イージスはヨーロッパ向けに陸上配備の整備計画も進んでおり、日本も導入したいというのが今回の背景でしょう。なお、いつもながら防衛省の使っている「護衛艦」は駆逐艦と訳しています。ちゃんとDDGとなっていますからね。
Report: Japan Interested in Aegis Ashore for Ballistic Missile Defense
By: Sam LaGrone
September 16, 2014 1:23 PM
テスト用のイージス陸上型の指令制御建家が太平洋ミサイル試射場内に設置されている。 Jan. 8, 2014. US Navy Photo
防衛省がロッキード・マーティンのイージス陸上型 Aegis Ashore 弾道ミサイル防衛装備調達に関心を示していると毎日新聞が報道している。
- 記事では平成27年度に防衛省は数千万円規模の研究費を要求する。イージス陸上型はロッキード・マーティンのSPY-1Dレーダーとレイセオンのスタンダードミサイル-3を組み合わせる。
- 防衛省は導入済みの艦船搭載SM-3に加え、地上発射型SM-3で弾道ミサイル防衛(BMD)の実効性を上げる意向、と記事は伝えている。
- USNI Newsはロッキード・マーティンと米ミサイル防衛庁(MDA)に問い合わせたが、同記事について双方から言及がなかった。
- 日本関連で実施中なのはレイセオンの陸軍・海軍共用レーダー監視BMDレーダ(AN/TPY-2) が唯一の事例とMDA報道官はUSNI Newsに述べている。
- 日本はこんごう級イージス搭載誘導ミサイル駆逐艦4隻にSM-3を搭載し、長距離弾道ミサイルに対応しているほか、ロッキード・マーティンのペイトリオット性能向上型 (PAC-3) 移動式地上発射迎撃ミサイルを極地防衛用に運営している。さらにイージス艦を2018年までに8隻に増強する予定と報じられている。
.
- 「大量のミサイルが同時に飛来すればPAC3では対応しきれないとの懸念がある」と記事は伝えている。
こんごう (DDG-173) のSM-3発射 (2007年)US Navy Photo
- ただし、こんごう級のイージスBMD装備は旧式化しており、BMD対応と防空戦を同時に実施できない欠陥がある。
- そこで一部艦船をベイスライン9仕様に改修し、BMDと対空対応(AAW)を同時に行えるようにする計画がある。
- イージス陸上型はベイスライン9で作動してもAAW装備は付随していないが、日米海軍艦艇で運用中のイージス装備が似通っていることから、将来的には能力拡大の余地があるとみられる。
- 「艦艇用イージス装備を流用することで、AAW以外に最終飛行段階や中間飛行段階防衛も可能だ」とジェフ・ウェストン海軍大佐Capt. Jeff Weston(陸上イージス計画主幹)が昨年行われたUSNI News取材で答えている。ウェストン大佐は米国向け陸上イージスはBMDを中心に対応する、とも述べている。
- ただし日本向けのイージス陸上型にAAW能力を追加し、BMDと同時に防空作戦を複数目標向けに行う可能性が出てくるだろう。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。