Iran May Still Be Years Away From Any Nuclear-armed Missile
By Fredrik Dahl/Reuters
aviationweek.com October 02, 2012
イランはすでに低濃縮ウラニウムで必要量を確保し原子爆弾数発の製造は可能だが、純度を上げる必要があり、核ミサイルの製造可能となるまでにはまだ数年かかる見込みだ。
- イスラエルからイランは核兵器開発を2013年までに可能との警告が先週出たが、高純度ウラニウムを確保し兵器級原料から核爆弾を製造する可能性に言及しているのだろう。
- しかしアナリストの中にはイランにはまだ時間が必要で技術的に複雑な工程である高濃縮ウラニウムガスから核弾頭しかもミサイル搭載可能な大きさにまとめることはまだ可能ではないと見る向きもある。
- 「まずダミー弾頭で作業していないとすればまだ相当の工程があります」と在ウィーンの外交筋は見ている。この外交官はイラン核開発に関与する六大国のいずれにも属していない。「おそらく機材は全て準備完了しているでしょう。また代替原料も使用しているでしょう。」
- ただ専門家の中にもイランがどこまで核開発を進めているかわからないため今後の予定を測りかねているのが実情だ。
- 「まだ数年かかると言われています。実際に核開発をすすめ、運搬可能なサイズの弾頭を作るのは先のことでしょう」(ストックホルム国際平和研究所)
- イランは同国が秘密裏に核兵器開発を進めているとの疑義を否定している。だが同国が民生軍事両面での各研究で減速することを拒絶していること、および国連査察への公開性が低いことから西側によるきびしい制裁を招いている。
- ブレジンスキー元安全保障補佐官やアーミテージ元国務副長官含む高レベルの米国安全保障の専門家たちはイランは一ヶ月から4ヶ月で兵器級ウラニウムで核弾頭一発分に必要な量を製造できると見積もっている。
- 「さらに二年あれば、これも控えめな見積であるが、イランはミサイル搭載可能な核弾頭を製造できる」と合同で報告書を先月発表している。
- 国際戦略研究所もイランは最低二年あれば核弾頭ミサイルを完成できると見ている。
- これに対し米国の不拡散政策教育センターはミサイルを使わなくてもトラックに核弾頭を搭載することでもっと早期に使用可能となるとの見通しを発表している。
- 核兵器転用可能なウラニウム精製に必要なのは10週間でその他関連部品の製造には6ヶ月未満でイランは完成できると同センターは見ている。さらに作業は同時並行で進められるという。
- ただし国際戦略研究所の去年の報告書では核兵器として完成させるには核分裂物質生産とは別に時間が必要だとしている。核兵器とするにはウラニウムガスを金属に被膜させ、起爆装置を作り、爆発レンズの多層構造をつける必要があるという。
- 国 連の国際原子力エネルギー機関 (IAEA) が昨年公表した報告書では過去の情報を総合するとイランの核開発が核兵器関連である可能性は高いとしている。その例として高性能爆発実験や中性子炸裂用の 装置開発(連鎖反応誘発用)があるとしている。「2003年末までに計画は組織的に開始されており、その後も継続している」とIAEAは今年8月の報告で 述べている。
- 米政府はイランが核兵器を完成させる段階ではないと見ており、また核兵器取得の意思決定もしていないと8月に関係者が明らかにしている。
- 中東で唯一の核保有国と言われるイスラエルからは軍事行動によりイランの核兵器製造を阻止するとの発言が出ていたが、ネタニヤフ首相は今年いっぱいは攻撃の想定はないと先週になり示唆が出ている。
- 専門家の見方はイランは十分な量のウラニウムを確保済みで、20%までの濃縮が完了して、兵器級材料の確保の道筋ができているというもの。
- イランは2007年からの作業でウラニウム6.8トンで5%まで濃縮を完成させていた。この量だと今後の濃縮作業により弾頭5つを完成できるという。
- 西側諸国とイスラエルに心配の種となるのはすでに一部原料が20%まで濃縮を完了していることで、核爆弾用の材料をめざしてイランが努力していることを示している。
- 最新のIAEA報告ではイランは高純度ウラニウム190キログラムを製造済みで、その半分は研究用原子炉用の燃料に確保済みなので、8月時点の貯蔵量は90㎏となる。従来から250㎏で原子爆弾一発ができるといわれてきたが、これ以下で十分という見方もある。
- 「最初の爆弾はずっと少ない量で完成できると広く知られています。最低3発か5発の弾頭を保有しないと真の核兵器保有国としては認められないのが通常です」(前出在ウィーン外交官)
- ネ タニヤフに状況報告したイスラエル政府関係者は「イランが第一号原爆を完成させたら、内容はともあれ、その時点で同国は核保有国であり、核脅威となる。こ のことを我が国は絶えず意識しているが、イランは実戦に投入できる弾頭を完成させるにはまだ二年ほどは必要だろう」とロイターに漏らしている。■
コメント 情報はどうしても都合の良いこと悪いことを考慮のあまり、操作しがちであり、真実とは異なります。でもイランの核開発についてはどう考えても疑問が消えず、ましてや完成したらどうなるかを考えると結論は必然だと思います。イランとの関係では日本は独特のものがありますが、西側陣営の一員であることのほうが重いと思います。読者の皆さんはどう思いますか。 |
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