2012年7月31日火曜日

ISR機材に民間商用機を転用する動きが加速

Smaller Commercial Aircraft Surge In Intel Missions

aviationweek.com July 23, 2012

情 報収集、監視、偵察(ISR)任務ではとかく無人機が注目されがちだが、小型民間機の転用がにわかに注目されており、十分に競合力があると見られている。 この傾向がファーンボロ航空ショーであらためて確認されたのは新規機材があいついで発表されたりデビューしたことから。
  1. こ の傾向には理由がある。まず、民間機を転用すれば運用コストが大型UAVよりも安価であり、現に米空軍のキングエア改造プロジェクトリバティの時間当たり 運用コストはリーパーより低いと下院情報委員会が判定している。また民間機ベースの機材であれば国内、あるいは国際空路を飛行しても支障がなく、軍事的脅 威を受けず、紛争地帯上空を飛行できる。同時に機内操作員は高い処理能力のデータリンクに依存せずにシステムを運用できる。データリンクのほうがUAV機 体よりも高価な場合があるのだ。
  2. ファーンボロでの最大の驚きはアラブ首長国連邦が支援する形で小型高性能ISR機材開発の動きがあることが判明したことだ。
  3. ピアッジオサーブと組んでこのプロジェクトを進め、P.180アヴァンティIIを大幅に改造する。まず海上パトロール機を生産するが、ピアッジオによると同機は最初から地上監視装置、戦術級ISRまたは通信・信号傍受情報活動(Sigint)装備搭載が想定されているという。
  4. .ピアッジオはアブダビ自動システム投資会社Abu Dhabi Autonomous System Investments (Adasi)と正式契約を締結しており、同機の開発及び試作機を2機制作すること、初飛行を2014年とする内容になっている。
  5. AdasiはUAE軍の主要開発案件で事業管理会社の役目を果たしており、その中にはシーベルカムコプターS-100垂直離陸UAV案件も含まれる。
  6. ピ アッジオのMPAプロジェクトは既存小型民間機をISR用途に転用する初の本格的な動きだ。MPAではP.180の主翼を拡大し、最大離陸重量と燃料搭載 量を増加させる。最大飛行距離は3,300海里(約6,100Km)、滞空時間は最大10時間(低空飛行では6時間)とし、巡航速度は350ノット (630Km/h)、実用上昇限度は41千フィート(約1万2千m)でsigintあるいは光学偵察には最適な性能となる。
  7. サーブの340MPAはファーンボロでも疲労されており、プロセッサーとソフトウェウェアで構成の同パッケージは機体ならびにセンサーの種類と関係なく作動する。サーブの展示例ではテレホニックスAPS-143レーダー・Flirシステムを搭載している。
  8. 以上の二つの計画から軍事・非軍事ユーザーが広域監視システムに関心を示していることがわかる。シエラネバダコーポレーションSierra Nevada Corp. およびITTエグゼリスITT Exelisは共同で広域空中監視wide-area airborne surveillance (WAAS) として米空軍向けゴーゴンステアGorgon Stare を原型に改良型を開発中である。
  9. これはヴィジラントステアVigilant Stareの呼称でツインオッター機に搭載する。空軍向け装備はリーパーUAVに積む。両社は機体装備を自ら運用し、利用者には都度料金を徴収するビジネスを想定している。
  10. ヴィジラントステアでは小規模な村落程度の地表を連続監視でき、歩行者を追跡可能できる解像度がある。
  11. ファーンボロに出展しなかったノースロップグラマンからはエアクローAir Clawが発表されている。この原型はクエスト航空機Quest Aircraft のコディアックKodiak短距離離陸軽飛行機で展示用にパーシスタントサーベイランスシステムズPersistent Surveillance SystemsのホークアイHawkeyeWAASが搭載されている。
  12. オーストリアのエアボーンテクノロジーズAirborne Technologiesからはイタリア製テクナムP2006TTecnam P2006T双発軽飛行機を多用途機に転換する案が提案されている。同機は民間向けに空中監視業務を提供することを専門とするエアロGBAeroGBへ引き渡される。同社も都度料金を徴収するビジネスモデルで英国の警察機関(名称未公表)と契約を交わしている。
  13. エアロGBはP2006Tを低価格で小型ヘリコプターよりも魅力的な選択肢だと宣伝する。搭載エンジン、ロタックスRotax 912S3は自動車燃料で作動するので経費節約になる。滑走路も400メートルで十分で、通常の巡航高度では飛行音はほぼ聞き取れない。
  14. さ らにヘリコプターよりも振動は少ないのでセンサー類の作動も安定する。同社役員グラハム・ジェイムズGraham Jamesは警察出身であり、同社が力を入れているのは「各顧客に今すでに使える技術があることを理解してもらい、たとえばほとんどの顧客が自社にはレー ダーなんて関係ないと考えていますが,実に多くのことができるんです」とのことである。■

2012年7月29日日曜日

2017年までの電子戦関連投資で海軍・海兵隊の支出規模が最大になる見込み

Navy, Marines Top Pentagon EW Investment

aviationweek.com July 23, 2012

米海軍・海兵隊は今後十年間に2008年から17年までに電子戦(EW)分野に219億ドルを支出済みあるいは予定しており、他軍よりはるかに大きな予算を支出する。
  1. 全軍の同時期合計支出実績・予定は442億ドル。同時期の米空軍の支出規模は123億ドルで米陸軍の91億ドルと比べると海軍・海兵隊の規模がはるかに大きいことがわかる。
  2. 「こ の三十年間で空軍は機体のステルス化を重視し、海軍は電子攻撃に着目してきました。空軍はジャミングに大きな関心を示さず、海軍は逆に低視認性を重視して きませんでした」(レキシントン研究所の国防アナリスト ローレン・トンプソンLoren Thompson, defense analyst for the Lexington Institute)
  3. 「海 軍は合同運用では電子線の技術を豊富に持っており、そのせいもあり低視認性機体に重要度を低く設定する傾向があります」(トンプソン) 空母から運用する 航空機ではジャミングやEWのほうがステルス性よりも評価されるということだ。ただし、海軍が空母運用型のF-35を取得すればこれも変わる。
  4. だが、他軍もEWを重視しはじめている。
  5. 「軍事利用では電磁スペクトラムへの依存が高くなっている。通信、航法、情報収集、監視、目標補足に無線、マイクロウェーブ、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマ線が多用されている」と米会計検査院が分析している。
  6. ペンタゴン全体でEW開発が急速に拡大しつつあり、2013年度の年間予算36億ドルが2017年に56億ドルになる。
  7. これは2000年代後半と反対の現象であり、その当時は国防総省が電子戦用途の支出は2008年の39億ドルが2010年45億ドルまで増えたあと2012年度に33億ドルまで減っている。
  8. 中でも最大の支出項目が電子戦装備および機体の調達費281億ドルで、開発費用が112億ドルでそれに次ぐ。
  9. 2016から17年度にかけては生産関連の支出が多くなり毎年38億ドルを想定する。
  10. 海軍のP-8Aポセイドンは10年間で23億ドルを支出実績あるいは予定されている。同機の初期作戦能力獲得は2013年の予定。
  11. これに次ぐ規模となっているのが海軍が想定する次世代ジャマーで21億ドルだ。このジャマーはEA-18Gグラウラー搭載の現有ALQ-99ジャミングポッドの後継モデルだ。
  12. 米 空軍の大型航空機防衛赤外線対抗手段arge Aircraft Infrared Countermeasures (Laircm) が三番目に大きなEWプログラムで17億ドル規模。これはミサイル発射地点を発見し、脅威レベルを判定の上、高密度レーザーを起動して飛翔体を追跡・破壊 する構想だ。
  13. その後に続くのがF-35共用打撃戦闘機と海軍のグラウラーで各15億ドルが今後10年間に支出となる見込みだ。■

イスラエル向けF-35で米国政府、ロッキードが合意形成

U.S., Lockheed Reach Deal On Israeli F-35s


aviationweek.com July 27, 2012

. ペンタゴンとロッキード・マーティンは総額4.5億ドルでF-35戦闘機の電子戦装備性能向上およびイスラエル特化システムの整備を2016年に開始する ことで合意したと、この件の内部に詳しい筋から判明した。この契約でイスラエルと合意済みのF-35計19機を総額27.5億ドルで導入する計画が前進す る。なお、イスラエルとの合意内容は2010年10月に締結されており、オプションで最高75機を購入するというもの。
  1. ペンタゴンからはイスラエル向け海外武器販売はすべてのオプションを使うと152億ドルになるという。
  2. F-35をめぐってはイスラエルとさらに規模の大きい共同事業が想定されており、中東地域が不安定になっている今日、米国にとっては同国の戦略的同盟国としての地位が高まっている。
  3. 来週レオン・パネッタ国防長官がイスラエルを訪問し、この合意内容が明らかになる予定で、長官はイラン都の緊張状態について討議内容に取り上げる予定だ。
  4. また費用面、技術面で困難な状況が続くF-35開発でも明るい話題を提供することになろう。
  5. F- 35開発へのイスラエル企業参加も増えることになろう。エルビットシステムズElbit Systems Ltdおよび国有企業イスラエル航空宇宙産業 Israel Aerospace Industriesの参画度がふえる。特に後者は同機の主翼生産を予定している。
  6. IAIはF-16戦闘機の主翼も生産しており、エルビット(ロックウェルコリンズとの合弁事業)は高機能ヘルメットのメーカーでF-35にも採用されている。
  7. イスラエル向けF-35開発での合意によりイスラエル製の無線・データリンク装備の取り付けが可能となる以外、その他の自国装備も選択できるようになる。
  8. また電子戦装備の改修は米国、イスラエル以外に同機をすでに発注しテイル9カ国にも恩恵が生まれるものだ。
  9. F-35はペンタゴンで最も高額な装備開発案件となっており、3960億ドルで2,443機を2030年代までに調達するものだ。
  10. ロッキード・マーティンならびに各契約会社が生産するのは米空軍、海軍、海兵隊用に加え、英国、イタリア、トルコ、カナダ、オーストラリア、デンマーク、ノルウェー、オランダの各共同開発国向け機体だ。
  11. これに対し国防総省は合計179機のF-35生産を2017年以降に先送りし、開発テスト期間を長く取り費用のかかる生産後改修を避ける事で費用節約を目指す決定をしている。最新の第三回目の機計画修正で33ヶ月79億ドル相当の追加となった。
  12. 電子戦装備の性能向上作業は大部分がBAEシステムズが担当すると消息筋があきらかにした。■

2012年7月26日木曜日

F-35のもたもたはボーイングF-18には好機となるか

       

Boeing Sees F-18 Program Growth In U.S. And Abroad

aviationweek.com July 16, 2012

F-35の価格上昇と日程の遅れを尻目にボーイングは海外市場でF-18への関心が高まっていると見ている。
  1. .同社はF-18の海外販売に関心を払っており、海外各国向けに生産参加まで持ちかける事も含め好条件の提示で商談を有利にすすめる。
  2. 現在F-18に関心を示しているのはブラジル以外にも多数あり、スーパーホーネットに盛り込まれた操縦制御面の技術改良が注目されているという。
  3. 米海軍が関心を示しているのは一体型燃料タンクで、現状の機体中央部搭載の燃料タンクにかわり搭載されればその位置を他のペイロードに使うことができる。
  4. ボーイングがF-18生産ラインを維持するためには米海軍あるいは海外顧客が同機調達に踏み切る決定をすることが必要だ。現状では2015年以降が問題となる。
  5. F-18生産ラインを活気づけているのはEA-18Gグラウラー電子戦(EW)用機である。
  6. ボーイングはグラウラーに期待をかけており、海軍が同機に2008年から17年までに15億ドルの支出予定であることから同機がEW機材としては三番目の規模のプログラムとなることも追い風だ。
   

2012年7月25日水曜日

ロシアの軍事輸出はインド市場を再び確保できるのか

Russia Tries To Arrest Losses In Indian Defense Market

aviationweek.com July 19, 2012

ロシアは欧米メーカーに奪われたインドの防衛装備市場を奪回すべく着々と計画を練っている。
  1. ロ シアは以前はインドへの最大の武器提供国であり、冷戦終結後もインドからの信頼を集めていた。しかし、高価格などの問題もあり、ロシアは急速にインド市場 でのシェアを失っている。ちなみにインドは2011年に世界最大の武器購入国となっており、同国だけで世界の武器貿易の10%を占めている。
  2. ロシア副首相ドミトリ・ロゴジンDmitry Rogozinはニューデリー訪問中の7月17日にインド側に防衛装備の共同開発と海外販売を提案している。
  3. ロ ゴジン副首相からは特に輸送機、旅客機で共同開発・生産への関心が表明されている。「ブラモスBrahMosミサイルが共同事業の好例であり、第五世代戦 闘機や多用途輸送機の共同開発、Su-30戦闘機やT-90戦車のライセンス生産も大型案件で現在進行中だ」とインド国防省関係者も明らかにした。
  4. インドは射程290キロメートルのブラモス超音速巡航ミサイルのインド海軍の運用承諾をロシア側へもとめている。両国の共同生産体制を敷いたのが1998年で、それ以降インドの三軍が同ミサイルを発注しているが、ロシア側はまだ動いていない。
  5. 「印 露の防衛関係で懸案が残っている。ロシアへ発注した装備の引渡しがたびたび遅れており、空母アドミラル・ゴルシコフが典型例だ。ロシアからいったん合意し た価格を途中で引き上げる事例があるのも事実だ。防衛技術の移転で障害が浮かびあがっており、部品供給も途切れがちだ」とインド国防関係者は不満を示して いる。
  6. この1年間でロシアの防衛産業はインドでたびたび苦杯をのまされている。インド提唱の中型多機能戦闘航空機(MMRCA)コンペではMiG-35がダッソー・ラファールに敗退している。これは150億ドルでインド空軍がまだ使用中のMiG-21の後継機を調達するもの。
  7. インド国防相A.K.アントニーA.K. Antonyは選考は政治判断を排除し専門的見地による結果だと強調。「インドの国防調達は政治的な考慮では決まらず、すべての販売希望者に平等な機会を提供している」
  8. 22機調達の攻撃ヘリでもMi-28NナイトハンターがボーイングAH-64Dアパッチに敗れている。
  9. と はいえ印露両国間のこれまでの実績を考慮すると、ロシアは当面はインドの主要防衛装備提供国の地位を守るだろうとの観測がある。しかしインド市場を巡る競 争激化を視野に入れれば、両国が共同事業形式で武器を開発することで二国間協力体制を維持するのが必要となるだろう。■

2012年7月22日日曜日

A400M引渡しへ向けて自信深めるエアバス

Airbus Confident Of A400M Delivery Schedule


aviationweek.com July 19, 2012

エアバス・ミリタリーA400Mの飛行テストは依然として進行中だが、同社は2013年中に4機を引渡できると自信を持っている。
  1. まず3機がフランスと1機がトルコに納入されるという。2014年には10機になり、英国、ドイツ向け機体が引き渡される、というのが同社の計画だ。
  2. A400Mの民間型式証明取得に向けて1,150回3,500時間のフライトが7月初旬までに実施されている。初飛行は2009年12月。型式証明は今年末に取得できる見込みだという。
  3. 同機は空中給油テストを実施していない。燃料ポッドを主翼下に装着し、空中給油機に転用する事が可能。
  4. マレーシア空軍は4機を発注しており、このポッドにより同機をヘリコプターや戦闘機に空中給油機能を持たせることを期待している。
  5. 同様に未実施な機能に貨物・兵員の空中投下、過酷天候下での運用テストがあるという。また自衛手段としてチャフ、フレアのテストもこれからだ。

2012年7月16日月曜日

台湾空軍のF-16改修作業をロッキードが実施

Lockheed, Taiwan Sign for $3.7B in F-16 Upgrades



aviationweek.com July 13, 2012

台湾の国営航空宇宙企業とロッキード・マーティンは台湾空軍が運用中のF-16A/B型合計145機の性能向上改修契約の覚書を締結したと7月12日に発表した。
  1. 本日その事実の裏付けが関係筋から取れて、米国政府と台湾が総額37億ドルの性能改修業務で合意できたことがわかった。
  2. ロッキード側からも確認が取れており、台湾の国営航空宇宙産業開発公司Aerospace Industrial Development Corp.とファーンボロ航空ショー会場で覚書がサインされたとのこと。
  3. 覚書によるとAIDCはロッキード・マーティンと共同で台湾空軍の老朽化進むF-16A/Bフリートの性能向上を図る。
  4. 同覚書はタイミングとして台湾と米国がF-145A/B計145機の改修を総額53億ドルで行う内容で最終案がまとまる寸前で出てきた。
  5. さらに多額の防衛装備取引の合意形成が今後州週間以内にまとまる公算だと消息筋が解説する。
  6. オバマ政権は台湾向けF-16改修案を昨年9月に承認し、中国を慌てさせた。だが、政府間の防衛装備取引の内容詳細はまだまとまっていない。
  7. オバマ政権関係者によると改修作業で後期モデルのF-16C/D型と同様の性能が実現するという。台湾はかねてから後期モデルの導入を防衛のため必要と求めてきた。
  8. .これに対し中国は米国による台湾向け防衛装備売却に反対の姿勢で、その根拠は中国による台湾統合の動きに逆行するからだという。中国はかねてから台湾を支配下に置くためには軍事力の行使もいとわないと公言している。
  9. 米議会で台湾を心情的に支援する勢力からはF-16新造機66機を今回の回収に加えて台湾に販売スべしと政府に圧力がかかっている。■

         

2012年7月15日日曜日

UAVの世界普及は時間の問題

No Longer Just a U.S. Toy, UAVs Go Global


aviationweek.com July 12, 2012

戦闘の様相に革命をもたらしたUAVが米国で共用されて15年、しかし多数国がUAVの生産、運用を開始しており、グローバルな存在になってきた。
  1. 今のところUAVを本格的に運用しているのは米国初めとする少数の同盟国に限られる。米国製UAVの購入を認められたのは英国、イタリア、トルコだけでその他国の購入要請は不承認となっている。
  2. ただ急速に変化しつつある。米企業ジェネラルアトミックスGeneral Atomicsは非武装型プレデターの海外販を今年中に成約する見込みで、ラテンアメリカ、中東を有望市場と見る。
  3. 同社の国際戦略営業開発責任者クリストファー・エイムズChristopher Ames(退役米海軍少将)は「各国からの引き合いは活発」とファーンボロ航空ショーで語った。
  4. ショーでは同社製品の実際の運用シーンをイラク、アフガニスタン事例、インド洋上での海賊追跡事例で示し、エイムズは運用実績を誇る。
  5. 乗員生命というリスクを減らす他、燃料経費や人件費を大幅に減らすのがUAVの利点と強調している。「同盟側の運用事例で運用効果を目の当たりにしています。現場での実感は営業文句よりも上を行っています。」
  6. ジェ ネラルアトミックス(本社サンディエゴ)はドローン技術開発でパイオニアで、最初にバルカン半島で1990年台に運用している。イスラエルは無人機を重視 しており、模型飛行機愛好会から専門技術者を採用してきた。それを見て米空軍初めとする各国の空軍も最初は懐疑的だったものだ。
  7. だが9.11(2001年)以後の戦闘状況がこれを変えた。イラク、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア他で米軍はUAVの投入を増やし、多様な機種を運用。中には地上兵員が運用する超小型機種もあれば24時間滞空できるものもある。
  8. オバマ政権下でアルカイダ要員の殺害に好んで利用される機会が増えており、長距離スパイ活動にも投入されている。
  9. アフガニスタン国内の戦闘状況が下火になることで米国の無人機利用頻度が減ると見られるが、世界規模では逆に増えるというのが業界の見方だ。
  10. これまでのところ米国政府はUAVの海外販売に相当の影響力を行使している。例えば英空軍はアフガニスタンで運用する自軍UAVのパイロットをネバダ州の米空軍基地に駐留させている。これはもう継続不可能と専門家が見ている。
  11. 「あ る程度UAVに関心を持つ空軍部隊なら中程度の継続飛行時間がある無人機に偵察能力に加え武装も検討するでしょう」と話すのはダグラス・バリー Douglas Barrieでロンドンの国際戦略研究所の主任研究員だ。バリーは以前は本誌の報道スタッフ。「機体はステルスか非ステルスかもしれません。UAVの普及 がいまはじまりつつあるのです」
  12. プ レデター、長距離のノースロップ・グラマン製グローバルホークや極秘ステルス機のロッキード・マーティンのセンティネルを運用する米国は他国を引き離して いるのは事実だ。この中でセンティネルはイラン上空のミッション中に墜落し捕獲されている。ただし、米国優位の差は縮まっていく。
  13. 今 年のファーンボロ航空ショーで各国の大手航空機メーカーが自社UAVモデルを展示している。英国のBAEシステムズBAE Systemsは長距離タラニスTaranis ステルスUAVの試作機をホーク練習機と第二次大戦時のスピットファイヤ戦闘機の横で展示していた。
  14. 「めざしているのは次世代に一気に移行することであり、現在運用中の各機を研究することが勉強になります」(BAEで将来の戦闘航空機システムを担当する国際営業開発責任者マーティン・ロウ・ウィルコックス)
  15. イスラエルは自国製非武装型ドローンを多くの国に販売しているが、その他にも参入を狙う国は多い。ロシアのノーボスティ通信によりロシアは国産武装型UAVの初飛行を2014年にも実施する計画があることが明らかになった。
  16. 中国も同様の機体開発に関心を持っていることが明らかになっており、ロシアと中国はともにイランに対して捕獲したセンティネルを入手したいと申し出ている。
  17. 国際的な需要が高まると共に競争も激化することから、米国企業各社はUAV技術普及を遅らせようとする米国政府の方針で商機を逃すと懸念している。
  18. ウィキリークスが暴露した外交公電によるとアラブ首長国連邦やサウジアラビア含む多数国から武装型UAV購入の希望があったが米側から拒否されている。
  19. ミサイル技術管理制度Missile Technology Control Regime (MTCR)は長距離精密兵器体系の拡散を防止するのが目的で、無人機輸出も制約される、というのが米政府の言い分だ。
  20. これに対し業界首脳陣はこれでは米国製UAVは商用衛星生産の事例と同じ運命になると警告している。衛星では輸出制限によりライバル国が台頭し米国の主導的立場が失わた。
  21. . 輸出版のプレデターはこの点を考慮しているとジェネラルアトミックスは説明する。ミサイル搭載用のハードポイントがないので、兵装追加ができない。同機の 海外販売単価は3から4百万ドルで通常型航空機より相当安価だとエイムズも強調する。「プレデター購入を希望する国はこれまでも多くありましたので、今回 はその道を開くことになります」
  22. 同 社以外の米国防衛産業メーカーも自社費用を投入して新型の高性能UAVを開発している。ボーイングはファントムアイの試作機のテスト飛行を開始している。 同機は高高度を飛行し数日間の滞空が可能だ。ロッキード・マーティンは空母運用の次世代UAV競作に向けた自社開発をしているという。.競作ではX- 47Bのメーカー、ノースロップも参入しそうだ。X-47Bは将来の艦載UAVに実現する初期性能を実証する米海軍のプログラムだ。
  23. 英国も海軍用の無人機の空母運用構想に関心を示しているが、BAEのロウ・ウィルコックスは成長が大きく望めるのは民用部門だという。
  24. 10年以内に無人機が日常的に欧州の上空で運用される日が来るという。法執行機関による監視活動、洋上監視他の任務を想定。
  25. 「無人航空機が頭上を飛行する構図をパイロットが操縦する飛行機と同様に一般大衆が受け入れるかどうかが試されるでしょう。現時点で技術はできていますが、法規制なかんずく社会規範上の課題と認識しています」

2012年7月14日土曜日

【特報】レーザー光線で無人機に動力供給、48時間連続飛行

Lockheed Boosts Small UAVs With Laser Power Beaming

aviationweek.com July 11, 2012

ロッキード・マーティンがレーザー光線による動力供給により無人機を48時間連続飛行させた。同社はこの技術でUAVで特別な地位を確立するだろう。
  1. 実験は風洞内で同社のストーカーUAVとレーザーモティーヴLaserMotiveの動力ビーム供給技術を組み合わせて実施した。
  2. ストーカーは電池動力で2時間の飛行が可能。ロッキードは2011年に同機を改造し、プロパン燃料電池とリチウム・ポリマー電池を搭載し8時間の飛行に成功している。
  3. 今回の室内動力送信飛行テストを48時間で終了したのは、「当初の目標時間を超えたため」と同社は説明。次の目標は屋外における実証だ。
  4. ロッキードはこれとは別に空軍研究所の小型無人再生可能エネルギー利用長時間航空機(Surge-V)プログラムにも参画しており、代替動力の利用を研究中。
  5. ストーカーは手動で発進する20ポンドのUAVでペイロードは4ポンド、高度25,000フィートまで上昇し、全天候で最高4時間まで飛行できる。これに比べこれまでの電池動力機は1.5時間が上限だった。
  6. 同社のねらいは小型UAVで一目置かれる存在となることで、このほかにもデザートホークIII、小型のナイトホークを生産中だが、ストーカーおよびSurve-Vにより販路を拡大したいと考える。
  7. ロッキードは超小型エイビオニクスメーカーのプロセラステクノロジーズProcerus Technologiesを1月に買収しており、同社のオートパイロット機能を小型UAVに搭載しようとしている。■

2012年7月11日水曜日

軍用輸送機の市場は新型機、既存機で混戦模様

Incumbents, Newcomers Battle For Airlifter Orders


aviationweek.com July 09, 2012

今 後二年間のうちに軍用貨物機の市場で大きな変化が生まれそうだ。新型機と既存機種が競い合うことになる。新規参入の中心がエアバスミリタリーA400Mと エンブラエルKC-390の二機種で、米国製機材が中心だった輸送機市場に参入しようとする。反対の局に位置するのが米国製各機で、ボーイングは後数機の C-17受注で生産ライン維持を図る。またロッキード・マーティンはC-130Jの販売拡大をねらうが、同時にパレット式の改修も進行中だ。
  1. エ アバスミリタリーは今年の商機に期待する。昨年度の販売不振をうけて同社は年末までに30機ほどの制約をねらう。そのうち20機以上はすでに予約済みだ。 エアバスミリタリーの貨物機市場予測は小型、中型機だけで今後30年間で1,250機規模とする。その中で同社はC295を108機、CN235を275 機販売している。
  2. アレーニア・アエマッキAlenia Aermacchiも今年の販売に期待する。オーストラリア向けC-27を10機受注したことで同機の生産は2015年まで維持できる。さらに受注を伸ばし2018年までの生産ライン稼動をめざす。
  3. C-27受注総数は89機で49機が引渡し済みだ。オーストラリア受注は5億ドル相当でC-27がC295を打ち破り採用されている。
  4. 輸送機市場のハイエンドでは新規受注は動きが鈍い。それでもエアバスミリタリーはA400Mの輸出に本腰を入れ始めた。同社は同機開発がこれまで不安定だったため手が回らなかったが、フランス空軍向け一号機の納入をいよいよ年末に予定し、販路拡大に乗り出す。
  5. エンブラエルはKC-390の海外販売を来年に強化するが、同機の初飛行は2014年の予定だ。同社は競合他機種のない国向けに2025年までに700機の需要があると見込む。
  6. 米 空軍のC-17は発注済224機のうち216機が納入済みで、ボーイングは年産15機の現在の生産数を10機にしつつ、価格上昇を回避する方法を実行中 だ。同機のロングビーチ工場(カリフォーニア州)の生産ラインを維持すべく、ボーイングは活発に海外販売活動を展開している。オーストラリア向けには5機 が納入済みで、6号機受注もまもなくと期待している。カタールにも2機納入済みであと2機のオプションが残っている。UAE向け6号機が6月に納入され た。英国は8機受領済みでカナダは4機、その他NATO加盟国向けに3機それぞれ引渡し済みだ。
  7. ロッ キード・マーティンはC-130J生産数を年間36機に引き上げており、24期で安定させる予定だという。米国政府発注のC-130J合計224機で 164機が納入済み。米空軍はC-130合計551機を運用中で、発注中機体には海兵隊向け空中給油機KC-130Jを47機、沿岸警備隊向け救難用 HC-130Jが6機含まれている。

コメント その中に日本のC-2がまだ入ってこないのは残念で仕方ありません。相当の重量増に苦しんでいるようですが、時間かけても熟成をしてもらいたいものです

2012年7月8日日曜日

MQ-4C BAMSは海上監視偵察行動の様相を大きく変える

U.S. Navy Starts Run-Up To First MQ-4C Flight
By Guy Norris
aviationweek.com July 02, 2012

米海軍はMQ-4Cトライトン(グローバルホーク派生型)の運用により海上パトロールの定義をまったく新しいものに変えようとしている。
  1. しかしながら、トライトンのロールアウト6月14日のわずか3日前に海上運航用のグローバルホーク実証機が原因不明の理由で墜落している中、今回の導入は通常の運用コンセプトの切り替えよりハードルは高いといえよう。
  2. 海 軍はMQ-4Cのお披露目をノースロップ・グラマンのパームデール工場(カリフォーニア州)で開催するに当たり上記実証機(広域海洋監視ブロック10実証 機(BAMS-D))の喪失が影を落とさないよう配慮していた。関係者によると事故機は米空軍向けRQ-4を改造した5機のうちの一機で、MQ-4Cとは 大幅に異なる機種だという。
  3. 実 証機が墜落したのはメリーランド州ドチェスター郡ブラッドワース島の無人地帯で、運用基地のパタクセントリバー海軍航空基地から東22マイル地点だった。 事故原因はまだ調査中だが、「数週間かけても突き止めますが、UAVの利点のひとつは機体の状況・状態のデータがすべて回収されていることです」とビル・ シャノン海軍少将(無人機・無人攻撃機開発責任者)は語る。
  4. シャノン少将によると事故発生は離陸10分後で機体は高度5万フィートの運航領域に向けてらせん状に上昇をしている状況だった。事故地点の画像を見ると事故機は比較的平坦な地形に墜落しており、ゆっくりと螺旋状に降下していたことが読み取れる。
  5. 事故原因調査には過去のグローバルホークの機体喪失事例の原因を参照している。機体の受信機に誤った信号を送った、ハードウェア取り付けがまちがっていた、燃料ノズルの弁の欠陥といろいろだ。
  6. そ の一方でMQ-4Cの初飛行の準備が進行中で、2012年内の実施をめざすとノースロップ・グラマンは明かす。ただし、同機の飛行テスト完了と初期作戦能 力獲得が2015年までに完了することは困難と見られる。「兵力を太平洋重視で再編成する今こそこの機体の能力が求められたときはありません。」(マー ク・ファーガソン海軍大将、海軍作戦副部長) UASを戦力増強の手段としてとらえて、ファーガソンは「BAMSで米海軍は非対称的な利点を利用できま す。長距離長時間監視活動が海上戦の様相を一変させます」
  7. MQ- 4はブロック10のBAMS-Dより大型で重量も増えており、長時間の海上情報収集、監視、偵察(ISR)任務に特化した設計となっている。ミッション飛 行半径は2,000海里で24時間一週間のうち80%を現場で滞空できる。トライトンはグローバルホークと外観上区す別できるのは機体下部に360度多機 能アクティブセンサー・アクティブ電子スキャンアレイ(MFAS AESA)のXバンドレーダーを格納するため球状になっていること、チタン合金のエンジ ン空気取り入れ口に凍結防止・除氷装置がついていることがある。主翼端部も形状を変えており、雹やバードストライクへの耐久性を上げている。
  8. 主 翼内部は洋上飛行でよく発生する突風に耐えるよう構造強化されており、機体前部も強化され、MFAS他のセンサー類搭載に対応している。機種のあごのフェ アリングは固定式でレイセオン製の目標自動追尾式電子光学・赤外線タレットシステムを装着。多スペクトラムシステムにはフルモーションのヴィデオがあり、 高解像度光学装置により艦船を上空から識別できるズーム機能がある。
  9. MFAS のねらいは海上での目標補足、追跡と識別で海洋捜索、逆合成開口inverse synthetic aperture (ISAR)および合成開口の各モードがある。MFASは現在ノースロップ・グラマンがガルフストリームII試験機によりテスト中であるが、技術が成熟す るのは今年の10月の予定だという。
  10. MQ-4Cにしかない装備として自動識別システムAutomatic Identification System (AIS)もあり、VHF通信により全世界の船舶運航状況を見ることができる。その
  11. 構成はAN/ZLQ-1電子支援装置および機首に取り付けたワイドバンドの衛星通信アンテナである。
  12. 同 機のテスト飛行はエドワーズ空軍基地で9回予定されており、その後実証機(SDD1)はパタクセントリバーに回航され、開発工程を完成させる。その後二号 機SDD2が一ヶ月遅れで続き、SDD1でセンサー類全部のテストをする。海軍の予定は合計68機のMQ-4Cを調達し、常時利用可能な部隊を22機体制 で維持することだ。 
  13. 正式な決定ではないが、MQ-4Cは世界各地に配備される見込みで、ハワイ、ディエゴガルシア島、日本、イタリア、ジャクソンビル海軍航空基地(フロリダ州)、ポイントマグー海軍航空基地(カリフォーニア州)となるだろう。

コ メント; 日本に必要なのはグローバルホークよりもトライトンということになるかもしれませんね。日本というのは厚木基地でしょうか。オスプレイで予想外 のアレルギー反応が出ているところ、本機がやってきたら(2016年ごろ?)テスト機としての事故実績を引っ張りだしてまた大騒ぎになるのでしょうか。い い加減にしてもらいたいものです。

2012年7月6日金曜日

F-35 オランダが導入を諦める可能性

Dutch Plans To Buy F-35 Fighter Jets In Doubt

aviationweek.com July 05, 2012

F-35をめぐりオランダの政局が揺れている。国家支出削減の折、同機開発費用の膨張に対応する余裕がない、というのが議会多数派の主張だ。
  1. 連立与党のうち、労働党は次回国会選挙の9月12日までに議会提案を提出し、同機の国際共同体性からオランダの脱退を求める構えだ。
  2. オランダは正式に2機を発注済だが、開発プロジェクトから脱退するかどうかはどう選挙の行方しだいであり、選挙後の新政府が決定する。
  3. オランダの旧政権は予算支出削減の不評から4月に総辞職していたが、EU基準に合致するためには同国は数十億ユーロの予算削減が必要であるのが現状だ。F-35向けには45億ユーロほどがすでに確保されている。
  4. 国会内では同機開発費用の上昇に歯止めがかからないことが批判の対象であり、国内雇用への寄与度が見えないことと将来の費用についても保証がないことが議論の中心だ。
  5. 「確実に毎年コストが上昇しているがほかはすべて不確実であり、内閣には本計画からの脱退を求めたい」と労働党議員Angelien Eijsink と発言。
  6. 同機に大しては日本および米空軍からもこれ以上のコスト上昇となれば発注数を減らすとの警告が出ているところだ。.
  7. 労働党、社会党、自由党、グリーン左派、動物愛護党がオランダ下院(定足数150)で過半数(78)を占めており、おしなべてF-35開発からの脱退を求めている。オランダはF-16後継機としてF-35を想定している。
  8. 仮にオランダがF-35導入を続けるとしても、当初想定した85機より少ない機数の購入となる可能性がある。

コメント ロッ キード・マーティンも私企業であり、コストをコントロールできなくなり、逆に受注数が減ればますます単価が高くなり、利益を上げられなくなるのであれば一 方的にF-35を全部自らキャンセルする可能性がないでしょうか。そうなれば喜ぶのはどの国か、もうお分かりですね。