2013年12月30日月曜日

これはひどい 中国新型ヘリZ-20はブラックホークのコピーではないか

Chinese Military Utility Helo Makes First Flight

By Bradley Perrett perrett@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com December 24, 2013

 

シコルスキーH-60に相当する中国の新型軍用多用途ヘリコプターが12月23日に初飛行したと同国国営報道機関が伝えている。

  1. このヘリコプターにはZ-20の名称がついているとされるが未確認で、機体重量は10トン (22,000 lb.) で高地運用に最適化されていると中国中央テレビが伝えている。これまでは中国は1980年代に購入したUH-60ブラックホーク24機を運用してきた。
  2. Z-20の外観はブラックホークに驚くほど類似している。
  3. 中国技術陣はH-60と似た機体の製作を命じられ米国製ヘリを参考に設計したのだろう。さらに中国軍はH-60の機体構造を軍の支援ミッションに最適と判断したのかもしれない。
  4. ただしすぐわかる相違点は同機は5枚ブレイドであり、H-60は4枚である点だ。
  5. 初飛行は中国北部で行われたと同テレビは伝えている。その意味は同機はハルビン航空機の製品であることを暗示している。同社はAvicの回転機部門Avicopterの傘下にある。
  6. 同機はH-60やNH Industries製NH-60と同様な使用用途として兵員輸送や対潜戦闘が想定されているのだろう。軍用用途を前提とした設計ではあるが、民生用途にも使われる。ただし西側の型式証明が得られなければ海外販売の可能性も限定される。
  7. 10トンクラスの機材はAvicopterが揃えている機種の中でこれまでなかったものだ。
cheap ultram

2013年12月28日土曜日

米海軍のF/A-XX構想に注目


UCLASSが大型化して給油機、ミサイル発射母体など多用な支援ミッションを期待しているとの米海軍の見解がありましたが(本ブログ12月26日記事参照)、要は有人戦闘機を支援する手段と見ているとのことだったのですね。F-35Cよりも次世代のF/A-XXへの期待を高めざるを得ないのが実情のようですが、2030年代までは現行機種(F-35Cも含め)を使わざるを得ないというのは相当苦しい事情ではないでしょうか。また米空軍F-Xとの関連も気になるところですが、日本のF-3もここに加わるのでしょうか。一国(一軍)だけでは主力戦闘機開発が実現しない時代がきそうですね。

Major Work to Replace Navy’s Super Hornet to Start in 2015

By: Dave Majumdar
USNI News, Thursday, December 26, 2013
Boeing artist’s conception of a potential design for F/A-XX.
Boeing Photo




米海軍は現行のボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットの後継騎手となるF/A-XX次世代機の代替策研究analysis of alternatives (AoA) を2015会計年度から開始する。.
  1. 新型機および関連「システムファミリー」の実戦配備は2035年頃の予想だ。
  2. .「現在検討中の結果を代替策検討に反映させる」とマイク・マナジル少将 Rear Adm. Mike ManazirがUSNIニュース取材に答えている。
  3. 「ただし15年度早々に代替策検討を開始し、2030年の調達を目指して取得過程を開始するでしょう」
  4. 海軍はF/A-XXがどんな機体にするのかをまとめきれていないが、スーパーホーネットが9,000時間の機体寿命に到達する2035年ごろを想定して必要な性能内容を定義する作業を始めている。
  5. 「現時点ではF/A-18E/Fがなくなったら失う機能は何か、全部リスト化しているところ」とマナジルは説明。
  6. 例としてスーパーホーネットは給油機としても使用されているが、海軍が計画中のUCLASS無人艦上発信空中偵察攻撃機が給油機となれば、F/A-XX に給油機ミッションは必要なくなるのではないか。
  7. 明確な定義づけが未完成とはいえ、F/A-XXで最終的に実現すべき機能はすでにはっきりしている。
  8. 「ミサイルを運ぶ機体は必要ですし、指向性エネルギー兵器の使用には十分な発電能力と冷却能力が必要となり、レーダー断面積は最小にしておく必要がありますね」とマナジルは言い、F/A-XXのシステムファミリーにはサイバー戦能力も必要とされるだろうとする。
  9. F/A-XXの開発の前にロッキード・マーティンF-35CおよびUCLASSが艦隊航空部隊で運用される。
  10. 「F/A-18E/F後継機にはF-35CやUCLASSで実現する性能を理解したうえで期待する内容が出てきます」
  11. 海軍は米空軍と密接に連携してF/A-XXの作業を進めている。空軍には独自のF-X計画がありロッキードF-22ラプター後継機を想定している。
  12. 「空軍と一緒に作業中です」とマナジル少将は認め「共用運営した際の性能や連携機能を検討中で機体に盛り込みます」
  13. 空軍用、海軍用の機体は兵装やセンサー装置を共通化するが、機体は異なる可能性がある。協力関係が特に強いのは機体の推進機構で両軍が協力して高性能変動サイクルエンジン技術の開発を進めている。
  14. 「エンジン技術では協力は密で、空軍は長距離を高速飛行する性能を求めるので機体は海軍用とは外観が違います。一方当方も同じ性能が必要ですが、空母運用が前提ですから」
  15. 最終的にF/A-XXがどんな機体になるにせよ、地球上のもっとも強力な敵勢力を打破する性能となるはずである。
  16. 「空母から発進させて敵を圧倒的に上回る性能を戦闘空域内で実現する必要があるのです」とマナジル少将は説明する。

2013年12月27日金曜日

中期防を詳しく海軍協会が紹介しています。


AviationWeekより詳しい内容の日本の防衛力整備に関する記事が米海軍協会ウェブに出てきましたのでご紹介しましょう。こういった話題を米国経由で知るのはちょっと変ですけどね。


Inside Japan’s New Defense Plan

By: Kyle Mizokami
US Naval Institute, Friday, December 20, 2013
JDS Myoko (DDG 175) pulls out of Joint Base Pearl Harbor-Hickam to support Rim of the Pacific (RIMPAC) 2012. US Navy Photo

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日本が今後5ヵ年をにらんだ中期防衛力整備計画Mid Term Defense Plan (MTDP) をまとめ、政策立案者、政治家、国民に日本の防衛政策の優先事項や今後の防衛の方向性を示している。
  1. 今回の中期防は新しく設定された防衛大綱 National Defense Program Guidelinesを意識し、日本周辺の安全保障環境を「いっそう厳しさを増している」と表現している。大綱では情報収集・監視・偵察(ISR)能力の拡充、離島が攻撃を受けた際の即応力、弾道ミサイル防衛、サイバー防衛、自然災害対応に加え、統合作戦運用能力の拡充を求めている。
  2. 中期防には中国との摩擦が大きく影響を与えている。中国が日本領土の一部である尖閣諸島の領有主張を2010年から強めており、中期防では北朝鮮の弾道ミサイル開発にも懸念を示している。
  3. また中期防では日米安保条約を防衛力の基軸と強調し、日米同盟以外にもロシア、インド、オーストラリア、韓国ならびにASEAN諸国との地域内防衛協力体制を進めるべきと提言している。
  4. また国際社会への貢献として軍備管理、武装解除、不拡散でEU、NATO、OSCE他欧州各国との連携もあり、日本独自では平和維持活動を南スーダンやゴラン高原で展開中だ。
  5. 関係悪化は続いているが大綱では中国との関係維持を防衛政策対話や交流により続けるべきとしている。
  6. 日本の防衛予算は1992年からほぼ一定になっており、2002年から12年にかけて実際に減額されている。これが今後5年間で5%増の2,470億ドルになる。同時に自衛隊部隊の再配置で南西部分を重視する形になる。

Japan Maritime Self-Defense Force (JMSDF) Oyashio class submarine, JS Mochishio (SS-600) arrives at Joint Base Pearl Harbor-Hickam. US Navy Photo

  1. 海軍に相当する海上自衛隊 Maritime Self Defense Force (MSDF)は艦船数で大きな伸びは期待できない。そのうちディーゼル推進潜水艦は22隻に増強される。潜水艦建造は一年一隻のペースを守り、隻数を増やすため本来なら退役する予定のおやしおクラスの艦を再整備する。日本ではこれまで就役から18年たった時点で潜水艦を退役させてきたので、艦齢が一番古い艦でも他国の標準ではまだ新しい艦となる。
  2. 海上自衛隊では駆逐艦7隻を調達し、増強する。そのうち2隻はイージス艦だ。駆逐艦の隻数は47隻が54隻になり、イージス艦は8隻になる。護衛部隊の編成も変更になり、追加編成が加わる。
  3. また海上自衛隊が沿海戦闘艦の導入を検討しているとの報道がある。毎日新聞によると小型高速エスコート艦が琉球諸島特に宮古海峡部分での作戦に最適と見られている。単価は582百万ドルとの見積もりがある


An undated photo of a Kawasaki P1

  1. 川崎P-1哨戒機は4機を導入し、合計6機体制とする。P-1は国産開発機でロッキードP-3Cオライオンの後継機と位置づけられている。同機はP-8ポセイドンと同様の形状だが、最大の違いは磁気異常検出用のブームを機体後部に搭載していることだ。P-1は70機の調達が予定されている。
  2. 航空自衛隊は部隊編成の改変とともに新機種の導入が行われる。海外より飛来する航空機への迎撃回数は急激に増加しており、とくに日本海上空および東シナ海上空で多い。対応して機材を南方に展開するだけでなく、支援航空機や地上レーダー部隊もぞ供している。主力戦闘機もわずかながら増強される。.
  3. 空中早期警戒機にはE-767(4機)AWACSおよびE-2Cホークアイ(13機)があるが、AWACSを4機追加調達し、飛行隊も現状の2から3にする。うち一個飛行隊を沖縄に常駐させ、琉球地方と東シナ海方面を警戒する。地上レーダー部隊は計28隊に増加する。


A Mitsubishi F-15J

  1. 同時に南方への戦闘機配備を進める。那覇空港にはF-15J制空戦闘機の二個目の飛行隊が移動してくる。これで同基地に40機が配備される。飛行隊の総数も現状の12が13になり、戦闘機の合計も260機から280機に増える。F-35A共用打撃戦闘機を28機取得し、14機を中期防の対象期間後に調達する。おそらくF-35Bをいずもやひゅうがクラスのヘリコプター搭載艦への導入も次期調達で実現するだろう。
  2. 防衛大綱で情報収集が強調されていることに対応してグローバルホーク無人機を計3機導入する。平成26年度予算では同機導入の研究費が盛りこもれており、一号機は2015年に調達される予定だ。.
  3. 最大の変化が発生するのが陸上自衛隊で、部隊編成が大きく変わる。多らしい陸上自衛隊の姿は即応型師団(3)、即応型旅団(3)、空挺旅団(1)、ヘリコプター旅団(1)、水陸両用旅団(1)になる。
  4. このうち水陸両用旅団は西部方面普通化連隊をもとに編成し、連隊規模の海兵隊として長崎に駐屯させる。同連隊はこれまでも水陸両用戦の実証に投入されており、米軍のアイアンフィストやドーンブリッツ演習にも参加している。
  5. 新設部隊の装備品は米海兵隊に範をとるものだが、海兵隊はこれまでも西部方面隊に各種指導をしてきた経緯がある。同部隊にはAAV-7水陸両用軍用車両52台を米国から購入して投入する。また機動戦闘車両 Maneuver Combat Vehicle (MCV) を新規に導入する。車重26トンの8x8装甲車両で105mm砲を搭載し、新型C-2輸送機で迅速に離島に展開することが可能だ。
  6. またV-22オスプレイ17機を調達して新設部隊は米海兵隊と同様の空中移動力を手に入れる。オスプレイ一号機の調達は2014年4月に開始され、今後5年間は継続されるだろう。
  7. 水陸両用部隊は長崎に駐屯する予定だが、北海道にも小規模の訓練隊が編成されるとの現地報道がある。
  8. 中期防と防衛大綱はそれぞれ日本の防衛政策の変化を体現している。ISR機材、統合運用、水陸両用対応部隊の新設で代表される新機能はこれから長い時間をかけて日本の防衛力でこれまで欠けていた部分を埋めていくもの。また部隊再編やオスプレイ、グローバルホークといった新装備の導入は南方諸島の防衛の基礎を形成するだろう。

この記事の原著者カイル・ミゾカミは国防安全保障関連でアジア特に日本に焦点を当てて執筆中。以下のブログを主宰Japan Security Watch, Asia Security Watch、 War Is Boring
また以下の各誌に寄稿 Medium, The Atlantic.com, Salon, The Japan Times、The Diplomat


2013年12月26日木曜日

米海軍のUCLASS構想は大型化し、ミッションも多様になる方向へ


Navy: UCLASS Will be Stealthy and ‘Tomcat Size’

By: Dave Majumdar and Sam LaGrone
USNI News,Monday, December 23, 2013
X-47B Unmanned Combat Air System (UCAS) demonstrator taxies on the flight deck of the aircraft carrier USS George H.W. Bush (CVN-77) in May 2013. US Navy Photo


米海軍の無人空母運用偵察攻撃機 unmanned carrier launched airborne surveillance and strike (UCLASS) 開発計画はこれまでより機体寸法が大型になり多くの機能を盛り込もうしていると明らかになった。「推力70から80千ポンド級の機体を考えている」とマイク・マナジル少将Rear Adm. Mike Manazir(航空戦力整備責任者)が米海軍協会取材に答えた。「F-14トムキャットぐらいの寸法を想定している」

  1. UCLASS構想の変化は海軍が仕様書を業界に公表するのにあわせて明らかになったものだが、これまでペンタゴン内部で同機の位置づけを巡り意見が分かれていた。
  2. 「コンセプトは何度も変わりました。空母発進の無人ISR機だけでなくもっと多くの機能が盛り込まれています」と同少将は説明。「性能を伸ばして高度のISR機能とともに攻撃機能を、さらにセンサー搭載量を増やすことも考えています」
  3. ロッキード・マーティンボーイングノースロップ・グラマンジェネラルアトミックスの各社がいまやわずかになっている国防総省の新規開発案件の受注を狙っている。
  4. 海軍が現時点で考えているUCLASS構想ではノースロップ・グラマンX-47B無人戦闘航空システム実証機(UCAS-D)の重量44,000-lb.よりずっと大きな機体を想定している。
  5. UCLASS構想では全長 68 ft. 以上の機体も想定しており、ボーイングF/A-18E/F スーパーホーネットより大きい。
  6. その寸法と重量から双発あるいはプラット&ホイットニーF135エンジン(推力28,000 lbs.)の採用を想定しているようだ。
  7. また海軍はUCLASSを空中給油機として使う意向でロッキード・マーティンF-35Cはじめとする戦術機の飛行距離を伸ばすのだという。「燃料20,000 lbs. を搭載し7.5時間の滞空が可能」(マナジル)
  8. またUCLASSに敵領空に侵入させ戦闘識別任務を行わせる構想もある。
  9. ただしUCLASSにはF-35Cに匹敵するステルス性はないとマナジルは言う。
  10. またUCLASSを武装し、F/A-18やF-35Cの無人ウィングマンとする構想もある。AMRAAM(高性能中距離空対空ミサイル)を満載し、指揮命令を与える有人機とペアにするというもの。.
  11. UCLASSに移管するミッションの内容は今後も変化していくだろう。マナジル少将によれば2030年までに海軍はUCLASS運営経験を蓄積して空母航空戦力の一部として無人機をどう運用すべきかを組織として学んでいるはずだという。
  12. 2006年に想定されていたものが国防長官官房により安価かつ対テロ作戦用に空母から運用する構想に切り替わっていたが、今回のマナジル少将の説明は大きくそこから変わっていることを示している。


2013年12月25日水曜日

KC-46原形機完成は2014年早々に


First KC-46 Airframe Rollout Set For Early In 2014

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com December 24, 2013

プラット&ホイットニーのエンジンセットが納入され、米空軍向けKC-46試験機となるボーイング767-2Cのロールアウト予定が近づいてきた。
  1. プラット&ホイットニーPW4062エンジン二基がボーイングのエヴァレット工場に納入された。推力は各62,000 lb.でテスト機材に搭載される。なお、同エンジンは商用767、MD-11、747初期型にも使われている。
  2. 767-2Cの飛行開始は来年6月でKC-46としての飛行テストは2015年1月開始予定
  3. ボーイングが総額49億ドルで契約を勝ち取ったのが2011年2月で、18機を2017年までに納入する。その後179機を生産し、老朽化進むKC-135 部隊と交代する。
  4. KC-46は空軍の優先調達三案件のひとつで、残りはF-35と新型長距離爆撃機だ。
  5. ただしKC-46のコストが今後ボーイングにどんな影響を与えるかは不明だ。予定規模で調達した場合の政府試算は56億ドルで、ボーイング社内試算より5億ドル高く、空軍の契約上限から7億ドル高くなっている。固定価格方式契約のため、超過費用はボーイング負担となる。■



2013年12月20日金曜日

レーザー兵器の実戦テストでUAS含む飛翔体の連続命中に成功---レーザー兵器は戦術的に有効な手段になるのか


US Army Vehicle-Mounted Laser Successfully Demonstrated Against UAS and Other Targets

UAS Vision December 16, 2013

U.S. Army Space and Missile Defense Command

Eric Shindelbower/Boeing
米陸軍の宇宙ミサイル防衛司令部ー米陸軍部隊戦略司令部U.S. Army Space and Missile Defense Command(SMDC)/Army Forces Strategic Command が合同で車両搭載型高出力エネルギーレーザー兵器による初の照射演習を行い迫撃砲弾90発以上、無人機数機をそれぞれ空中で捕捉迎撃することに成功した。
  1. 陸軍高出力エネルギーレーザー機動実証装置 Army High Energy Laser Mobile Demonstrator (HEL MD)のテストで11月18日と12月10日にホワイトサンズミサイル試射場(ニューメキシコ州)内の高出力エネルギーレーザーシステムテスト施設High Energy Laser Systems Test Facility (HELSTF) で実施した。
  2. これはHEL MDがフル出力で行った初の実証で装備構成はレーザー発生器、ビーム照準器を車両に搭載したもの。代理レーダー(高性能多モードレーダー)がレーザー光線を割り振り交戦を支援した。
  3. HEL MDは指向性エネルギーによりロケット弾、砲撃、迫撃弾、無人機、巡航ミサイル等に対する防衛能力を実証するプロジェクトとして開発中だ。HEL MDを統括しているのはSMDC技術センターだ。
  4. 迫撃弾と無人機(UAS)は米軍・同盟国部隊が実際の戦闘で遭遇する脅威の代表として選ばれた。
  5. システムの効果は低出力、中出力放射実験(2011年)で実証済みで、今回は高出力テストをHELSTFで行った。今回の実証で移動式ソリッドステイト方式レーザー兵器システムにより迫撃弾、UASに対応可能であることが確認され、同時にUASが搭載する情報収集・監視・偵察センサー類にも有効だとわかった。
  6. 今回のテストでは10 kWクラスのレーザーを使ったが、将来は50 kWクラスをHEL MD本体に搭載し、さらに100 kWに拡大される。作動を支援する熱および電力サブシステムも将来の出力強化に対応させ、有効射程距離は拡大させ照射時間を短縮するのが今後の課題だ。
  7. ビーム管制システムbeam control system (BCS)はドーム状で500馬力の大型高機動戦術トラックHeavy Expanded Mobility Tactical Truck (HEMTT)の屋根上のに搭載されている。ビーム照準器は360度回転可能で、鏡を使い方向を指示し、焦点をあわせる。レーザービームは光速(毎秒30万キロメートル)で移動し比類ない精度で命中する。
  8. 「HEL MDが迫撃弾、無人機に連続命中して破壊したのは今回がはじめてです。」とマイク・リン(ボーイング指向性エネルギーシステムズ副社長)Mike Rinn, Vice-President, Boeing Directed Energy Systemsは語る。
  9. 「かなりの成果です」と認めるのはテリー・バウアーTerry Bauer(高出力エナジーレーザー機動実証プロジェクトの陸軍責任者)だ。
  10. レーザー光線の外周はおよぞ25セント硬貨大。迫撃弾の直径は60ミリメートルで命中すると迫撃弾内部の構造が過熱され、空中で中程度の爆発を発生させる。
  11. 「命中すると金属片として本来の命中地点に落ちてきますが爆発せず地面に刺さるだけです。つまり、弾丸を石に変えるのと同じですね」(バウアー)
  12. UASが搭載したセンサー類機能がレーザーで無効になるのかに関心が集まっていたが、実際に搭載カメラの機能が止まり、次に尾翼を破損させるためレーザー照射がされた。「機体は墜落した」(バウアー)
  13. ペンタゴンで経費節約が叫ばれる中、レーザー兵器は低価格と陸軍関係者は発言し、「一発あたりコスト」はディーゼル燃料のコーヒーカップ相当と同じだという。2013年度で開発は7年目だが、予算はおどろくことに12.4百万ドルにすぎない。
  14. そうなると戦術的に使える兵器となる。なぜならレーザーは「連続破壊手段」になるからだとバウアーはいい、各目標を一発で迅速にし止めることが可能だという。
  15. 陸軍は来年早々に装備システムをフロリダのガルフコーストに移動させ「雨天曇天その他の条件」での作動を試すとバウアーは言う。ボーイングがHEL MD開発の主契約社になっている。


新年度防衛予算の概算要求内容をAviation Weekはどう伝えているか


Japan Increases Defense Spending

By Bill Sweetman william.sweetman@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com December 17, 2013

日本の2014年度防衛予算要求は前年比3%増で右よりの現政権が昨年12月に発足後の防衛費増加傾向が続いている。

  1. 重点項目で変化はなく、南西部島嶼の防衛で中国を想定、弾道ミサイル防衛では北朝鮮、そしてゲリラ特殊部隊の侵攻への対抗措置が挙げられている。特に後者はとかく存在を疑問視されやすい陸上部隊向けの項目であり、このたび公表された8輪駆動の戦闘車両(105mm砲搭載)が注目される。
  2. 離島防衛用に水陸両用部隊を新設し、米国製AAV7を2両試験調達する。ベル・ボーイングV-22オスプレイ他、空中早期警戒機の新機種導入の調査費目で小額ながら予算がついた。後者は現有のグラマンE-2C(沖縄に配備中)の代替機種検討で川崎重工業から四発ジェット機P-1哨戒機のAEW機改修案が出ている。
  3. 要求どおりなら来年度の大きな買い物リストにはロッキード・マーティンF-35A戦闘機計4機(693億円)、川崎P-1計4機(773億円)、25DD汎用護衛艦の二隻目(733億円)、そうりゅう型潜水艦の第10号艦(513億円)が含まれる。
  4. 研究開発で目をひくのは新型地上配備火器管制レーダーで中国製J-20等ステルス機へ対応すること、将来の国産ステルス戦闘機向け基礎技術として一体成型機体構造、小口径高出力ジェットエンジンがある。防衛省技術研究本部は24DMU(2012年式デジタルモックアップ)と呼称する戦闘機機体構想を10月末に公開している。
  5. この24DMUを見るとスホイT-50とノースロップYF-23を組み合わせたようで、技術研究本部によると構想は戦闘シミュレーションにより三菱F-2後継機の要求性能を決めたという

2013年12月19日木曜日

ブラジルが次期主力戦闘機にサーブ・グリペン導入を決定


速報です。ブラジルがグリペン導入を決定しました。これでボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネットには逆風となるでしょうね。


Brazil Selects Gripen For F-X2 Requirement

By Anthony Osborne tony.osborne@aviationweek.com, Bill Sweetman william.sweetman@aviationweek.com
Source: AWIN First

aviationweek.com December 18, 2013


ブラジルは次世代戦闘機選定でサーブJAS 39Eグリペンを採択した。
  1. 12月18日の決定で足掛け12年の次期主力機選定が完了した。ブラジル空軍は新型グリペンE仕様36機を導入する。なお、同型はスウェーデン空軍も発注しており、スイスも選定している。.
  2. ブラジル国防省は同機のコストが一番低く、同国の求める性能水準を実現し、同時に技術移転により国内で同機を独力運用できることを期待できることが選定理由とする。
  3. 総額45億ドルで導入直後の支援・予備部品、訓練、シミュレーター装置、技術移転および産業協力を含む。契約は2014年12月までに発効する見込みで、一号機の同国到着は調印後48ヶ月後。 
  4. 選定の競合機にはダッソー・ラファール、ボーイング・スーパーホーネットもあったが、最終決定は大統領決裁とされ、各社に入札提案の期間延長を繰り返し求めてきた。
  5. ブラジルが運用する戦闘機材の老朽化は深刻で、ミラージュ2000は本年中に退役し、かわりにノースロップF-5EM/FM各型を近代化し飛行時間を延長している。あわせてヨルダンが運用していた旧型F-5をEM/FM仕様に改修しているが、各機も2025年には退役すると、残るのはアレニア・エンブラエル製A-1Mのみで、これも2023年までしか運用できない。
  6. グリペン陣営の主要参加企業にはジェネラルエレクトリックがあり、F414 エンジンを供給しており、Selex-EXはレイブンES-05レーダー、スカイワード-G赤外線探査追跡システム、敵味方識別装置を供給する。コックピットのディスプレイはエルビットのブラジル法人AEL Sistemasが供給。
  7. ブラジルが選定をしたのはスウェーデンの国防装備調達庁FMVが25億ドルでJAS39グリペンC型をE仕様に改装する契約をサーブに交付したのと同日だった。■



サイバー安全保障製品で存在感を増すロッキード


国家安全保障のためには個人情報保護に制限が加わることは必要なのでしょうか。当ブログはそう考えますが、まだ納得されない向きもあるでしょう。企業活動としてロッキード・マーティンは高度のIT技術で情報収集活動で大きなビジネスを獲得しているようです。


Lockheed Sees Strong Cyber Demand Despite NSA Scandal: CEO

By Reuters

aviationweek.com December 17, 2013

ロッキード・マーティンは米国政府向けIT製品の供給で最大の企業。国家安全保障局(NSA)の盗聴スキャンダルがあったが、サイバー安全保障関連の需要は引き続き堅調だという。
  1. 同社CEOマリリン・ヒューソン Marillyn Hewson がロイターに月曜日あかしたところではNSA問題で同社のIT製品やサイバー安全サービス製品の海外拡販に影響はないという。
  2. 「マイナスの影響は出ていません。米国政府ならびに海外政府からの当社サイバー技術への需要は堅調で同時に民間会社向けサポートの営業もしています」
  3. ロッキードはNSA向け、その他政府機関向け取引で最大の企業で政府の情報ネットワーク防護で培った専門技術を民間企業向けにも拡大しようとしている。
  4. 同社の技術実績が海外政府特に中東各国の関心を呼んでいる、というヒューソンは今年1月のCEO就任後四度目の中東訪問をする。
  5. ロッキードが海外取引拡大の中心と見るのは次の7カ国。英国、オーストラリア、カナダ、日本、イスラエル、アラブ首長国連邦、サウジアラビア。とくにF-35戦闘機が取引額増加で大きな牽引力を発揮しており、その他ミサイル防衛システム、C-130J輸送機もある中で、衛星技術と政府向けITサービスが急成長している。
  6. 7月に発足した同社の国際部門ロッキード・マーティン・インターナショナルLockheed Martin International,を率いるパット・デューワーPat Dewarはロイターに対し戦闘機はじめとする同社の防衛装備は世界各国で知名度が高いが、ITプロバイダーとしての存在を示す必要もあると見ていると語った。
  7. ヒューソンからはサイバー攻撃への世界各国の懸念か政府・民間向けに同社のサイバー関連事業拡大は可能と見ていると発言があった。
  8. 「エドワード・スノウデン事件がありましたが、現実に脅威がある限り需要も増え続けると見ています」としロッキードが提供しているのは単なる社員向け機密取り扱い許認可手続きを超えた高付加価値のミッション支援であることを明らかにした。「需要は加速化しています」
  9. 今週月曜日に米連邦裁判所が米国政府によるアメリカ国民の電話通話記録の収集は違法性の疑いが高いとの判決が出て、情報機関の正当性が試される展開になってきた。
  10. 英国紙ガーディアンは6月に毎日の電話通話記録数百万件について通話時間や通話回数で生のデータを秘密裏に収集する認可が米情報監視裁判所から出ていると報じた。ただし、ここで言うデータには通話内容そのものは含まれていないと米政府関係者は説明する。
  11. 人権擁護団体はこのデータベースを個人情報の侵害とし、中止を求める提訴をしているが、米政府はデータを把握する能力がアルカイダはじめとする戦闘集団との7年間にわたる戦いで不可欠であったとしている。■



2013年12月18日水曜日

ロシア空軍の装備近代化の進捗には注意が必要でしょう


ロシア軍の装備近代化がペースを上げています。その影響は近いうちに日本周辺にも現れるでしょう。とりあえずは既存の長距離爆撃機のELINTミッションが日本列島を取り囲む形で増えていることが気がかりです。そのあとにはPAK FAことT-50ステルス戦闘機が本当に実戦化されるかが注目ですね。


Pace Of Russian Rearmament Quickens

By Maxim Pyadushkin
Source: Aviation Week & Space Technology
December 16, 2013
Credit: Sukhoi

ロシア防空装備の近代化が進行中。中でも空軍は今後10年で4.5兆ルーブル(1,360億ドル)を投入し、旧ソ連時代の装備を一新する。
  1. 空軍は2020年までに機材の7割を交代させ、スホイT-50(F-35に匹敵する高性能機)、ステルス長距離爆撃機を調達するほか、地対空ミサイルも新型に切り替える。しかし、構想の資金裏づけが非現実的との指摘もある。
  2. 今のところ資金注入は予定通り進んでいる。プーチン大統領は軍関係者、メーカー幹部による説明を受け2010年に作成した調達案を先月下旬に承認している。説明会は調達案を公開方式で検証する初の例となり、ロシア経済の低迷とは裏腹に軍備拡張が順調に進んでいることを示した。.
  3. プーチン大統領によれば今年の空軍は固定翼機86機、回転翼機は100機を新規調達しているという。2014年は固定翼機は120機、ヘリコプター90機になる。これに対し2011年12年の合計で263機だった。
  4. 空軍の目論みは2020年時点で新型機比率を全体の7割1,600機にすることだ。
  5. 空軍が発注しているのはスホイSu-34戦闘爆撃機、 Su-30M2/SM多用途戦闘機であり、セルゲイ・ショイグ国防相Defense Minister Sergey Shoigu によれば今年はSu-34一個連隊を編成する。ボリソグレスクの訓練基地にはヤコブレフYak-130ジェット練習機の導入が始まっている。.
  6. 合同航空機製造会社 United Aircraft Corp. (UAC)のトップ、ミハイル・ポゴシャンMikhail PogosyanによればスホイT-50の公式性能評価テストが空軍で2014年に始まる。第一段階は2015年に完了するという。試作型5機合計の飛行回数は450回という。ロシア国防省より次期長距離爆撃機の性能要求が同社に9月に提示されている。
  7. 空軍は PAK DA プログラムでステルス爆撃機の開発を期待して、現状のツボレフTu-160ブラックジャック、Tu-95ベア、Tu-22M3バックファイヤー各爆撃機と2025から2030年にかけて交代させたい意向だ。一方稼働中の爆撃機には新型エイビオニクスや空中発射兵器を搭載し性能向上を図っている。UACではTu-160およびTu-95の改修型の工場内試験を完了し、空軍による公試用に機体を引き渡している。
  8. また空軍の空輸能力向上も調達計画の狙いだ。UACは11月にIl-76MD-90Aの公試を完了した。同機はIl-76輸送機の近代化改修型で最大離陸重量210トン、最大着陸重量170トン。空軍は39機発注しており、改修はすべてロシア国内で行う。同機の旧型はウズベキスタンで生産されている。UACは中型輸送機開発をインドと共同で開始している。
  9. 他方で防空軍にはS-400(SA-21グラウラー)長距離防空、弾道ミサイル迎撃ミサイルシステムが導入されている。今年は2個部隊に供給され、来年はさらに3部隊に納入するという。メーカーのアルマズ・アンティ Almaz-Antey は次世代モデルS-500を開発中で、2014年から性能実証を始めるとプーチン大統領が発表。
  10. 陳腐化してきたS-300PTおよびPS(SA-10グランブル)がこれまでの防空兵器でもっとも多く配備されてきたが、S-350ヴィチャーズ Vityaz 中距離移動型SAMに更新される。同ミサイルは今年夏に存在があきらかになったばかりで、これも2014年中に性能公試を完了し、2015年か16年より納入開始となる。.
  11. 防空軍には早期警戒レーダー網の拡充でミサイル対応力が増える。現在運用中のボロネーズ Voronezh ・モジュラー式レーダー基地が現在の三箇所から今後5年以内に7箇所に増える。.
  12. ただし国防アナリストの中には軍備更新案の実施に懐疑的な向きが少なくない。「予算が十分についても完全実施はありえないだろう。というのも必要な軍事産業施設の近代化と関連法規制が追いつかないため」と言い切るのはモスクワの国防シンクタンク 戦略・技術解析センターの副所長コンスタンティン・マキネンコ Konstantin Makienko, deputy director of the Center for Analysis of Strategies and Technologiesである。


2013年12月17日火曜日

低コスト軍用機をめざすスコーピオンが初飛行に成功



以前お伝えしていた低価格の実証機スコーピオンが無事初飛行にこぎつけました。Flightglobalによると国名不詳の海外顧客がすでに同機に関心を寄せているとのこと。高性能高価格があたりまえだった戦術航空機の常識を破る機体になるか、今後注目です。

Low-cost Scorpion fighter starts flight tests

Textron AirLand
By:   STEPHEN TRIMBLE WASHINGTON DC
Flightglobal, 13 December 2013

テキストロン・エアランド Textron AirLand のスコーピオンが12月12日に初飛行に成功し、二年間の型式証明取得プログラムが開始された。同時にローンチカスタマー(国名不明)との商談成立の可能性が高まっている。「わがチームにとって大きな意義がある。これまで23ヶ月集中しきた成果だ」と同社社長ビル・アンダーソン Bill Anderson は語った。
  1. 同社はテキストロンと新興会社エアランドの合弁事業体で海外顧客と商談が予定されている。この顧客は初飛行を見て商談を開始するとしていたとアンダーソンは語る。
  2. 購入可能性があるこの海外顧客以外に米軍のとの商談も予定されている。
  3. 同機は同社が自社費用で完成させ、低コストで現有機材を置き換える実証提案を狙うもの。機体価格は20百万ドル。一時間当たり運用コストを3,000ドル未満が目標で、フェアチャイルド・リパブリックA-10の12,000ドルを大幅に下回る。
  4. 初飛行はマッコーネル空軍基地(カンザス州)で1.4時間にわたり、降着装置をおろしたまま実施した。速度120-200kt (222-370km/h)で高度は10,000-15,000ft (3,050-4,570m)を記録した。
  5. テキストロン・エアランドは型式証明取得を柔軟に考え連邦航空局の型式証明と別に軍用滞空証明も必要に応じ取得する。
  6. エンジンはハネウェルTFE731ターボファン二基、巡航速度は450kt で最大1,360kg のペイロード(3,000lb)を翼下・内部に搭載する。
  7. 今後12ヶ月で500回のフライトテストを実施し、センサー、兵装テストも年末におこなう。
  8. 機体は既成製品で構成しモジュラー式設計で、複座仕様から単座あるいは無人機に変更できる。
  9. テキストロン傘下のセスナが複合材料で低コスト工法で製作し、いつでも大量生産できるという。テキストロン・エアランドの設計開始は二年足らず前にすぎない。■