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イージス艦の性能改修で日米間の協議が進んでいます

US, Japan Said Discussing Missile-defense Ship Upgrades
aviationweek.com August 16, 2012

米国と日本は日本が運用中の駆逐艦二隻のシステムアップグレードにより弾道ミサイル防衛体制の強化を協議中と国防総省との大手契約企業幹部が15日に明らかにした。
  1. あたご級誘導ミサイル駆逐艦の改修は米海軍艦船と同じ弾道ミサイル防衛能力を整備するものと、ロッキード・マーティンで海軍向け事業を統括するニック・ブッチNick Bucciが表現した。
  2. 北朝鮮の核開発と弾道ミサイル実験に脅威を感じる日本はミサイル防衛のすべての局面で米国の最大のパートナーとして注目される存在だ。
  3. 米国の現在の年間支出は全部で100億ドル程度で、北朝鮮とイランへの懸念を反映した形になっている。
  4. Lロッキード・マーティンが提供しているイージスシステムの構成はレーダー、コンピューター多数、ソフトウェア、ディスプレイ、兵器発射装置および兵器そのもので水上、空中、水中の脅威に対応するものだ。
  5. イージスシステムはルーマニア、ポーランド両国の陸上で2015年めどで配備される予定で、欧州をイランなどの弾道ミサイルの脅威から防衛するとともに、米国艦船も増強される予定だ。
  6. 日本は2003年にこんごう級駆逐艦4隻にレイセオン製スタンダードミサイル-3迎撃ミサイルを搭載し弾道ミサイルを撃破する能力を整備する決定をしている。
  7. 今回の協議の中心は海上自衛隊のあたごとあしがら二隻のイージスシステムの性能向上によりこんごう級を超える性能の実現にあると、ブッチは電話取材に答えた。
  8. 今回の想定対象はイージスシステムのレーダー情報を処理する新しい頭脳となるコンピューターであり、弾道ミサイルとあわせ他の空中攻撃を撃退する能力である。
  9. この近代化であたごとあしがらはSM-3ミサイルの発射能力が装備される。こんごう級の各艦には別個に性能改修が必要だ。
  10. 今回とりあげられているSM-3は正確にはブロックII-Aと呼ばれ、オバマ大統領提唱のNATO欧州向けミサイル防衛ロードマップで言及されている重要な構成部分である。
  11. 同ミサイルではロケット推進部が大型化され、弾頭部分も高性能になっていることから防御範囲が広がっていると見られる。弾頭部分は目標と衝突するように設計されている。同ミサイルの開発は2018年配備開始に向けてレイセオンと三菱重工業が順調に進めている。
  12. 二国間の研究開発の基礎となっているのが米日間の覚書で北朝鮮が突発的に発射したテポドン1号(1998年8月31日)が日本列島を横断して着水したことだ。
  13. ブッチによると韓国も保有するイージス艦三隻の改修の打診を米海軍入れたという。ただし、米国防総省並びに海軍から日本または韓国向けのプログラムについてコメントはまだ出ていない。
  14. なお米海軍の弾道ミサイル防衛能力があるイージス艦は2011年度末の24隻から2018年には36隻に増強される予定だ。■

コメント 日 本の海上自衛隊では相変わらず9000トンクラスのイージス艦でも護衛艦の名称を使っていますが、ここは原文のデストロイヤーを駆逐艦として使わせてもら いました。DDGとしている以上、駆逐艦という名称がぴったりくるのですが、まだしっくりこないものを海上自衛隊は感じているのでしょうか。ひょっとして こんなことがまだタブーになって頭の中を支配しているのでしょうか。

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