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イラク情勢に注目が必要 イラク軍は反攻しても失地回復は不可能との米国防トップの見方


Dempsey: Iraqi Forces Will ‘Probably Not’ Be Able to Retake Lost Territory Alone

By: Sam LaGrone
Published: July 3, 2014 1:41 PM
Updated: July 3, 2014 3:05 PM
An undated photo of Iraqi Security Forces
An undated photo of Iraqi Security Forces


米統合参謀本部議長からイラク治安維持隊Iraqi Security Forces (ISF)によるバグダッド防衛は可能だが、イラク・シリアイスラム国家が占拠中の各地点の奪還は不可能との見通しが明らかになった。

  1. 「イラク軍が反攻に出て失地を回復できるかどうか。これは大規模な作戦になります」とマーティン・デンプシー大将はペンタゴン内の記者会見で話している。

  1. 「おそらく単独では不可能だろうが、だからといって当方から動的な支援をすぐに提供することにはならない。ただし、これは既定の方針ではありません」

  1. 同議長によればISFはイラク北部で再編成中だが、ISIS部隊の前に後退していた。「ISFは戦力を強化している。バグダッドは防衛できるだろうが、攻勢に回のは困難だろう。物資補給がネックだ」

  1. 物資補給はISISにも課題で、現在占拠中の地区から南進しバグダッド包囲網を形成する狙いがあるとみられる。

  1. 「反乱分子は現在はスンニ派と協力して急速に進軍している」「現在は広い範囲に広がっており、占領地区の統制にかかりきりになっている間、補給線・連絡回廊も伸びきっている」

  1. ただし米国が国内治安回復ならびにイラクへの義務をどう果たすのかはまだ見えてきていない。

  1. デンプシー議長とチャック・ヘイゲル国防長官からは米国の義務はアメリカ国民の生命と財産の保護であり、イラク軍へは助言を与えることとの認識が示されている。
  2. 「約200名の軍事顧問団が現地入りしており、イラクと合同作戦本部をバグダッドで立ち上げている。第二本部はエルビルにおき、すでに初期作戦能力を獲得している」(ヘイゲル長官)

  1. 軍事顧問団は戦闘に参加していないが、今後の関与方針は未定のままだ。

  1. デンプシー議長はISISを地域内安全保障上の懸念事項とし、世界規模にまで脅威が発展する可能性があると指摘する。その場合、合衆国の戦闘介入まで事態がエスカレートする可能性を排除していない。

  1. 「仮に検討結果で介入の価値が認められ、アメリカの安全保障上も有益と分かれば顧問団に今と違う役割を与えることになる。まず長官と協議の上、大統領に選択肢を提示するが、まだそこまでの展開になっていない」(デンプシー議長)

  1. ただし、同議長は軍事行動を実行するためには「信頼に足るイラク政府が発足し、全国民が参画する状況になっていることが前提条件だが、これが成立しないとイラクの将来は暗いものになる」(デンプシー議長)■

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