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ベトナム他東南アジアの海上警備力整備に協力する日本


Japan to Provide Vietnam Patrol Boats Next Year

USNI News By: Scott Cheney-Peters
Published: June 2, 2014 8:42 AM
Updated: June 2, 2014 8:42 AM
Japanese Prime Minister Shinzo Abe
Japanese Prime Minister Shinzo Abe

ベトナム国防副大臣グエン・チ・ヴィンNguyen Chi Vinhがロイター通信に来年早々にも日本からの巡視艇引き渡しを期待していると語った。これはシンガポールで開催されたシャングリラ対話の会場でのこと。

日越双方から日程予定が話題になったのはこれが初めて。同じ会場で阿部総理はベトナム向け供与で前向きに処理する、とだけ発言していた。

日越両国は尖閣諸島、パラセル諸島で中国と対立する中で今回の援助案件が出てきた。

ベトナムには自国排他的経済水域の防護に必要な装備が不足しており、中国による海上石油開発の進展を食い止めることができなかった。結果、放水、衝突され、漁船一隻が沈没するに至った。

ベトナム向け巡視艇供与は2013年末から日本が検討してきた。ベトナムは昨年4月に10隻の巡視艇供与を希望しており、安倍首相は12月に両国間協議が進行中と認めた。供与の隻数、仕様あるいは
借款による製造となるのかは不明だ。

安倍首相は国会においてベトナムへの中古艦船の供与ではなく、より性能の高い沿岸警備用装備を想定していると答弁している。その席上ではベトナムへ新造船の供与は発言していないが、3月には現地調査チームを派遣し、望ましい供与の形を探るとしていた。

一方ベトナムでは海上警察部門を海軍から沿岸警備隊に移管しており、日本の政府開発援助の基準に合わせ艦船を受領できるようにしている。日本は政府開発援助の軍事利用を禁じている。

日本から東南アジア諸国に巡視艇を「寄贈」する話もあり、2007年にはインドネシア向けに三隻を新造しており、昨年はフィリピンに全長100メートル艇を10隻引き渡すことで合意している。この引き渡しは2015年に始まる。フィリピン向け巡視艇は借款184百万ドルで建造される。

ベトナムに対しては米国からも援助があり、ジョン・ケリー国務長官から総額18百万ドルの海洋警備体制強化策として高速巡視艇5隻の導入が確保されているほか、米海軍、沿岸警備隊によるベトナムとの共同訓練が2010年から増えている。

4月の日米首脳会談時の共同声明では両国は「東南アジア沿海諸国向け海洋安全保障など各種能力整備への協力を通じ、法執行体制を整備し、密輸や武器流通を摘発するとともに海洋資源保護を目指す」としていた。


今回の動きは海上地域安定性をめざし、海上交通路の防衛を通じ犯罪撲滅とともに各国の中国を念頭に置いた抑止力整備も同時に狙ったものと受け止められ、協力関係は将来はさらに地域内協調に進むだろう。


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