Pentagon Chooses Global Hawk Over U-2
UAS Vision, March 3, 2014
アフガニスタン戦闘が下火になり、連邦予算支出減へ圧力がます中、ペンタゴンは平時編成となり減量化に着手し、無人航空機システム(UAS)も影響を回避できない。チャック・ヘイゲル国防長官から2015年度予算案で削減予定の内容が示されたが、ホワイトハウスは3月4日に予算案を議会へ提出する。超党派合意による予算法案が昨年12月に成立し強制削減の規模が同年度および16年度に限り緩和されているものの2014年度の実績は310億ドルも予算要求を下回っていた。さらに2015年度の国防総省関連予算の上限額は4,960億ドルに制限されており、昨年度の要求額を450億ドル下回る規模になっていると同長官は説明している。
きびしい財務環境はは人員減、基地閉鎖措置につながる。進捗を遅らせるプログラムがあり、全機退役となる機種もある。A-10ウォートホグ攻撃機およびU-2スパイ機がその対象だ。
U-2にかわるのがGPS/INS航法で飛行するグローバルホーク無人機だが、ヘイゲル長官によればその決定は「きわどい差」 “a close call. ”だったという。
国防関係者はかねてからU-2温存とグローバルホークのブロック30機材の処分が提言しており、U-2の方が高高度情報収集監視偵察任務では性能が高いという説明だった。今回の決定はそれを覆す形となったが、上位国防関係者はその理由を「グローバルホークに長期にわたり相当な投資をしてU-2と同等のセンサー能力を実現させる」必要があるからと説明。
一方で国防総省はグローバルホークの運用コストを削減し、「飛行距離、飛行時間で優れている」とヘイゲル長官は言う。「グローバルホークには高高度偵察機材になる可能性がある」
上記国防関係者は「昨年時点でグローバルホークはU-2の代替機材にしても予算節約にはならない、と判断していたが、その後同機の運航費用が大幅に下がり、ブロック30に搭載した技術が改良される可能性が高まり、同機の訓練支援コストが優位性を示し始めた」という。
「両機種を維持することはできない」と別の政府関係者が予算関係の記者説明会で説明。「どちらかを選択するのがカギとなる。そこでグローバルホークのブロック30が仕事をこなせるのであれば同機を選べばよい、ということになった」
ただしペンタゴンは他の無人機の稼働も縮小することとしており、プレデターやリーパーで24時間体制・戦闘警戒飛行(CAP)
の回数も少なくする。65回の飛行を55回にし、必要に応じ71回の実施が可能とする。
一回のCAPには4機を配置し、操縦制御には合計168名体制で実している。パイロット、センサー操作員、ミッション情報調整官、保守整備要員、発着回収要員、およびミッションで得る情報の処理、利用、流通を担当する専門家集団だ。
パトロール回数は減るが機材を一部更新する。空軍は高性能リーパーの調達を「全機をリーパーにする」まで継続するとヘイゲル長官は説明。
リーパーはプレデターより大型で高性能で情報収集用に使用されている。また長時間飛行性能と精密攻撃能力で一刻を争う状態で目標を破壊あるいは無能力化に投入される。パトロール回数の制限はコストの問題だけではないとヘイゲル長官は説¥明。「ゲリラやテロリスト相手に有効」だが「敵機の前を飛行させられず防空体制が有効な環境では運用できない」
「今後10年くらいのうちにステルス性を深化させた機材を開発し、U呼称の機材とするか、攻撃能力のある無人機が出現するのでは」とみるアナリスト(フロスト&サリバンのマイク・ブレイズMike Blades, a senior industry analyst at Frost & Sullivan)がいる。
「現時点で我々は制空権を確保している。イラク上空、アフガニスタン上空でそうでした。でも今後同様にできるかわかりません。侵入脱出をステルスのまま実行できる機材が必要でしょう。接近阻止領域拒否が決まり文句になっています。防御体制のしっかりした地点にわが方の機材が入り、損害なく撤収できることが必要になりますが、現時点でこれが可能な機材はありません」
その懸念からUASに防御能力を装備することとなったという。フロスト&サリバンは「米国防総省無人機市場」の題でレポートを刊行しており、UASに有人機とペアを組ませるMUM-T (manned-unmanned teaming) 構想が出ているという。
無人機の性能向上策も2016年に再度強制予算削減が現実になれば撤回されるかもしれない。強制削減そのものの中止で議会が合意しなければ、削減はさらに拡大する可能性があるとヘイゲル長官は語る。空軍はグローバルホークのブロック40全機を退役させ、プレデター・リーパーによるパトロール回数を10回削減させる必要が出てくる。さらに飛行時間削減につながると即応体制の復帰はむずかしくなる。■
コメント なるほど今後画期的な新型機が出てくるのですか。しかし開発ペースは以前よりずっと落ちていますからブラックな機体を今から作るとしたら2020年代初頭の稼働開始は非現実的ですね。そうなるとLRS-Bの派生型無人機版に期待するしかないのでしょうね。 |
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