇取引の実態はどうなっているのか どうしたら阻止できるのか

ISIS関連のニュースですが、この古美術品盗掘密輸による現金化のお話は知られていないのでは。一体誰が買うのでしょうか。しかも昨日今日始まったわけではない、ということはすでに数十年にわたる流通のしくみができている? それよりも原油を安く買っているのは誰なのか、許しがたいですが、ISISIを助けるルートをひとつずつつぶす経済戦に勝たなければなりませんね。 Opinion: How ISIS Funds Terror Through Black Market Antiquities Trade http://news.usni.org/2014/10/27/isis-funds-terror-black-market-antiquities-trade By: Brig. Gen. Russell D. Howard U.S. Army (retired), Jonathan Prohov and Marc Elliott Published: October 27, 2014 11:15 AM Updated: October 27, 2014 11:17 AM 連合軍が空爆でイラク・シリアイスラム国(ISISまたはISIL)の進撃を食い止めようとする中、当のISISは軍事作戦とともにかけがえのない歴史的遺物を発掘し、闇市場で売却し作戦資金を調達している。これに対してテロ組織の資金源を断つ従来の方法が使えない。 ISISは不正取引で多様な収入源を確保しており、民間企業がうらやむほどで、ISISの不正取引、人の移動、武器、石油含む物品は関心の的だ。不正な資金調達は海外からの資金援助以上に頼りになる安定的収入源でISISは財政的に自立している。しかし、ユネスコが確認した古美術品の不正取引は報道陣や政策決定層から無視された格好だ。ISISはこの方法で数千万ドルの資金を得ている。 ISISは肥沃な三日月地帯の文化財を略奪し利益をあげることに驚くべき巧みさを示している。不正取引はISISの二番目の収入源となっている。一番は石油で、米財務省の試算では一日当たり100万ドルを計上している。この収入源はISISにとって重要で、米主導の連合軍がISIS支配下の油田・精製施設を目標に攻撃を加えており、トルコもついに石油闇取引を摘発することにしたところだ

ペンタゴンの気候変動対応戦略

気候変動戦略と言うには中身が貧弱な気がしますが、軍も対応を迫られるのは必至ということなのでしょうか。温度上昇で一番影響が出るのが極地に出現する作戦水域だと思うのですが。BRACは基地に経済を依存する地方には死活的な話題で時あたかも中間選挙の年ですから特に敏感なのでしょうね。 Hagel Debuts DoD Climate-Change Strategy Rising Sea Levels Could Affect BRAC Decisions Oct. 13, 2014 - 01:39PM   |   By PAUL McLEARY   |    Comments http://www.defensenews.com/article/20141013/SHOWSCOUT04/310130024/Hagel-Debuts-DoD-Climate-Change-Strategy チャック・ヘイゲル国防長官が気候変動への対応策づくりを発表したのは13日に開かれた米州国防相会議(リマ)の席上。(Saul Loeb / AFP) WASHINGTON —リマで開催された米州国防大臣会合 Conference of the Defense Ministers of the Americasで米国防長官チャック・ヘイゲルが気候変動へのペンタゴン対応戦略案を明らかにした。 関連してペンタゴンが「国防総省版気候変動対応ロードマップ」 “DoD Climate Change Adaptation Roadmap.”を発表し、海面水位の上昇、気候パターンの変化、食糧・飲料水の欠乏等が発生する中で同省が企画立案を今後どう進めるかを示している。 編集に関与した関係者からはヘイゲル長官が就任直後から「気候変動の安全保障への影響に高い優先順位」を付けて、「広範な安全保障の各段階で優先順位を高くすべき」と位置づけたという。 文書では気候変動を「軍活動に大きく影響し、軍が民間各局の支援に回る機会が増える、人道援助・災害援助への出動が自然災害の発生増に応じて増えるだろう」としている。 注目すべきは米海軍の沿岸部基地施設が「海面上昇の前に無力で浸水の危険があり、干ばつ、自然発火、気温の極端な変化が訓練活動そのものを困難にする。補給網も影響を

スウェーデン謎の潜水艇捜索はロシアとの緊張増大の最新事例

ロシア軍の活動が目立って活発になっています。これは北欧でのお話ですが、太平洋でも警戒が必要なことは言うまでもありません。日本の沿岸部に小型潜航艇が来るとしたら北朝鮮をまず疑うところですが、ロシアの新型ハードウェアは相当高性能になっているようです。他山の石と達観しているわけにいかないでしょう。 Sub Search Highlights Growing Unease With Russia Oct. 25, 2014 - 05:11PM   |   By GERARD O’DWYER   |    Comments 謎の潜水艦を追うスウェーデン海軍の海防艦ヴィスビュー、捜索5日目の10月21日ミシンゲン湾にて。スウェーデンは捜索を10月24日に打ち切った。 (FREDRIK SANDBERG/ / AFP/Getty Images) HELSINKI — クリミア半島を巡るロシアとヨーロッパの対立が6か月以上となる中、今回のスウェーデン事件はバルト海近隣諸国がロシアに神経をとがらす事態を改めて浮き彫りにした。 各国政府とロシアとの緊張が今月に入り高まるきっかけになったのはスウェーデン海軍がロシア海軍と思われる潜航中の船体をストックホルム近郊で捜索したことだ。 さらに10月23日には、デンマーク空軍所属F-16とスウェーデンのグリペン戦闘機がデンマーク、スウェーデン国境近くを飛行しエストニア領空に侵入したイリューシンIL-20情報収集機を追尾。同機は最終的にNATO空域からポルトガル空軍F-16にエスコートされて退去した。ポルトガルはリトアニアのNATO空軍基地を利用している。 スウェーデン海軍の捜索活動は冷戦終結後で最大規模になった。きっかけは10月18日に沿岸近くで異常な動きがあると民間から報告されたことだった。スウェーデンは10月24日に捜索を縮小した。 スウェーデン海軍は暗号電文がロシア軍の「救難信号」周波数で発信されるのを傍受したとの報道を否定した。 報道によればストックホルム近郊の島しょ部からカリニングラードに発信されているが、同地にはロシア海軍のバルト海艦隊の司令部がある。 ロシアはスウェーデンに自国の「潜水艦部隊は全隻その動向を把握」していると発表。スウェーデン領海に侵入したロシア海軍艦

無人潜航艇UUVは潜水艦不足の解決策

先週は潜水艦連盟の総会があり、水中戦の話題がたくさん出てきました。UUVの実用化を急ぐ背景には潜水艦の建造が間に合わないことがあるのでしょうね。台湾がUUVで中国に対してA2/ADを展開すると言うシナリオは非現実的でしょうか。日本もこの分野の研究を進めていますので、実用化を目指すのであれば早晩日米の協議の議題になるでしょうね。 CNO Greenert Bullish on Unmanned Underwater Vehicles By: Dave Majumdar Published: October 23, 2014 4:31 PM Updated: October 23, 2014 4:31 PM 大型無人潜水艇UUVの想像図 米海軍制服組トップから自律型無人攻撃機の登場はまだ先だが、自律型無人水中艇unmanned underwater vehicles (UUV) は非常に実用的だろうと発言があった。 海軍作戦部長ジョン・グリナート大将 Adm. Jon Greenert が10月23日に海軍潜水艦連盟主催の講演で発言した。 グリナートが無人攻撃機の実現に悲観的なのは自律的に武器を投下する作業が複雑なためだ。 これに対して潜水艦では話が違うとする。「潜水艦の建造隻数は限られている。この分野を進めるべきだ」とした。. 年間二隻のヴァージニア級原潜を建造しても、攻撃潜水艦部隊は今後縮小を免れない。ロサンジェルス級が退役をはじめるからだ。 グリナートの主張は秘密のうちに開発中の技術を海軍に応用できるはずというもの。2010年代末までに自律型大口径水中無人潜航艇を各種任務に投入したいとする。 「あまりにも複雑な地点には投入は無理としてもこの方向を模索するべきだ」とした。■

日米共同演習オリエントシールドにアパッチE型投入

本件、陸上自衛隊発表が9月に概要を発表していますね。「日米共同訓練(国内における米陸軍との実動訓練)」として11月7日まで北海道で実施するとの音です。空海につづき、陸でも共同作戦体制がすすめられているようですすね。ストライカー戦闘車両が日本に来たことはあるのでしょうか。陸のことはよくわからずすみません。 US Army Helos Set for Joint Exercise in Japan Oct. 22, 2014 - 07:35PM   |   By JOE GOULD   |    Comments オリエントシールド演習にE型アパッチが加わる。艦上運用可能でリムパックではUSSペリリューから発艦していた。(MC3 Dustin Knight/ / Navy) WASHINGTON — 米陸軍のストライカー戦闘旅団が日本で来週から合同演習に参加する。陸軍が進めるパシフィックパスウェイズ Pacific Pathways による三回目の移動で陸軍航空戦力が演習に参加するのはこれが初めてとなる。 日米合同演習ではAH-64アパッチ4機、UH-60ブラックホーク4機、HH-60ペイヴホーク3機が参加し、航空強襲ミッションをストライカー戦闘装甲車23両とともに実施すると米関係者が伝えている。 これまではオリエントシールド Orient Shield 演習として陸上自衛隊のヘリコプターがキャンプ座間配備の米軍ブラックホークと参加していた。 今回投入するのはアパッチE型で艦上運用が可能、先行してリムパックにも参加している。 演習開始は10月27日で、北部方面隊第7機甲師団第11普通連隊1,300名と米軍850名(大部分は歩兵第2師団第二ストライカー旅団所属、ワシントン州ルイス・マッコード統合基地より参加)が投入される。米軍部隊は9月以来順次到着しており、その前にはインドネシアとマレーシアでそれぞれ共同演習(ガルーダシールド、ケリスストライク)をパシフィックパスウェイズの一環で実施していた。 オリエントシールド演習は1982年から始り、今年は軽歩兵の分隊規模で市街戦の訓練も含まれるという。 今回ストライカー部隊を派遣するが米陸軍はパシフィックパスウェイズによる派遣を今後も増やす意向で、2015年に

ISIS:イラク政府軍の能力不足解消はいつ解決するか

米軍としてはあれだけ装備も訓練も与えたのに、とあきれているでしょうね。イラクをまず奪回する、というのが大戦略のはずなので、イラク自体がしっかりしないと先に進めません。ここは冷静に戦力を蓄え、何よりも自国の領土保全が大切と言う意識をもってもらうのでしょうか。これができなければいよいよ地上軍派遣と言う中間選挙前には誰も話したくない選択に迫られることになってしまいます。 US Official: Iraq Army Not Ready To Repel Islamic State Oct. 23, 2014 - 08:45PM   |   By JIM MICHAELS   |    Comments イラク中央クタで軍事教練を卒業したイラク政府志願兵 (Haidar Hamdani / Getty Images) MACDILL AIR FORCE BASE, FLA. — 米軍の空爆とイラク地上部隊でイスラム国による攻勢が鈍ったとはいえ、イラクが反攻体制を整え領土奪回には数か月必要、と米軍関係者が23日語った。 この関係者によるとイラク治安維持部隊は米軍空爆の助けを借りて限定的な反攻を数回仕掛けたという。 この関係者はイラク情勢を記者団に説明したが、イラク戦略を公式に説明する資格がなく匿名を条件にした。イラク軍再建に必要な所要期間をはっきり示さなかったが、一年以内とほのめかした。 イスラム国のモスル攻略(6月)でイラク4個師団が崩壊し、イスラム国による侵攻のきっかけになった。 米軍が空爆を開始してからイラク軍はバグダッド周辺の防御を固め、モスルダムを奪還し、その他の地方へのイスラム国の侵攻を食い止めている。 領土奪回の前に治安部隊再建が必要とペンタゴンは認めるが、これまで合衆国は数十億ドルを武器調達、訓練に支出している。だが2011年の米軍イラク撤退後に治安部隊の実力は低下したとペンタゴンは見ている。 その背景にマリキ前政権が自身の取り巻きを軍事最高指導部に任命したことや、訓練を削減したことがあると米軍は説明する。 イラクでは数百名の米軍事顧問団がイラク軍司令部で活動しているが、前線の戦闘には参加していない。■