U.S. Clears Sale Of Lockheed Missile Defense System To UAE, Qatar
aviationweek.com November 06, 2012
カタールおよびアラブ首長国連邦から総額76億ドルでロッキード・マーティンのミサイル防衛システム購入要望が出ているとペンタゴンが11月5日に発表した。
- 海外向け武器販売を統括する国防安全保障協力局 Defense Security Cooperation Agency (DSCA) から先週金曜日に正式な通達が議会に入り、販売許可を求めてきたもので、イランとの緊張の高まりが背景にある。
- 議会では販売の成立の阻止が30日以内に限り可能で、実際には商談が細かく組み立てられており、議会もすでにこの案件に以前から関与していることから妨害は考えにくい。
- 今回の売却は湾岸諸国とのミサイル防衛で協力関係を深めようとする米国の施策の一環であり、イランへ圧力をかける効果も期待される。
- ロッ キードからは報道陣にサウジアラビアおよび湾岸協力協議会(GCC)加盟国から同社の終末高高度地域防衛Terminal High-Altitude Area Defense (THAAD)兵器システムへの関心が示されていると伝えられたのは今年の8月のこと。ヒラリー・クリントン国務長官が9月にGCC関係者に会っており、 米国関係者よりミサイル防衛で最初の商談結果がまもなく発表になると明かされた。
- GCCは政治経済上の同盟でサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連合、カタール、バーレーン、オーマンが加盟。米国は湾岸諸国と二国間ベースでレーダー有効範囲の拡大やイラン発射ミサイルへの早期防衛体制の実現を目指し共同作業を展開してきた。
- 米国および同盟国にいわせるとイランは核兵器開発能力を民生用の隠れ蓑で追い求めているという。イランはこれを否定するが、これまで数次の国際制裁を核開発を理由に受けている。
- 11月5日にペンタゴンからカタールがTHAAD発射ユニット2組(発射装置12、迎撃体150基、部品、訓練および兵站支援)を総額65億ドルで購入希望が出ていると発表があった。
- UAEからはすでにTHAADシステムの初期発注19.6億ドル相当が出ているが、追加でTHAADミサイル48基、発射装置9等11.35億ドル相当の購入申請があることがDSCA通達でわかる。
- なお、レイセオンRaytheon Coも同システムで重要な契約会社である。
- THAADは米陸軍装備として短・中距離ミサイル、中距離弾道ミサイルを迎撃し、迎撃体を目標に打ち込むことで撃墜するシステムだ。
- ロッ キードのイージスシステム、衛星ほか外部センサーからの情報を受け、ペイトリオット能力向上パッケージ-3(PATRIOT Advanced Capability-3PAC-3)ともタンデムで作動する。THAADには独自のレーダーが組み込まれ、通信および火器管制機器も含まれる。
- 米関係者からは地域単位で防衛の盾を形成し、米国の装備システムと連携させることが最終目標で、NATO欧州地区におけるイラン弾道ミサイルに対抗する防衛体制と似たものを想定していると説明。
- THAADはミサイル防衛網の一部として米国と同盟国を的の弾道ミサイルのすべての飛行段階で防衛する構想で、特にイランと北朝鮮を想定した最適化が施されている。■
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