ターミナル1(宇宙の商用利用)、ターミナル2(ISRなど軍事航空)共通記事です
Darpa Targets Spaceplane Technology At Launch Industry
By Graham Warwick graham.warwick@aviationweek.com
Source: AWIN First
aviationweek.com November 21, 2013
Credit: Darpa
国防高等研究プロジェクト庁(DARPA)が試験宇宙機Experimental Spaceplane (XS-1) で目指すのは再利用可能として低コストで軍用、民生の衛星打ち上げを実現することおよび極超音速技術の実証だ。
- 同庁は開発に成功した場合は技術を米各軍に移管する通例があるが、「XS-1のパートナーは民間産業」と同機開発の主査ジェス・スポーナブル Jess Sponable は言い切る。
- 米国政府向けの低コスト・柔軟対応型の打ち上げ手段として、Darpaは再利用可能な第一段ロケット技術をXS-1で実証し、海外に奪われている商用衛星打ち上げ需要の再獲得も狙う。
- 計画ではXプレーンを再利用可能な第一段で発進させ、3,000-5,000-lb.級のペイロードを5百万ドル以下で低地球周回軌道に乗せる技術を実証する。さらに年間10回以上の打ち上げを目指す。
- .これに対しオービタルサイエンシズ Orbital Sciences のミノタウロスIV Minotaur IV 使い捨て式ブースターで同等のペイロードを打ち上げると費用は55百万ドルで、しかも年間一回の打ち上げしか想定していないとDarpaの資料は説明している。
- Darpaは2014年第一四半期中にフェイズ1初期設計契約業者を3ないし4社選定し4百万ドル程度を交付する。その後、140百万ドルで単一契約社を選定し、実証機の製作、飛行を実施させる。
- フェイズ2から3に移行し初飛行は2017年第三四半期となり、軌道飛行実証はその一年後になる予定。
- 技術上の課題はXS-1を10日間隔で10回飛行させ、うち最低一回はマッハ10以上の飛行とし、実証用のペイロードを軌道に運ぶことだ。
- 10日以内の再打ち上げを10回実施することで再利用の性能を実証し、運航限界を引き上げることをめざす。各フライトで離着陸を行う。
- マッハ10以上の速度を実現することでXS-1は使い捨てとなる上段部分の寸法を小型化すること、1ないし2百万ドルを節約することが目標だ。
- 動圧 dynamic-pressureや負荷率での要求はないがマッハ10超機となると大気熱制御aero-thermal capability の技術が必要となり、これの技術獲得で宇宙空間への移動や極超音速試験が可能となる。
- 同様に試験機でペイロード質量の性能要求は設定されていないが、将来の実用型機体による軌道飛行の可能性を実証するのがそもそもの目的とDarpaは説明している。
- Darpaが想定しているXプレーンのサイズはF-15程度で垂直離陸、水平着陸が可能な主翼つきスペースプレーンで動力はスペースXのマーリン1Dロケットモーター2基だ。
- 打ち上げ総重量は224,000 lbでこれに対しミノタウロスIVは総重量190,000 lbでペイロードは4,000-lb.だ。今後はNK-33/AJ26エンジンの採用で機体サイズを拡大できる、とDarpaは見る。
- XS-1開発の目標は「上昇する宇宙システム費用のサイクルを断ち切る」こととし、その例としてGPS IIIでは衛星単価500百万ドル、打ち上げ費用が300百万ドルであるの対し、1978年のGPS第一号では単価43百万ドル、打ち上げ55百万ドルだったという。
- 以前も再利用可能な打ち上げ機を作る試みがあったがすべて失敗しており、1990年代初頭のX-30、90年代後半のX-33はともに必要な技術が追いつかず実現せず、開発は打ち切りとなっている。
- 今回は技術で進展があるとし、軽量低コスト複合材での機体構造、燃料タンク形成、耐久性のある熱防護手段や再利用可能な推進機構で航空機に近い運用が可能となるとしている。■
コメント
コメントを投稿
コメントをどうぞ。