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☆ 少しずつ見えてきた第六世代戦闘機の構想





Next-Generation Fighter, Directed Energy Weapons May Converge


Aug 5, 2014Amy Butler | Aviation Week & Space Technology

F-22の高コストはステルス性能が理由だが、兵装庫は小さくなってしまった。Credit: U.S. Air Force

新しい形態の脅威が発生しつつあり、厳しい予算環境、特にロッキード・マーティンF-35が予算を食う中で、米空軍は「第六世代」次期制空戦闘機のあるべき性能の検討を開始している。
  1. 戦闘航空軍団司令官マイク・ホステジ大将 Air Combat Command Chief Gen. Mike Hostage によると次世代戦闘機が有人、無人となっても構わず、あるいは戦闘機の形態をとらない可能性も排除しないという。「単座戦闘機の形でなくてもよいかも」とも発言している。「キーボードのエンターキーを押して敵が墜落するのであればそれでもよい」
  2. 調達作業が「拷問に近い」ため、「実用化がすでに遅れている」とし、既存機種の改修用予算を流用して次期戦闘機開発の資金とするリスクもあえて受け入れるとも発言。想定しているのは戦闘用エイビオニクスプログラム拡張一式 Combat Avionics Programmed Extension Suite の開発とF-16の耐用年数延長だが運用機材数の減少は避けられない。
  3. 「第六世代機」は「第五世代機」をステルス性、速度、エイビオニクス・センサーの融合でF-22やF-35を超えた機体と想定している。今後登場する長距離打撃爆撃機(空軍は80から100機の調達を想定)とも連携して運用する。
  4. 第五世代機だけの部隊編成を想定した空軍構想は雲行きが怪しくなっている。F-35の飛行条件が制約されるのは「一時的」で、ホステジ大将は同機で最近見つかった低圧タービンの回転部分の過剰摩擦が2016年8月想定のF-35A初期作戦能力の実現に支障を及ぼすとは考えていない。
  5. F-22とF-35の兵装庫が小さいことをホステジ大将は懸念している。ともに地上攻撃用の小口径爆弾8発までしか搭載できない。ステルス性能のため搭載スペースで制約が発生したためだ。
  6. ただし、ペンタゴンは秘密裏に予算を計上して火力増大をめざしているいるとホステジは暗示している。一時は空軍はいわゆる共用二重用途制空ミサイルJoint Dual-Role Air Dominance Missile (JDRADM)を推進し、Amraamの空対空性能にレーダー攻撃可能なHARMミサイルの空対地能力を一つにまとめようとしていた。これはその後次世代ミサイル計画と呼称されたが、とん挫したといわれるものの、一部筋によれば研究は極秘のうちに継続しているという。
  7. また空軍が指向性エネルギーを第六世代機に搭載する選択肢も検討している可能性がある。ホステジ大将も研究成果の進展から十分な可能性があると認めている。ただし第六世代機の実用化までに指向性エネルギーが兵装として成熟するかは定かではない。
  8. 指向性エネルギーは将来の機材に採用をめざす空軍技術5分野の一つで、他には無人機、ナノテクノロジー、極超音速飛行、自動化がある。これらはこのたび公表されたAmerica’s Air Force: A Call to the Future”で今後の予算手当が必要な戦略的対応の対象とされている。■


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