空軍に続き、海軍でも支出規模が大きい原子力空母の退役か存続かが議会で争点になっているようです。ジョージ・ワシントンは前方配備で横須賀にいますので日本にとっても他人事ではありません。一方で米経済が堅調なこともあり財政事情もこれから好転していくと思われますので、国防装備の縮小傾向はいまが底なのかもしれません。それだけに海軍基地、造船業を地元に持つ議員は海軍力縮小に絶対抵抗の姿勢です。
House Preserves George Washington Carrier Refueling Plan
By: Carlo Muñoz
Published: May 22, 2014 2:31 PM
Updated: May 22, 2014 3:50 PM
USS George Washington (CVN-73) on Nov. 24, 2013.
米下院はUSSジョージ・ワシントンUSS George Washington (CVN-73) を保持すべく、同艦の核燃料交換及び大規模修理refueling and complex overhaul (RCOH)の予算を2015年度国防予算法案に盛り込んだ。
- 下院は海軍及び国防総省がジョージ・ワシントンの燃料交換・大規模修理に支出を禁ずる法案を検討していた。
- しかし2015年度国防支出法案の修正として下院民主党からジャレッド・ポリス議員(コロラド)およびアール・ブルメナウア議員(オレゴン) Reps. Jared Polis (Colo.)and Earl Blumenauer (Ore.)から483.6百万ドルを燃料交換・改修予算として確保し、一括予算削減の対象から外す提案が出た。
- 2015年国防支出案は下院で賛成325反対98で可決ずみ。
- 両議員がこのタイミングで修正法案を提出したのはメモリアルデーで審議が継続できなくなるのを恐れてのこと。だが、審議未了としても両議員は本年後半に再度議案を提出し、国防予算の最終決定に反映させたいという。
- 一方で上院からは今週末に独自の2015年度案が発表になるとみられるが、上院における議決は今秋まで行われない。.
- RCOHの工期は3年で費用は30億ドル。その他乗員、航空隊の維持も含めると70億ドルになる。
- 今年2月にチャック・ヘイゲル国防長官はジョージ・ワシントンの燃料交換あるいは退役の決定は2016年度予算まで先送りすると発表し、退役となれば空母10隻体制となる。ヘイゲル長官は同艦を維持するためには議会が2011年予算管理法が定めた強制削減の上限を撤廃する必要があると指摘していた。
- にもかかわらず海軍上層部と下院内で支援する議員たち、とくにランディ・フォーブス(共和、ヴァージニア)Rep. Randy Forbes (R-Va.)およびロブ・ウィットマン(共和、ヴァージニア)Rep. Rob Wittman (R-Va.)が猛反発し、ペンタゴンは空母11隻体制の護持が法律で定められていると主張。
- 「今年の国防予算案では海軍が空母11隻を維持できることになっており、将来の空母航空戦力に対する重要な投資を求めているのであり、来年は巡洋艦部隊の近代化を開始し、ヴァージニア級原潜の調達も継続するとあります」とフォーブス議員はUSNI Newsに語っている。「同法案が可決したことで海軍は今後にかけて21世紀の国防に対応する準備が整います」
- 空母11隻体制の支持者にとってジョージ・ワシントンの除籍はアジア太平洋地区で米軍のプレセンスを大幅に増加させようというオバマ政権とペンタゴンの思惑に悪影響と主張する。
- RCOH予算の確保とともに下院では同時にタイコンデロガ級巡洋艦(CG-47)計11隻とドック型揚陸艦三隻のモスボール化を承認した。フォーブス議員はHASC原案の阻止を狙い巡洋艦22隻とLSD12隻の温存を図ったが失敗した。■
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