2012年9月30日日曜日

心配なサイバー攻撃の増加傾向----米国が中国を名指しで非難

US Cyberwarrior Accuses China Of Targeting Pentagon

aviationweek.com September 28, 2012

米国サイバー軍団U.S. Cyber Commandの情報将校トップが中国に対して、ペンタゴンのコンピューターに侵入する試みを繰り返し行っていると非難し、サイバー軍団の米軍事機構内での地位を高めるべく提案をしているとも発表した。
  1. . 「中国から国防総省を狙う試みは絶えず続いています」とし、同時に企業の秘密事項も盗み出そうとしていると発言したのはサミュエル・コックス海軍少将(サ イバー軍団情報部長)Rear Admiral Samuel Cox, the command’s director of intelligenceだ。
  2. 国家防諜活動局Office of the National Counterintelligence Executiveは一年前に「中国は世界で最大の経済諜報活動の犯人」だとする報告書をまとめている。
  3. 「今も続いており、むしろ加速しています」とコックス少将は中国がペンタゴンの秘密を盗み出そうとしていると糾弾している。
  4. 実際に極秘の米国側ネットワークが侵入されているかについて、コックス少将は「その点はお話できない」と答えている。これまでに発生した事例は公表されていない。
  5. これに対し在米中国大使館からのコメントはなかった。過去において中国側はこのような非難について否定してきている。
  6. サイバー軍団の使命は国防総省下のネットワークの防衛ならびにサイバー空間での米側の攻撃を実施することにある。二年前に創設され、戦略司令部U.S. Strategic Commandの一部となっている。
  7. コックス少将はサイバー戦部隊を合同戦闘部隊の地位に引き上げようという提案があると説明。これが実現するとサイバー軍団は戦略軍と同じ地位になり、国防総省にあるトップレベルの軍組織のひとつとなる。
  8. 本件は国防長官に送付ずみで大統領の決済がおそらく今年末に下るだろうと同少将はいう。
  9. コックス少将はシンクタンク大西洋協議会 Atlantic Council開催の会合でサイバー脅威の技術水準と危険度は「加速しつづけており、その変化はすでに単純な直線的な増加を通り越している」と発言。
  10. “So the potential for these things to do destructive damage is very high,” he said.「したがって破壊効果が発生する可能性が極めて高い」
  11. 信頼度の高い報道によると米国ははその他国とともにイランの核遠心分離装置に対しスタックスネットStuxnetの名称で知られる悪意あるコンピュータコードで攻撃したとされる。これが明るみに出たのは2010年のことだった。
  12. . キース・アレクサンダー陸軍大将General Keith Alexanderがサイバー軍団司令官と国家安全保障局長官を兼任しているが、不特定の外国、ハッカー集団、犯罪集団が2009年から2011年にかけ て米国内のインフラ施設へのサイバー攻撃が通常の17倍になっていたと今年7月に紹介している。軍事機構内でサイバー軍団の序列を引き上げることはサイ バー空間内での同軍団の活動をしやすくし、、同軍団の実効力を強化することは米政府機関、同盟諸国、有志連合参加国との共同活動を増やす効果を生むだろ う。■


2012年9月28日金曜日

F-15の飛行時間を二倍に延長する動き





USAF Seeks Afterlife of F-15s

aviationweek.com September 25, 2012

米空軍はF-15イーグルの稼働可能飛行時間を性能改修により二倍以上に延長する。

  1. .「二年半前のことですが、米空軍からC型の疲労テストの要望がありました」(ボーイングのF-15ミッションシステムズ担当部長ブラッド・ジョーンズBrad Jones, F-15 mission systems director)
  2. 当時F-15部隊は総飛行時間合計限界に近づきつつあり、空軍は退役をどこまで先送りできるかを知りたかったのだとジョーンズは説明する。
  3. 同機の設計寿命は8,000飛行時間で最初に配備された機体では10,000時間を超えて飛行しているものもある。ボーイングは疲労試験を経てF-15C/D型で18,000飛行時間相当、E型で32,000飛行時間相当にまで延長する証明を出す準備をしている。
  4. .「構造疲労の補強作業で現行型F-15の耐用年数を延長し、保守点検の頻度が減ります」とボーイングは説明する。
  5. 「F-15の最終稼働日はまだ決まっていません。」とジョーンズはいい、米軍および各国で稼働中の各型の耐用年数を増やすプログラムが複数あるという。
  6. こ のうちレーダー近代化改修ではF-15E全機に2021年までにAPG-82(V)1 パッケージにAPG-79プロセッサーを組み合わせ搭載する案がある。これにより現行のAPG-63(V)3より信頼性、性能で5倍の能力増となる。この 改修の初期作戦能力は2014年初頭の予定。
  7. 高 性能ディスプレイ・コアプロセッサーII(ADCP II)プログラムでは米軍のF-15E全機の搭載コンピューターを更新して、今後の機材の基本形とする。この新型コンピューターでは計算能力が増強され、 ギガビット級イーサネットと光ファイバー接続が可能となる。11月にマイルストンBの決定が下る。
  8. .ボーイングではコックピットシステムも用意しており、内容は大がディスプレイ、薄型ヘッドアップディスプレイ、エンジン燃料油圧ディスプレイの薄型、などでこれまでの23個のディスプレイや計器を置き換える。
  9. 「状況認識が改善されます」とジョーンズは言い、改善事項は購入時およびライフサイクルで機体価格を下げる効果があるという。
  10. . また同社が提案する新型のデジタル電子戦システムDigital Electronic Warfare System (DEWS)はこれまで使われた旧式装備にかわるもので、レーダー警告受信機、ジャマー内部対抗装置、妨害手段発射装置、送受信干渉防止装置 interface blankerが不要となる。
  11. このDEWSでは導波管や窒素加圧化は不要だとボーイングは説明しており、デジタルシステムにより処理能力は200%以上増加し、メモリーの余裕が生まれるほか、広帯域のレーダー他高周波利用システム各種との運用性が向上するという。■

2012年9月27日木曜日

中国二番目のステルス機J-31の素性を考える

China Unveils Second Stealth Fighter

By Bill Sweetman, Richard Fisher, Bradley Perrett
 
Source: Aviation Week & Space Technology
aviationweek.com September 24, 2012

中国が低視認性(LO)あるいはステルス性戦闘機の第二番目の機種の存在を明らかにした。瀋陽航空機工業で生産された同機はおそらくJ-31の呼称がつき、成都航空機製 J-20が2010年末に知られるようになったのとおなじ形だ。インターネット経由で同機の写真は米国防長官の北京公式訪問前日にリークしている。その メッセージはあけすけで、米国が太平洋に海空戦力を増強する政策を実行に移す中、中国は軍装備の近代化を着々と進めていることを示している。

  1. 写 真ではJ-31が先に出たJ-20とは大幅に違うことが明らかだ。J-31は小型で、J-20の三分の二程度だ。機体にはF-22との類似性も見られる が、機体寸法上はむしろF-35に近い。機体下部空気取り入れ口から後方エンジン手前は兵装格納庫になっている。J-20のような機体側面の格納庫はつい ていない。飛行制御は通常型を採用しており、方向舵と一枚構成のフラッペロンは統合されていない。
  2. J-20と同様にステルス形状の技術面ではロッキード・マーティン製 戦闘機と非常に似通っているのがわかるが、エンジンノズルは通常型だ。ノズル形状は成都JF-17戦闘機搭載のクリモフRD-93エンジンのノズルから胴 体にあわせるためについていた「首輪」をとっただけだ。推力方向制御は中国でも研究されているものの実際の飛行展示事例はない。
  3. で はJ-20とJ-31で共通するのは実験機の段階を終了しているように見える点だ。両機ともに実寸大の実証機でありながら兵装格納庫があり、両機とも既存 機種の部品を流用していない。ただし、両機とも実戦型の開発および本格生産の開始がどうなるかは不明だ。中国は非ステルス戦闘機の生産を継続しており、一 方でいつになったら発動機のロシア依存を不要にする実用的な国産エンジンの生産が始まるのかは不明だ。(JF-17全機がRD-93を搭載しており、国産 の杭州WS-13エンジンは開発が完了していない。)
  4. ステルス戦闘機二機種について中国政府からの公式情報開示はないものの、「非公式」情報がインターネット上で政府によりとびかっており、瀋陽製戦闘機についてさまざまな情報が見られる。
  5. 2011年9月、中国の航空工業集団Aviation Industries Corp. (Avic) が無人機(UAV)のモデル機コンテストにスポンサーとなったが、瀋陽航空宇宙工科大学からステルス機に見えるモデルがエントリーに参加していた。
  6. 今 年6月には実寸大の戦闘機機体が垂直尾翼を外したまま瀋陽から閻良空軍基地Yanliang Air Baseまで公道を堂堂と搬送されるのが目撃されている。同基地は中国軍のフライトテスト拠点である西安地区の航空宇宙都市近郊にある。その時点でこの機 体は同基地内で静応力試験に使うのではとの観測があった。この機体の形状はだいたい瀋陽航空宇宙工科大のモデルと類似している。
  7. 中 国国内筋の情報を総合すると瀋陽製の戦闘機には空軍が資金を全面提供していない可能性があるが、成都J-20との競作に敗れた機体を発展させたのではない かという。Avic傘下企業のひとつが成都航空機であり、瀋陽航空機も同じだ。両企業はライバル関係にあることが伝統になっている。この克服策として 同企業集団は両企業を結束させたのが2008年であるが、中国国防省が企業集約にに難色を示し、むしろ各企業への指導力を温存しつつ競争効果をあげたいと 考えている。
  8. た だし瀋陽に政府の公式なスポンサーがある可能性がある。中国海軍だ。瀋陽は海軍向け初の艦載戦闘機スホイSu-33を原型としたJ-15のメーカーでもあ る。今回のJ-31は小型でありJ-20より空母運用に適しているかもしれない。ただし、空母運用であれば主翼面積の拡大や揚力制御、推力制御などの改修 が必要であるが。それが実現すれば、J-31はJ-20より小型、安価な選択肢になりうる。■


2012年9月23日日曜日

音響探知不可能な潜水艦が出現する可能性

U.S. Navy Eyes Technology To Cloak Subs

aviationweek.com September 03, 2012

米海軍は潜水艦のステルス化をさらに進めその存在を遮蔽化する技術研究に資金投入している。まるでトム・クランシーの軍事スリラー小説かスタートレック の映画のようだが現実の話である。ウェイドリンジャー・アソシエイツWeidlinger Associates(ニューヨーク)が海軍の中小企業技術革新研究Small Business Innovation Research (SBIR)予算で進めているこの技術開発ではアルミニウムを加工変形させて「弾力性」を持たせ、同社が「金属水」と呼ぶ形にすることができる。
  1. 国防アナリストはこの技術で水中戦が根本から変わり、探知されず海中で待ち伏せをすることができると見る。
  2. 潜水艦作戦では音響特性がすべてで静かな潜水艦が優位な立場になるものの、探知技術も進歩してきた。
  3. そこで新技術では水中発生音の音紋を大幅に下げ、アクティブソナー音紋も小さくすることで高性能マル チスタティック探知機でも発見されにくくなる。
  4. こ の音響回避技術を潜水艦および無人水中機UUVsに応用するのがSBIRフェーズIIの目標だ。その中で表面剤を新たに作り、広帯域 パッシブ導波管の機能を持たせ、音響エネルギーの方向を変えることができ、アクティブソナーにも「事実上探知不可能になる」と同社は説明する
  5. 現在使用中の表面剤には二種類あり、ひとつが「分離剤」で船体と海水の間に不整合を生じさせ放射雑音を抑えるもの。もうひとつが「吸 収剤」で、アクティブソナー音を吸収する。
  6. 隠蔽化技術は機能性素材を組み合わせて上の二つの機能を同時にねらう。ただし吸収より方向変化を重視する。理論的には理想的な遮蔽塗膜を使えば放射雑音とソナーの威力を同時に消滅させられる。
  7. この表面塗布剤により水中振動も減衰できるので、パッシブソナーの音紋も下げることができると同社は説明。
  8. この技術の鍵を握るのがメタマテリアル各種の開発。メタマテリアルは金属と他の固体をまぜて作るが、顕微鏡的な規模で整備さ れた構造(たとえば格子状)を有する特徴がある。
  9. ウェイドリンジャーの技術はアルミに六角形のセル構造をもたせ、潜水艦の船体全体を包む円筒形の遮蔽を実現する。
  10. この実現には「変形音響特性」transformation acousticsと言う新理論を使い、密度・弾力性が異なる素材の層を重ねることで生まれるが、その結果として船体の振動と周囲の海水を分離し、雑音の放出を抑える効果がある
  11. 「メ タマテリアルでソナー探知の回避が根本的に変わる」と同社は見ており、「音響特性分布が判明している素材」“acoustic-mapped metamaterials” (AMM) は画期的。弾力性をうまく制御すればAMM表面塗膜は音波を誘導し、内部構造を探知不可能とし、アクティブソナーでの探知が不可能となる。
  12. ただし開発中技術の常で、同社も「AMMには実用化までに相当の開発工程が必要で、AMM理論も最近やっと使えそうな段階に達したばかり」と付け加えている。
  13. これまで電磁波の延長で考えてきた理論は「物理的に実現不可能」だと同社は言う。「当社の提案は広範囲なコンピュータ実験でリスク最小限の開発をすすめることです。AMM理論は実証ずみの有限要素コードで使うべきものです」
  14. 同社はAMM理論を潜水艦の形状で使えるかをテストためAMMマイクロ構造の有限要素研究を行う予定で、その目的は「現在提示されている素材で求められる複雑でユニークな弾力特性が実現するかを見ること」だという。
  15. 最小単位の結晶、単位胞unit cellの解析で複合材の構成が決まると同社は見る。また、同社は「海軍向け複合材料の一流メーカー数社とAMMマイクロ構造が大量かつ低コストで生産可能かどうか」打ち合わせているという。
  16. ただし落とし穴もある。塗布剤は艦の重量を増やすものになりかねない。ただし、この技術を実用化するのであれば海軍はこれは覚悟すべきだと同社は言う。「隠蔽化技術は重量を増やします。単純にスプレーで塗るわけにはいかない」とのこと。
  17. 同社が開発したソフトウェアの技術実用度レベル(TRL)は-5に達していると同社は明かす。一方、素材の成熟度はTRL-4で構想全体はTRL-3相当だという。(注 米政府が使用する技術評価基準としてのTRLは-1から最高-9まであり、-5は部品レベルあるいは実験モデルで該当環境下で検証可能とするもの。-3とはR&Dが始まったレベル)■


2012年9月22日土曜日

心配なKC-46Aのプロジェクト管理

Boeing Burns Through KC-46 Reserves Faster Than Planned

By Amy Butler
aviationweek.com September 18, 2012

ボーイングは米空軍向けKC-46A空中給油機開発で準備した予算等経営資源を予想より早いペースで消費していることが判明し、その原因をプログラム管理チームが調査中であり、新しい費用見積もりを議会に提出する、と空軍関係者が明らかにした。
  1. ボーイングの言い分はリスク低減策の前倒し実施の結果として予算が早く支出されているが、管理予備費予算management reserve budget の総額に変化なし、というもの。
  2. ボー イングは18ヶ月前に固定価格で報奨金なしの契約締結でEADSを破り、767-2-C原型の空中給油機179機を販売することになった。政府監査部門に よる直近の開発費用は53億ドルで、交渉上限価格の49億ドルをすでに超えている。(契約上限額を超過した場合にペンタゴンが負担する分も含む。)
  3. 政 府監査スタッフはボーイングが400百万ドル上限で開発費用の一部負担をすることを目ろんでいた。そのねらいは同社は生産が順調になり引渡し機数が増えれ ば当然利益を上げることができるはずと見ていたため。したがって準備した予算消費の早さはボーイングに取っては実際の支出なので問題視されるが、ペンタゴ ンにとっては痛くもかゆくもなく、資金がなくなれば同機開発が座礁するだけだからだ。
  4. で はボーイングは欠損をどうやって埋めるかと言うと海外販売へ期待しているのである。シンガポールから真っ先に情報開示請求がありKC-46A購入の意志あ りと認められるとJ.T.トンプソン少将が明らかにしている。しかし、同国はA330ベースの給油機の購入も検討しそうだ。
  5. 管理予備予算とは開発期間中に発生する問題の解決に留保されたもので、プログラム管理者が使うもの。予定よりも早い支出ペースは日程管理のリスク評価の際に明らかになった。
  6. にもかからずトンプソン少将は全体としてみれば同機開発チームは「コスト、日程、技術成果の観点から」KC-46の設計開発を順調に進めていると見ている。
  7. ボー イングはシステム統合ラボsystem integration laboratories (SILs) として開発時のリスク低減を狙う三箇所のうち最初の施設を一ヶ月前倒しで開設している。トンプソン少将は空軍協会主催の会議でこれを発表している。この SILは基本形の767-2C民間型と関連するシステム各種の実証に使われる。残りの二箇所のSILもまもなく稼動開始する予定で、ひとつは空中給油関連 の軍用サブシステム各種、もうひとつはパイロット・ブーム操作員向けのハードウェア包括テスト用に使う。一方、トンプソン少将によるとウィチタ工場の給油 用ブーム組立てラインを閉鎖し業務をワシントン州エヴァレットに移転するボーイングの方針は「リスク要因ではあるが、この時点では実施可能な内容と思われ る」とのこと。移転は来年1月に完了するという。
  8. 一方で事業進展の兆しもある。767機体への実弾発射テストが開始されたとトンプソン少将が明らかにした。さらにスピリットエアロシステムズSpirit AeroSystemsはボーイング協力企業としてKC-46Aのブーム生産を開始した。トンプソン少将はこうした進展および契約上の政府による「厚遇」 もいったん予算執行の強制中止手続きが1月に実行になればすべて徒労に終わると注意喚起している。手続きは議会が政府の赤字削減案に同意しない場合、国防 予算全般を一律に削減することになる。
  9. KC- 46Aはこの手続きで打撃を受ける公算が大だ。トンプソン少将も固定価格で同機開発予算を計上できなかった政府の失態により、契約行為を全部やりなおすこ とになり、条件面で大きく変更になる可能性があると指摘している。「固定価格契約を破れば、同機に盛り込もうとしているものを全部実現できなくなるかもし れません」■


2012年9月19日水曜日

シリア介入のシナリオ:航空作戦は最大規模になる

Syria: Air-Only War Could Be Largest of its Kind

by Daniel Trombly
September 5, 2012 US Naval Institute


シ リア内戦がエスカレートする中、政策立案にあたる人たちの中で「安全地帯」「解放地帯」「緩衝地帯」を空軍力の投入により実現する案が検討されている。安 全地帯を作ることで同国民の被害を軽減し、アサド政権の崩壊を加速することが代償が大きい直接地上介入実現できるなしでとトルコ政府は主張している。イラ ク復興支援の安寧提供作戦Operation Provide Comfort以後の西側による介入作戦に共通しているのは、また90年代のバルカン半島内戦事例でもあったが、安全地帯を設定することが内戦状態の解決 策に見えることだ。ただし戦略的にかつ兵站上の実務で深刻な課題が残る。リビア事例ではベンガジ近辺での安全地帯の執行は比較的容易であったが、シリアで 封鎖中の各都市を保護する場合はより代償も多く、難易度もあがることになろう。
  1. 前 回の小論で示したように飛行禁止地帯の設定とは航空、海上それぞれで作戦が必要となるものであり、シリアで安全地帯を設定するには双方の実施がともに必要 条件となる。敵の防空体制制圧suppression of enemy air defense (SEAD) が不十分なままだと航空優勢を確保しても我が方の戦闘機が飛行禁止区域での活動を展開するのに脅威が残るが、それ以上に脅威にさらされるのは地上攻撃に当 たる航空機であろう。       
  2. シリア作戦では攻撃ヘリコプターや攻撃用ジェット機が活躍を期待されるものの、シリア空軍力の撃滅を決定的に実施する手段として、あるいは安全地帯の維持をする分に十分な手段となることは実現しそうもない。
  3. リ ビア航空介入作戦の成功はむしろ歴史上は異例だった。1993年NATOによるボスニア上空の飛行禁止区域設定は地上部隊による安全地帯攻撃を阻止する事 はできなかった。そのため地上爆撃が実施され、さらにクロアチア地上軍によりセルビア軍を攻撃することが必要となった。湾岸戦争終結後のイラクでは飛行禁 止区域や懲罰的爆撃を数年間継続してもサダム・フセインによるシーア派やクルド族への地上兵力による攻撃を止めることはできなかった。リビアでは安全地帯 の防衛のためリビア地上兵力の撃滅が必要と判明したのであり、空軍を破るだけでは十分ではなかったのである。
  4. .SEAD に成功し航空優勢を確保した次に軍事介入部隊は安全地帯の規模を決定する必要に迫られるだろう。包囲封鎖を受けている各都市の中心部を安全地帯に求める声 とともにシリア国境付近に緩衝地帯の設定を求めるシリア反抗勢力及びトルコ政府の声が出ている。MIT博士号取得候補者ブライアン・ハガティBrian Haggerty の仮定では安全地帯および人道救助回廊を北部イドリブ、南部ホムスを経由する形で設定する。ハガティによる分析では戦闘は最大の都市アレッポで急速に拡大 しており、ここがトルコ国境に近いことが問題だ。アレッポの防御並びに人道救助用の回廊を同地に設定すると兵站補給が増える結果になるとハガティの分析で 出ている。
  5. . この分析ではシリアが有する130-mm M-46榴弾砲の有効射程17マイルを考慮して各都市で半径19マイルの制限地帯を作れば十分だろう。この地帯に向かうシリア部隊を阻止するべくハガティ は交戦地帯を二つ想定し、それぞれ半径28マイルと設定。北ではイドリブ地方を含み、南はハマとホムスを防御する。(重複区域不十分のため三番目の交戦地 帯を設定してアレッポをカバーする必要があるだろう)
  6. それでは各交戦地帯で24時間体制を維持すると必要な攻撃用機材は何機必要になるか。ハガティの計算では90機あれば4時間ずつで15分の間で64個の標的が出現しても対応できるという。
  7. 交 戦地帯二個でハガティの見積もりではざっと180機の攻撃機で、毎日192ソーティーが必要という。さらにこれを支援する情報収集監視偵察(ISR)機か ら目標データを送り、空中給油機から給油し、早期警戒機から支持をお送り、SEADおよび電子攻撃機としてEA-18GグラウラーやF-16CJが作戦参 加機をシリアの地対空ミサイルなど防空網から防御する。
  8. 比 較の意味ではNATOが1999年にコソボで実施した爆撃作戦では一日あたり130ソーティー、リビア介入(作戦名Operation Unified Protector)は2011年3月から10月まで継続されたが一日あたりわずか45ソーティーでリビア反乱軍を支援した。200ソーティーも実は控え めな推定であるとハガティも認めている。
  9. . シリア国軍と自由シリア軍(FSA)の通常兵器装備品の違いを考慮すると航空攻撃作戦の密度は高くなりそうである。FSAもゲリラ戦法で国軍の戦闘力を低 下させる効果を示してはいるものの、基本的な戦法は市街地を想定することが多く、巻き添え被害も甚大な規模になる。即席爆発物を使った作戦も、また国外か ら搬入する対装甲車両兵器もあるが、反乱軍の武器調達に限界があり、都市から戦域を遠ざけるべく通常型防御兵器を市外に設置するのが不可能になっている。
  10. NATO によるボスニア空爆(1995年)ではクロアチア陸軍の攻撃を同時実施してセルビア地上兵力の脅威を除去していた。FSAが量質ともにシリア政府軍の比で はないこと、外国地上軍の介入を求める政治的意思もないことから、シリア国内の安全地帯には数倍の規模の航空機を投入してアサド政権の地上兵力に対抗する 必要がある。
  11. さ らに歴史を紐解くと、安全地帯や人道上の補給路の防御には外国地上軍が必要だとわかる。安寧提供作戦では米第24海兵遠征部隊や米仏の空てい部隊、米伊の 特殊部隊に歩兵部隊、補給、工兵その他が加わり援助物資輸送やクルド族民兵を支援していた。人道援助以外に特殊部隊が目標データの提供、地上支援のための 航空管制を行っている。リビアでは小規模だったこともあり欧州あるいはアラブ諸国でこの任務をこなせたが、上述のようなソーティー数の拡大を考慮するとシ リアでは派兵規模がずっと大きくなると見られる。
  12. 安 全地帯の設定、維持は政治的な意味を別とすれば大規模な軍事作戦である。ハガティの想定する安全地帯の構想が教示するものは大きい。シリア防空網を打ち破 り破壊することに加え、毎日200ソーティーを実施するとリビア作戦時の四倍にも匹敵する規模になり、投入する機材数は6倍近くなる。初期のSEAD任務 以上の関与が外国空軍部隊に可能となるが、シリア国内の安全地帯確保は最大規模の軍事作戦になる可能性が高い。

ダニエル・トロンブリはアナリストであり、国際事情・戦略について著作物がある。同氏のブログはAbu Muqawama  および Slouching Toward Columbia.


2012年9月17日月曜日

共和党大統領当選でF-22生産再開?

More F-22s To Be Built If Mitt Romney Becomes President

                   
Ottawa Citizen
September 16, 2012. 10:30 am


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共 和党大統領候補ミット・ロムニーは空軍にはもっと多くのF-22を調達させるべきだと記者団に語った。当選すれば、F-22生産ラインを復活させるという のがロムニーの案だ。シンクタンクのレキシントン研究所はこの案を支持しつつも問題点を指摘している。ロッキード・マーティンの生産施設はF-22の中央 及び前方部分を生産していたが、現在はF-35生産用に改装されている。また、機体後部を生産していたボーイング社施設も787旅客機生産の一部に使用さ れている。F-22生産用の生産設備は保存されているが、作業員までもボスボール保存はできず、かつての従業員はそれぞれ別の仕事をしている。こうすると 生産再開には相当のコストがかかり、もう一度生産ラインを構築し、サプライチェーンを復活スすると、ロッキードが数年前に日本に提示した一機900百万ド ルという値札より相当高くなりそうだ。

コメント  共和党候補として勇ましい構想であるのですが、生産ラインの再開はそう簡単ではないでしょう。むしろ、そうなると再び日本、イスラエルの関与が期待される かもしれません。それもこれも11月に共和党大統領が誕生するかにかかっていますが、F-Xの本命であったF-22を日本が手に入れることができるかは多 分これが最後の機会になるでしょう。

中国の新型ステルス戦闘機J-31とは

China's New Stealth Fighter. Not a repeat from December 2010.

Ares A Defense Technology Blog

                      
aviationweek.com Posted by Bill Sweetman 9:38 AM on Sep 16, 2012
米国防長官が北京に向かう。ふたたび新型ステルス戦闘機を中国は公表するのか。(ゲイツ国防長官、当時、の訪中でJ-20大型ステルス機を中国が公表している
短 距離離陸垂直着陸性能が共用打撃戦闘機の設計で必要とされた性能の一つで、もう一つがステルス性だ。STOVLのためF-35のコックピット後方には大き な格納スペースが必要となったが、エンジンは単発であり、その搭載位置は通常よりも前方におかれ、ドライブシャフトの長さをおさえ、リフトクルーズ用のノ ズルをバランスを取る形で配置している。
こ のためウェポンベイの容積形状ともに制約が加わり、ペイは四分割されている。AAMように2つ、残りは重量級兵装ようだ。エイミー・バトラー記者が今週号 のエイビエーション・ウィーク掲載の記事で伝えるように、エンジンの周囲に配置されたウェポンベイは熱・ノイズ双方で厳しい環境になっている。
ではJSFにこれらの制約がなくなったらどうなっているかと疑問をお持ちの方にはその実物が出現した。残念ながら、それは中国製の機体である。

瀋陽製の新型ステルス戦闘機の写真が、どうもJ-31の呼称がついたらしいが、中国国内の国防関連ウェブサイトに掲載されている。
J-31の全幅はF-35とほぼ同じ37.5フィートで、F-22よりも小型であり、成都製J-20より相当小さい。エンジンはキリモフRD-93ではないかと思われる。同エンジンは大量にJF-17用に輸入されており、今後中国国産エンジンがでてくるのだろう。
さ らに側面の写真を見ると、エンジン二基はバルクヘッド後方に搭載されているようだ。また、リフトファンを搭載する格納庫がないことから、設計者は機体中央 線に大型兵装の搭載を可能にしている。興味を引くのはインレットダクトの配置が機体内部容積を増やす意味で最適化されていることだ。
さらに最も重要な点はこのJ-31はJ-20の競合機には見えてこない点であり、むしろ補完関係にある点だ。これはJ-31がJSFの役割で、J-20がF-22への対抗なのだろう。
また同機にF-22およびF-35と類似性を覚えるのであれば次の2010年報道内容を思い出してもらいたい。
昨年(2009年)だけでもロッキード・マーティンは同社と契約した「6から8社」メーカーが「完全に社内秘を奪われ、電子メール、社内ネットすべてで侵入をされた」ことがわかったと、ロッキード・マーティンの情報保護責任者が明らかにしている。

2012年9月13日木曜日

イラン攻撃に踏み切るのか微妙なイスラエルの動向に注意が必要

Israel Discussing Iran 'Red Line' With U.S.: Netanyahu


aviationweek.com September 10, 2012

イスラエルは米国イラン核開発の『最後の一線」“red line”をどこに引くかの検討をしているとベンジャミン・ネタニヤフ首相 Benjamin Netanyahuが発言した。
  1. これはカナダCBCテレビで日曜日放映されたインタビュー内での発言で放映はカナダがイランと核開発問題を巡り断交してから二日目の時点で、ネタニヤフからは明確な基準があれば軍事行動の実施を未然に防止できるとの発言があった。
  2. ネタニヤフが求めているのは世界主要国が「明白な基準線」を引くこと、つまりイランの核開発の進展を止める決意を示すことで、同首相が米国に対して特に不満の度を高めているあらわれだ。
  3. 米国政府はイランに最終警告を出すことに反対の姿勢だったが、イスラエルには外交による解決、制裁の効果でイラン核開発を平和裏に阻止するよう圧力を強めている。
  4. 最近イスラエル発の論調が強硬になっていることから同国がイラン攻撃に11月の米大統領選挙前にも踏み切るのではとの観測があり、オバマ大統領も親イスラエル票を敵に回さないよう軍事支援を与えるのではないかと見られている。
  5. これに対しネタニヤフはイスラエル単独攻撃案に国内安全保障トップだけでなくシモン・ペレス大統領Shimon Peresからも反対されている。世論調査ではイスラエル国民大多数は米国支援のないままイラン攻撃の実行には求めていないことが判明した。
  6. . 「イランが最後の一線を認識しているとは思いません。また早くこれを設定すればするほど別の行動の必要が減ります」とネタニヤフは発言しており、軍事行動 を暗示しているようだ 「もしイランが理解できればチャンスはある。保証はできないが、イランも一線を踏み出す前に小休止するはずだ」
  7. イスラエルおよび西側はイランは核兵器開発をめざし作業中と認識している。イスラエルは中東で唯一の核兵器保有国と広く信じられており、核武装したイランは同国の生存にとって脅威となるとしてきた。イランは核開発は平和目的限定だとしている。
  8. イスラエル政府の高官は匿名を条件にこの最後の一線について米国政府と協議中であるとあかしたが詳細は語らなかった。
  9. I イスラエル日刊紙ハアレツHaaretzは月曜日にネタニヤフ首相がドイツ外相ギド・ヴェスターヴェレGuido Westerwelleにもしイランがウラニウム濃縮度20%以上を達成したら、それ自体がレッドラインでイランが民用原子力利用の想定を超えて原子力兵 器開発に踏み込んだことを証明すると語っている。
  10. .兵器となる核燃料では通常は核分裂純度90%が必要だ。ハアレツ紙とネタニヤフ首相はともにイランが核兵器開発の開始を決断した瞬間から90%までの濃縮には6週間しか必要としないとしている。
  11. ただし中立系のアナリストの中にはイランはそんな短時間では兵器開発ができず数ヶ月あるいは一年以上ないと不可能と指摘する向きが多い。兵器用原料を核弾頭にし、さらにペイロードを搭載するミサイルに利用可能にするのは簡単ではないとする。
  12. .ネタニヤフ首相は今月の国連総会でイラン問題の演説を予定している。.その段階でオバマ大統領は再選に向けた選挙運動にかかりきりのはずであり、大統領自身の演説は首相到着の二日前に終わっているはずでもあり、大統領と首相の会談の予定はまだ確定していない。■


2012年9月9日日曜日

南西部防衛整備が必要になってきた自衛隊

Japan To Boost Isle Defense Capability Despite Cuts

By Reuters
aviationweek.com September 07, 2012

日本の来年度防衛予算は過去最大の削減を受ける予想だが、離島防衛に特化した装備の新規調達に乗り出すと防衛省が9月7日発表した。
  1. 離島防衛の課題が出た背景に日本と隣接する中国及び韓国との関係がそれぞれ小島の主権帰属を巡る対立で悪化していることがある。
  2. 防衛省発表では平成25年度予算の概算要求4.57兆円(580億ドル)は今年度より1.7%減。予算縮小は11年間連続となるが、とくに今回の削減幅は自衛隊58年間の歴史上最大だ。
  3. 予算減の原因として大きいのが公務員給与の一律カットで、これは大震災後の財政再建の一助として設定されている。
  4. その中で防衛省は25億円で装甲水陸両用車4両の導入に踏み切る。これは離島防衛を視野に入れている。
  5. 「日本の南西部には小島がたくさあんあり、各島に自衛官を駐留させるのは現実的ではありません」(防衛省関係者)
  6. 「敵対勢力が上陸した事態に対抗策を取れるよう防衛力を整備する必要があります」
  7. 二年前の防衛大綱改訂で日本は南西部での体制を強化を決めており、ここでは海洋上で中国と国境を接しているのだ。
  8. 日本は中国と日本では尖閣、中国では釣魚と呼称される島嶼部での対立を抱え、当該地は漁場として豊か、かつ大規模なガス田があるとされる海域に近い位置にある。
  9. また日韓関係も大きく悪化しているのは韓国の李明博大統領が先月に韓国大統領として初めて両国が主権を主張している両国間の島嶼、日本名竹島、韓国名独島に足を踏み入れたことがきっかけだ。
  10. 海上保安庁は巡視船7隻を来年度中に調達し、監視活動強化をめざす。一方、外務省は体外宣伝費用をほぼ倍増し、日本の主張を伝えることに10億円を投入する。
  11. 先月の記者会見で野田佳彦首相は日本国の領土、領海の保全を誓うとともに冷静に領土問題の解決に当たると説明している。
  12. あ わせて防衛予算では210億円がサイバー攻撃対策に計上されている。近年政府ならびに民間企業がハッキングの脅威にさらされることが増えている。防衛省は 定員100名近くのチームを新設し、「サイバー空間防衛隊」(仮称)としてサイバー攻撃に関する情報収集およびサイバー安全保障の研究活動に当たらせる。 ■

コメント  日本周辺を巡る利害・意見対立は年を追うごとに厳しくなってきています。当該国の民度、政治的主張はともかく、冷静に歴史的な事実を共有認識できるかが今後の 鍵でしょう。一方、実力の行使という事態にも備え、準備をしておくことは主権国家としては当然でしょう。その場合にこれまでは想定しなかった任務に当たる 自衛隊には必要な装備を整備させてあげたいものです。オスプレイも実はこの点で重要な意味を持ってくるのですが、依然感情的な反対論が目立ちます。まさ か、某国の支援を受けてはいないでしょうね。ロイターは冷静に当該国の使っている呼称を用いていますが、日本の記事だけにいずれも日本側を最初にあげています。

2012年9月8日土曜日

グーグルがきっかけに数百件のサイバー攻撃が発生、発信源は中国か

Hundreds More Cyberattacks Linked To 2009 Google Breach

By Reuters


aviationweek.com September 07, 2012

グーグルが2009年にサイバー攻撃を受けたのを皮切りに、実行犯のハッカー集団はその後数百件に渡るサイバー襲撃をかけており、とりわけ米国防衛産業と人権団体に焦点があてられていることがセキュリティソフトメーカー、シマンテックによる分析調査結果で判明した。
  1. グーグルは2010年1月に同社ならびに20あまりの企業が高度なサイバー攻撃の対象となっていると発表している。この攻撃はオーロラ作戦の名称がつき、発信源は中国で知的財産の窃盗行為として公表された。
  2. ハッカーの正体は特定できていないが、この事件で米中間で緊張が高まり、中国発信のサイバー攻撃が米国を対象に増加の一途であることが問題となった。
  3. 「当時おおきな話題になりましたが、今でも理解されていないのはこれが継続して発生していることです」(シマンテックの研究調査部門長エリック・チェンEric Chien)「犯行グループは姿を消したのでなく、今後も消えることはないと見ています」
  4. シマンテックよりオーロラ作戦の背後にいるハッカー集団は知的財産に焦点をあてており、国防関連契約企業の設計図、艦船、航空関連、武器、エネルギー、生産関連、技術情報、電子産業など幅広い関連企業を狙っているとの発表が出た。
  5. サイバー保全専門家の間ではグーグル襲撃の発信源は中国と広く信じられている。
  6. ド ミトリ・アルペロヴィッチDmitri Alperovitchはサイバー保安専門の新興企業クラウドストライクCrowdStrikeの技術担当最高責任者で、同社は最近の犯行の実行犯をつきとめてい るという。対象の事例はEMC CorpのRSA保全部門及びロッキード・マーティンへの侵入事件だという。
  7. ハッカー集団は社内で一般的に使われるアドビシステムズマイクロソフトのソフトウェアにあるセキュリティー欠陥を悪用してPCを感染させている。
  8. シマンテックによると各種ハッカー集団が利用したのは末尾がゼロの日が8回でその日にセキュリティの弱点があることが判明したという。
  9. シマンテックによるとハッカー集団の中でも最大規模のエルダーウッド集団Elderwood hackersだけでも2010年から2012年にかけてゼロディの弱点を合計8回しているという。このことから相当の資金と技術を有する人員の厚みが同集団にあることが伺える。
  10. さらにチェンはエルダーウッド集団とは大規模な犯罪集団なのか、国家による支援を受けているのか、それとも国家そのものなのではないかと見ている。
  11. このハッカー集団は共通のインフラを使う特徴があり、シマンテックではこれを「エルダーウッドプラットフォーム」と読んでいる。この名前はソフトウェアのコードで毎回繰り返し使われている単語にちなむもの。
  12. エルダーウッド集団は国防関連契約企業からデータを盗むことに注力しており、大手国防企業そのものは避ける傾向があるとチェンは見ている。
  13. その次に狙われているのがチベットの人権問題に取り組むNGO組織だ。金融、ソフトウェアの各企業も標的だとチェンは解説する。
  14. シマンテックはシマンテックとノートンのブランドでウィルス駆除ソフトウェアを法人・個人向けに販売している。同社は標的企業名の公表は拒否しており、攻撃が中国発信とする証拠は有していないという。■

コメント 自衛隊にもやっとサイバー部隊が創設されることになりましたが、この分野は技術の進展が激しい分野ですので、軍民の区別をするのではなく、技術を中心に柔軟な対応をお願いしたいところです。また、我々が日常使っているPCや端末が気が付かないうちに「エージェント」になる可能性もありますので、セキュリティには普段から投資をしておく必要がありますね。

2012年9月7日金曜日

F-35Bのテスト最新状況

F-35B Cleared For High-Angle-Of-Attack Tests

By Guy Norris

aviationweek.com September 06, 2012

F-35B短距離離陸垂直着陸 (Stovl) 型の高迎え角(high alpha)テスト実施が可能となった。これはエンジン再始動テスト結果が良好と判明したためだ。
  1. F-35Bは米海兵隊、英国及びイタリア向けにテストがパタクセントリバー海軍航空基地(メリーランド州)で実施されているが、エドワーズ空軍基地(カリフォーニア州)でも空域が大きいことから飛行中エンジン再始動テストが行われている。
  2. .合計27回の再始動がいろいろな高度で試され、F-35Bテスト機BF-2が使用された。同機は第23飛行試験評価飛行隊が運用している。
  3. エ ドワーズでは2万平方マイルの空域があり、エンジン停止時の着陸には65マイル直線のロジャーズとロザモンド乾湖が使えます。」(ジョージ・シュワーツ中 佐、第461飛行テスト中隊隊長)シュワーツは「F-35Aの飛行中エンジン再始テストを最近完了していますので、技術的知見をパックスチームと共有でき ます」とも語る。
  4. 米空軍向けF-35Aのハイ・アルファテストは今月末に開始予定で、現在テスト機材AF-4にスピン防止パラシュートの装備が行われている。
  5. F-35Aのテストではパイロットは機体制御特性と逸脱抵抗を見ながら、迎え角を現在の上限50度から徐々に上げていく予定だ。■