USAF Eyes T-X, New JStars Projects
By Amy Butler
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com September 23, 2013
米空軍の三大次期機種調達F-35、KC-46給油機そして長距離爆撃機以外の機体に将来はあるのだろうか。
- ここ数ヶ月にわたり米空軍から発信されるメッセージが厳しく統制されている。上記三機種は推進し、残りは削減対象にするか、あるいは新開発機種であれば無期限の延期にするか。だが、空軍参謀総長マーク・ウェルシュ大将が自ら優先順位案を示している。強制予算削減で実際に支出策が大幅に削減されるが、案はその先を見越したもの。
- トップ3以外にウェルシュ参謀総長は老朽化してきたE-8C地上監視任務機およびT-38高速ジェット練習機の後継機種開発を希望。業界側はすでに両機種更新を見越して準備態勢を整えようとしている。しかし、まず議会が予算計上の可否を握っていることを参謀総長も承知の上だ。
- そこで空軍は「ハイ」と「ロー」の予算案二種類を準備していく。後者が最悪シナリオ想定で強制削減の影響を最大限に予想し、2015年まで続くとするもの。前者は新機種開発が数件認められる前提だ。
- E-8Cジョイントスターズは旧式ボーイング707旅客機の機体を活用しており、中古機を90年代00年代に改装したもの。そのため機体寿命は限定され、維持費用が高い。地上部隊からは監視能力の向上を求める声が強く、移動車両に加え徒歩で移動する兵員までの監視能力が必要だとし、同機の性能が追いついていないとの批判がある。そこで空軍は代替手段検討でビジネスジェット機に新型装備を搭載して速度と運用コストを両方満足させる案が浮上。アクティブ電子スキャンアレイ方式レーダーで技術が進んできたことから多機能探知追跡機能を同時に複数目標を対象に実施できるめどがついてきた。
- E-8Cと同様にE-3空中早期警戒管制機およびRC-135リヴェットジョイント情報収集専用機の機能を同じビジネスジェットに盛り込むことを最終目標とするプロジェクトに空軍が着手している。
- 業界ではT-Xで現行350機のT-38 後継機の採択に備える動きがあるが、米空軍は次期練習機の配備を2023年に先送りしている。BAEシステムズ/ノースロップ・グラマンはホークT2を、ジェネラルダイナミクス/アレニア・アエルマッキはM346で、ロッキード・マーティン/韓国宇宙航空工業はT-50で一般競争に臨む。ボーイングはサーブと完全な新設計機体の実現を交渉中といわれる。空軍訓練教育センター長エドワード・ライス将軍Gen. Edward Rice, head of the Air Education and Training Centerは現在の予算環境ではT-Xをすぐに実現化できないとし、T-38 そのものがまだ安全に飛行できることを理由に挙げる。
- その他米空軍の計画の多くが削減対象になる。空軍は可能な限り「垂直」削減、つまり機種毎の一括共用停止を求めており、この方が節約効果が高いのが理由だという。この垂直削減により特定機種のコスト以外に訓練、部品供給全体の削減効果も見込める。
- その垂直削減の有力な候補がA-10全機とMC-12Wプロジェクトリバティー各機だ。両機種はすきま任務に従事している。「予算問題さえなければ維持しておきたい性能なのだが、維持しておきたい機種が他にあるのでMC-12を犠牲にする」と空軍戦闘軍団司令官マイク・ホステージ将軍Gen. Mike Hostageは語る。L-3コミュニケーションズ製のMC-12Wは2009年に配備されたばかりで、イラク、アフガニスタンでの情報収集機需要に迅速にこたえたものだ。
- これとは対照的にA-10はその精密な近接航空支援(CAS)能力を陸軍から賞賛されている。空軍は以前も同機を退役させようとしたが、陸軍から議会への働きかけで存続が先送りされてきた経緯がある。ホステージ将軍は目標補足機能ポッドと精密誘導弾薬があればCAS任務は他の機種でも実施できるという。「陸軍は不満だろうが、財政危機であることを理解してくれるだろう」と同将軍は言う。「地上支援ミッションをやめるわけではない、単にその方法を調整しているだけだ」.
- これ以外の機種でも部分的な削減対象となっている。ロッキード・マーティンC-130やジェネラルアトミックスMQ-9リーパー無人機がその例で、「プレデター・リーパーは制空権が確保されない環境では無用の存在」とホステージ将軍派言うが、リーパー部隊の適正規模について言及していない。
- C-130では余剰機を処分することになりそうだ。一方でJ型の多年度購入契約も提案されている。空軍は現時点で340機のC-130を保有しているが、航空機動軍団司令官ポール・セルヴァ大将Gen. Paul Selva, head of Air Mobility Commandは300機あれば十分だという。
- 同大将からはKC-10給油機の早期退役も提案されている。ボーイングKC-46が就役することで退役すべきという。KC-10はKC-135より給油能力が大で、海軍、海兵隊機材にも給油ができる点で唯一の存在だ。一方でKC-135が大部分R型に改装されており、同様のミッションを実施できるようになるのも事実だ。
- 給油機の必要機数は479なので、KC-46の第一期分18機の編入が2017年に実現する時点でKC-10全機を退役させることが可能だろう。
- さらに削減対象にはC-5A部隊があり、同型は信頼性でC-5Mより相当低くなっている。M型はエンジンを換装し、信頼性が高くなった。議会は国内空軍基地の閉鎖を恐れ同機の退役を差し止めた経緯がある。
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