スキップしてメイン コンテンツに移動

F-35全機飛行停止措置へ ファーンボロ航空ショー展示は微妙



F-35という機体はどこまで想定外の事態を発生させてくれるのでしょうか。本当にこんな機体に西側が防衛手段として期待していいのでしょうか。それとも巨大すぎて倒せない事例として歴史に残り、各国は旧型機を延命化しつつ、第六世代機に期待をつなげばいいのでしょうか。色々考えさせられる週末になりましたね。

Pentagon Grounds F-35 Fleet, U.K. Air Show Planning Continues

Jul 4, 2014Tony Osborne | AWIN First
ペンタゴンは6月23日の発火事件を受け、F-35の各型すべての飛行を停止する決定を正式に発表し、海軍および空軍の耐空証明管理部門を通じ命令が発せられた。
  1. これはエグリン空軍基地(フロリダ州)で発生した空軍のF-35A事故の初期原因調査結果を反映したもの。
  2. これまではF-35を運用する各基地司令官が飛行停止の判断をまかされていたが、今回は国防総省通達が優先され、各軍は全機の飛行を停止せざるを得ない。そうなると海兵隊のF-35B3機と英空軍F-35B1機が大西洋を横断飛行し、ロイヤルインタナショナルエアタトゥー(RAFフェアフォード基地)とファンボロ国際航空ショーで来週国際デビューする予定だったがこれも通達対象となる。
  3. 国防総省は7月3日に声明文が発表しており、報道官ジョン・カービー海軍少将は「事件の根本原因は継続調査中。エンジンの追加点検を命じており、飛行再開は点検結果と技術データ解析結果次第」と伝えている。「今回の決定は国防総省上層部が承認している」と付け加えている。
  4. 同少将は英国で展示予定のF-35隊の準備作業は継続しているが最終決定は来週に持ち越されたとも発表。.
  5. 予定ではユマ海兵隊航空基地から海兵隊仕様の3機をパタクセントリバー海軍航空基地でエグリン基地から飛来する英国仕様の一機と合流させ英国まで飛行させることになっていたが、今回の飛行停止ならびに英国軍用航空当局が現在メリーランド州を通過中のハリケーンを理由に移動を認めていないためフライトプランに影響が出ている。
  6. 各機はフェフォード基地に6月29日に到着予定だったが、日程の先送りが続いている。英国到着が実現していれば英海軍の新型空母HMSクィーン・エリザベスの命名式(7月4日)当日にフライパスさせる目論見もあった。これは実現できなくなった。
  7. 英国遠征には多くの課題が横たわっているが現在も7月11日に迫ったインタナショナルエアタトゥーでの国際デビューが期待されている。■


オリジナル読者からのコメント二点

①P&Wは代替エンジン案が潰れてよかったと感じているはず。自社製エンジンのせいで全体計画が危険になっても責任を追求されない。それどころか政府からの支払いを堂々と受けることができる。しかも二回に渡り。一度はエンジン設計開発で、二回目は改修で。
②JSFはアメリカ製なので英国の友人たちにアメリカ流の言い方を紹介したい。英海軍はF-35Bに「すべてを賭けている"They're betting the farm" のだ。新造空母二隻は英海軍の誇りであり、4,000億ドル以上13年を賭けて開発中でも軍用機として最低限の要求性能となる実戦投入がまだできないJSFを頼らざるを得ない。
 JSFの飛行停止措置はこれまで8回あったが、いずれも技術的な欠陥が原因だが、LM社は全て順調のはずと保障していた。
JSF開発を振り返ると開発の重要日程をたえず順守していないことがわかる。そのため英国へ飛行する予定の4機が今回もし大西洋横断を実施できなくてもおどろくべきほどのことではない。
 おわかりのようにJSFの支持者ではないが、自身では米軍事航空産業のためにもLM者がF-35Bが約束通りの機能を実現して英国海軍が新型空母からの運用を開始できるよう祈るばかりである。なぜなら現時点では他に選択肢がないので。

コメント

このブログの人気の投稿

フィリピンのFA-50がF-22を「撃墜」した最近の米比演習での真実はこうだ......

  Wikimedia Commons フィリピン空軍のかわいい軽戦闘機FA-50が米空軍の獰猛なF-22を演習で仕留めたとの報道が出ていますが、真相は....The Nationa lnterest記事からのご紹介です。 フ ィリピン空軍(PAF)は、7月に行われた空戦演習で、FA-50軽攻撃機の1機が、アメリカの制空権チャンピオンF-22ラプターを想定外のキルに成功したと発表した。この発表は、FA-50のガンカメラが捉えた画像とともに発表されたもので、パイロットが赤外線誘導(ヒートシーキング)ミサイルでステルス機をロックオンした際、フィリピンの戦闘機の照準にラプターが映っていた。  「この事件は、軍事史に重大な展開をもたらした。フィリピンの主力戦闘機は、ルソン島上空でコープ・サンダー演習の一環として行われた模擬空戦で、第5世代戦闘機に勝利した」とPAFの声明には書かれている。  しかし、この快挙は確かにフィリピン空軍にとって祝福に値するが、画像をよく見ると、3800万ドルの練習機から攻撃機になった航空機が、なぜ3億5000万ドル以上のラプターに勝つことができたのか、多くの価値あるヒントが得られる。  そして、ここでネタバレがある: この種の演習ではよくあることだが、F-22は片翼を後ろ手に縛って飛んでいるように見える。  フィリピンとアメリカの戦闘機の模擬交戦は、7月2日から21日にかけてフィリピンで行われた一連の二国間戦闘機訓練と専門家交流であるコープ・サンダー23-2で行われた。米空軍は、F-16とF-22を中心とする15機の航空機と500人以上の航空兵を派遣し、地上攻撃型のFA-50、A-29、AS-211を運用する同数のフィリピン空軍要員とともに訓練に参加した。  しかし、約3週間にわたって何十機もの航空機が何十回もの出撃をしたにもかかわらず、この訓練で世界の注目を集めたのは、空軍のパイロットが無線で「フォックス2!右旋回でラプターを1機撃墜!」と伝え得てきたときだった。 戦闘訓練はフェアな戦いではない コープサンダー23-2のような戦闘演習は、それを報道するメディアによってしばしば誤解される(誤解は報道機関の偏った姿勢に起因することもある)。たとえば、航空機同士の交戦は、あたかも2機のジェット機が単に空中で無差別級ケージマッチを行ったかのように、脈絡な

主張:台湾の軍事力、防衛体制、情報収集能力にはこれだけの欠陥がある。近代化が遅れている台湾軍が共同運営能力を獲得するまで危険な状態が続く。

iStock illustration 台 湾の防衛力強化は、米国にとり急務だ。台湾軍の訓練教官として台湾に配備した人員を、現状の 30 人から 4 倍の 100 人から 200 人にする計画が伝えられている。 議会は 12 月に 2023 年国防権限法を可決し、台湾の兵器調達のために、 5 年間で 100 億ドルの融資と助成を予算化した。 さらに、下院中国特別委員会の委員長であるマイク・ギャラガー議員(ウィスコンシン州選出)は最近、中国の侵略を抑止するため「台湾を徹底的に武装させる」と宣言している。マクマスター前国家安全保障顧問は、台湾への武器供与の加速を推進している。ワシントンでは、台湾の自衛を支援することが急務であることが明らかである。 台湾軍の近代化は大幅に遅れている こうした約束にもかかわらず、台湾は近代的な戦闘力への転換を図るため必要な軍事改革に難色を示したままである。外部からの支援が効果的であるためには、プロ意識、敗北主義、中国のナショナリズムという 3 つの無形でどこにでもある問題に取り組まなければならない。 サミュエル・ P ・ハンチントンは著書『兵士と国家』で、軍のプロフェッショナリズムの定義として、専門性、責任、企業性という 3 つを挙げている。責任感は、 " 暴力の管理はするが、暴力行為そのものはしない " という「特異な技能」と関連する。 台湾の軍事的プロフェッショナリズムを専門知識と技能で低評価になる。例えば、国防部は武器調達の前にシステム分析と運用要件を要求しているが、そのプロセスは決定後の場当たり的なチェックマークにすぎない。その結果、参謀本部は実務の本質を理解し、技術を習得することができない。 国防部には、政策と訓練カリキュラムの更新が切実に必要だ。蔡英文総統の国防大臣数名が、時代遅れの銃剣突撃訓練の復活を提唱した。この技術は 200 年前のフランスで生まれたもので、スタンドオフ精密弾の時代には、効果はごくわずかでしかないだろう。一方、台湾が新たに入手した武器の多くは武器庫や倉庫に保管されたままで、兵士の訓練用具がほとんどない。 かろうじて徴兵期間を 4 カ月から 1 年に延長することは、適切と思われるが、同省は、兵士に直立歩行訓練を義務付けるというわけのわからない計画を立てている。直立歩行は 18 世紀にプロ