2013年2月24日日曜日

F-35 エンジン亀裂発見で今度は全機飛行停止へ


Engine Crack Grounds Entire Lockheed F-35 Fleet

By Amy Butler abutler@aviationweek.com, Jen DiMascio jennifer_dimascio@aviationweek.com
 


aviationweek.com February 22, 2013

Credit: USAF


F-35全機が地上で飛行停止措置となっている。原因はエンジンで、今回発生した問題は米海軍航空システムズ軍団Naval Air Systems Command (Navair)によると「壊滅的な不良」“catastrophic failure.”につながる可能性があるとしている。
  1. 2月19日に第三段目低圧タービンのエアフォイルで亀裂がF-35A点検中にみつかったのはエドワーズ空軍基地でのことだったとプラットアンドホイットニーが明らかにした。同社は同機用F135エンジンのメーカーだ。

  1. 「予防措置としてF-35全機のフライトオペレーションを調査点検が完了するまでは全て停止している」とペンタゴンが声明文を発表しており、「今回の自体で同機部隊全体にどんな影響が出るかを断言するには時期尚早」としている。

  1. プラットアンドホイットニーは今回の飛行停止は「予防策」と表現しており、「破損したタービンモジュールおよび付属ハードウェアを当社ミドルタウン(コネチカット州)工場に搬送され調査をする。今回亀裂を生じたエンジンは合計700時間運転しており、そのうち400時間がフライトテストで計上したものだった」としている。同社としても事態の把握をしてすみやかにフライト再開ができることを期待しているという。

  1. 一方Navair司令官デイビッド・ダナウェイ中将Vice Adm. David Dunawayは議会向けの情報更新は3月1日以前には期待できないとの見解を示している。

  1. 飛行停止措置が長引くとフライトテストの進捗予定にも影響が出る可能性があり、重要システム系統のテストも遅れることになる。とくに2Bソフトウェアが最初に作戦能力獲得をめざす海兵隊にとって必要な要素だ。

  1. 今回の事件は短距離離陸垂直着陸型F-35B部隊の飛行停止措置が解除になった直後に発生している。B型の飛行停止の原因はプラットアンドホイットニーが統括する燃料圧力系統の不適切な加工取り付けであった。

  1. 今回の事態によりF-35に別のエンジンを提案したものの採択されなかったジェネラル・エレクトックにとってはわずかばかりとはいえ溜飲が下がる思いをしているはずだ。2つの政権にわたり厳しい論争とロビー活動をくりひろげたにもかかわらず、ペンタゴンはGE/ロールスロイス連合のF136エンジン開発に終止符を打つことで議会の同意を2011年に取り付けていた。■



2013年2月16日土曜日

F-35Bの飛行停止措置は解除へ 

Pentagon, Navy Lift Flight Restrictions On F-35Bs



aviationweek.com February 13, 2013
Credit: Dept. of Defense

ペンタゴンおよび米海軍は海兵隊向けF-35Bの飛行制限措置を解除し、およそ一ヶ月間地上待機していた同機のテスト・訓練飛行の再開にめどがついた。

今回の措置は水曜日に決定となったとケビン・キレア大佐Colonel Kevin Killea(海兵隊向け機体を統括)が発表した。同大佐によると海軍とF-35統括室には今回の飛行停止措置の原因を作った製造上の問題を解決すべく多くの課題があるという。

飛行再開は総額3,960億ドル規模のF-35開発ゼンタイではよい知らせではあるものの、今年は相当の密度のテスト飛行日程を行わないとこれまでの遅れを取り戻せない同機の状況に変りはない。
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ペンタゴンと海軍がF-35Bの25機全てを飛行停止させたのは1月18日のことで、Stratflex製の燃料ラインが飛行開始前に外れるという事態が1月16日にフロリダで発生したため。ペンタゴンからはその後、この原因は製造過程内の不良であり、機体整備上あるいは設計上の問題ではないとの発表があった。

ペンタゴンF-35管理室のスポークスマン、ジョー・デラべドヴァJoe DellaVedovaによると25機全部の飛行再開は不良品の燃料ラインの交換が完了すれば可能だという。すでに不良品は全点が点検済みで、問題がある部品は交換されるという。問題の部品はF-35Bの排気系の一部だ。
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Stratoflexは英国のロールスロイス Rolls Royce Plc向けの製造契約企業であるが、F-35Bのエンジンはプラットアンドホイットニー製だ。

ペンタゴンF-35統括室はまず開発テスト用の機体9機の飛行制限を解除しており、海軍航空システムズ部門を統括するデイヴィッド・ダナウェイ中将Vice Admiral David Dunawayがその後16機の飛行制限を解除している。この機体は訓練用に使用されていた。

なお、空軍向けA型と海軍向けC型の飛行には今回の問題は影響を及ぼしていない。燃料ライン部品が異なるため。


今回の飛行停止措置の結果がF-35Bのテスト日程にどのような影響をおよぼすかは不明だ。これまでは同型はわずかであるが予定よりも先を走っていたが、30日の飛行停止の影響は確実に出てくるだろう。

ペンタゴンはStratoflex製部品の分析を継続し、プラットと詳細点検・修理の費用負担を協議するという。

プラットのスポークスマンであるマシュー・ベイツMatthew Batesは同型の飛行再開決定を歓迎し、根本原因は解決ずみだという。「納入業者と追加措置をとりホースの機能確保をしたので、エンジン推進系全体の機能維持はもう大丈夫です」 ただしベイツは今回の点検修理の費用負担は誰がするのかについては言及していない。

F-35B各機から合計82本のホースが取り外され、ミネソタ州でCTスキャンを受けている。初期分析では36本中10本で締め付けが限度以上になされていることが判明している。ペンタゴンと海軍はテスト機のエンジン性能結果からホースの性能要求内容を修正している。締め付け度が過剰だったホースも合計1,600時間の飛行で異常は発生していないという

2013年2月10日日曜日

初飛行したY-20の性能は意外に低水準、しかし今後の向上策には要注意

Avic Y-20 Airlifter Awaits Better Engines


aviationweek.com February 04, 2013
Chinese Internet
Bill Sweetman Washington and Bradley Perrett Beijing

初飛行はしたものの性能向上の課題が残る機体、それがこのたび登場した中国の Y-20輸送機だ。1月26日に初飛行した同機は一見現代的な機体に陳腐化した60年代技術のエンジンの組み合わせとなっている。そのため、運用上で大きな真価を発揮できる機体ではなく、せいぜいイリューシンIl-76よりわずかな性能向上を提供するだけだろう。
  1. というものの同機にはもう少しまともなエンジンが開発中だ。中国が高バイパス比エンジン技術を実用化したとき、同機の性能は急上昇する。ComacのC919旅客機にも同様に高性能エンジンが開発中だが、道は遠い。
  2. Y-20の機体開発が成功したことが中国航空産業では重要な成果だ。これまでおよそ60年間に渡り中国は主にソ連時代の設計をコピーするだけに終始してきたが、Y-20は純国産機では最大規模で、80年台に失敗に終わったY-10旅客機よりも大きい。
  3. ただしY-20の就役は2017年以降になりそうだとの観測が中国国内にあり、機体には複合材料が使われているというが、機体の大部分はアルミニウム製のようだ。また、「超臨界」主翼構造にになっているという。その目的が後日エンジン換装を見込んだものなのかは不明だ。
  4. 機体寸法と外観ではIl-76に近いもののY-20は完全新設計の機体だ。エンジンも同じサツルンD-30KP中バイパス比エンジンが搭載されている。ただしIl-76より主翼幅が短く、機体幅は逆にわずかに大きくなっている。エアバスA400Mよりも大型で、ボーイングC-17機体と直径はほぼ同じで全体では小型だ。
  5. Aviation Weekによる同機の詳細性能の推定値と中国国内で報道されている値は食い違いっている。中国報道ではY-20の全幅45メートル、全長47メートル、全高15メートル、基本重量200トン、ペイロード66トンとしている。その根拠は不明だが、2006年に同機開発が始まった際の推定値に近い。Il-76との比較で同じD-30KPエンジンの性能から見て公表されている重量とペイロードは大きすぎる。
  6. Y-20の組立は西安航空機が行い、ロールアウトは2012年12月だった。機体構成はロッキードC-141に近い。主翼の取り付け位置、、中程度の後退角は低速度での飛行性能を重視した一方、適度な巡航速度が期待できる。また、降着装置を機体内に格納し、T字尾翼となっているのも同じだ。C-141以降の輸送機はAn-124除き、同様の構造を踏襲している。Y-20の主翼では全体に渡りスラットが付けられ、フラップは三段式だ。エンジンはIl-76同様に低い位置に取り付けられているが、C-17のようなエンジン推力を利用したフラップは採用されていない。
  7. エルロンで揚力を低速度で稼ぐ構造で、大型のスポイラーが付けられている。C-17同様にY-20のラダーも四枚構造だ。
  8. Il-76よりもコックピットは小ぶりで乗員3名となっているので貨物室の容量増加に貢献している。中国国内報道ではIl-76よりも輸送容量が大きく、現在運用中の戦略級輸送機の中では一番身軽だとしている。貨物室直径が大きいことでヘリコプターや建機を搭載できるとしているが、貨物室全長はIl-76より短い。
  9. 降着装置の構成はA400Mに類似しており、2輪一組で3基を左右に備えている。機首ノ降着装置は90度回転し、簡易な飛行場での運用が可能だという。
  10. D-30KPエンジンよりも20%以上の効率向上を実現するターボファンエンジンをAvicエンジンが瀋陽で開発中で、WS-20の名称となるだろう。これはWS-10戦闘機用エンジンからの派生型とみられる。
  11. D-30KPのバイパス比がCFM56と同程度なのに対し、Y-20が同エンジンを搭載して初飛行したのは中国製エンジンが未完成であるためで、開発が完了していないのか、完成していても信頼度が不足しているからだろう。
  12. これよりも実現が巌しいと見られているのがCJ-1000エンジンで、Avic民間航空機エンジン部門がComacのC919用に開発中のものだ。ねらいとしてはCFMのLeap-1と同程度の性能をめざしている。CJ-1000開発は技術上の問題に直面しているが、潤沢な資金が投入されている。十分な推力が提供出来れば世界標準の運航効率が実現できるので、同エンジンがY-20の性能を引き上げる可能性はある。Y-20の運用では中国海軍が揚陸運用能力を開発し空母を就役させている中で、中国政府が一貫して推し進めている軍事力前進配備能力の増強の一部となる。世界の専制国家体制の行動と共通して中国も他国の内政へは不干渉の原則を強く掲げている中で中国報道ではY-20による人道援助、災害援助を強調しているのは驚くに当たらない。たしかにこのような任務が同機により実施されれば中国の国際イメージも向上するだろう。
  13. 軍事力の前進配備能力という観点ではY-20の出現で近隣国が過敏に心配する必要はないだろうというのがオーストラリアの軍事アナリスト、アンドリュー・デイビスAndrew Daviesの見解だ。航空機よりも多くを輸送できる海軍力のほうが心配だというのだ。「Y-20は中国の目指す軍事力投射の道具にはなるが、それ自体はとりたてて威力のある要素ではない」というのだ。また、空輸能力は中国のような大国では国内的にも重要な意味がある。
  14. 中国もロシア並みに空輸能力の整備に並々ならぬ努力を払っている。中国の部隊では第15空輸軍団が中国国内および近隣国向けの危機状態に対応すべく待機中だ。また空中投下が可能な特殊軍用車両の開発も続いている。その最新型がNorinco ZBD03でロシア製BMD-3を元に 30-mm 2A72機関砲を搭載している。第15空輸軍団にはヘリコプター部隊もあり、Y-20の貨物室でヘリコプター輸送も想定される。現状の中国の空輸能力は中国製Il-76の機数が不足しているために制約を受けている。

2013年2月2日土曜日

海外販売に期待するボーイング防衛部門の期待はインドだ


International Orders Boost Boeing Defense


By Michael Mecham
aviationweek.com January 31, 2013
Credit: Boeing

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ボーイング防衛部門への各国発注の比重は同社受注残で全社レベルで24%、防衛宇宙安全保障部門では41%相当にまで増えていることが同社の1月30日発表で判明した。
  1. 防衛部門の売上は2%増加して326億ドルになり、民間商用機部門の491億ドルに近づく勢いでその中でもボーイング軍用航空機部門の増加10%が大きい。とくにAH-64DアパッチとCH-47チヌークのヘリコプター2機種の生産ペースがあがっている。また、KC-46給油機の生産が開始されており、インド向けにはP-8I海洋パトロール機の一号機が納入されている。

  1. 一方で中間飛翔段階ミサイル防衛と衛星案件で売上が伸び悩んでおり、世界規模での顧客向けサービス・支援プログラムでも売上拡大が勢いを失っており、総額86億ドルにとどまっている。ただし、ことしは米空軍向けC-17輸送機の供用維持契約とF-15合計68気の改修により売上の伸びが期待される。

  1. 米国向け防衛案件が弱含み担っている一方で、海外販売はそれを上回る勢いがあり、現時点でボーイング防衛部門の売上24%相当になっている。インド向けには今年のボーイングはP-8Iをあと3機およびC-17を5機納入する予定だ。■