スキップしてメイン コンテンツに移動

☆ 韓国KF-Xは双発仕様に決定



S. Korea Opts for Twin-Engine Fighter Development

Jul. 19, 2014 - 03:41PM   |  
By JUNG SUNG-KI   |   Comments

韓国軍は次期戦闘機を双発機仕様に決定したが、経済性と開発面で懸念が残ったままだ。
  1. 韓国統合参謀本部(JCS)は18日、最高決定会議でKF-Xのエンジン数を決定した。KF-Xは海外提携先の支援を受け開発を目指す国産機である。
  2. 韓国は合計120機以上を2025年以降に生産し、F-4とF-5の代替とする予定で、F-16高性能型にハイエンドのエイビオニクスを搭載したものと同等の性能になる。
  3. JCSは8ヶ月に渡りコスト、要求性能、開発日程を検討したが、双発機こそ将来の運用要求に合い、近隣諸国の戦闘機開発に対抗できる選択との結論に達した、とJCS報道官が発表。
  4. その仕様でKF-X開発を進めた場合の初期作戦能力獲得は2025年となり、当初予定から2年遅れる。
  5. 国防調達計画庁Defense Acquisition Program Administration (DAPA) がエンジン選定契約の入札を早ければ来月に公示し、候補にはGEのF414とユーロジェットEJ200があがっている。
  6. 今回双発機案が採択されたが、これまで熱い論議があった。韓国国防解析研究所Korea Institute for Defense Analysis (KIDA) は高価格と技術上のハードルの高さから双発機に終始反対していた。KIDA試算ではKF-X開発費用は9.6兆ウォン(930億ドル)とされるが、双発機では二倍になるという。またF-16級の機体寸法を双発機にしても輸出につながる利点が生まれず、双発機案を現実乖離としている。
  7. また開発費用の予算超過で国産エイビオニクス開発が妨げられることを心配するのは民間シンクタンク韓国国防安全保障フォーラムKorea Defense and Security Forum,だ。「原案ではアクティブ電子スキャンレーダー等を国産開発することになっていたが開発費用が増えれば海外製品の採用になるのは避けられない」という。
  8. メーカーの韓国航空宇宙産業Korea Aerospace Industries (KAI) も単発機案を希望してT-50ゴールデン・イーグル超音速練習機(ロッキード・、マーティンと共同開発)を原型とするつもりだった。T-50の軽戦闘機版FA-50の開発にも成功しており、同機はインドネシアとフィリピンへの輸出が進む。昨年秋の航空国防フェアでKAIは 29,000ポンドクラスのエンジン案を展示しており、FA-50を発展させるのが価格と性能の両面で有効だと主張していた。
  9. これに対し空軍は国防開発庁 Agency for Defense Development (ADD) の後ろ盾もあり、予算超過や技術課題の懸念を否定する動きに出た。
  10. 「KF-Xは4.5世代機で兵装20,000 ポンド搭載可能。インドネシアが共同開発国になっており、相当数の同機を買うものと想定している。生産量が増えればコストも下がるだろう」と空軍報道官は述べている。.
  11. また同報道官はKF-16を上回る機体寸法は将来の性能向上に対応するもので同時に近隣諸国(日本と中国)の空軍力整備にも対抗できる、としている。
  12. これに対しADDは新しいコンセプトの戦闘機だからこそライフサイクルコストの検討が必要だと反論している。さらにADDではKF-Xに必要な技術のおよそ9割を確保ずみで、あとはエンジンおよびエイビオニクスだけだとしている。足りない技術はF-X III戦闘機開発案件を受注したロッキード・マーティン他海外メーカーから入手できるとADDは期待している。
  13. ADDはKF-Xブロック2で内部兵装庫を、ブロック3でステルス改良を逐次実施し、B-2爆撃機またはF-35共用打撃戦闘機と同じステルス性を実現する目論見だ。
  14. 現時点でインドネシアはKF-Xで唯一のパートナー国であり、開発費の2割を負担する。韓国政府は6割を負担し、残りの2割がどうなるのか不明だが、KAIが一部負担するとみられる。■
コメント なんとなく大丈夫なのか、かなり適当だな、と心配になる今回の決定ですが、計画は修正されながら実現に向かうのでしょうね。ただし時間がかかりそうです。そもそも戦闘機開発そのものが相当ハードルが高くなっている中で、日本と韓国こそ本来は共同開発しなければならないのに、仮想敵国扱いされるのはいかがなものかとは思います。(同国の複雑な国内事情があるにせよ) はやく 相互に自由にモノがいえる時代が来るといいですね。



コメント

  1. 「本と韓国こそ本来は共同開発しなければならないのに」とおっしゃいますが、韓国は戦争中です(休戦協定に韓国政府は署名してません)。米国なら戦争中でも「同盟国だから」という言い訳が立ちますが韓国はそうではありませんし、平和憲法との兼ね合いから問題外です。そもそも竹島不法占拠からも分かるとおり、友好国ですらありません。「隣国だから」とか「共通の潜在敵を抱えている」と言うのは理由になりません。安易な仲間意識など、本来的に成り立たない相手です。

    返信削除
  2. ここはぜひ韓国の読者の意見も聞きたいところです。(当ブログには相当の韓国からのアクセスがあります) 感情ではなく地政学で見れば韓国、北朝鮮が大陸(中国、ロシア)と海洋国家(日本、米国)の途中の「力の回廊」であることはあきらかで、日本としては隣に日本を仮想敵国とまでみなす国が存在していることは気持ちがいいものではないはずなのですが...
    その意味で「あるべき姿」に反する現実だからこそなんとかしたいというのが真意です。

    返信削除
  3. 開発時間が短いのでは?たった10年?F35程度の性能を持たす気でしょうが、戦闘機を作った事のない韓国が10年で開発できるとは、とても思えないのですが。

    返信削除

コメントを投稿

コメントをどうぞ。

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ