相手の実力を見て対応を変える中国はフィリピンを甘く見ているようですが、フィリピンとても黙っているわけではありません。着々と対策をとっているようです。中国の自己中心的な発想は世界を相手に回すことになり、大誤算になっている可能性もありますね。その他ベトナム、マレーシア、インドネシアとアセアンの主要メンバーがこぞって中国対策で軍拡に向かいつつあるようです。自分だけが正しく、資源も全部自分のものと考える思考がどうもよく理解できませんね。結局は中国がこのまま変わらないと破滅に向かうしかないのでは。
Tensions in South China Sea Growing
By: Armando J. Heredia
Published: May 22, 2014 9:45 AM
Updated: May 22, 2014 9:46 AM
中国が飛行場建設を目論む埋め立て現場 フィリピン政府公表写真
フィリピン軍の偵察写真で中国がマビニ環礁 Mabini (Johnson South ) Reefで施設拡充工事を実施しているのが確認された。同環礁は問題となっているスプラトリー諸島 Spratlys 内にあり飛行施設の設置も可能な大きさがあり、その他の前哨地点への物資補給や中国がねらう防空圏設定にも活用される可能性がある。
環礁が島に変わると、国連海洋法U.N. Convention on Law of the Sea (UNCLOS) による国際法廷提訴でのフィリピン主張の根拠が崩れてしまう。中国は逆に200カイリの排他的経済水域 Exclusive Economic Zone (EEZ) を埋め立てにより出現する島の周囲に設定するだろう。フィリピンの主張は環礁や岩は島の要件を満たさず、その存在は国際的に受け入れられるEEZを構成しないというもの。
すでに政治だけでなく、一般大衆や商業活動にも影響が現れている。フィリピン国家警察は中国漁民11名をウミガメ密漁の容疑で逮捕しているが、中国はこれに対し乗員の即刻釈放を求め、逮捕は両国関係を「危険なほど緊張させる」ものと非難している。
昨年4月には中国の別の密漁船がツバタハ環礁 Tubbataha Reefで座礁しており、ここは掃海艇USSガーディアンが挫傷したのと同じ地点だ。この密漁船はフィリピン国旗を掲げ目立たないようにしていた。フィリピン国軍Armed Forces of the Philippines (AFP) 筋によると国旗を偽った中国民間船が情報収集任務でフィリピンの海上石油掘削施設周辺に出没しているという。
いかにも現代的に騒ぎはサイバー空間にまで広がっており、フィリピンにあるアノニマスの支部が報復措置として中国政府のウェブサイト多数を書き換えている。
AFPは中国のサイバー攻撃能力に配慮し保安強化をしており、携帯電話の利用禁止、印字メモの配布などを行い、特に西フィリピン海で警戒を強めている。にもかかわらずアユンギン浅瀬 Ayungin Shoals への物資補給は通信が傍受されて妨害を受けていると言われる。
そこでAFPの即応体制強化が勢いづいてきた。参謀総長エマヌエル・バウティスタ中将Chief of Staff Lt. Gen. Emmanuel Bautistaからこの足袋締結された米比防衛協定に基づき米軍が事前集積すべき地点が発表された。そのひとつ、サンアントニオ海軍教育訓練センター San Antonio Naval Education and Training Center (NETC) は問題となっているスカーボロー浅瀬 Scarborough Shoalsから119カイリほどの地点で、米海軍はここで中国フリゲート艦2隻を発見している。
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バウティスタ中将からは加えて重要なオイスターベイ海軍基地 Oyster Bay naval baseの名前もあがっており、ここはスプラトリー諸島に直接向き合う地点だ。また米比合同訓練バリカタンが実施されたマグサイサイ陸軍基地Fort Magsaysayもリスト上位に上がっている。最終決定はまだできておらず、合衆国は別の地点を希望するかもしれない。すべての施設で再利用可能にするには相当の作業が必要だ。協定では合衆国が必要な資金を提供することになっている。
AFPの装備近代化は更に続く。対潜ヘリコプター2機と長距離哨戒機2機の調達公告が発表された。また米沿岸警備隊で退役予定のハミルトン級カッターの追加導入もありそうだ。誘導ミサイルフリゲート2隻の調達先も決まりそうだ。また重要なパラワン島では沿海監視哨4箇所による沿岸監視体制の整備が検討されている。オイスターベイ基地はパラワン島にある。■
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