2013年8月31日土曜日

シリア対応に5隻目駆逐艦投入、潜水艦も出動か

Fifth U.S. Destroyer Moves Closer to Syria

By: USNI News Editor Friday, August 30, 2013
                                                 

ノーフォーク海軍基地を8月18日に出港し米第六艦隊合流に向かう誘導ミサイル駆逐艦USSスタウト(DDG-55)(米海軍写真)



米海軍がアーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦の五隻目をシリア近くの海域に移動させていることが米海軍から明らかになった。
  1. USSスタウト (DDG-55) は8月18日にノーフォーク海軍基地を出港し、同海域で展開中の4隻の駆逐艦に合流する。
  2. 現在同海域にあるのはUSSマハン(DDG-72)、USSラメージ(DDG-61)、USSバリー(DDG-52)、USSグレイバリ(DDG-107)の四隻。各艦は弾道ミサイル防衛に加え地上目標をミサイル攻撃できる。
  3. 洋上の駆逐艦に加え、隻数不明の潜水艦も投入される模様で、トマホーク地上攻撃ミサイル (TLAM)を発射できる。報道によると英国海軍も少なくとも一隻の潜水艦を配備している。米海軍ではロサンジェルス級 (SSN-688-) およびヴァージニア級(SSN-744-)がともにTLAMS発射可能だ。
  4. 米海軍の誘導ミサイル潜水艦(SSGN)が該当海域に出動しているかは不明。SSGNは154発のTLAMの発射ができる。
  5. 米政府は8月21日に化学兵器がアサド政権により使用さみ計1,429名の住民が死亡したとみている。
  6. 「米政府は情報を総合してシリアの化学兵器部隊が8月21日の攻撃以前に準備していたと評価をあしている」とCNNが8月30日に報道している。
  7. 「攻撃実施の三日前に人的、通信、地理空間の各種情報収集 human, signals and geospatial intelligence を総合したところアサド政権の動きは化学兵器を使用した攻撃準備をしていると判明した、と米政府が発表した」と報道している。


スーパーホーネット改修型の売り込み先に米海軍に照準を合わせるボーイング

Boeing Targeting U.S. Navy For Super Hornet Upgrades

By Amy Butler
Source: Aerospace Daily & Defense Report
aviationweek.com August 29, 2013


ボーイングが米海軍に向けてF/A-18スーパーホーネット改修のデモを展開し、導入を働きかけている。

  1. 「もはや海外だけが当社の想定ではない」とボーイングでF/A-18、EA-18G営業を担当するボール・サマーズ Paul Summers は論じ、改修内容は「米国向けに適したもの」とスーパーホーネット、グラウラー担当主管のマーク・ギャモン Mark Gammon は説明する。
  2. 性能改修プロジェクトはF/A-18E/F 「国際ロードマップ」のもと2010年に改良内容のメニューが発表されている。ボーイングはその内容を海外政府向けに説明し、航空ショー他で紹介してきたが、米海軍にも一応義理もあり説明対象にしてきたという。
  3. これまではスーパーホーネット改修は最終的には同機最大の利用客であるペンタゴンに照準を合わせたものと誰かが言おうものなら即座にこれを訂正させてきた。
  4. 国防総省では予算確保で大きな困難な状態にあるが、海軍は同機改修内容に期待しているようだ。ただし予算は未計上だが。海軍からは新造スーパーホーネット一機を貸し出し飛行展示を求める他、ステルス燃料タンクなど設計修正を求める。産業側関係者によると早ければ2016年予算に計上となると見ているようで、実際の予算編成作業は来年の夏になる。
  5. 海軍が同機に関心を寄せるのはF-35C開発で慎重になっていることが理由。海兵隊は2015年12月までに、空軍はその一年後それぞれ作戦能力獲得を予定しているが、海軍は現時点で2019年が予定。ボーイングは高性能改修版スーパーホーネット Advanced Super Hornet なら、エンジン改修、前面ステルス性能、状況把握能力改善でロッキード・マーティンF-35Cに代わる選択肢になると吹き込んでいる。ただし、今回の改修内容は2030年以降に予想される脅威に対抗するものだという。
  6. 改修内容全部を開発しても10億ドル以内で実現できると同社は主張。仮に海軍が新造改修機体を調達すれば、機体単価は56百万ドルとなり、直近の機体単価51百万ドルから10%増えるだけという。(価格には機体、エンジン二基、電子戦装備を含む)
  7. 同社を勇気付けているのがオーストラリア空軍がF-35を先送りし、F/A-18E/F をつなぎ購入する方針を示したのが海軍に影響を与えていることだ。さらに新開発装備は既存機体にも後付装備できる。
  8. 「当社はF-35を意識して特定の技術分野をねらっているわけではなく、購入しやすい価格帯が差別化の最大の要素だ』(ギボンズ)
  9. 飛行テストの対象となる改修内容の一番手は機体上部に搭載する燃料タンク一組と機体中央線に装着する兵装ポッドで、空力特性・レーダー断面積を見る。ボーイングから製造したばかりのスーパーホーネット一機を海軍に貸し出しテストを行う。なお、この機体は合計100ポンドのレーダー波分散塗料が一部に使われている。.
  10. スーパーホーネット改修の大きな目的は低視認性の確保にあり、一体型燃料タンク、兵装ポッドや空気取り入れ口のレーダー探知妨害設計により現在稼動中のスーパーホーネットとの比較で前面で50%の改善効果を狙っている。■


コメント なるほど、F-15SEとアドバンストスーパーホーネット(日本語になっていません)でF-35を挟み撃ちにするのがボーイングの営業政策ですね。いつになるかわからないライトニングIIよりもお手頃な二機種でいいと考える国が現れるのは至極ごもっともなことに思えます。

2013年8月29日木曜日

サイレントイーグル後のF-15を検討するボーイング

Boeing Mulling F-15 Plans Beyond Silent Eagle

By Amy Butler
Source: Aerospace Daily & Defense Report

aviationweek,com August 28, 2013

ボーイングはサウジアラビア、韓国向け各型に続くF-15発展型を検討中というが、詳細は明らかにしていない。
  1. 韓国からのF-15調達60機の選定結果通知は9月中ごろと同社は期待。
  2. サウジアラビアがF-15SA導入したことで同機生産ラインは維持されており、2018年までの継続がまず決まった。これに加え韓国の発注でさらに3年のライン維持を同社は見込む。
  3. 同社からの最終提案内容および価格提示は8月16日に韓国政府に提出ずみ。ユーロファイター・タイフーンが早々と選定対象から外れて、実質上はF-15サイレントイーグルとロッキード・マーティンF-35の一騎打ちだが、F-35の高価格はあきらかだ。
  4. サイレントイーグルの特徴に一体型燃料タンクを兵倉庫に転用することがあり、韓国宇宙航空工業がこの兵倉庫を設計中で、イスラエル航空宇宙工業が一体型燃料タンクを別個に設計中。
  5. レーダー断面積削減のため、エンジン空気取り入れ口の形状変更を開発期間の初期段階で実現できると同社は期待。詳細は明らかにしていないが、変更設計は完了している模様。
  6. サイレントイーグルはサウジ政府資金により、デジタル式電子戦装備、アクティブ電子スキャンアレイ方式レーダーが開発された結果の恩恵を受けることになる。
  7. サイレントイーグルではさらにデジタル方式フライバイワイヤ飛行制御、一体型兵倉庫、高性能コックピットシステム(11x19 インチカラータッチスクリーン方式ディスプレイが加わる。ボーイングが提案しているレーダーはレイセオンAPG-82(v1) 。■


予算節約のためイージス発射テスト回数を減らす米海軍

U.S. Navy Mulls Cutting Aegis Flight Tests to Save Money

By Michael Fabey
Source: Aerospace Daily & Defense Report

aviationweek.com August 27, 2013

米海軍はイージス艦のシステム更新の予算を死守しつつ、今後は試射回数を減らして予算を節約することを検討中。なお最新のソフトウェア改善の効果を試す実弾発射試験に成功している。
  1. 「海軍はテスト内容を統合して支出を減らそうとしてます」とイージスの主契約会社ロッキード・マーティンで米海軍担当部長のジム・シェリダンは解説する。
  2. 海軍の5回の発射を3回にする予定とシェリダンは言い、同社も海軍の方針を支持するという。
  3. シェリダンによればテスト回数削減は改良型イージスの配備日程と矛盾するという。ただし、回数削減で同社には新しい挑戦課題が生まれ、これまではテストを増やして開発を進めてきた同社にとって新しい環境となる。「テスト内容がより多岐にわたり、テスト艦上では多忙になるでしょう」
  4. またテスト期間の短縮もテスト後の問題解決に当てられる時間の短縮となり同社は「迅速に切り回す」必要が生まれる。
  5. 現時点でソフトウェア改修は問題なく完了し、テストでも実用でも予定通りの性能を発揮しているという。また、「改修点」の多くはディッスプレイ装置の修正など「邪魔な」要素の排除だったという。
  6. 直近のイージステストでは今月初めに実弾発射を行い、見通し線の外でもデータを遠隔地のセンサーから統合して目標迎撃に成功したことでシステムの有効性を証明している。
  7. 海軍の統合火砲射撃対空手段 Naval Integrated Fire Control-Counter Air (NIFC-CA)  のテストも初めて洋上で実施され、イージスに遠隔地データを提供し目標迎撃に成功したのは二回連続となった、とロッキードが発表。使用したのは協同交戦機能 Cooperative Engagement Capability (CEC) で遠隔データを解析し、イージスがスタンダードミサイル-6 (SM-6)をUSSチャンセラーズビル(CG-62)から発射したもの。
  8. 同艦はイージスベイスライン9近代化改修の対象巡洋艦四隻で最初に改修を受け、3月に完成していた。
  9. ロッキードも弾道ミサイル防衛(BMD) 5.0 性能向上改修 (CU) によるイージス改修を進行中で、「コードを完成させようとしている」とのこと。
  10. BMDが米海軍の最重要開発分野になってきており、海軍は艦艇整備計画も大きく変更し、BMD能力の拡大を図っている。■



2013年8月27日火曜日

韓国F-XでF-15SE採用濃厚、しかし空軍はF-35に未練

South Korean Fighter Order: AF Backs F-35

By Bradley Perrett, Bill Sweetman, Amy Butler
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek,com August 26, 2013
Credit: Boeing

ボーイングF-15SEサイレントイーグルが韓国F-Xフェーズ3で唯一の選択肢に残っており、60機導入が想定される中、韓国空軍はこの選択を快く思わず、ロッキード・マーティンF-35共用打撃戦闘機導入を実現しようとロビー活動をくりひろげている。.
  1. 韓国が採用すればF-15生産ラインは2020年代も維持可能となり、競争力のある機体を立ち上げることができる。ただし、これは韓国の国防調達プログラム庁 Defense Acquisition Program Agency (DAPA) の決定待ちであり、同庁はF-35は高価すぎる、ユーロファイタータイフーンは入札参加で想定外の事態ありとしていた。EADSは同庁に異議が申し立中。
  2. 政府横断型の特別委員会を国防相が主催し、DAPAの決定内容を来月裁定する。同委員会には軍代表に加え、国会の国防部会委員、財務省、DAPAに加え、国防開発庁からも参加。同庁はKF-Xとしてステルス戦闘機の国産開発を求めているところ。
  3. 財務省は政的に無理がないのでDAPA決定支持に回ると見られるが、空軍はF-35支持を鮮明にしている。
  4. 「空軍の一部にF-Xフェイズ3が本来の目標から誤った方向に向かいつつあると批判する向きがある」と聯合通信社Yonhapが8月20日、DAPA決定を報道する際に伝えている。「本来の目標」とは明らかにF-35発注のことで、それを支持する空軍関係者の姿勢は他の二機種も一応参加させるがあくまでも競争入札のためだとするものだという。
  5. これはデリケートな問題で、F-Xフェイズ1ではF-15が2002年に採用となったが、ダッソーは最初から採用の可能性がないと見て参加は時間の無駄と早々と結論付けている。同社は韓国では事業が展開できないと判断し、将来の競合にも参加の意思なしとした。そのとおりにF-Xフェイズ2でもF-15が採択となり、同社は参加せず、今回のフェイズ3でも同様だった。
  6. DAPAによるとF-Xフェイズ3ではEADSが資格外とされた模様。その理由は同社が価格を下げるべく同意済みの条件を一方的に変更してきたためだという。単座型45機・複座型15機を単座型54機と複座型6機に変更してしまったとするもの。EADSによればそもそもそんな合意はなかったという。”
  7. ロッキード・マーティンも選にもれているが、提示額が予算の8.3兆ウォン(74億ドル)を超過したため。ただ同社はまだ断念していない。
  8. 仮に韓国政府がDAPA決定をひっくりかえすと、再入札となる可能性がある。ただし、F-Xフェイズ3で代替しようとする機種はF-4ファントムとF-5タイガーでありそれぞれ部品供給が厳しくなり、機体寿命も終わりに近づいている。
  9. F-15SEは韓国発注が実現しないと生産に入らない。サウジアラビア向けF-15SAとの違いはレーダー断面積の削減にとどまらず一体型兵装庫の実現が一番大きい。これはF-15のこれまでの一体型燃料タンク(CFT)に代わるものでAIM-120空対空ミサイル4発あるいはAIM-1202発と1,000ポンド爆弾2発を格納するもの。
  10. そもそもボーイング案は有利だった。韓国で供用中の機体であり、価格では一番有利で、これがかぎとなる。DAPAは韓国国会から予算水準を越えた提案の採択は禁じられている。
  11. ロッキード・マーティンはF-35が高価格であるだけでなく米政府の海外軍事装備品販売foreign military sales (FMS) を経由しないと同機を提示できないというハンデもある。FMSでは米軍向け価格を下回る販売は禁じている。ボーイングはF-15SEを直接販売の対象とし、武装および一部装備品をFMS経由とした。
  12. もうひとつの利点は韓国航空宇宙工業がすでにF-15の主要部品メーカーになっている点で、ボーイングにすればDAPAのローカルコンテント要求水準を楽に満たすことができる。
  13. 三機種の中ではF-15が兵装搭載量、飛行距離性能で一番であり、タイフーンには米国による安全保障を受ける韓国では政治的ハンディが強かった。
  14. あるいは韓国政府がDAPA決定をそのまま尊重した場合、荒唐無稽と見られていたボーイングの戦略が有効だったことになる。サイレントイーグル構想が発表になったのは2009年3月のことで、その時点でF-35Aは米空軍で2013年までに作戦運用可能になっているはずで機体単価70から75百万ドルの想定だった。そのとおりならF-35は手ごわい競争相手になっていたはずだった。
  15. 現時点でF-35Aの米空軍での実戦化予定は2016年末以降で、2020年引渡し機体価格は96百万ドル。これに対しボーイングでは2012年のサウジアラビア向けF-15SA受注で生産ラインが再稼動し、F-15SEにも採用の新機軸実現の資金も入ってきたので相対的競争力は増えた。すなわち全デジタル方式の飛行制御システム、BAEシステムのデジタル戦システムDigital Electronic Warfare System (DEWS)、および再設計のコックピットに薄型ディスプレイを搭載したが、これらすべてを実現し開発リスクも下げられたのだ。
  16. サウジ事例ではF-15Sを現地でSAに改装するのも商談の一部であったので、韓国の場合もF-15Kで同じようなアップグレードも想定される。ただし、これは韓国の評価基準には含まれていない。
  17. ボーイングの戦闘機販売戦略は2009年から進化をとげ、特にF-15とF/A-18E/Fの調整がきめ細かくなった。F-15SAおよびSEのコックピットディスプレイはほぼ同じガラス素材、処理装置、、ソフトウェアを共用している。またボーイングはF/A-18向けに開発した技術を利用できるようにしており、パッシブ式目標捕捉システムがその例だ。F-15Kでは米海軍のスーパーホーネット用に開発中の赤外線探知追跡システムを搭載済みだ。
  18. サウジ向けF-15SAでは新型フライバイワイヤシステム、DEWSを飛行テスト中。新型一体型兵倉庫の開発は予定通り進行中だ。その他サブシステムでも性能要求水準の検討が完了ずみで設計変更の作業中。レーダー断面積の削減策もテスト継続中だ。
  19. サウジアラビア向けの新造機の引渡しは2015年にならないと実現しないが、F-15SのSA仕様への改修70機分の作業ははじまっている。サウジ向けの需要を満足するためには月産1機ペースで十分であるが、韓国向けには4年で60機という規模のため、月産数を倍増する必要が生じよう。韓国向けF-15Kおよびシンガポール向けF-15SGの引渡しは2012年で完了している。
  20. F-15Kでは機械式スキャンレーダーだったが、F-15SGではレイセオン製のアクティブ電子スキャン式アレイ (AESA) のAPG-63(v)3レーダーになっている。基本同じタイプがF-15SEに搭載される。ボーイングによればDAPAに対してもうひとつの選択肢としてレイセオンAPG-82があることは連絡済だという。これは米空軍がF-15Eに採用済みで2014年から第一線配備になる。APG-63(v)3ではF/A-18E/FのAPG-79と同様のアレイを採用しているが、APG-79と同じ処理装置他を使っており、このようにボーイングがF-15とF/A-18で共通化を提言している。.
  21. F-15SE採用が正式決定となった場合もF-35への影響は多分に心理的なものになるだろう。すでにF-35は日本での受注に成功しており、シンガポールでも競合相手がない状態で商談が成立しそうだ。オーストラリア、カナダ、ヨーロッパでの受注が確定すれば同機の戦略的な重要性がさらに増すことになろう。■


速報 シリア内戦介入の準備に入った米英海軍艦艇の動き

U.S. and U.K. Move Ships Closer to Syria

By: USNI News Editor
from United States Naval Institute Monday, August 26, 2013
                                                 
USS Mahan (DDG-72) conducts a replenishment-at-sea in April 2013.


米海軍はイージス誘導ミサイル駆逐艦一隻を東地中海に追加派遣中で、国連がシリア政権による化学兵器使用を査察が進める中での兵力展開と複数の報道が伝えている。

  1. USSマハン (DDG-72) が現在同海域に派遣されているが、USSラメージ (DDG-61)に交代となる予定だった。これは米第六艦隊の弾道ミサイル防衛 (BMD) パトロールの一環。現時点で両艦はUSSバリー(DDG-52)およびUSSブレバリー (DDG-107) に合流して同海域に残ると見られる。上記四隻の駆逐艦は弾道ミサイル迎撃能力に加え、地上攻撃巡航ミサイル発射が可能。
  2. 「オバマ大統領から国防総省に対しすべての想定で準備をするよう命令があった。大統領が決定すればオプションのいずれでも実施する準備が整っている。」(チャック・ヘイゲル国防長官、日曜日に報道陣に答えて) ただし国防長官は具体的なオプション内容は言及していない。
  3. 土曜日に大統領は国家安全保障チームを召集し、シリア情勢を協議している。
  4. 米海軍艦艇に加え、英国海軍部隊も同海域で勢力を終結している。すでに栄海軍の原子力潜水艦一隻が同海域に展開中といわれ、軽ヘリコプター空母HMSイラストリアス(R06)、揚陸艦HMSブルワーク(L15)が地中海で演習中のほか、フリゲート艦2隻も同じく展開中だ。
  5. 各艦艇は「戦略的緊急部隊」を構成するとテレグラフ紙は報道。オバマ大統領はシリア内戦で化学兵器使用が認められれば米国の介入は決定的と宣言していた。化学兵器使用の報道が相次いだことで国連が事実確認のため査察チームを同国に派遣している。


2013年8月25日日曜日

アジア太平洋重視の米戦略の展開方法に疑問が出る中、各国は着実に軍備増強に向かっています。

Questions Surround U.S. Commitment To Asia-Pacific Pivot

By Michael Fabey
Source: Aerospace Daily & Defense Report

aviationweek.com August 23, 2013
Credit: U.S. Navy

地政学の観点からアジア太平洋重視で軍を配備する米国の戦略に疑問がでている。同様にアジアの観点から分析した結果があり、ともに米国がアジア太平洋でどこまでの軍事力を展開するかの疑問がでている。この疑問が表面化する一方、同地域のアメリカ同盟各国が軍事増強をしている。
  1. 関心のすべてが中国に集中しており、同国の意図と地域への影響が関心の的だが、実は中国は同地域で地政学的には最大の影響を与えられる国ではない、とシンクタンクProject 2049を主催するランドール・シュライバー Randal Shriverは議論を提示している。シュライバーはアーミテッジ国際研究所 Armitage International の共同創設者でもあり、戦略国際研究所Center for Strategic and International Studiesの上席研究員でもある。
  2. シュライバーは「問題は中国ではない。米国である。もし米国が役割を果たせないと、同地域全体が不安定化する」と発言。
  3. バラク・オバマ大統領がアジア太平洋への再バランスを重視する中、問題の核心はアジアを担当する意味で現地に飛び込む高官がいないことであり、現政権にも全力を尽くす熱意が感じられないと主張。構想を実現する裏付けも希薄だという。.
  4. シュライバーは2003年から2005年にかけ東アジア太平洋問題担当の国務副次官補。
  5. 5月にはシンガポールのアジア国際戦略研究所International Institute for Strategic Studies-Asia (IISS)のウィリアム・チュン William Choong (シャングリ・ラ対話上席研究員)から同様の懸念が出ており、米国の再バランス案は必要な軍事プレゼンスがともなわず米国の真意は疑問だとしている。全域で薄く展開して、大きな力を示すメリハリがないというのだ。
  6. 今回はチュンから「米国が支援しているとわかれば中国に対抗する誘惑に勝てなくなる国が出てくるだろう」と発言があった。
  7. 米国がアジア太平洋に本格的に再配備するかとは別に、米国の同盟各国、提携各国は確かに軍備増強に向かっている。
  8. オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、パキスタン、シンガポール、韓国、台湾、タイ国の合計で2013年から2018年にかけての軍事支出は合計1.4兆ドルとの予測があり、その前の5年間の実績が9,195億ドルだったので、55%増加することになる。これはAviation Week Intelligence Work (AWIN) によるデータ解析の結果。
  9. その中でも研究開発の支出が最大の成長を遂げる。66%増の614億ドルとなる見込み。
  10. 一方、装備調達は61%増で3,796億ドルとなる。なお、2008年から2012年にかけての実績は2,359億ドルだった。■

コメント アジア太平洋重視という大きな戦略はいいのですが、問題はその実施方法です。写真は米海軍が多額の予算をかけて実用化を目指すLCS(沿海戦闘艦)ですが、F-35と同様に遅延、期待に見合わないパフォーマンスで問題となっていますね。一部にはこれなら既存のフリゲート艦の建造再開をしたほうがいいとの意見もあるようですが、米海軍が思い切って役割を分担し、沿海防護は地域内各国に任せる、米海軍は空母戦闘群をともかく西太平洋に維持し、対潜能力は日本に任せる、という思考の切り替えをしないと「薄く、低い戦闘能力」の展開に終わってしまうのでは。あ、そうなると共同安全保障の実施は必至ですね。

2013年8月24日土曜日

明らかになったスホイT-50(PAK-FA)の飛行制御性能の革新性

Sukhoi T-50 Shows Flight-Control Innovations

By Bill Sweetman
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com August 19, 2013
Credit: Sukhoi

MAKSエアショーがモスクワ郊外のジューコフスキー空港で来週開催されるが、目玉はスホイ‘T-50PAK FA (Perspektivny Aviatsionny Kompleks Frontovoy Aviatsii—将来型戦術航空機システム)戦闘機の展示飛行だろう。
  1. T-50は二年前の同航空ショーで登場しているが、現在もテスト飛行中で性能限界を徐々に伸ばしている。最近のビデオを見ると高度を維持したままの水平回転や高迎え角で方向転換といった高機動飛行をしており、パリ航空ショーでSu-35Sが示した展示飛行と同様の飛行をしている。T-50試作機の5号機が今年末までに飛行を開始し、公試は2014年に開始予定とUnited Aircraft Corporation社長のミハイル・ポゴシヤンMikhail Pogosyanが伝えており、本生産開始は2015年という。
  2. ロシア大統領ウラジミール・プーチンRussian President Vladimir Putin は量産型の配備は2016年と発言している。ただし、搭載エンジンがまだ確定しておらず、ロシア空軍はソ連時代と同じくテスト用エンジンを稼動中の機体に搭載し、一方でエンジン含むシステム完成度を上げる方法をとっている。
  3. 搭載する機器、兵装は未公表だが、ここに来てスホイ設計局がT-50関連でステルス機の根幹にかかわるもの含む特許数件を取得したと判明している。
  4. また取得特許にはロッキード・マーティンF-22に類似した基本設計内容があるが、Su-27から10年近く経て再開したロシアの戦闘機設計には従来の欠点を改善しようと懸命な様子があらわれている。F-22の推力ベクトル制御 thrust-vector control (TVC) システムではロールあるいはヨーの制御は実現できない。なぜならエンジン二基の配列が接近しすぎているからだ。
  5. エンジン取り付け位置次第で兵倉庫の場所がなくなる。エンジンは空気取り入れ口付近、及びその下に取り付けるものである。曲がりくねった空気取り入れ口は全長が伸びて重量も増える。TVCが作動しないと失速後の姿勢取り戻しはむずかしくなり、固定フィンと方向蛇が大きくなる。
  6. T-50は機体主翼一体型の設計 blended wing-body design で、Su-27とは構造の中心部が“centroplane”(中心面)形状で共通している。ただし、Su-27より中心面が双発エンジンの間で深く、兵倉庫を確保しているのが違う。
  7. 飛行制御には可動面が14あり、うち12で飛行制御表面とエンジンノズルを可動させる。主翼前縁部のフラップは高迎え角で揚力を維持する役割があり、速度に応じ主翼形状を調整する。エルロンは低速飛行時、離着陸時のみで使用する。フラペロン flaperons は揚力を得るために使う。高速飛行時にはロール(横揺れ)防止をフラペロンと水平尾翼で行う。.
  8. 全面可動式垂直尾翼 all-moving vertical tails は短い固定式パイロンの上につけられており、パイロンの中に作動装置が入っており、エンジン空気取り入れ口部に冷却装置、熱交換装置が取り付けられている。パイロンの役目には垂直尾翼用の旋回軸のベアリングアームを長く確保することがあり、荷重を減らし、ベアリングと機体構造を軽量化できる。超音速域ではT-50`は飛行方向安定`性に欠けるので垂直尾翼によるアクティブ制御を用いる。この理由は同機の全面可動式尾翼はF-22の固定式フィンおよび可動式方向蛇より小さいためだ。同機の垂直尾翼はエアブレーキのかわりとなり、縦ゆれを最小限におさえつつ抗力を増す際に対称的に可動する。.
  9. 中心面の上に大きな可動式前縁部があることで、巡航飛行中に生ずる同部分からの揚力を最適化できるが、実は一番大切な機能はTVCが作動しない場合の機体制御回復であり、失速後の高迎え角を想定している。このため大きく下方に方向転換し、重心前面の主翼胴体一体部の投影面積を減らすことでこれを実現する。
  10. エンジン二基は大きく離れて配置してあり、兵倉庫の空間を確保するとともにロール・ヨーのベクトル制御を実現。エンジン中心の延長線は外側に広がる配置で仮にエンジン一基が作動不良になっても推力が不均衡になる悪影響を抑えている。作動中エンジンの推力ベクトルを機体質量の中心に近いところへ配置できるからだ。
  11. Su-27/30/35ファミリーにはTVCが装着されているが、各エンジンのノズルベクトルは一方向にしか機能しないにもかかわらず、ベクトル軸は外回りに回転する。そのためノズルの対称運動により縦ゆれピッチの力が発生し、各ノズルが均等かつ反対方向のヨー力を発生させる。仮に‘Su-35の「鐘」機動のようにハイアルファ減速のあとに180度方向転換をするような場合は、横揺れはフラペロンとエルロンで消す。T-50の空気取り入れ口は設計上で妥協している。確かに曲がっているが、曲線はエンジン全体を覆わず(F-22、F-35、ユーロファイタータイフーンはこれを実現)、そのためボーイング F/A-18E/Fスーパーホーネットと同様の‘放射状ブロッカーを搭載している。
  12. F-22の空気取り入れ口と異なり、T-50では可動部分が途中にあり、各ダクトに開閉口がついている。この結果、超音速飛行時にショックパターンが複数発生し、ロシア側はこれによりマッハ2飛行が効率よく行えると考えている。同時に貝形状の網状スクリーンが空気取り入れ口についており、分離スロットとあわせて異物のエンジン取り込みを防ぐ構造になっているのはSu-27ファミリーと同様。
  13. 機体構造設計での大きな課題は機体中央部全体で兵倉庫をタンデム配置する空間の確保だった。ロッキード・マーティンのF-22やF-35では兵倉庫は主翼より前の部分に配置となっている。一方でT-50の中央線構造は奥行きがとれず、ピーク時の主翼変形に耐える設計は困難が伴う。そこでT-50では中央面部分の構造を堅固にし、縦方向の支柱を二本ナセル外縁部と主翼中央面接合部に入れてある。この支柱を翼端におよぶ翼桁でつなぐ。(特許申請図面では翼桁が八本になっている) その結果、機体中央面にかかる曲げ荷重を分散させて中央線にかかるピーク荷重を減らすことができた。
  14. T-50の目標最高飛行速度はマッハ2程度と見られる。当初の目標はマッハ2.35だったが、その後2.1に下方修正され、また下がっているが、Su-35Sではマッハ2.25だ。この差の原因はT-50で複合材料をSu-35S以上に使用していることだ。Su-35Sでは重量がかさむチタンを大量に使用している。
  15. T-50が現在搭載するエンジンはイズデリエ117で、2011年時点の設計者取材ではSu-35Sが使用する117Sよりも高性能としていた。117SエンジンはAL-31エンジンの発展形といわれるが、117の推力重量比は10.1としている。
  16. ただし、サトゥルン社Saturnの常務イリア・フョードロフIlya Fyodorovは記者会見の席上で同社がT-50向け後継エンジンを開発中であることを認め(イズデリエ30型といわれる)、2020年に完成すると117エンジンの性能を書き換えるという。MAKS航空ショーで同機の搭載兵器の詳細があきらかになるかもしれないが、当初は現在利用可能な兵装を搭載するようだ。Tactical Missiles Corporation社の専務取締役ボリス・オブノソフ Boris Obnosov iは取材に答えて、T-50の兵装をいくつか明らかにし、既存のKh-35UE対艦ミサイル、Kh-38ME空対地兵器、RW-MD(R-73Eの改良型短距離空対空ミサイルで大型シーカーを搭載し飛行距離を30%拡大しているという)があるという。新型Kh-58UShKE長距離(射程245Km)というマッハ4級の対レーダーミサイルの開発は大きな意味を持ってくるだろう。同ミサイルは当初はMiG-25BMフォックスバットE用に開発されていた。
  17. ただしオブノソフはこれらは2014年と本人が見る就役開始時の装備品であると念を押している。T-50の機体内兵倉庫が搭載する兵器の情報が不足している。ただし、同機の兵倉庫は四つある模様で、空気取り入れ口外側のふたつにはRW-MDを一発ずつ搭載する。エンジンの間にあるタンデム配置兵倉庫は各二発搭載できるが、前方の兵倉庫が縦方向に余裕があり、Kh-58UShKEのような大型兵器を搭載し、後方の兵倉庫にR-77ファミリーの空対空ミサイルを格納するのだろう。

なお、同機の高機動飛行の様子は AviationWeek.com/video でご覧いただけます。