2013 Forecast: Commercial Up, Defense Down
December 31, 2012
Graham Warwick
民間機生産は増加、国防予算は低迷。経済の不確実性と地域不安定度がこの双方に影響を与える。これが世界と航空宇宙、防衛産業が迎える2013年の様相だ。詳細を見て行こう。
- Aviation Weekの恒例の年間予想特集で繰り返して出てくるテーマは中国であり、同国の拡大する金融、産業、政治、軍事各面の影響が世界の航空宇宙産業・国防に与える影響だ。
- ステルス戦闘機のニ機種同時開発、航空母艦で航空機運用、各種無人機の公表がこの二年間で中国が世界に示してきた進展であり、米国の技術優位性は狭まっている。
- 商用機分野では中国は相変わらず西側製品の最大の購入国であり、ビジネスジェット機でも拡大する市場でもある。同国は世界の航空運輸業界に対する資金投入でも世界をリードしており、12月には米国企業国際リース金融International Lease Finance Corp.を48億ドルで購入してその立場をさらに強固にしている。
- 最大の関心を呼ぶのは中国が製造面で大きく進展しようとしていることだ。90席のARJ21の型式証明は難航しているが、Comacは160席C919の開発を進めてエアバスとボーイングに挑戦する構えだ。倒産したホーカー・ビーチクラフトHawker Beechcraft の企業買収は2012年に挫折したが、今後も企業買収や共同生産を進める中国がこのままではビジネス航空分野で主要な生産国になると見る向きが主流だ。中国が次に目指す強化分野はエイビオニクスとエンジンだ。
- 今年はAviation Weekの年間予測としてははじめて軍事分野の分析と民間機の保守点検市場動向を盛り込んている。
- また、今後五年間の傾向予測も取り入れて、戦闘用航空機、軍事輸送機、回転翼機、民間商用機の引渡し動向を2013年から27年まで予測している。
- それでは各論ではどうか。大型民間機分野では2013年は受注は小規模にとどまるものの、生産量は記録的な高さに上るだろう。2013年中に初飛行を迎える主要な機体にはエアバスA350、ボンバルディアのCシリーズ、三菱MRJがある。ビジネス航空分野は停滞するが、回転翼機は反撥するだろう。
- 国防分野では2013年は世界的に支出が低水準になり、既存機種の有効利用に焦点が移るだろう。ロッキード・マーティンF- 35共用打撃戦闘機の開発が深刻な局面に直面するのは共同開発パートナー各国が費用増大に懸念を示しているためだ。宇宙分野では2013年の期待は打ち上 げ業務を政府から民間へ移行する流れがいよいよ本格化することだ。年末までに初の商用亜軌道旅客輸送が開始になる見込みだ。■
コメント 2013年が始まりました。国防関連では今年はぱっとしない年になりそうですが、次の潮流は明らかに水面下ではじまっています。無人機、ISR、電子戦、サイバーとこれまでの航空業界の主流とは異なる動きが主流になっていくとすれば、当ブログの役割もそれなりに果たすことになりますね。今年もよろしくお願いします。
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