2012年1月31日火曜日

中国のステルス機J-20を分析すると.....

Chinese J-20 Stealth Fighter Advances

aviaionweek.com Jan 30, 2012

各種情報を合わせると成都J-20の登場は西側情報機関では予測されていなかったようだ。中国がステルス機を開発中との情報はあったもののJ-20の登場は予想より前で、機体は実験機あるいは実証機の域を超えた熟成度を示している。
  1. J-20の登場は2009年11月の中国テレビ報道で人民解放軍空軍副司令官He Weirong将軍とのインタビューで予測されていた。同将軍は「第四世代戦闘機」が2010年から11年に初飛行し、2017年から19年に実戦配備されると語っていた。
  2. 2011年1月11日のJ-20初飛行の時点で試作型の機体は少なくとも二機完成していたようだ。二機は排気口の形状で区別できる。一機はロシア製AL-31Fエンジン、もう一機は成都J-10と同じ国産WS-10エンジンを搭載しているようだ。
  3. J-20は大型機で、全長は66フィートでロッキード・マーティンF-22(68フィート)と大差はないが、兵器庫は機体下部にあるほか、小型の兵器庫が機体側面にあり、空対空ミサイルを格納すると見られる。
  4. J-20にもJ-10のようにカナード翼がついているが、J-20のカナードは主翼のすぐ前方で主翼と同じ高さに装着されている。
  5. ス テルス設計は大部分がロッキード・マーティンのF-22とF-35の例にしたがっているようだ。機体前部のチャインラインが高く、空気取り入れ口まで続い ており、機体上部のラインが平坦な下部につながっている。キャノピーはF-22の形状そっくりだ。J-20ではDSI(空気の流れをうかいさせない超音速 空気取り入れ口)を採用しており、J-10B、JF-17、サーブ・グリペンJAS39E/Fに続くものだ。
  6. 機 体後部のステルス性はさしてないようで、スホイT-50と共通。これは意図的にF-22の重量級2Dノズルの採用をしないためだろう。T-50,J-20 共通して高速、高高度飛行の機動性が高い機体は後部からの攻撃に遭遇する可能性は少ないとしているようで、F-22の元となった高性能戦術戦闘機構想 (1986年)以前の考え方である。
  7. 中 国国内の報道によると設計思想は高速、操縦性を中国国内で利用可能なエンジンで実現することであり、西側エンジンより推力重量比が劣ることを前提にしてい る。その結果でデルタ翼と機体を長くし超音速時の抗力を低くし、カナード翼で機動性を確保している。全動式垂直尾翼は通常よりも4割小さい、したがって軽 量といわれる。現在のエンジンでは超音速巡航はできないだろうが、機体設計はそれを狙っているようなので、中国国内のエンジン技術水準の向上を待つのだろ う。
  8. 2012 年の中国事情の観測筋は同期の飛行テストの進展を見守り、ステルス性の根拠となる設計上の特徴を見つけようとするだろう。ステルス機には多元的なアクティ ブ・パッシブ両方のセンサーが必要で、機能を統合し電波の発信量を最小にすることがもとめられる。同様にネットワーク環境での運行効率を最大限にするため にもステルス機には発見しにくい音声・データ両面の通信装置が必要だ。これらの分野では米国が25年かけて依然として解決をもとめているところだ。
  9. た だ根本的な疑問は残る。そもそもJ-20は何のために作られたのか。空中戦用途には機体が大きいが、中国の地理的な条件からF-22が想定するような敵機 との交戦は想定していないのかもしれない。同時にJ-20の武装格納庫はスタンドオフ型の空対地兵器には小さすぎる。一つ考えられるのは情報収集監視偵察 機材や空中給油機にステルス性と高速飛行で脅威を与える目的で作られたのかも知れない。

2012年1月29日日曜日

NGJで同時に期待される電子攻撃能力

   

New EW Capabilities To Emerge With NGJ

aviationweek.com Jan 27, 2012    

次世代ジャマー(NGJ)の技術内容はこれまで秘密にされてきたが、航空産業各社からヒントがあらわれつつある。
  1. アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)はNGJ契約受注を狙う各企業チームがそれぞれ提案内容に入れているが、これによりNGJがセンサーと同時に電子攻撃機能も持つことを意味する。ただそれを実戦レベルにするための開発努力はまだ十分でなく、予算手当も必要だ。ロッキード・マーティンのF-22ラプターとF-35共用打撃戦闘機にそれぞれ電子情報収集能力と電子攻撃能力を装備する構想には予算が振り向けられていない。
  2. 「あの構想は予算節約の方法として考えたものです。ただ、実現していないのは正しい判断ではありません。官僚的な組織内決定により動きがとれなくなりつつあります。」(デイブ・デプチュラ空軍中将(退役)、情報収集・監視・偵察部門の前トップ)
  3. そこでこの任務はNGJとそれを搭載する機体が担うことが期待されている。電子戦を実施するためには電磁スペクトラムの広い範囲の利用が必要だ。
  4. 「AESA の基本アレイを4つの象限に分割し、各象限を各機能に振り分けるか、別の目標に使用する構想を検討しています。あるいはアレイ全体を超高出力の発射に使う ことも出来ます。NGJではタイル状のアレイがあり、全部使うと小型装置のおよそ三倍の出力を発生することが可能です。アレイを部分的に違う機能に振り向 けると出力は減ります。当社はアレイごとに周波数を割り当て、操作可能で指向性を持たせることを考えています。」(マーク・クーラ、レイセオン戦術航空システム担当副社長)
  5. その他先端技術としてアレイ同士のチャンネル干渉を最小にする課題があり、その解決方法として低調波harmonicsを使う受信機・励磁機の開発が提案されている。その他航空機の表面をアンテナとして使用する技術がすでに研究されている。
  6. レイセオンはAESAパネルアレイとしてこれまでのタイルアレイの半分あるいは三分の一の厚みしかないものを開発中だ。これまで垂直に積み重ねていたものを水平に広げる構造で取り付けの柔軟度が高まる。
  7. 海軍関係者は今後登場する空母運用型の無人監視攻撃機(Uclass) にはポッド搭載は、ステルス性の維持上望ましくなく、機体構造に取り入れる意味でパネル状のアレイが必要だと明らかにしている。
  8. 窒 化ガリウムを使った発信機を使い広範囲周波数能力の実現とともに高出力化が鍵となる。ただし、この発信機は発熱するためタイルをアルミ製芯部に組み込ん で、この芯部に冷却材を注入し、冷界技術cold-wall technologyを利用して長期間の使用を可能とするのだ。
  9. ステルス機はアンテナやアレイを機体表面に組み込み、発信機は機体内部に取り付けることが多い。だが、NGJには従来より大きな主電源が必要となる。
  10. 「レ イセオンのNGJでは内部にラムエアタービン式の発電機を取り付けて、必要量以上の発電能力があります。社内試験ではこの発電機をNGJポッド内に入れて 最高出力実験をしており、各高度・速度で熱管理の効果を検証しています。」(ニック・ユーロス レイセオンNGJ担当副社長)
  11. 実 戦の想定ではNGJの電子攻撃能力は使い捨ての空中発射電子戦兵器により補完されると海軍関係者は想定する。小型おとり装置のジャマー(Mald-J)は 小型巡航ミサイルの形状で高出力マイクロウェーブ装置を搭載し、短距離なら敵のセンサーを破壊、妨害、あるいは欺瞞する能力がある。Maldは使い捨てで 目標近くで利用できるのが利点であり、敵の電子装置を攻撃するだけの出力をもたせる必要がない。
  12. さらにMaldを作動させるのは短時間のため発熱問題はさして考慮しなくてよい。また小型であるため敵の防空網でも生存性は高い。そこで、MaldをNGJと併用することは敵の統合防空システムへの対抗策を個別的に提供できることにつながる。

2012年1月28日土曜日

2013年度国防予算案で削減・強化される内容が明らかになりました。

                                                            

Budget Plan Includes Cuts To UAS, Sats, Tacair

By Amy Butler abutler@aviationweek.com
WASHINGTON
aviatonweek.com Jan 27, 2012    
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ペンタゴンの2013年度予算案を見るとノースロップ・グラマンは大幅に契約額を減らしそうで、大幅な削減が米空軍の無人機システム(UAS)と衛星を対象にされる影響を受ける。
レ オン・パネッタ国防長官はRQ-4グローバルホークのブリック30Mの調達を凍結する意向だ。30Mは画像情報及び信号情報両面の装備を搭載しU-2の多 面的情報収集機能を引き継ぐ予定だった。ノースロップ・グラマンも今回の方針に不満を表明しており、ブロック30の開発中止の代替策に取り組む。同社に とってもう一つ残念な内容が国防天候衛星群(DWSS)の配備中止で、国防総省は「次期尚早」とする。ただこの方針には議論の余地があり、国防総省は早け れば2018年にも新型の気象衛星稼働の必要があるという。現在打ち上げ予定の国防気象衛星(DMSP) 二基があるが、技術的には最新とはとても言えず耐用年数にでも懸念がある。DWSSは総額427百万ドルでノースロップ・グラマンが契約を獲得し、国家極 軌道環境監視衛星計画が2010年に中止になったあとにその成果をもとに開発されたものだ。       
  1. 以 上ふたつは今後10年間で4,870億ドルの予算削減を求められるペンタゴンの中でも大規模な削減対象だ。2013年度予算案は5,250億ドル総額要求 に加え別途884億ドルを戦闘支出勘定に加える見込み。基本予算の支出規模はゆっくりと増えていき2017年度に5,670億ドル規模になるだろ う。               
  2. 予 算案ではアジア太平洋地域を最大関心地区にとらえ、欧州内の米軍配備は縮小する。呼応して海軍は海上前進基地として、特殊部隊および情報収集装備(UAS など)短距離陸垂直着陸戦闘機、回転翼機を搭載する洋上施設を調達する。また、新型爆撃機開発も2年目予算を計上する。空軍は現有のB-2(20機)、 B-1(64機)、B-52(94機)を維持する。海軍では高性能巡航ミサイルを搭載し潜水艦の攻撃能力を増強する。また通常弾頭の攻撃ミサイルの潜水艦 搭載も進める。後者はジョージ・W・ブッシュ政権が提唱したが議会が抵抗を示していたもの。
  3. 欧 州内配備を縮小するとはいえ、米欧間協力体制は維持する。NATOの合同地上監視プログラム(AGS)はグローバルホーク無人機を基盤にするもので、ノー スロップが今年5月に契約受注する見込み。空軍のブロック40のグローバルホークも地上監視能力をもち、開発は前進する。空軍は同型11機を調達する予定 だ。
  4. 欧 州段階的対応アプローチ(EPAA)による弾道ミサイル防衛の欧州及び米国東部での強化策への予算は継続する予定。計画の内容は未公表だが、ペイトリオッ トPAC-3とThaad(最終段階高高度防空システム)の海外販売を促進する効果が生まれるだろう。アラブ首長国連邦がThaadの導入を発表したばか りだ。
  5. 海 軍はグローバルホークを原型とする広域海上監視システム(BAMS)調達を継続するが、空軍がブロック30中止を決めたことで、機体単価が上昇しナン・マ カーディ条項に違反することになるかもしれない。また、EPAAの一貫として海軍はイージス艦2隻をスペインのロタに配備する。   
  6. 一方、陸軍と海兵隊は削減するので、空輸能力も呼応して縮小する。空軍はアレニアC- 27J調達を取りやめ、地上軍の輸送にはC-130を使用する。C-130のうち旧式65機を退役させ、運用機数は318機になる。またロッキード・マー ティンのC-5Aのうち27機も退役させる。その結果、空軍の戦略空輸部隊はC-5M(52機)、C-5A(24機)、ボーイングC- 17(222機)になる。C-27J中止の理由として小型機の使用需要が想定しにくいこととしている。「アフガニスタンでもC-130運用で支障はなかっ たし、今後も発生するとは思えない」とペンタゴンは白書で声明。これに対し同機を要望していた陸軍から最後の巻き返しがあるかもしれない。
  7. 陸軍の新型戦域偵察ヘリコプター調達は最長で5年間先送りされる。コマンチヘリの開発中止で陸軍からは同機の性能と同等水準を求める声が大きくなっていたが、ベルによる開発がコスト超過で2008年に取りやめになっていた。
  8. 予想通りF-35各型式の開発支援は継続となる。ただし、生産ピッチは減速され、本格導入までに不具合点を解消させるべくテストを徹底し、改良を進める、という説明だ。
  9. ただし、空軍の現有60ある戦術航空機部隊は6飛行隊が削減され、練習飛行隊も削減される。各飛行隊は通常18機から24機で構成されるので、168機の戦闘機が最大で退役することになる。
  10. 逆に削減の対象となっていないのがジェネラルアトミックスの リーパーとグレイイーグルの生産で、情報収集に焦点が当てられていることの結果だ。同時により高性能の情報収集用機の必要が叫ばれており、ノースロップの ファイヤースカウト無人回転翼機は削減対象から外されている。同機は実戦配備を最近開始しており、性能を評価される一方で、リビアでは地上砲火で機体を損 失している事例が一件発生している。
  11. また白書では空中発射兵器は中核的な必要装備と位置づけられている。小口径爆弾(250ポンド)の改良阪SDBIIはレイセオン製 品で全天候で移動目標を攻撃できる。また、空対空ミサイルの改良も必要とし、AIM-120(レイセオンのAIM-9シリーズ)の改良のことをさしている のか不明。空軍が求める次世代ミサイルはAmrramの空対空ミサイル能力にHarm高速対放射線ミサイルの防空攻撃ミッション能力をあわせて小型として F-22やF-35に搭載する構想だ。       
  12. 国防総省による説明では宇宙関連では簡単に言及されているだけだ。GPSIII、宇宙配備赤外線探知システム(Sbirs)、高性能極高周波(AEHF)の各衛星は継続されるが、海軍のUHF衛星(移動ユーザー向け通信システム)の打ち上げ計画については言及がなかった。
  13. パ ネッタ国防長官は議会に対し、今後提出する予算案の承認を求めて兵力削減しながら即応体制は維持する微妙なバランスを求めることから今回の案が生まれてい ることに注意を喚起。基地整理統廃合(BRAC)の新たな動きを求め、同長官は不要施設の閉鎖で節約が可能という。「提案する内容は全米50州すべてが対 象となります。予算削減が言葉だけなのか成果となるかを試す機会にもなります」

2012年1月25日水曜日

ターミナル1共通記事 2012年のトピックス12題

   

12 Topics To Watch in 2012

aviationweek.com Jan 23, 2012    
昨年は米空軍の空中給油機選定、エアバス、ボーイングがそれぞれ売れ筋のA320と737のテコ入れ、NASAのスペースシャトルが最後のミッションを完了などがあった。では今年2012年の航空空宇宙産業、国防関係で予想される出来事はどうか。

サプライチェーンの強化 Supply Chain Ramp-Up
エ アバス、ボーイングの合計で2011年中の新規受注の純増は2,150機に上った。エアバスの場合では一機生産するたびに三機の受注があった計算になる。 では2012年の課題とは言えば販売が成立した案件を確実に生産することだろう。これまでのところサプライチェーンは大手二社の生産増に対応した納入をし てきたが、二次メーカーが投資を切り詰めて、生産能力は景気のどん底だった2008年-09年水準に抑えているので今年は試練の年になるだろう。

中国とロシアの宇宙開発の行方 Chinese and Russian Space Programs
中 国は昨年11月のドッキング成功で宇宙開発の大きな躍進を示した。今年は神舟9号、10号と二回のドッキングを予定しており、宇宙ステーションを2020 年に完成させる目標で突き進む。一方、ロシアの宇宙開発は大きな痛手のあと停滞しそうで、NASAが国際宇宙ステーションへの運搬手段をロシアに依存して いることへの懸念を起こそう。

サイバー防衛 Cyberdefense
米 国政府ならびに民間企業が中国からのサイバースパイ活動の激化に悩むなか、サイバー防衛が国家の安全保障の中で重要な意味を持つに至っている。だが、米国 にはサイバー防衛作戦の具体的な案は未整備のままで、政府各省庁と軍に分散したままで協調は絵に書いた餅になっているのが現実。今年はこれが議論の話題と なるが、有効な解決策は見つかりそうにない。

航空宇宙産業の再編  Aerospace Consolidation
ユ ナイテッド・テクノロジーズが184億ドルでグッドリッチを買収する案を発表しておりこれが5月までに承認の結論が出る。では、ハネウェル、ジェネラル・ エレクトリック他大手企業はユナイテッド・テクノロジーズの『超大手』のステータスにどう対抗するか。一方サプライチェーンでは単なる部品メーカーから統 合システム供給メーカーへと脱皮を図る会社が統合の動きを強めるだろう。

無人機を民間航空に投入 UAVS In Civil Air Space
小型無人機を民間航空路で飛行させるFAAの新規則に対するパブリックコメントの内容が注目される。これが実現すると軍用以外に無人機の市場が拡大する。規制当局はすでに無人機の運航に神経をとがらせている。
           
ボンバルディアのCシリーズ CSeries
ボ ンバルディアCシリーズの初飛行は今年末までに実現の見込み。史上最も野心的な内容の同機の開発を問題なく同社は進められるか。現在の133機という受注 数をどこまで増やせるか。しかもエアバスA320やボーイング737に効率で優位のあるエンジンが搭載されるに至っている。また同機の胴体部分を中国で生 産することで中国のエアライン各社からの注文が増えるかどうか。

米国の国防予算 U.S. Defense Budget
議 会が赤字削減策としての6,000億ドル自動削減策を承認できないまま、すでに承認済みの4,500億ドルはそのまま実施される。タカ派は削減策の一部見 直しを主張するだろうが、予算をめぐるコンセンサスが不在の中では勝ち目は低い。選挙の年に特有のレトリックには要注意。また計画の維持をめざす激烈な抵 抗も予想される。一方でペンタゴンがアジア太平洋を重視する姿勢に切り替えたことが空軍と海軍には朗報となる。陸軍の削減枠を利用することになろう。

AF447便の教訓 Lessons from AF447
エー ルフランス447便墜落事故の調査結果でパイロットの誤操作で機体が失速し、大西洋に突っ込んだことが結論とされた。フライバイワイヤの自動パイロットは ピトー菅の着氷で飛行スピードのデータが読めなくなったあとで切られていた。乗客乗員228名全員の生命を奪ったことでコックピット内操作の訓練を強化す べきか、特に失速状態からの復帰を可能とするなど異常状態への対応策が議論されている。

宇宙の商業利用 Commercialzing Space
民 間会社数社がNASAのスペースシャトル引退でできた空隙を埋めようとしている。今年末までにはその結果がわかるだろう。スペースXSpaceXは 2010年に宇宙機の軌道よりの回収に民間出始めて成功しており、早ければ2月にも同社のファルコン9/ドラゴンで国際宇宙ステーションへの飛行を試みる だろう。オービタルサイセンシズアンタレスOrbital Sciences Antaresとヴァージンアトランティック Virgin Galacticの準軌道飛行用スペースシップトゥーは今年処女飛行に成功するかもしれない。その他ブルーオリジンBlue OriginとストラトロンチシステムズStratolaunch Systemsが資産家の援助を得て注目をあびるかもしれない。

次世代航空管制実現の行方 NextGen Modernization
FAA による次世代管制NextGenによる航空管制の近代化手段にオバマ政権が満額の予算をつけて、議会及び業界に強力な推進者が見られる。ただ2012年に 議会が赤字削減策で合意形成に失敗すると総額6,000億ドルの国内政策の自動削減の対象となってしまう。しかもこれが今後10年間続く。そうなると NextGenの実現は困難になろう。

共用打撃戦闘機 Joint Strike Fighter
こ のリストにペンタゴン最大規模の調達計画を加えないのでは片手落ちだろう。JSFが2012年中に計画中止になる可能性は少ないとはいえ、個別具体 的な開発内容の中には注目すべきものがある。ロッキード・マーティンが公約通りの価格を実現できるか。飛行テストチームはテストの進捗を改善できるか。今 年末の時点で三型式の機体構成のままでいられるか。目を離せない。

排ガス税 Emissions Tax
EU がエアライン各社を1月1日付で排出権取引市場に加え、各社が排出権を買取り、CO2排出量に応じた支払いをするという新しい時代が幕を開けた。だが、米 国、インド、中国その他からの反対の声で議論は白熱しよう。米議会は米系エアライン各社にEU規則に従うことを禁じ、中国・インドの当局も自国のエアライ ンがEU規制に従うことを防止する手順を進めている。

2012年1月23日月曜日

次世代ジャマーの選定を急ぐ米海軍

                             

Navy Will Select NGJ Contractor In 2013

aviationweek.com Jan 18, 2012

これまで厚遇されてきた電子戦分野にも予算削減の圧力が続くと見て、米海軍は大切な次世代電子妨害手段Next Generation Jammer (NGJ)の取得手続きを簡素化しようとしている。契約先を一社に早期に絞り込むと数億ドルの節減効果が期待できるとして、通常の二社競合ではなく、最初から一社に技術開発業務を2013年に開始させる。2015年には生産準備を開始する。NGJ技術はこの4月に成熟段階を完了する。
  1. ジョ ン・グリーン海軍大佐(空中電子攻撃AEAおよびEA-6Bプラウラー計画主任)は「NGJで承認された手続きでより経済的に、かつ早期に技術統合が可能 となります。これによりNGJの開発の予算裏付けができてEA-18Gグラウラーへの搭載が可能になります。」と語る。
  2. 合 理化はいいとしても契約企業の中には心配な要素もある。NGJがF-35共用打撃戦闘機には搭載されるとは見ておらず、その理由としてJSFそのものが遅 延していることをあげている。「F-35を電子攻撃用の機体にする構想があるが、実際にはその検討はされていません」(関係者) つまりNGJは別の機体 に搭載される可能性があるということで、最も可能性があるのが無人機で、メーカー側には朗報となる.
  3. 近 接距離でのジャミングと遠距離からのジャミングでは必要な出力が異なり、海軍の求める運用構想ではグラウラーをF/A-18E/Fに同行させ、目標に近づ かせる想定。ただその場合は電子攻撃支援がないと実際の運用は不可能だ。そうなると無人機にNGJを搭載することで乗員の損失を回避できるだろう。
  4. F- 22にはパッシブな電子戦能力が搭載されており、JSFも当初はパッシブ能力を搭載する予定であったが、最新のサウジアラビア向けF-15にはデジタル方 式のEWシステムが搭載されている。この装備生産はすべてBAEシステムズが獲得している。NGJを巡り競争するのは同社以外に、ITT/ボーイング、 ノースロップ・グラマン、レイセオンの4陣営で、1月24日の週に海軍は各社の方針案を聴取し、早期に一社に絞り込むこと、選に漏れた他社が生産協力先に なることを期待している。
  5. 「上層部は各社のチーム編成を期待しています。チームにすればリスクが減りますからね。一社に早く絞りこめば自然にそうなるはずです。国防総省がそう考えていることを業界にも早く理解していただきたいものです」(グリーン大佐)
  6. 昨年に実施された電子攻撃事例の教訓でNGJ取得が急がれる結果にもなっている。リビヤ、アフガニスタン、イラクの事例だ。海軍のAEA能力は老朽化進む生産終了ずいみのALQ-99ジャマーポッドが全て、というのが現状。
  7. 「リ ビアのオデッセー・ドーン作戦を開始した時点でアフガニスタンとイラクですでに展開中だったので、三方面で同時に支援することになりました。機材を分散す るのは大変な課題でしたが、ALQ-99ジャマーポッドの数が足りず、一部の重要なミッションで利用できない事態が発生しています。今回の教訓でNGJが 必要な理由が裏付けされました。」(グリーン大佐)
  8. NGJ の設計仕様は広範な周波数帯で敵目標に対する電子攻撃能力を実現するものだ。同時に柔軟な電子対応を実現する。あわせて各軍での共用性を実現する。海兵隊 にはイントレピッド・タイガーII通信妨害装置があり、空軍には小型空中発射おとりジャマーがあるが、NGJで敵のレーダーや電子装置を無効にする、性能 低下させる、あるいは欺瞞させる手段が向上することが期待される。
  9. その他にも放射出力の向上により、ジャミング効果が増強され、スタンドオフ距離を拡大して敵の防空レーダー、通信、データリンクに対する攻撃効果が生まれることも期待されている。

2012年1月22日日曜日

F-35Bの開発継続宣言

                             

Panetta Lifts F-35B Probation

aviationweek,com Jan 20, 2012        

レオン・パネッタ国防長官がF-35Bの保護観察処分を解いた。この処分は短距離離陸垂直着陸(Stovl)型の同機の性能が芳しくないためゲイツ前国防長官が命じていたもの。
  1. パネッタ長官は1月20日に関係者を前に「Stovl型は他の機種と同じ成熟度に達した。そこで本日Stovl型の保護観察処分を解除する」と訓示した。
  2. ゲイツ前長官は昨年にF-35B開発の進捗が二年以内に好転しなければ、開発中止を提言すべきと発言していた。ゲイツは退任し、その後はパネッタに任せる格好となった。
  3. ゲイツ発言の直後にJSFの開発・生産を再構築すべく巨額の投入がなされた。同時にF-35Aと-Cもその対象となっている。その際にF-35BのテストはA型C型と切り離された。
  4. 国防総省スポークスマンは長官の決定は5点の改善結果に裏付けられているという。機体構造強度、副取り入れ口の振動、リフトファンのつめ、ドライブシャフトの摩耗疲労、ロールポスト作動部の発熱、である。
  5. 一方、Stovl機の有用性はAV8Bハリヤーによりリピア、アフガニスタンであらためて注目されており、長官も認めているところらしい。
  6. 国 防総省筋はF-35生産機数の削減が2月6日に議会に送付する2013年度予算案に盛り込まれると見ている。その結果、生産期間を延長する代わりに機体単 価は上昇する結果がすくなくとも発注機数が伸びるまでは発生するだろう。ロッキード・マーティンは受注機数の増加にともなう費用節減効果を享受するために は日産1機まで持っていくことが必要だろうと見ていた。
  7. F- 35Bを運用する予定の米海兵隊は1号機受領後、作戦能力獲得を宣言できるのは早くて2016年の予定で、すべてはエグリン空軍基地でのテストおよび訓練 の進捗次第だ。にも関わらず海兵隊司令官ジェイムズ・エイモス大将Gen. James AmosはF-35Bの今後に楽観的だ。今年のテスト課題は飛行中の兵装投下だとマット・ケリー中佐Lt. Col. Matt Kelly(パタクセント試験場F-35飛行運航主任)は語る。すでに音速、亜音速飛行状態で同機は兵装を搭載した飛行を実施している。飛行中の兵装庫扉 開閉では大きな問題は発生していないという。次の大きな課題は武器投下で、今年の下半期の予定だ。その際に500ポンドの共用直接攻撃弾(JDAM)か AIM-120、AIM-9Xミサイルが選択される可能性が高い。
  8. ケリー中佐によるとF-35Cの着艦フック改良型のテストも下半期に開始する。当初のフックは重量の大きさから着艦テストで拘束ワイヤーの上で跳ねてしまったという。新設計のフックを装着するのはCF-3以降となる。
  9. F-35Bの艦上運用テストは昨秋に実施しているが、2013年までは海上運用の予定はないというC型は2015年から海上試験を開始するケリー中佐は説明した。
  10. BF-4はブロック1Aソフトウェアにより運用中で、BF-5には1Bを搭載する。さらにブロック2ソフトウェアが今年末にパタクセントリバーに納入されるという。
  11. 1Bソフトウェアには音声認識技術が導入されており、無線チャンネルの切り替えや飛行管制との連絡でパイロットは手を離したままの操作が可能だという。更にこの技術により多機能ディスプレーの切り替えや飛行モードの変更も可能となると期待される。
  12. 一方、F-35Aテスト部隊が常駐するエドワーズ空軍基地では同機の夜間飛行が初めて実施されている。エグリン基地のフライトはまだ開始されておらず、機体は地上で保守点検訓練用に使われている。

2012年1月16日月曜日

サイバー攻撃で大量の国防関連情報が流出

New Threat Environment For Cyberattacks
aviationweek.com Jan 11, 2012                                                                        

政 府主導のサイバー作戦で物理的な損害がすでに発生している。その例はイラン国内のウラニウム濃縮工場が2010年にコンピュータ・ウォームStuxnet により攻撃された事例にとどまらない。サイバー諜報活動、サイバーネットワークかく乱工作をCNEと総称し、その多くが中国から発信されているが、外交用 語では高度持続性脅威(APT)として知られ、米国はセキュリティ重視のため計画の進捗や投入資源の変更を余儀なくされているのが現状だ。
  1. .APT攻撃は民間部門、政府のそれぞれのネットワークを対象とするもの。大部分が金融価値の情報を盗み出すことが目的だが、2006年以降は国防関連を標的にしたAPTで情報機関関係者以外には無価値の目標にもサイバー犯罪の手口が使われている。
  2. 昨年3月に合計24,000点の国防関連ファイルが盗み出されているのが発覚している。コンピュータ・セキュリティの専門会社マカフィが逆CNEで、APT 攻撃を加えたサーバーを標的にする作戦を実施しており、その結果が公表された。目標は明らかに政府関連機だけが関心を示すものだけであり、中国以外のアジ ア各国が対象になっていた上記三月の攻撃対象となった国防計画の名称は明らかにされておらず、被害の結果、該当計画を再設計あるいは弱点を改善するための 改修を必要とするのか、その費用がどれだけになるのかは不明だ。
  3. レオン・パネッタ国防長官は「デジタル時代の真珠湾攻撃」の脅威を昨年8月に戦略司令部に対して再度提示している。「サイバーを使って送電網をダウンさせる、金融システムをダウンさせる、政府をダウンさせる。わが国全体が麻痺状態に陥るだろう」
  4. その心配の根本にStuxnetを使った攻撃事例がある。この攻撃で産業の制御システムは攻撃の隙間があることを示している。次にイラン事例でStuxnetがどのように作動したのかを知るものがいることから弱点を抱えシステムにどう手を入れていいかは不明だ。
  5. さらにStuxnetを発見したRalph LangerによるとStuxnetのコピーは簡単にできるという。9月に発見されたDuquマルウェアは構造は類似していると判明したが、目標が違うことから、ネットワーク上の弱点を発見することにあると見られる。
  6. イ スラエルは自国国防産業を防衛する安全なネットワークで保護しておりサイバー防衛で先行しているが、英国も主導的な立場にあり、サイバー安全保障手段は国 家財産の扱いで官民連携の形で政府通信本部の暗号部門が中心となり進めている。英国の金融サービスでハブの地位を守るためにも重要な企業データの円滑な流 れと強固な安全度を両立するのがねらいだ。
  7. これまでのところStuxnetはサイバー攻撃の物理的損害の最大事例となっているものの、損害は多様な形態をとり、CNE/APT攻撃は戦闘中のシステムを対象にした場合の危険性が最悪であることもあり、手遅れにならないうちに探知すべきだ。

2012年1月14日土曜日

F-35でイタリアに不安な動き

F-35 Under Fire In Italy

aviationweek.com Jan 9, 2012                                                         

イタリア政府はさらに国防費を削減しようとしており、F-35共用打撃戦闘機の国際開発への同国参加の行方が見えにくくなりそうだ。
  1. イタリアがF-35導入機数を大幅に削減するのはほぼ確実で、少なくとも当初の131機の三分の一が減らされるだろうし、野党には計画自体の取りやめを主張するものもある。
  2. 同 じように計画を見直しして購入機数を減らした英国であるが、依然最大規模の導入予定を持ち、イタリアはそれに次ぐ存在だ。イタリアの予定支出規模は130 億ユーロ(167億ドル)で通常型F-35Aと短距離離陸垂直着陸型F-35Bの両方を導入する計画であるが、まだ一機も確定発注していない。国防費見直 し議論ではその他の調達計画以上にF-35は規模の大きさから関心度が一番高い。
  3. 昨年末のモンティ新政権は財政危機に真正面から立ち向かっており、国防支出もその見直しから免れない。同政権は選挙の洗礼を受けていないが、議会からは各種改革案へ広い支持が寄せられている。
  4. ま た同政権が外交上の必要性よりも予算編成そのものに焦点をあわせていることもJSFには影響してくるだろう。F-35B海軍仕様22機をキャンセルすれば AV-8Bハリアーを退役させるイタリア海軍の空母には搭載する機体がなくなってしまうことになる。それでは軍事力を投射する能力がなくなってしまうが、 モンティ政権はこの点を意に介していないようだ。またイタリア空軍もF-35B40機の購入計画を取り下げF-35Aだけの編成になりそうだ。
  5. 一 方で、削減するとはいえイタリアのF-35関連支出規模は25億ユーロで、一部はJSF用の最終生産ライン及び点検(final assembly and check out ,FACO)設備としてカメリ空軍基地内建設に支出される。FACO建設は順調に進み2014年までに完成する見込みだ。

2012年1月7日土曜日

日本の航空宇宙産業にとってF-35採択はどんな意味を持つのか

                             

Japan's JSF Buy Balances Economics, Industry

aviationweek.com Jan 4, 2012    

三 菱重工製F-2戦闘機の最終生産の完了後に、生産継続の場合の単価を試算したところ150億円という値段になった。全くの新型機ではない戦闘機の価格とし てはいかなる国にも負担できる額ではない。一方、日本の国家予算の赤字額は国内総生産の9%に相当し、債務総額では年間GDPの230%相当で、ヨーロッ パのどの国よりも大きい。東シナ海の反対側には中国があり、その経済は年率10%成長をこの三十年間にわたり達成している。ただし今後は6ないし7%成長 に鈍化しそうだが、中国の国防支出も経済拡大とほぼ同じペースで拡大している。一方で日本経済はこの二十年間の成長実績は年率0.8%というかぼそいもの だった。今後は「Made in Japan」のスタンプが戦闘機部品に押されることになる。そして生産は拡大し、経済的な規模を確保できるだろうが、戦闘機自体の生産はなくなる。
  1. 日本政府によるロッキード・マーティンF-35統合打撃戦闘機採用の発表が12月20日にあり、その直後に過去35年間堅持してきた武器輸出3原則の緩和も発表され、国際共同開発による武器の開発、生産に道を開いた。
  2. この変更は大きな影響を西側防衛産業にも及ぼす可能性がある。制約から解放された日本の防衛産業は大量生産に走るかもしれない。AH-64Dアパッチの例のように年間1機というペースでの完成機の生産ではなく、米国向けに相当数の部品生産が可能となる。
  3. 武器三原則の変更を発表した藤村官房長官は緩和の理由は「防衛装備を巡る国際環境の変化」だという。どんな変化かは明らかにしていないが、日本の戦略的な環境条件はきわめて明瞭である。
  4. F-35選択で日本は西側装備採用国の普通のクラブメンバーになる。政策変更に同機の選択が触媒の役割をしたのは明らかだ。ただしどの部品が国内生産となり、三菱重工や三菱電機と言った国内メーカーがどこまで関与するのかはまだわからない。
  5. 苦労して国内で一貫生産の体制を築いた防衛関係者、国内産業界が新体制に抵抗を示すのは間違いない。一方で、日本産業界にも独自優位性を示せる 分野に特化する必要を感じていることが輸出規制見直しの際に浮かび上がってきた。民間航空機分野では三大メーカーは主翼、胴体中央部の生産に特化している 例がある。
  6. た だ防衛省は選定評価上でF-35がなぜ優位だったのかについては説明しておらず、単にオペレーションズ・リサーチ結果に基づき判断したとしているだけだ。 開発途中の装備を選択するのであれば、リスク評価も当然しているのだろうが、防衛省はこの点について何も言及していない。
  7. F-35Aの初期作戦能力獲得は米空軍で2018年になる見込みだ。とはいえF-4ファントムが新型の中国戦闘機に対抗できる余地があるとは思えない。現在二個飛行隊のファントムだが、2014年2015年にそれぞれ一個飛行隊が退役となる。
  8. 日 本が調達するF-35は低率初期生産バッチ8号(LRIP8)の一部。イスラエルも同じロットから初号機を調達する予定だ。LRIP8の機体にはブロック 3ソフトウェアが搭載される。日本は平成24年度予算でまず4機を調達する。納入は平成28年度(2016年)を予定。この発注での機体単価を99億円と している。これならF-2追加生産の150億円よりも安価に見える。防衛省が調達する42機全体では20年間の運用で総額1.6兆円を見込み、一方でF- 2(94機)は運用期間45年間で3.4兆円と見積もる。
  9. 一 方でロッキード・マーティンの生産ラインから直接購入すれば、価格は相当下がる。つまり国内生産が加わることで費用が増加するのだが、ロッキード・マー ティンからは最終組み立て及び検査工場を国内に設置する提案がすでに出ている。戦闘機生産の中核技術を温存したい日本にとってはロッキードが提案している 主翼、胴体中央部等の主要部分の国内生産が実現する事が重要な要素だ。米政府からは主翼、尾部の国内生産の可能性が言及されている。各国向けF-35では ロッキード・マーティンが主翼を、ノースロップ・グラマンが胴体中央部、BAEシステムズが胴体後部と尾翼を生産分担している。日本は同機の主要部品 300点のうち4割を国内生産できる見込みとの報道があった。
  10. F- 35事業開発担当副社長スティーブ・オブライアンSteve O’Bryanは日本からの要望の概要の言及を避けたが、関連する生産技術を間接的に紹介している。「日本は第4世代戦闘機のアルミ加工技術ほか旧式な技 術はすでにF-15生産ラインで実施ずみですが、F-35では複合材技術、自動フライス加工など高度な機械加工技術に加えて、高性能エイビオニクス技術も 手に入れるでしょう」
  11. た だ飛行テストが18%しか完了していない現状でさらに問題が出てくる心配もあり、ペンタゴンからはF-35の2016年引渡しは不可能ではないかとの懸念 が出ていることについて、ロッキードの首脳陣からは「引渡し予定日の実現には心配していない」との発言が出た。その一方、空軍と海軍のテスト関係者からは 開発段階での問題発生で懸念が10月に表明されており、その直後に国防総省の調達担当責任者代行フランク・ケンドールFrank Kendallに総括評価が送られており、その内容が報道陣に入手されている。
  12. ロッキード・マーティンはLRIP8でさらに韓国向け販売の余地も残しており、同国が日本にならいF-35を選定し60機調達すればこれが実現する。オブライアンによると同ロットではまだ余裕があるとのことだ。
  13. これでイスラエル、日本、韓国がLRIP8で顧客になるとすると、ペンタゴンからはそれ以前のLRIP生産をさらに遅らせて、開発が完了していない機体の購入でのリスクを減らす動きに出るかもしれない。.
  14. 一 方、選にもれたボーイングには打撃で各国政府に対して既製の機体の購入を継続するべく価格値下げと維持コストの低下をちらつかせている。日本での選定が実 現していれば経済危機続く各国に対してスーパーホーネットが費用対効果で優れているとの証明になっていただろう。ボーイングは日本の選択を「尊重する」と の声明を発表している。
  15. 現 状どおりならボーイングのF/A-18E/F生産は2015年で終了する。米海軍とオーストラリアが今年中に追加発注するかを決定する予定だ。ブラジルで は36機の調達規模を巡り、ダッソー・ラファールとサーブ・グリペンとともにスーパーホーネットが争っている。その他マレーシア、デンマーク、アラブ首長 国連邦ならびに「その他中東諸国」でも選定の対象となる可能性がある。
  16. タイフーンはインドの要求する中型多用途戦闘航空機(126機)の国内生産対象として残っているが、BAEは同機年間生産数を53機から43機に縮小するとの発表をしている。同社の受注残は260機あり、引渡し済み機体数は280機になっている。

イラン国内不時着で明らかになったRQ-170の特徴

                                                 

F-22 Technology On UAV That Crashed In Iran

aviationweek.com Jan 5, 2012
   
ロッキード・マーティンの RQ-170センティネル機体中央部偵察装置格納庫の鮮明な写真を見るとセンサー装置複数を収納していることがわかる。センサーは特殊加工透明パネル内に 取り付けられており、この部分はF-22用に開発されたものである。この写真が機密解除で流出したのは同機が12月4日にイラン国内で墜落したため。
  1. 写 真は9月30日にアフガニスタン国内カンダハールで撮影されていた。主脚を格納したまま着陸すれば格納庫及びセンサー類に大きな損傷が発生することがうか がえる。UAS計画にくわしい米国情報機関の技術者によればセンサー類は「電子光学・赤外線(EO/IR)装置」で非ステルス機・無人機用に開発されたも のに「類似している」という。
  2. 今回の墜落事故の原因は「データリンク消失がその他装置の作動不良と共にあるいはその後に発生したため」と同機関係者が明らかにした。ただし、今回の事故は特に驚きに値しないという。「MQ-1プレデターは50機、リーパーでは9機を同じようにこれまで喪失している」ためだという。
  3. センティネル運用部隊は2005年に編成されており、同機がカンダハール出始めて撮影されたのは2007年。初期の運用はアフガニスタン国内でCIAが関与して行われた他、韓国からも操作されている。
  4. その後2009年に各機は米国内に戻り、フルモーションビデオ(FMV)カメラを搭載してからアフガニスタンに再配備されたと米空軍情報関係者は語る。その時点では米空軍432航空団の第30偵察飛行中隊が運用していた。
  5. 再 装備の前には長距離EO/IRカメラを搭載しており、イラン東部のミサイル実験を監視していたのではないかと専門家は見る。RQ-170の運用高度上限は 50,000フィートでその他の低価格UAVやRC-135コブラボールが30,000フィート以下の運用であることを考えると有利な条件だ。
  6. そ の他の特徴としてB-2向けに開発された前縁部の機体特性が盛り込まれている。ステルス性確保のため前縁部を鋭くしレーダー波を分散させ、中央部で丸みを もたせるのが効果的だ。同機運用の初期にはアフガニスタン国境に沿って飛行し、隣接国の領空には侵入をしないようにしたが、短距離で有効なFMVを搭載し た後はパキスタン領空内を飛行し、オサマ・ビン・ラディンの所在地を監視しており、その後イラン上空を飛行したと国防関係者は証言する。
  7. RQ- 170はCIAと空軍で別箇に運用されてきた。同機はそもそも共用無人戦闘機システム実証事業が2006年に集結した後に予算措置され、米空軍の空中電子 攻撃(AEA)を実証するステルス機として開発されたと見られる。ただし、第30偵察中隊の編成は2005年9月で、別の未公表UAVの存在が推定され る。
  8. 2007 年にCIAが少数機を取得し、既製品のFMVおよび衛星通信装置を装着している。FMVを選択したことからCIAの狙いがイランの核開発・ミサイル開発施設以 外だったことを意味する。固定目標なら長距離斜角写真(Lorop) カメラで十分なはずであり、FMVが真価を発揮するのはビン・ラディン襲撃のように目標周辺の動きをモニターする場合で、CIAはパキスタンの防空レー ダーがリーパーの動きを捉えており、その動きが内通される可能性を懸念していたのではないか。.
  9. ま たFMVは動作重視の新しい情報分析方法で中核装備となる。この手法は国家地理空間情報庁(NGA)が実施している。NGAの情報分析は利用可能な情報すべてから目標の完全な姿を作成するものだ。ビン・ラディン邸襲撃の前に、本人と思われる人物が現地で確認されていないものの標的の所在が推論され ていた。
  10. 今回現れた写真を見るとRQ-170は小型機で主翼巾45フィート、全長17フィートをわずかにこえるほどしかない。主脚はT-6練習機からの流用だ。
  11. 前 部脚は側部に格納され、同機の中央線は装備格納により多く利用できる。写真からは偵察用装備の中心はボール状のセンサーでレーダー反射、赤外線通過性の素 材三層による「温室ガラス」で包まれていることがわかる。その素材は秘匿情報だが決して新しいものではない。F-22用に、同機が赤外線捜索追跡装置を搭 載する構想だったときに開発されたものだ。
  12. 主 翼上の左右のバルジはおそらく衛星通信アンテナだろう。これでRQ-170は脅威度が高い空間では「陰になる」アンテナで安全に通信をすることができる。 機体中央部は短すぎるので長い空気取り入れ通路は使えず、F-117用の格子状の短いものだろう。ただし、空気取り入れ口の氷結問題をどう解決しているか は不明だ。F-117では格納式のワイパーと化学スプレイを装備してパイロットが操作していた。

2012年1月3日火曜日

次期爆撃機に大幅予算割り当て

新年明けましておめでとうございます。さて、ターミナル2では今年も防衛関係の航空宇宙ニースをかいつまんでお伝えしていきます。Aviationweekはまだお休み状態のようなので、新春一号ニュースはAir Force Magazineから取りました。

Future Bomber Program Gets Funding Bump

Daily Report, airforce-magazine.com

Friday December 30, 2011

2012 年度予算に議会が新型爆撃機に大盤振る舞い。空軍提出案の197百万ドルに議会から100百万ドルが追加され、総額297百万ドルとなったことが2012 年度国防予算案で判明した。追加部分は下院法案2055歳出パッケージとして送付したものにオバマ大統領が12月23日署名しており、同法案は成立済み。 ただし同法案にはこの追加理由の記述がない。一方で空軍作成の197百万ドル相当の予算案も議会承認済みであるが大統領の署名はまだ。空軍は80機ないし 100機の新型長距離爆撃機の配備を2020年代半ばから開始する予定。

関連ニュースも同じくDaily Reportより。
                   
Bomber Not Derailed by Sentinel's Loss:                         
RQ- 170センチネルとそのステルス技術がイランの手に渡ったこと、そしておそらくほどなく中国・ロシアも入手する可能性があるが、空軍は次期長距離侵攻性能 を持つ爆撃機(LRS-B)の開発計画に変更ないことが判明した。空軍の説明ではLRS-Bには低リスクの開発済みステルス技術を採用してコストダウンと 開発期間短縮を狙うという。そこで、センチネルの喪失でその計画に変更が生じるかを知りたかったのだが、「歴史的に見ると新型の高性能航空機ウェポンシス テムはB-2やF-22のように1開発開始から配備開始まで5年以上かかっていますよね。米国に対抗する国なら米国の装備に匹敵する内容を開発しようとし ますが、やはり開発から配備までの年数は相当な長さになるはずです」(米空軍ステフィ少佐)
少 佐によると「低視認性機体の運用は相当複雑で、(ステルス性の維持のための)戦術、整備、訓練で米空軍は優位性を維持している」という。次期爆撃機に「実 証済みの技術」を応用すると「開発費用の低減ならびに性能・価格バランスで目標価格が実現できることを上層部に伝えられる」ことになる。12/19 /2011

な るほど、次期爆撃機の略号はLRS-Bですか。ただでさえ国防予算で縮減の動きがある中、さすがこれが戦略思考というものでしょうか。中国を視野に入れたAir Sea Battle構想で重要な鍵を握る機体になりそうですね。これから10年後に配備が始まるといいのですが、それまでに日本の戦略的な重要性が損なわれる事 のないように、日本国民はいよいよ安全保障を真剣に考える時期に入ったようです。本ブログではかねてからISR と UASに焦点を当ててお伝えしてきたつもりですが、有人戦闘機がお好きな方も相当いらっしゃいます。今年は大事なアジェンダを考える切っ掛けを当ブログが 提供できれば幸いです。