Questions Surround U.S. Commitment To Asia-Pacific Pivot
By Michael Fabey
Source: Aerospace Daily & Defense Report
aviationweek.com August 23, 2013
Credit: U.S. Navy
地政学の観点からアジア太平洋重視で軍を配備する米国の戦略に疑問がでている。同様にアジアの観点から分析した結果があり、ともに米国がアジア太平洋でどこまでの軍事力を展開するかの疑問がでている。この疑問が表面化する一方、同地域のアメリカ同盟各国が軍事増強をしている。
- 関心のすべてが中国に集中しており、同国の意図と地域への影響が関心の的だが、実は中国は同地域で地政学的には最大の影響を与えられる国ではない、とシンクタンクProject 2049を主催するランドール・シュライバー Randal Shriverは議論を提示している。シュライバーはアーミテッジ国際研究所 Armitage International の共同創設者でもあり、戦略国際研究所Center for Strategic and International Studiesの上席研究員でもある。
- シュライバーは「問題は中国ではない。米国である。もし米国が役割を果たせないと、同地域全体が不安定化する」と発言。
- バラク・オバマ大統領がアジア太平洋への再バランスを重視する中、問題の核心はアジアを担当する意味で現地に飛び込む高官がいないことであり、現政権にも全力を尽くす熱意が感じられないと主張。構想を実現する裏付けも希薄だという。.
- シュライバーは2003年から2005年にかけ東アジア太平洋問題担当の国務副次官補。
- 5月にはシンガポールのアジア国際戦略研究所International Institute for Strategic Studies-Asia (IISS)のウィリアム・チュン William Choong (シャングリ・ラ対話上席研究員)から同様の懸念が出ており、米国の再バランス案は必要な軍事プレゼンスがともなわず米国の真意は疑問だとしている。全域で薄く展開して、大きな力を示すメリハリがないというのだ。
- 今回はチュンから「米国が支援しているとわかれば中国に対抗する誘惑に勝てなくなる国が出てくるだろう」と発言があった。
- 米国がアジア太平洋に本格的に再配備するかとは別に、米国の同盟各国、提携各国は確かに軍備増強に向かっている。
- オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、パキスタン、シンガポール、韓国、台湾、タイ国の合計で2013年から2018年にかけての軍事支出は合計1.4兆ドルとの予測があり、その前の5年間の実績が9,195億ドルだったので、55%増加することになる。これはAviation Week Intelligence Work (AWIN) によるデータ解析の結果。
- その中でも研究開発の支出が最大の成長を遂げる。66%増の614億ドルとなる見込み。
- 一方、装備調達は61%増で3,796億ドルとなる。なお、2008年から2012年にかけての実績は2,359億ドルだった。■
コメント アジア太平洋重視という大きな戦略はいいのですが、問題はその実施方法です。写真は米海軍が多額の予算をかけて実用化を目指すLCS(沿海戦闘艦)ですが、F-35と同様に遅延、期待に見合わないパフォーマンスで問題となっていますね。一部にはこれなら既存のフリゲート艦の建造再開をしたほうがいいとの意見もあるようですが、米海軍が思い切って役割を分担し、沿海防護は地域内各国に任せる、米海軍は空母戦闘群をともかく西太平洋に維持し、対潜能力は日本に任せる、という思考の切り替えをしないと「薄く、低い戦闘能力」の展開に終わってしまうのでは。あ、そうなると共同安全保障の実施は必至ですね。
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