Drones – Film Review
Posted in News on June 30, 2014 by The Editor, UAS Vision
「ドローンズ」“Drones”はリアルタイムで進行するスリラー映画で、架空の危機的状況に無人機を操作する空軍要員2名が対応する様子を描く。数千マイル彼方の監視ビデオでテロリストを発見することで二人の意見が対立する。
- ボタンを押して対象者を抹殺すべきか、民間人の巻き添えには目をつぶるのか。舞台劇として書かれた脚本をテレビ中心に活躍するリック・ローゼンタルが映画化した。ただし作品は二人を中心にした室内を部隊としたアクション映画に仕上がっている。6月27日に一部劇場で公開された後、ネット上で公開される。
- スー・ローソン中尉(エロイズ・マムフォード)は飛行課程を終了したが、眼球障害で一時的に地上勤務に付いている。うだるような暑さのネヴァダ州にある基地内のトレーラーでの一日目に一緒に勤務につくのは経験が豊かな部下ボウルズ(マット・オリアリー)で一見退屈な中東の寒村の監視が仕事だ。実はそこが行方をさがしているテロリストの家族が住む場所である。ローソンは一見無害に見える光景からテロリストがこっそりと訪問しようとしていると推測する。
- ボウルズは野郎を抹殺したくてうずうずしている。それは二人の上司も同じだ。実行すれば9・11後良いニュースが少ない中で米軍が勝利の瞬間を迎えられる。しかしローソンは訪問者が本当に探しているテロリストなのか疑い始める。もうしそうだとしても本人が米情報機関が言うようなアルカイダの一員なのだろうか。どちらにせよ、もし無人機が攻撃を実施すれば女子供含む民間人十数名が巻き添えで命を失うことになる。
- 良心に揺れるローソンは引き金を引きたくて仕方のないボウルズとの間に緊張が高まる。これだけで正味70分の本篇のドラマには十分なのだが、脚本はその他多くの出来事を盛り込み過ぎており、ローソンと攻撃対象のつながりや、米側のふたりの喧嘩まで描かれている。「ボーン」シリーズのような込み入った筋はやり過ぎの観がある。
- また主役二人の関係も問題があり、脚本、演技の両方に問題があるのだろう。)上司を演じるフィップ・ハブリーとウィリアム・ラスは通信モニターで声だけの演技をうまくこなしている) ローソンはボウルズが女性で大将を父に持つ彼女をからかうことでキレてしまうが、すぐに「冷酷だが戦略的な意思決定ができない」普通の女性モデルにおちついてしまう。軍人の家庭で育ち自らのキャリアを意識する主人公が自称「高校をぎりぎり卒業出来他ホットショットのパンク野郎」にやすやす苛立たされる必要があるのか。
- 映画の前半ではだまされやすい話を前面に出し過ぎで、主人公のその後に良心の呵責にさいなまれる場面を台無しにしている。オリアリーはインディー系の作品“Fat Kid Rules the World” や“Natural Selection” (ナチュラルセレクション)で好演しており今回もはじめに登場してから大きく印象を変える役をうまくこなしている。
- 途中で挿入されるネヴァダ砂漠の風景や場所不特定の(アフガニスタン?)の地方風景が衛星経由で閉所恐怖症になりがちな映画の進行が回避される効果を上げている。それにせよ、ローセンタルは息子のノア、編集のミシェル・M・ウィッテンと一緒に適度の緊張を維持しており、コディ・ウェストハイマーの不安を掻き立てる音楽も効果を上げている。■
映画批評はなかなか訳出がむずかしいですね。本作もケーブルTVなどでこっそり放映されるのではないでしょうか。無人機のオペレーションを学ぶ映画ではなさそうですね。
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