機体強度で疑問が出たのは複座型ですが、F-35のつまづきがいろいろ出てきた兆候を示しているのでしょう。西側の機材は今後やりくりが大変そうです。
Pentagon Tells International Partners to Inspect F-16B Fleet for Cracks
Aug. 20, 2014 - 05:22PM |
By AARON MEHTA | Comments
Pakistan Air Force F-16B models take part in a 2010 Red Flag exercise at Nellis Air Force Base, Nev. The Pentagon has told international operators of the F-16B model to inspect their jets for cracks. (Airman 1st Class Daniel Phelps / US Air Force)
WASHINGTON — ペンタゴンはF-16Dの機体で見つかった亀裂の原因調査と修理にとりかかる一方、F-16BおよびD型を運用する同盟各国に点検を慎重に行うよう勧告している。
- 亀裂が見つかったのは7月31日でその後時系列技術命令がすみやかに発出され、F-16D全機の点検を実施している。その結果、157機のうち82機が飛行停止となっている。
- 点検命令は世界各国で運用中のF-16BとF-16Dも対象となることを米空軍は確認している。米空軍ではB型は全機退役しているが、トルコ、イスラエル、ベルギー、オランダ、パキスタン、デンマーク、ノルウェーが使用中だ。
- ペンタゴンが発表した通達では損傷個所は「キャノピー枠の縦通材の亀裂で前後のパイロット座席の中間でみつかったもの」としている。該当部分は機体の枠組みでコックピット部分を取り巻くもの。キャノピーは下げられると縦通材の上に置かれる。
- F-16のB型D型はともに複座型。空軍はD型機材が長期間飛行停止となった場合の影響をどう緩和するかを検討中だが相当数が飛行停止となると訓練の実施に影響が出る懸念がある。
- 「稼働可能な機材を使い、作戦運用、訓練、待機態勢への影響を緩和する検討をしています。計画済みの飛行訓練やF-16Dによる慣熟工程の遅れによる影響は今後飛行停止措置をとかれる機体が何機あるのか次第で変わってきます。本件ン関する専門職が対策を検討中です」とカーラ・グリーソン空軍少佐が空軍教育訓練本部の報道官として質問に答えている。「現時点での観測では訓練の遅れは8から12週に相当します」
- ただしこの数字はあくまでも予測であり、基地ごとに利用可能な機材数が異なってくるほか、天候と言う外的条件も入ってくる。
- 空軍の発表では亀裂が最も大きかった機材はルーク空軍基地配属のもので、同基地の35機すべてに亀裂がみつかったという。同様にケリー分とん地(テキサス州)では州空軍が運用する10機で、ツーソン州軍空軍基地では18機中17機に亀裂が発見された。
- 亀裂の原因は現在調査中だ。メーカーのロッキード・マーティンは「積極的にF-16を運用中の各国と共同して点検で解明した事象の解決を目指している」と同社スポークスマン、マーク・ジョンソンは声明文を発表している。
- 「縦通材調査は進行中で、現時点で何が原因なのかはわからない」と空軍航空戦闘軍団から声明文が出ている。
- 「10年以上連続して運用していることで機体への影響があったのだろう。今回見つかった事例は逆に言えば空軍による定期修理点検作業の正しさならびに作業にあたる空軍要員の徹底した仕事ぶりを反映している」
- さらに空中戦闘軍団の運用するF-16Dのうち亀裂が見つかった二機の飛行再開は「4ないし6か月以内」との見通しを発表している。
- 可能性のある修理方法は「外部ストラップ修理」と呼ばれる、縦通材に溶接あるいはドリルで補強材を付ける方法だ。もう一つ考えられるのは縦通材を完全交換することだが、費用が高くつく。上記の長期解決方法は早ければ9月から開始されるだろう。
- 一方で、空軍は損傷部分周囲にファスナーをとりつける方法も検討している。ファスナーは飛行時間で50から100時間有効で、その後に大規模修繕をすることになる。この場合は亀裂が小さい機体にしか使えず、一時しのぎで利用可能な飛行時間でとりあえず訓練等の遅延を防げる。
- 今回発見された亀裂は「旧式機材の老朽化と恒常的な資材不足」が背景になると指摘するのはリチャード・アバウラフィア Richard Aboulafia (Teal Groupのアナリスト)だ。「これからは攻撃機の老朽化に直面することになる」
- アバウラフィアは同様の問題が今後も発生すると警告している。とくに空軍が既存機の近代化よりも新型機の調達を優先しているからだという。その背景には予算不足とF-35や長距離爆撃機開発が進行中であることがある。
- 空軍も機材老朽化の問題を認識している。2015年度予算で空軍はF-16耐用年数延長プログラムService-Life Extension Program (SLEP)に予算を計上し、戦闘用エイビオニクスプラグラム拡張一式 Combat Avionics Programmed Extension Suite (CAPES)の予算を後回しにした。
- CAPESがF-16の性能向上に求められているのも事実だが、機体そのものが耐用年数を超えてしまえば装備として意味がなくなる。アバウラフィアも空軍がこれから高機齢の機材をどのように維持していくのか興味深い課題だとしている。 ■
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