United Tech's Sikorsky Sole Bidder In U.S. Helicopter Contest
aviationweek.com January 04, 2013
米空軍は1月4日金曜日、総額68億ドルのヘリコプター調達入札で入札が一社しかなかったとの情報の確認を拒否した。入札は前日に締め切られており、空軍はそのような情報は「調達先選定で機微情報となる」ためだという。
- 今回の入札対象は新型戦闘捜索救難ヘリコプターで入札会社が一社になったことで、空軍は本案件の調達方法を新たに考える必要が生じるとみられる。
- 入札したのはシコルスキー・エアクラフト(ユナイテッド・テクノロジーズCorp傘下)でH-60を元に製造するものだと同社が明らかにしている。その他予想されていた各社は今回の入札に参加しないと確認しており、そのうち一社は競争入札の条件で法的な対抗措置を取るか検討中だという。
- .空軍スポークスマンは入札者数についても、空軍が単一供給先空の調達に踏み切るのかについても言及を避けた。
- 同 スポークスマンは空軍は「公平かつ開かれた透明性のある手順で」新型で調達可能な金額の戦闘救難ヘリコプターCombat Rescue Helicopter (CRH)の選定に引き続き努めるとしている。「そのためにも選定中の案件の情報を公開することは禁じられています。選定が完了して契約社が決まれば CRHの詳細についても制約なしでお話できるのですが」
- チャー ルズ・デイビス中将Lieutenant General Charles Davisは空軍の調達業務のトップでロイターに対して今回の提案競走では空軍はCRHに求められる性能諸元をそのまま参加企業に伝えられる構造にしてあ ると明かしている。だが同中将は今回の入札条件がシコルスキーに有利になるように作成された事実はないとし、シコルスキーが単一の入札社となっていれば同 社に詳細な価格費用のデータ提出を求めていくと語った。.
- シコルスキーは仮に他の競合会社がない場合はそのようなデータ提出の請求が来ることは承知していると発言している。なお、シコルスキー案ではロッキード・マーティンが重要な協力契約会社となる。
- ボーイング、ベル・ヘリコプター、EADS、およびアグスタウェストランドと組んだノースロップ・グラマンからはそれぞれ今回の入札に参加しないとの発表が出ていた。
- その時点で業界関係筋からは今回の入札ルールが非常に狭く構成されており、シコルスキーのブラックホーク以外のヘリコプターは競争に残れない形になってしまい、その他機種が提供する性能の正当な評価ができないとの指摘が出ていた。
- デ イビス中将はすでに先月の時点で単独入札の場合への対処方針をすでに作ってあるとしながら、複数入札が望ましいと発言していた。同中将は空軍が調達方法が 「星雲状態」から脱して「オープンエンド」に移ったのは業界にとって良いことで、各社が情報を得てから入札参加すべきかの意思決定ができるからだという。 一方でより厳格に要求内容を定義することは軍用装備で近年は調達方法がオープンになる一方客観性を欠く形になっていたために各社の抗議が相次いだための措 置だと説明。
- ボーイングは一度はH-47で救難ヘリ調達入札を勝ち取ったが、競争に敗れた各社の抗議により150億ドルの商談が白紙に戻っている。
- その結果、空軍は調達方法で一層慎重になっている。■
コメント KC-Xの時もそうですが、最近の米空軍の機材調達では二転三転し、競争に敗れた会社からの抗議も相当なものとなるという泥仕合が続いていますね。現在の 軍用装備で本当に公平で開かれた競争が可能なのでしょうか。納税者はそれが必要だと言うでしょうが、意欲を失う会社が現れては予算そのものが縮小してい く=市場が小さくなる国防装備調達の世界では困った事態になります。業界の秩序が乱れているから各社も必死なのでしょう。一方で革新的な技術を利用するた めにも開発研究が円滑に実施される必要があります。そうなるとこの先は国家が丸抱えで防衛産業を支えていくのか、各社が競合をやめて分業で生き残りをかけ るのか、に絞られるのでは。皆様のご意見はいかがでしょうか。
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